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登録有形文化財 北海道林木育種場旧庁舎の歴史

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年5月13日更新

北海道林木育種場旧庁舎の歴史

北海道林木育種場旧庁舎について

北海道林木育種場旧庁舎北海道林木育種場旧庁舎と門柱

 
国の登録有形文化財で、文京台地区の丘の上にある江別のランドマークです。
昭和2年に現在の場所に建てられ、平成8年まで林木育種センター北海道育種場庁舎として使用されていました。
外観は、大正、昭和初期に流行したハーフティンバ ー様式を基調とした洋風庁舎建築で、端正で均質がとれた上質な意匠を持っています。内部は、林業試験場庁舎として建築されたことから、木製ドア、腰壁、木製窓枠などに加え、天井、壁、階段手すりなどに優れた意匠が見られ、豊かな空間を創り出しています。
昭和10年代の戦時体制により、建築資材の質が低下する前の建物であり、当時の社会情勢を感じることができる貴重なものと言われています。

 

 

 

 

 

 

 

林木育種場旧庁舎の歴史

建築時 昭和2年(1927年)11月

昭和2年開村50年絵ハガキ

 
内務省林業試験場北海道支場庁舎として、工事費約13万5千円をかけ8か月間で建築され、北方林業研究の中心的な役割を担いました。
昭和3年(1928年)江別開村五十年記念の絵葉書(右写真)にも、掲載されたほか、昭和9年(1934年)頃には北海道庁内に発足した北海道景勝地協会からも、本庁舎の絵葉書が発行され、観光地としてPRされました。

 

 

 

 

 

昭和初期 昭和11年(1936年)10月

天皇到着昭和天皇行幸

 

北海道陸軍特別大演習時に、昭和天皇が林業試験場を訪れ、庁舎の2階に設置された御座所で、石原供三場長の上奏を受けた後、秩父・三笠宮両殿下とともに、試験林を散策されました。
また、この時期に近代試験場として人員や施設が整備され、研究分野も森林土壌や人工造林、林産製造など充実していきました。

 

 

 

昭和中期~昭和後期 

砂川さん提供圃場温室

 
戦後組織改正により、昭和22年(1947年)に農林省林業試験場札幌支場となりましたが、昭和28年(1953年)に札幌市に移転しました。敷地内に同年設けられた野幌試験地では、トドマツやエゾマツなどの人工林の研究が行われましたが、昭和47年(1972年)に試験地も廃止されました。
本庁舎は、昭和32年(1957年)に創設された北海道林木育種場の庁舎となり、優良品種の開発、樹木遺伝子研究技術を用いた実験事業などは、隣接地に移転した現在も行われています。

 

平成

取得時外観2取得時外観1

 
平成8年(1996年)に北海道育種場の移転により、庁舎としての利用を終えました。
平成13年(2001年)には、歴史的価値が高い建物として、国の登録有形文化財に登録され、平成14年(2002年)に、江別市が長年市民に親しまれた後世に残すべき歴史的建築物として、国から購入しました。(写真は平成13年(2001年)、保存修理工事実施前のもの)

 

令和

北海道林木育種場旧庁舎 東側からの写真北海道林木育種場旧庁舎 西側からの写真

 
国から購入後、市民に休憩所として開放しながら利活用方法を検討してきました。民間のアイデアと力により魅力ある施設として再生するため、利活用事業者を公募することとしました。
令和2年(2020年)の公募では4事業者が応募し、選定委員会の選考を経て株式会社珈房サッポロ珈琲館が保存・活用事業者に決まりました。
令和3年(2021年)に外観や内装の工事を行い、令和4年(2022年)4月に同社の本社事務所が移転、5月に直営のカフェがオープンしました。

建物の概要

項   目 内    容
 
所在地 北海道江別市文京台緑町561番地の2
建築年月 昭和2年11月
構  造 1階:煉瓦組積造 / 2階・小屋裏:木造
面  積 1階:743.64平方メートル / 2階:649.12平方メートル / 小屋裏:139.12平方メートル / 合 計:1,531.88平方メートル

建物の沿革

 
項   目 内    容
明治41年6月1日 札幌郡江別村字志文別に内務省所管林業試験場が創設され、試験林面積3,426haを持ち、森林の育成と経営を中心に試験が進められた。
昭和2年11月 内務省林業試験場北海道支場が江別村字志文別(現西野幌)から現在地に移転
昭和8年1月 内務省北海道林業試験場に名称変更
昭和11年4月 木材利用、林産化学、治水などの分野の試験が追加された。
昭和11年10月7日 陸軍特別大演習にあたって、野幌原始林内大沢に昭和天皇の行在所が置かれ、秩父・三笠宮殿下と共に林業試験場に行幸
太平洋戦争中 木材の供出、食料増産、農地転換のため、試験林面積が1,163haに縮小された。
昭和22年5月 林政統一により、帝室林野局の森林試験場と統合され、農林省林業試験場札幌支場に名称変更
昭和26年7月 札幌に支場がおかれ、農林省林業試験場野幌分室に名称変更
昭和28年10月 札幌支場に野幌の研究施設が移転し、全試験設備が統合されたほか、試験林が580haに縮小された。林業試験場北海道支場野幌試験地が設置され、試験林の維持経営にあたることとなった。
昭和29年9月 台風15号の被害により、試験林面積が291haに減少した。
昭和32年4月 林野庁北海道林木育種場の庁舎となる。
昭和35年3月 北海道林木育種場用地が82ha、試験林面積が209haとなった。
昭和44年10月 野幌国有林の大部分が道立公園及び林野庁の自然休養林に指定
昭和47年3月 試験林が70haに縮小された。
昭和47年5月 林業試験場北海道支場野幌試験地を廃止
平成3年10月 組織再編により、林木育種センター北海道育種場となる。
平成8年3月 林木育種センター北海道育種場の新庁舎完成に伴い、庁舎としての利用を終える。
平成13年8月28日 文化庁・登録有形文化財として登録告示
平成14年1月 国から土地・建物を購入
令和3年9月 株式会社珈房サッポロ珈琲館による使用開始
https://youtu.be/BNAIeehMFwM