北海道林木育種場旧庁舎
この庁舎は、昭和2年に建築され、石材、木材を巧みに組み合わせた構造、外観を持ち、大正、昭和初期に流行した、いわゆるハーフティンバ ーを基調としたもので、端正で均整のとれた上質な外観意匠を持っています。
内部についても、林木育種場庁舎ということから、木製ドア、腰壁板、木 製窓枠などの優れた意匠が見られ、豊かな空間を形成していて、当時の状態の部分が相当数残されています。
また、階段手すり、床仕上げ、繰り型などに技量の高さを伺わせる左官工事もなされています。
大正、昭和初期の庁舎建築物は、現存するものが少ないことからも貴重なものです。
昭和2年の建設当初の庁舎
明治年代から、野幌国有林において、北方林業に係わる研究が広く行われ、 北海道林木育種場旧庁舎は、昭和年代に入ってからの林業研究の要となっていたことから、江別市の歴史的背景を特徴づける重要な建物です。
また、文京台地区に広がる緑の丘陵地のほぼ頂部に位置するこの建物は、国 道12号を札幌方面から江別市内へ向かう車中からも遠望できる江別市の貴重な ランドマークでもあります。
アクセスマップ
令和2年10月1日から、新募集要項で北海道林木育種場旧庁舎を保存・活用していただける方を募集しています。詳細は「北海道林木育種場旧庁舎活用」保存・活用事業者募集をご確認ください。
建物の概要 | |
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所在地 | 江別市文京台緑町561-2 |
建設年月 | 昭和2年11月 |
構造 | 1階:煉瓦組構造 2階・小屋裏:木造 屋根:一文字葺(平成12年12月改修) |
面積 | 1 階 743.64平方メートル 2 階 649.12平方メートル 小屋裏 139.12平方メートル 合 計 1,531.88平方メートル |
建築用途 | 事務所 |
平面図
1階
2階
敷地図
沿 革 | 明治41年 6月1日 | 札幌郡江別村字野幌国有林内に内務省野幌林業試験場を設置。 |
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昭和2年11月 | 庁舎が江別村字志文別(現西野幌)から現在地(現文京台緑町)に移転改築。 | |
昭和8年1月 | 内務省北海道林業試験場に名称変更。 | |
昭和11年 10月7日 | 陸軍特別大演習にあたって、野幌原始林内大沢に昭和天皇の行在所が置かれ、秩父・三笠宮両殿下と共に林業試験場に行幸。林内散策。 | |
昭和22年5月 | 林政統一により、道庁所管の北海道林業試験場と合併し、農林省林業試験場札幌支場に名称変更。 | |
昭和20年代 | 北海道林業講習所としても活用。 | |
昭和26年7月 | 農林省林業試験場野幌分室に名称変更。 | |
昭和32年4月 | 農林省林野庁北海道林木育種場となる。 | |
昭和34年 | 林野庁北海道林木育種場庁舎となる。 | |
昭和44年10月 | 野幌国有林の大部分が道立公園及び林野庁の自然休養林に指定。 | |
昭和47年5月 | 林業試験場北海道支場野幌試験地を廃止。(試験地庁舎は旧気象観測所を利用-昭和5年建設) | |
平成8年3月 | 林木育種センター北海道育種場の新庁舎完成に伴い、庁舎としての利用を終える。 | |
平成13年 8月28日 | 文化庁・登録文化財として登録告示。 | |
平成13年10月 | 供用開始。 |
開館日など | 土曜日、日曜日、国民の祝日 9時30分~16時30分 1階休憩室、談話室、トイレ、更衣室のみ利用可能。 <できない行為> 営業行為、宗教活動、政治活動、飲酒行為、占用 行為(教育委員会の許可を得たものを除く) <注意事項> ごみはお持ち帰りください。 敷地内は全面禁煙となっております。 |
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休館日 | 月曜日~金曜日(国民の祝日除く) 12月29日~1月3日 |
交通 | 夕鉄バス「林木育種場」下車、徒歩約5分。JRバス「若葉西」、夕鉄バス「若葉町西」下車、徒歩約10分。 |
駐車場 | 有り |
林木育種場旧庁舎外観・内部写真
周辺散策コースのご案内
北海道林木育種場旧庁舎とその周辺を巡る散策マップを作成しました。自然観察や健康づくりのため、散歩してみませんか。