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令和2年度市政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月27日更新

 ただいま上程されました、令和2年度予算案及びこれに関する諸案件をご審議願うに当たり、私の市政に対する基本的な考えと予算の大綱についてご説明申し上げます。

 令和2年度は、10年間の江別のまちづくりを定めた第6次江別市総合計画「えべつ未来づくりビジョン」の7年目、今後5年間で進める、「第2期江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のスタートの年であります。

 「えべつ未来づくりビジョン」に基づき、重点的・集中的に取り組む「えべつ未来戦略」は、来年度2年目を迎えることとなり、「ともにつくる協働のまちづくり」をすべての戦略推進の基盤に据えるとともに、「子どもから大人までいきいきと健康に暮らせるまちづくり」を新たな戦略に加え、取り組んでいるところであります。

 また、平成27年度に策定した「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、間もなく5年間の計画期間を終えようとしており、経済の活性化なくして地域の発展はないとの考えの下、「しごと」と「ひと」が相互に好循環を生み出す各種施策を進めてまいりました。

 そうした中、江別の顔づくり事業は、昨年12月に、ホテルとの併設の下、民設民営による市民交流施設がオープンし、この3月で、当初の予定どおり、事業の最終年次を迎え、さらに、市内各所で様々な規模の宅地造成が進んでいることなどから、市内に新たな人の流れが生まれ、その結果、大型書店の出店といった商業施設の立地に繋がるなど、民間投資による経済の好循環が生まれつつあります。

 さらに、3月には、南大通大橋が開通し、新たな道路網が形成されることにより、交通利便性の向上が図られるものと期待しております。

 こうした状況下で、当市の人口は、平成28年度から社会増に転じ、昨年は、社会増が自然減を上回った結果、今年1月現在、対前年同月比で増加となりました。

 また、1月に総務省から発表された住民基本台帳人口移動報告によりますと、昨年1年間における転入超過ランキングのうち、年少人口区分において、当市は、全国8位の591人の転入超過となり、昨年の全国12位を上回ったところであります。

 そうした人の流れを踏まえ、来年度からスタートする「第2期江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定するに当たり、まちづくりに関して、ご意見を伺うため、大学生や、子どもを持つ保護者を対象に懇談会を開催いたしました。

 参加者からは、「江別の魅力発信をさらに進めるべき」、「働く家庭を支援するため、保育所や放課後児童クラブを充実させてほしい」、「医療費助成をさらに拡充してほしい」など、多くのご意見をいただいたところであります。

 こうした懇談会や有識者会議における議論を踏まえ、戦略の見直しを行った結果、新たな戦略では、これまでの基本目標は維持しながら、今後、重要となる若者の地域定着、女性や高齢者の就業支援、地場産品の販路拡大などの取り組みを強化することとしております。

 今後におきましても、「えべつ未来づくりビジョン」と「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」をまちづくりの基本に据え、引き続き人の流れを止めることなく、一層加速させていくため、両計画に基づく各施策を進めてまいりたいと考えております。

 一方で、現在の当市における最大の課題は、市立病院の経営再建であります。

 近年、市立病院は、極めて厳しい経営状況が続いており、市議会からのご意見や、シンポジウムでの市民の声を受け、昨年8月に市民、医療関係者、学識者などで構成する「江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会」を設置いたしました。

 この検討委員会では、市立病院が担うべき役割や診療体制、経営安定化のための方策など、市立病院のあり方について、ご審議をいただき、去る2月5日に答申をいただいたところであります。

 答申では、市立病院が重点化すべき医療や診療科の再編、人員配置の適正化、さらには、医師招聘に向けた体制の構築やガバナンス強化など、新たな構造的な課題にまで及ぶ提言をいただいたものと受け止めております。

 私といたしましては、約70年にも及ぶ市立病院の歴史を踏まえ、再び経営危機を繰り返すことがないよう、検討委員会からの答申に基づき、対応する組織を立ち上げ、来年度からの集中改革期間内において、医師招聘に向けた体制の構築などの構造的な課題解決に向け、市職員一丸となって進めてまいりたいと考えております。

 ただいま申し上げましたように、総合計画策定後の6年間においては、子育て支援や教育環境の充実、顔づくり事業の進捗による都市基盤の整備などに取り組んだ結果、経済の好循環という成果が生まれつつあるとの認識の下、今後はそれをさらに高めていくとともに、喫緊の課題である市立病院の経営問題に対しては、真摯に取り組んでまいりたいと考えております。

 そこで、令和2年度の市政を担当するに当たり、「えべつ未来づくりビジョン」の基本理念に従って、私の基本的な考えについて申し上げます。

 まず1点目は、「安心して暮らせるまち」であります。
 市民の誰もが健康的に安心して暮らせるように、保健、医療、福祉サービスを充実するとともに、生活する上での不安を解消して安全・安心を確保する必要があります。

 そこで、健康都市宣言に基づき、市民が健康に関する意識を高め、自らの健康状態を把握し、生活習慣を見直す取り組みを引き続き進めてまいります。

 次に、全国各地で発生する自然災害への備えとして、防災に関する市民への出前講座のほか、これまでの自治会単位から小学校区単位に対象を広げ、各自治会が連携し、避難所運営訓練を実施することなどにより、「自助・共助」の防災意識の啓発を図り、地域防災力の向上に努めてまいります。

 また、市役所本庁舎及び市民会館の耐震化につきましては、これまでの市民団体等への説明会に引き続き、今後は、市民意見交換会を開催するなど、広く市民の皆様からご意見を伺ってまいります。なお、国の財政支援制度の動向や先行事例などにつきましては、今後とも情報収集を行ってまいります。

 さらに、介護人材の育成、確保のため、市内の介護事業者と連携を図り、入門的研修の実施による新たな人材の発掘や、介護事業所での実習を通じた就労支援に新たに取り組んでまいります。

 また、旧札幌盲学校跡地の一部を活用した生涯活躍のまち拠点地域の整備事業が着手されたことから、大麻地区に開設準備室を設置し、生涯活躍のまちに関するPRや、市内大学、自治会など関係機関と具体的取り組みなどについて、協議、検討を行ってまいります。

 2点目は、「活力のあるまち」であります。
 地域の活力を維持していくためには、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立していくことが重要であり、更なる産業振興による経済活性化に取り組んでいくとともに、文化やスポーツ活動を充実し、まちににぎわいや活力を生み出していく必要があります。

 そこで、新たに就労支援拠点を整備し、就労支援セミナーや、各種企業説明会、交流会を開催することなどにより、働きたい女性やシニア層等の社会参加の向上と企業の雇用確保、拡大に向けた取り組みを推進してまいります。

 また、「江別市観光振興計画」に基づき、江別観光の軸である「食」を中心とした各種PRや販路拡大などに取り組むほか、市内循環バスによる周遊観光やサイクルツーリズムを推進していくことなどにより、観光による交流人口の創出を図ってまいります。

 さらに、今年開催される「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に合わせ、パブリックビューイングや採火イベントを実施することなどで、スポーツへの関心をさらに高めるための取り組みを進めてまいります。

 また、スポーツ合宿に係る支援の充実を図り、市内での宿泊によるトップアスリートとの交流などを通じたスポーツ振興を図ってまいります。

 3点目は、「子育て応援のまち」であります。
 未来を担う子どもたちが心豊かに成長するためには、安心して子どもを産み育てられ、働くことを希望する親に、不安なく仕事に向かうことができるまちを目指していくことが重要です。そのため、「えべつ・安心子育てプラン」に基づき、引き続き子育てや教育の充実を図っていく必要があります。

 そこで、保育の待機児童解消のため、2歳以下を対象とした地域型保育の提供体制の拡大などを図っていくほか、保育料の独自軽減を引き続き行ってまいります。

 さらに、放課後などの小学生の居場所の確保は重要であることから、引き続き、放課後児童クラブへの運営費補助を実施するほか、待機児童の発生が見込まれる小学校区に対し児童クラブの充実を図ってまいります。

 また、これまで小学校就学前までであった通院医療費に係る助成を小学校3年生まで、さらに入院医療費に係る助成を中学生まで拡大いたします。

 加えて、病児・病後児保育事業を実施する事業所が新設されることから、同事業への補助を拡大いたします。

 なお、課題であった保育士等の確保につきましては、奨学金返還や住まいに係る家賃について、新たに支援するほか、保育施設の見学バスツアーを企画、実施してまいります。

 次に、教育面においては、市内全小中学校に教職員の働き方改革を進めるため、校務支援システムを導入するとともに、新たに小学校の外国語に関する指導者用デジタル教科書を整備してまいります。

 また、これまでの電子黒板やタブレット型パソコン、指導者用デジタル教科書などの更なる充実を図るため、今後、市内全小中学校に校内LANの整備を進めてまいります。

 4点目は、「環境にやさしいまち」であります。
 持続可能な社会を構築していくためには、あらゆる施策において環境を強く意識しながら取り組むことが不可欠です。「江別市環境管理計画」などに基づき、緑豊かで良好な環境を確保し、将来の世代へ継承していくことを目指し、ごみの資源化などを推進するとともに、人と自然が共生するまちを目指す必要があります。

 そこで、稼働開始から20年となる環境クリーンセンターの延命化に向けた長寿命化総合計画を策定いたします。

 また、清掃業務従事者の働き方改革を推進するため、土曜日収集を廃止するなど、収集体制の見直しを行ってまいります。

 さらに、介護が必要な方や障がいをお持ちの方など、ごみ出しが困難な方を対象にごみの戸別収集を開始するとともに、農村地区のごみ収集日を拡大いたします。

 また、ごみの減量化、資源化推進のため、大型ごみから使用可能な家具等を提供するリユース市を新たに開催し、市民のリユース意識の向上を図ってまいります。

 次に、令和2年度の江別市予算案の大綱について申し上げます。

 予算編成に当たりましては、市の厳しい財政事情や課題となっている市立病院の経営状況などを踏まえ、予算編成方針で示した事務事業の見直しや歳出削減などの取り組みにより、基金からの繰入抑制を図ったところでありますが、消費税率の引き上げや労務単価の上昇などの影響もあり、歳出の所要一般財源は増加いたしております。

 また、「プレミアム付商品券事業」や「江別の顔づくり事業」の終了などにより、総額では前年度を下回る予算となっておりますが、教育・保育施設等給付費をはじめとした扶助費の増加などが、予算全体の減少幅を縮める形となっております。

 その結果、令和2年度の各会計予算規模と前年度当初予算との比較においては、

 一 般 会 計  450億1,000万円     1.8%の減
 特 別 会 計  244億8,800万円     0.9%の増
 企 業 会 計  169億3,376万2千円   3.9%の減
 合       計  864億3,176万2千円   1.5%の減

となるものであります。

 以下、令和2年度予算案の概要について、前段でご説明いたしました内容と一部重複いたしますが、第6次江別市総合計画の施策体系に基づき申し上げます。

 第1に、「自然・環境」について申し上げます。
 まず、清掃事業では、環境クリーンセンターの延命化に向けて、新たに長寿命化総合計画の策定を進めてまいります。

 また、清掃業務従事者の働き方改革を推進する観点から、収集体制の見直しを行うとともに、福祉的視点から新たにごみ出し困難者を対象とした戸別収集を実施してまいります。

 さらに、民間事業者等により様々なリユース事業が展開されている現状を踏まえ、リサイクルバンクを廃止し、大型ごみリユース事業への見直しを行ってまいります。

 そのほか、環境教育や緑化の推進、自治会などが取り組む「花のある街並みづくり」への支援、ごみの減量化や資源化などの取り組みを引き続き実施してまいります。

 第2に、「産業」について申し上げます。
 まず、雇用対策では、これまで実施してきた事業を統合し、新たに就労支援拠点「まちなか仕事プラザ」の整備により、働きたい女性やシニア層の社会参加、企業の雇用確保に向けた取り組みを推進してまいります。

 次に、観光の振興では、子どもと一緒に楽しめるスポットなどを紹介した「こどもパスポート」を近隣市町村と連携し、新たに作成するほか、観光振興計画に基づく各種事業の展開により、江別の魅力を発信し、観光誘客に努めてまいります。

 次に、農業の振興では、水利施設などの基盤整備を計画的に進めるとともに、「都市と農村の交流センターえみくる」を拠点として、農業者が取り組む6次産業化や、江別産の農畜産物を使った新商品開発などを引き続き支援してまいります。

 次に、商工業の振興では、地域経済活性化のためのイベントなどへ引き続き補助を行うほか、「江別市企業立地等の促進に関する条例」に基づき、市内企業への支援や企業誘致を進めてまいります。

 また、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」に関しては、新たに海外バイヤーの招聘により、海外販路開拓を支援してまいります。

 第3に、「福祉・保健・医療」について申し上げます。
 まず、市民の健康づくりでは、健康都市宣言に基づき、引き続き健康フェスタを開催するほか、スーパーや直売所、飲食店等と連携した野菜摂取推進の啓発活動など、生活習慣病予防に向けた取り組みを実施してまいります。

 また、子どもたちの健康づくりを推進するため、小中学生を対象とした健康教育や健康指導を引き続き実施するとともに、こころの健康づくりとして、自殺予防ゲートキーパーの養成などを図ってまいります。

 次に、国民健康保険事業については、特定健康診査受診率や特定保健指導利用率の向上に向け、受診勧奨を強化するとともに、データヘルス計画に基づき、保健事業の推進に努めてまいります。

 次に、高齢者や障がい者の福祉においては、介護保険や後期高齢者医療制度、障がい者福祉制度などの安定的な運営に努め、各種計画に基づき、高齢者や障がい者の生活を地域で支えるための取り組みを進めてまいります。

 また、介護人材の確保と市内介護事業所への定着を図るため、資格取得支援や職場実習などによる介護人材の養成を進めるほか、介護保険事業計画に基づく地域密着型サービス施設の整備を支援してまいります。

 さらに、認知症や障がい等により判断能力が十分でない方々の生活を支援するため、新たに市民後見人養成講座を実施し、人材育成と活動体制の整備に努めてまいります。

 次に、市立病院においては、「江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会」からの答申に基づき、組織体制の見直しなど経営改善策を着実に実行し、経営再建を目指してまいります。

 第4に、「安全・安心」について申し上げます。
 まず、防災対策では、地域防災力の強化を図るため、小学校区を単位とした実践的な訓練として、新たに地域が連携した避難所運営訓練を実施するとともに、冬期の災害対応物品や発災当初に開設する避難所の備蓄庫の整備などを計画的に進めてまいります。

 また、消防・救急体制の充実では、災害支援車や救急自動車の計画的な更新整備を進めるほか、札幌圏6消防本部による消防通信指令業務の共同運用に向けた準備などを進めてまいります。

 そのほか、市役所本庁舎等の耐震化に向けた検討、民間住宅の耐震化支援、空家対策、自治会防犯灯のLED化、交通安全や防犯活動の推進などの取り組みを引き続き実施してまいります。

 第5に、「都市基盤」について申し上げます。
 まず、幹線道路等の整備では、国の補助制度を活用し、「元江別66号道路」の整備事業を引き続き進めるほか、大規模宅地造成等に伴う「兵村4丁目通り」及び「元江別中央通り」や、老朽化に伴う「大麻駅跨線人道橋」の整備に向けて、事業に着手いたします。

 また、安全で快適な道路環境を確保するため、生活道路の整備や橋梁などの修繕を進めるとともに、自治会、除排雪事業者、市による3者懇談会の開催など市民との協働の下、除排雪事業や自治会排雪支援など、引き続き雪対策の充実に努めてまいります。

 さらに、市民の足である公共交通を持続可能なものとするため、豊幌地区におけるデマンド型交通導入の検討を進めるとともに、江北地区におけるデマンド型交通への支援や、公共交通を支える路線バス事業者への運行費補助を引き続き実施してまいります。

 次に、低廉で良質な市営住宅の供給では、引き続き住環境の改善を図るための改修を進めるほか、高齢者や子育て世代などにも配慮した新栄団地E棟の建設に着手するとともに、次期の市営住宅長寿命化計画の策定を進めてまいります。

 次に、上下水道の整備においては、災害に強く安全で安定した給水等を行うため、基幹管路の耐震化や老朽配水管の布設替え、上江別浄水場の設備更新等を計画的に進めるとともに、下水道管路の改築や更新、浄化センターの設備更新などを進めてまいります。

 第6に、「子育て・教育」について申し上げます。
 まず、子育て支援では、子育て環境の更なる充実を図るため、子どもの医療費助成制度を拡充してまいります。

 また、保育の待機児童解消対策として、民間事業者が行う保育施設の整備を支援するとともに、保育士等の人材確保に向けて、奨学金返還支援などの助成制度を新設するほか、新たに設置される病児・病後児保育施設への支援などを通じ、保育環境の充実に努めてまいります。

 さらに、「えべつ・安心子育てプラン」に基づき、引き続き0歳から2歳児の保育料の独自軽減を実施してまいります。

 また、児童の放課後対策として、民間放課後児童クラブの拡充を支援するほか、引き続き児童センターにおいて、待機児童を対象とするランドセル来館による受入れを行うことにより、子育てと就労の両立を支援してまいります。

 さらに、児童虐待防止対策の強化のため、新たに「子ども家庭総合支援拠点」を整備し、「子育て世代包括支援センター」との連携により、子育て世代に対する切れ目のない支援体制の充実に努めてまいります。

 次に、教育の充実では、小学校5、6年生の「外国語」の教科化に伴い、新たに「外国語」の指導者用デジタル教科書を整備するほか、教科書改訂となる「国語」と「算数」の指導者用デジタル教科書についても、小学校全学年で更新整備を行うなど、ICT教育の一層の充実を図ってまいります。

 また、新たに小中学校全校に「校務支援システム」を導入し、校務の効率化による教職員の働き方改革を推進してまいります。

 さらに、小中学校学習サポート事業による補充的学習や、外国語指導助手の派遣による小学校全学年での外国語教育を継続して実施するほか、特別な支援を必要とする児童生徒への対応のため、必要な設備や備品等を整備してまいります。

 第7に、「生涯学習・文化」について申し上げます。
 まず、スポーツの振興では、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に出場する市内ゆかりの選手を応援するためのイベントを開催するとともに、スポーツ合宿の誘致に関しては、市内宿泊への補助を新設し、スポーツの振興と市内経済への波及との両立を目指してまいります。

 また、「はやぶさ運動広場」の少年野球場については、「都市と農村の交流センターえみくる」への移転に向けた準備を進めてまいります。

 次に、芸術・文化の振興では、その拠点施設である「市民文化ホール(えぽあホール)」の照明設備等の改修工事を実施するほか、引き続き市民の主体的な芸術文化活動を支援してまいります。

 そのほか、市民の生涯学習の場である「えべつ市民カレッジ」については、受講者の学習意欲をさらに向上させるため、新たな表彰制度を設けるなどの見直しを行い実施してまいります。

 第8に、「協働」について申し上げます。
 まず、市民協働の推進では、昨年12月に野幌駅前にオープンした「市民交流施設ぷらっと」を新たな拠点として、市民が主体となった協働の取り組みを引き続き支援してまいります。

 また、地域での交流や環境美化などの活動に取り組む自治会を引き続き支援するほか、自治会活動や協働を担う人材の育成に努めてまいります。

 さらに、江別の知的資源である4大学との連携の下、大学教員や学生による地域活性化への取り組みを支援するほか、市内大学に通う学生の地域活動などへの参加を促し、若者の地域定着を図るため、道内8自治体の連携による取り組みを推進してまいります。

 そのほか、「江別市自治基本条例」の理念に基づき、市政への市民参加を進め、協働のまちづくりを推進してまいります。

 第9に、これまでの8つの政策を支える「計画推進」について申し上げます。
 まず、シティプロモートでは、子育て世代などの転入者の増加を目指すため、引き続き江別の魅力である「食」をテーマとしたプロモーションなど、市民と行政が一体となった活動を進めてまいります。

 また、市民が生涯にわたって安心して生活できるまちづくりを目指すため、生涯活躍のまち形成事業計画に基づき、事業の更なる推進を図ってまいります。

 さらに、ふるさと納税につきましては、返礼品メニューの充実に努めるとともに、多くの方に江別や江別産品の良さを知ってもらえるようPRを工夫することにより、更なる寄附者の拡大に繋がるよう努めてまいります。

 そのほか、江別小学校跡地周辺の土地利用の検討や、現在策定中の「第2期江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、大学生など若者を対象とした江別の認知度向上に向けた取り組みなどを進めてまいります。

 以上が歳出予算の概要でありますが、次に、歳入の見通しの主なものにつきまして、ご説明申し上げます。

 まず、市税につきましては、固定資産税の増加などから、市税全体では前年度当初に比べ、0.4%増の126億7,200万円を見込んでおります。

 次に、地方消費税交付金は、消費税率引き上げの影響が通年化することなどから12.8%増の25億5,000万円を見込んだほか、地方交付税は、4.7%増の102億8,000万円、臨時財政対策債は、4.2%減の11億5,000万円を見込んでおります。

 その結果、一般財源総額では、272億7,830万円となり、前年度より2.6%の増となったところでありますが、今後とも市税等の自主財源の確保が課題であると考えております。

 次に、市債の発行につきましては、臨時財政対策債のほか新栄団地建替事業や道路整備等の財源に充てるため、総額では26億1,250万円となりました。

 市債の残高は、学校の耐震化など大規模事業の終了などにより減少しておりますが、今後とも市債残高や償還額の推移について、将来世代と現役世代との負担バランスに十分配慮しつつ、投資的事業の重点化・平準化などにより、計画的な発行に努めてまいりたいと考えております。

 なお、使用料・手数料につきましては、原価の算定方法を明確化することによる透明性の確保と、市民相互の負担の公平性確保を基本とした見直し方針に基づき、所要の改定を行うこととしたところであります。
その他、予算案の詳細につきましては、「令和2年度各会計予算及び予算説明書」などをご参照いただきたいと存じます。

 以上、令和2年度予算案の大綱について申し上げました。

 冒頭申し上げましたように、人口減少対策と地域経済の発展を重点課題として、10年先を見据えてスタートした第6次江別市総合計画「えべつ未来づくりビジョン」に基づくまちづくりは、折り返し地点を過ぎたところであります。

 これまでも申し上げてまいりましたが、平成26年に総合計画という種をまき、市民との協働の下、これまで様々な施策を通じて、芽吹かせ、大切に育ててまいりました。残り4年となった総合計画、さらには、来年度から新たにスタートする総合戦略に取り組む中で、これらの芽をさらに大きく、力強い幹へと成長させていかなければなりません。

 また、我が国は、これまで平均寿命80歳程度を前提とした人生のステージから、100歳時代へ見直さなければならない時代に入ったと言われております。

 そうした時代背景の中、私は、すべてのまちづくりの基本は、市民の健康にあるという考えの下、平成29年に「健康都市えべつ」を宣言し、市民の健康寿命の延伸に向けた各施策を展開してまいりました。

 ここ数年、当市の人口は、自然減を上回る社会増の結果、回復傾向にありますが、そうした状況は長く続くものではありません。市民の健康寿命の延伸に合わせて、高齢になっても働いたり、活動したりできるまちを目指すことが、持続可能な社会をつくる前提となります。

 今後は、健康寿命の延伸という観点から、「学ぶ」「仕事」「余生」という多様なライフステージをいきいきと過ごしていただくため、学びたい、働きたい、趣味を楽しみたい、という高齢者には、それぞれの場を提供するとともに、障がい者、若者など、様々な主体が交流しながら、住み慣れた地域で、生涯にわたり安心して心豊かに暮らすことのできる「共生のまちづくり」を目指していく必要があると考えております。

 また、市立病院の経営再建につきましては、「江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会」の答申に基づき、集中改革期間内において、医師の招聘に向けた体制の構築などの構造的な課題解決に向け、市職員一丸となって進めてまいりたいと考えております。

 最後に、当市の将来都市像は、「えべつ未来づくりビジョン」に基づく、誰もが暮らしやすいまち、住んでみたいまち、「みんなでつくる未来のまち えべつ」であります。

 そのために私は、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ多様な主体による協働の下、引き続き、第6次江別市総合計画「えべつ未来づくりビジョン」と「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を一体的に進め、「共生のまちづくり」を一層推進していく所存であります。

 市民の皆様並びに議員各位の特段のご理解とご協力をお願い申し上げ、令和2年度の市政執行方針並びに各会計予算案の説明とさせていただきます。