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ハッピータイムをあなたと 【広報えべつ2019年(令和元年)9月号特集記事】

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月3日更新

特集 ハッピータイムをあなたと

三鶴さんの写真

「この年になると表彰されることはあまりないから、嬉しかった」とはにかんだ笑顔で話す市内在住の三鶴忠雄さん。誇らしげに見せてくれたのは、通いの場「にっこりさろん」で贈られた皆勤賞の表彰状です。
三鶴さんは現在86歳。毎日外出し、多少の段差もなんのそのと、しゃきしゃき歩きます。そんな三鶴さんの体力や気力を維持するのに欠かせないのが、「通いの場」です。
通いの場とは、参加者が体操や趣味活動など、自由に取り組める交流の場です。
三鶴さんが通う「にっこりさろん」では月に1度、体操やゲームなどが行われ、近隣の高齢者が健康づくりのために参加しています。
今月号の特集は、「通いの場」。通いの場で健康づくりに励む人たちから、元気の秘訣を学びます。

人生楽しく笑って過ごしたい

 数年前に今の住まいに引っ越してきた三鶴さん。当時は足腰の痛みと環境変化による孤独感で自宅に閉じこもりがちでした。そんな様子を離れて暮らす家族は心配し、地域包括支援センターへ相談したそうです。
三鶴さんは担当保健師から体の調子を整えようと提案され、3か月間集中的に筋力トレーニングを行うサービスに取り組むことになりました。

人との出会いが日々の行動を変えた

 短期集中サービスを終え、歩くことへの自信が生まれただけでなく、人との出会いの大切さをあらためて実感したという三鶴さん。その後は積極的に外出してさまざまな活動に参加するようになりました。
 欠かさず参加する通いの場「にっこりさろん」では、体操や脳トレを兼ねたゲームで運動し、高齢者クラブでは趣味のカラオケを楽しみます。自宅にはエレベーターもありますが、必ず階段を利用し、毎日買い物へ出かけるなど、身体を意識的に動かすように心がけます。
 さらに、近所の子どもたちの夏休み期間は一緒にラジオ体操を行うなど活動的。「最近はずいぶん身体の動きが良くなった。痛みも無くなった」と話します。

心の変化も実感した

 こうした日々の積み重ねが、身体だけでなく、心にも影響を与えていました。
 以前は孤独感から「寂しい」と口にしていたそうですが、今の暮らしは「とても幸せ」だと感じるそうです。「通いの場に来ると、いろんな人との出会いがあって楽しい。今日も、仲間とたくさん笑いました。人生楽しいこともあれば悲しいこともあるけれど、やっぱり楽しく生きる、これが大事なことだと思います」と笑顔で語ります。
 三鶴さんの当面の目標は、90歳を元気で迎えること。そして、離れて暮らす子どもたちと、いろいろな場所へ旅行に行くことだそうです。「私は体を動かしたり、人と会うと元気になります。これから先の楽しみのため、家族のためにも運動を続けて元気でいたい」と瞳を輝かせながら語ってくれました。

通いの場「にっこりさろん」立ち上げメンバー 吉田さんのコメント

にっこりさろん」は、にっこり笑顔でいられる場所を作りたいと願い、介護予防サポーターが立ち上げました。
三鶴さんは初回から欠かさず参加していますが、ほかに皆勤賞の人はいないんです。「これはすごいね。ほかの参加者の励みにもなるのでは」とサポーターみんなで話し合って、表彰式をすることにしました。三鶴さんが元気に参加してくれる姿は、参加者だけでなく私たち介護予防サポーターにも元気を与えてくれています。

~医療・介護関係者が語る~人との出会いがもたらす心と身体への効果

年齢を重ねると、さまざまな理由でどうしても自宅に閉じこもりがちになってしまいます。一人でいるのは気楽ではありますが、寂しさも同時に生まれてしまうもの。外出し、人と会うことが心身にどのような影響を与えるのか、専門家に伺いました。

医療法人英生会 野幌病院 野呂英行理事長 インタビュー

野呂理事長の写真

キーワードは「生涯現役」

 野幌病院は昭和22年の開設当初から、地域医療に力を入れています。当初は戦後で、入院できる病院が少なかったこともあり、急性期と慢性期どちらもケアしていました。結核が流行していたので、その治療にも力を入れていたようです。

 平成7年頃から江別市の人口が増え、若い世代が高齢の親を呼び寄せはじめました。私たちも体を動かすことが困難な高齢者のために、在宅で治療ができる体制などを整え、今日の治療体制に至っています。


 要介護状態にならないためには栄養摂取、運動習慣の定着、口腔機能の維持がとても重要です。江別市は高齢者の増加もあり、江別医師会を中心に、高齢の方が元気で暮らすための取り組みを多職種が連携して行っています。たとえば、市内の介護現場では、歯科衛生士さんが考えた、えん下機能を鍛えるための口腔体操を実施するなど、高齢者の健康づくりを市内の関係機関で連携しながらサポートしています。


 また、要介護状態とならないためには、外出も重要です。
特に、男性は定年退職し子どもが独立すると、燃え尽きてしまい、居場所を失ったと感じる方が多いようです。
面倒でも、現役のうちから職場や家とは別のつながりを積極的に作ってほしいです。読書などの趣味も良いですが、できれば家から出て、感想を仲間と語り合うことができると良いですね。
 女性もパートナーを亡くして独居となり、家に閉じこもっていると、要介護状態になる可能性が高くなるので注意が必要です。

 生涯にわたり、自分の望む方法で社会とのかかわりを持って生きていくことは大切です。そのためには、元気なうちから、自分を成長させるような目的づくりを意識的に行ってほしいです。
きっかけは人それぞれですが、多くの経験を踏んで、目的をもって生きている方は尊敬に値すると私は思います。
 「通いの場」のように気軽に出かけられる場所も、人生を豊かにするきっかけになると思いますよ。

野幌地域包括支援センター 白石ゆかり保健師 インタビュー

早い段階から健康づくりを

 膝や腰の痛みや病気によって、閉じこもりがちになり、外出することがおっくうになってきたという相談を多数受けます。
三鶴さんは早い段階で相談に訪れ、健康づくりに取り組んだことで、自分らしい生活を取り戻すことができました。また、通いの場などの活動に参加することで、地域での自分の居場所を見つけることができ、気持ちも前向きになられました。
「通いの場」は市内に広がってきています。

 各地域包括支援センターでは、通いの場に参加するだけでなく、自分の住む地域に通いの場を作りたい方の相談も受け付けています。自分も地域も元気であり続けるために一緒に取り組みを考えてみませんか。
 

友愛記念病院 リハビリテーション科長 中塩裕也理学療法士 インタビュー

高齢になっても身体は鍛えられます

 加齢により、身体面、精神面での変化はどうしても起こってしまいます。たとえば、今までできていた家事が苦手になったり、動くのがおっくうになったり。とはいえ、それを放置すると、ますます体が動かなくなってしまい、悪循環に陥ってしまいます。
こうした悪循環から抜け出すには、運動、食事、睡眠、社会参加が効果的です。

 運動はすぐに効果が現れるものではありません。大切なことは、自分の体力や体調、持病にあわせて続けることです。一人で続けることは大変ですが、通いの場などで仲間と一緒に楽しくできれば続けていけると思います。

 また、こうした活動に参加するために出かけることには大賛成です。外出が習慣となるだけでも体力向上のきっかけとなりますし、たくさんの人と関わることで、自分自身の課題やチャレンジしたいことが見つかるかもしれません。このような体験は心と体の若返りになると思います。
 

転入者も地域に溶け込む楽しい居場所を

 近年、離れて暮らす子どもに呼び寄せられて、江別市に転入する「呼び寄せ高齢者」が増加しています。高齢になると新しい環境に慣れるのが大変で、閉じこもりがちになる方も少なくありません。
 こうした転入者の方でも、気軽に足を運べる楽しい居場所を作りたいと、地域包括支援センターと協力して「通いの場」を立ち上げた山内昭子さんにお話を伺いました。

山内さんらの写真左から石原裕代さん 山内昭子さん 山田フサ子さん

 私は江別に引っ越してき て6年目になります。転入した年に母を、翌年に主人を亡くしました。いよいよ一人になり、これからどう生きていこうかと考えた末、まずは体の調子を整えようと思いたちました。病院からは、運動を勧められたので、家でステップ台や自転車こぎを始めましたが、少しも楽しくなく、長続きしませんでした。

 そんなとき、回覧板で見た「元気の達人養成講座(※現シニアの元気アップ講座)」に参加しました。そこで知り合った方から気功やプールなどを紹介され、こうした健康講座へ興味を持ちました。その後も介護予防サポーター講座などを受講し、私のような転入者でも、ご近所の方と知り合いになれるような、身近な居場所づくりの必要性を感じて、石原さん、山田さんとともに平成30年に「すみれサークル」を発足しました。


 すみれサークルでは、元気アップ体操を中心に運動を続けながら、参加者の意見を聞き、みんなでやりたいことを決めています。体操だけではなく、リハビリの先生による体操指導や体力測定などを行ったこともあります。ゲームを交えた昼食会を開催したときは、普段はおしとやかな女性たちも、天井が抜けるような大声で笑い、ストレスを発散できたようですよ。

 また、すみれサークルに通う方とお話しするうちに、実は近くに住んでいた方だと知って驚くこともありました。こうした身近な場所で、ご近所さんとのつながりができて本当に嬉しいです。昨年の地震のときも、声を掛け合うことができて、心強く感じられました。すみれサークルでの活動を通して、自分の居場所や役割が地域にあることや、人とのつながりを持つことがどれだけ大切なことか、あらためて気付かされました。
 

笑顔が紡ぐ「幸せな時間」

 知り合いを見つけて顔を ほころばせる人、真剣に体操する人、ゲームに失敗して大笑いする人、楽しそうに片付けを手伝う人…今日も「通いの場」には、明るい声が響き渡っています。
 強制されることなく、自分のペースで、自分にあった場所で、気軽に参加できる通いの場。「楽しくなきゃ来ないよ」と参加者は話します。

 もし、居場所がないと感じるなら、あなたの地域に通いの場を作ってみませんか。 もし、あなたに話し相手がいなくて、閉じこもりがちなら、通いの場で身体を動かして、健康づくりをしませんか。

 年齢を重ねると、新しいことを始めるのは面倒だと感じる方もいるかもしれません。でも、思い返してみてください。あなたのやりたいことや大事にしたいこと、あなたが健康でいきいきしていると喜んでくれる方のことを。
 心と体の健康づくりは、自分だけのためでなく、大切な誰かを笑顔にする力があるのではないでしょうか。

 

 さあ、新しい世界へ一歩、踏み出してみましょう。

 

 ハッピータイムをあなたと  【終】

関連情報

通いの場情報 

江別市社会福祉協議会で作成した冊子で活動内容など詳しい情報をお知らせしています。

冊子の内容は江別市社会福祉協議会 ホームページでも公開中です!

 

シニアの元気アップ講座

いつまでも元気で、自分らしく暮らすために必要な運動、栄養、口腔ケア、認知症予防に関する知識を、専門職の講話や実技指導を交えて学びます。
 

日時 10月23日(水)・10月30日(水)9:30~12:00
会場 豊幌地区センター(豊幌686-10)
対象 おおむね60歳以上で上記2日間参加できる方。定員25名。

申込方法 9月2日(月)から江別第二地域包括支援センター(389-5420)へ電話申し込み。定員に達し次第締め切り。

 

元気アップ体操

市内のリハビリテーション専門職と行政、地域包括支援センターが考案したオリジナルの体操です。ストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動、脳トレーニングの要素を取り入れています。
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