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平成22年度江別市政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

平成22年3月3日 第1回江別市議会定例会において三好市長が述べた市政執行方針です。

  1. はじめに
  2. 基本姿勢
    (1)市民協働の推進
    (2)未来への投資
    (3)改革への推進
  3. 5つの街づくり
    (1)みんなが元気でやさしい街
    (2)子どもたちが未来を育む教育・文化の街
    (3)多彩な産業活動を生み出す活力あふれる街
    (4)市民とともに歩む街
    (5)確かな明日に向かってしっかり歩き出す街
  4. 平成22年度予算案
    (1)背景と予算規模
    (2)歳出の概要
     ア.  環境と調和する都市の構築
     イ.  明日につながる産業の振興
     ウ.  安心を感じる保健・医療・福祉の充実
     エ.  安全で快適な都市生活の充実
     オ.  豊かさと創造性を育む生涯学習環境の充実
     カ.  市民協働によるまちづくり
     キ.  計画実現に向けて
    (3)歳入の見通し
  5. おわりに

 ただいま上程されました、平成22年度予算案及びこれに関連する諸案件をご審議願うにあたり、私の市政に対する基本的な考えと予算の大綱について、ご説明申し上げます。

 私は、市長に就任して以来3年間、江別の未来を支える子ども達が、夢と希望のもてる地域づくりを進めるため、議会や市民の皆様と真剣な議論を重ねながら、市立病院の健全化をはじめ、企業誘致や産業振興、江別の顔づくり事業、市民協働など、市政の各般にわたり、江別市の街づくりに向けた取り組みを進めてまいりました。

 しかしながら、長引く景気低迷や政権交代に伴う政策転換への対応、危機的な財政状況など、自治体運営は、過去に経験したことがないほど難しい舵取りが求められており、地方自治体を取り巻く環境は年々厳しさを増しております。

 私は、こうした厳しい時だからこそ、足元をしっかりと見つめ、江別市の地理的優位性や優れた自然と個性豊かな産業、大学や研究機関が有する知的資源、高い自治意識を持つ市民など、他の自治体にはない様々な財産を活かした街づくりを進めていかなければならないと考えております。

 そのために何よりも基本となるのは、江別市の将来像を明らかにした総合計画の着実な推進であります。
新年度は、第5次総合計画後期基本計画の2年目にあたります。
歴史が大きく動き、先行きの不透明な時代だからこそ、私たちは江別市の将来像をしっかりと見据えた取り組みを、着実に進めていかなければなりません。
 私は、総合計画に掲げた「人が輝く共生のまち」の実現を目指した、取り組みを進めてまいります。
それと同時に、私たち地方自治体は、地域主権型社会に向け、しっかりとした体制を整えていかなければなりません。
いまや地方分権の流れは時代の要請であり、今後、大幅な権限や財源の移譲、義務付け・枠付けの廃止、国の出先機関の見直しなど、急速な改革の進展のもと、市町村の権限と責任は極めて大きなものとなります。
したがって、自立を目指す基礎自治体として、自主財源の確保に努めるとともに、足腰のしっかりとした行政運営システムを構築していかなければなりません。

 そして、地域主権型社会において、基礎自治体の憲法となるのが自治基本条例であります。
 昨年7月、「江別市自治基本条例」が制定されました。
 この条例は、江別市の最高規範として、市民自治の街づくりを進める上での理念や原則を定めたものであります。
今後は、市民と議会と行政がそれぞれの役割や責務をしっかりと自覚し、協力しながら、市民が主役の街づくりを進めていくことが必要となります。

 私は、現任期の最終年度を迎えるにあたり、こうした理念のもと、次の3つの基本姿勢と5つの街づくりを基本に、市政運営に取り組んでまいります。

 はじめに、市民とともに歩む「市民協働の推進」であります。
江別市には、多彩な知識や経験を持ち、街づくりに熱い想いをお持ちの多くの方々がいらっしゃいます。これらの方々は、様々な分野、様々なスタイルで市民活動に携わっていますが、私は、こうした活動の輪を広げ、一人でも多くの市民の皆様に街づくりに参加していただけるよう、市民協働の取り組みを広げてまいります。
 もうひとつの財産は、市内の4つの大学や研究機関です。
 私は、大学等の豊富な人材や知識を街づくりに活かしていくため、昨年、市内4大学と商工会議所との間で「包括連携・協力に関する協定」を締結し、さらに産業振興やスポーツ振興につながる個別協定を締結してまいりました。
 今後は、協定の成果を企業誘致や商品開発、青少年のスポーツ振興などに活かしていくとともに、さらなる連携の拡大に向け、取り組みを進めてまいります。

 第二には、江別市の今後の基礎となる「未来への投資」であります。 江別の未来を担うのは子ども達です。そして、人づくりは最も大切な未来への投資です。
 子ども達が、健康で人間性にあふれ、個性豊かに育つことができるよう、子育て環境や教育環境の充実に努めてまいります。

 また、基礎自治体として安定的な財政基盤を確立するためには、自主財源の確保が何よりも重要です。各産業分野の皆様と真剣な議論を重ね、お互いの役割分担を見極めながら、地域経済の活性化と雇用の拡大に努めるとともに、江別市の地理的優位性や地域特性を踏まえ、積極的な企業誘致を進めてまいります。

 さらに、21世紀型の街づくりの象徴でもある、「高齢者が住みやすい街づくり」と「環境に配慮した街づくり」に努めるとともに、持続可能な都市の基礎を固めるため、江別の顔づくり事業や新しい考え方に基づく新栄団地の建替えなど、都市基盤の整備を進めてまいります。

 第三には、市民の目線で進める「改革の推進」であります。 今後、地方分権改革が進展する中、自立した基礎自治体として、安定的な財政基盤を確立し、持続的な都市経営を行っていくためには、たゆまぬ行政改革が必要であります。

 江別市の財政状況は、毎年の収支不足を基金の取り崩しで対応するなど、決して安定的とは言えません。
 したがって、単年度の収支均衡を図り、限られた財源を最大限に活かすためには、今後とも、前例にとらわれず、民間の手法も取り入れながら、財政規律を守り、弾力性ある財政運営に努めていかなければなりません。

 そのためには、行政改革大綱と行政改革推進計画に基づき、不退転の決意を持って行政改革を進めてまいります

 次に、私が就任当初から、市民の皆様にお約束した「5つの街づくり」の考え方に沿って、平成22年度予算の重点項目を申し上げます。

 第一は、「みんなが元気でやさしい街」であります。
 少子高齢化社会を迎え、今後、その流れがさらに加速する中、誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らせる地域社会が求められています。

 そこで、私は、人と環境への思いやりを基本に、緑があふれ、人と人とが支え合う温もりのある街づくりを進めてまいります。

 このため、大麻地区の市民の皆様が中心となって取りまとめられた「大麻団地まちづくり指針」の提言を受け、指針に示された基本理念に沿って、高齢者をはじめ、多様な方々が住みやすい街づくりを進めてまいります。

 また、地球環境問題への対応を進めるため、公共街路灯のLED化や太陽光発電の実証実験などにより、市の事業から発生する環境への負荷の低減を図るとともに、緑を守るため、公園や街路に補植を行うほか、市民環境講座や経営環境セミナーなどの啓発事業を通じ、市民の環境意識の高揚に努めてまいります。

 市立病院については、多くの方々のご協力のもと、昨年春に産婦人科病棟を再開するなど、医療体制の充実に努めてまいりました。
 今後も、地域医療の基盤となる市立病院の経営安定化に向け、診療科の充実や、医師の安定的な確保などに努め、病院再建の道筋を確かなものにしてまいります。

 第二は、「子どもたちの未来を育む教育・文化の街」であります。
 子ども達は、一人ひとりが、多様な個性と無限の可能性にあふれています。私たちには、未来を担う子ども達のために、豊かな人間性を育み、個性を存分に発揮できる環境を整える義務があります。

 そこで、私は、地域とともに育てることを基本に、地域社会の中で子ども達を育む仕組みを整え、安心して子育てができる教育・文化の街づくりを進めてまいります。

 このため、長年の懸案であった待機児童の解消に向け、保育所や認定子ども園の整備に補助を行うほか、子どもの成長過程に合わせたきめ細かな子育て支援を行うなど、子育てサポート体制を充実してまいります。

 また、子ども達の体力低下が懸念される中、大学と連携しながら、児童生徒の体力向上に向けた取り組みを進めるほか、児童生徒の障がいの程度により必要な支援を行うなど、学校教育の充実を図ってまいります。
 さらに、教育環境をより充実させるため、小規模校である江北中学校を、江別第三中学校に統合いたします。

 第三は、「多彩な産業活動を生み出す活力あふれる街」であります。江別市は、大都市に隣接する地理的優位性や、大学、研究機関等の知的資源など、江別固有の特性を活かすことにより、 今後、さらなる飛躍が期待されています。

 このため、私は、江別市の将来を見据えた長期的な展望のもと、江別市の特色を活かした産業の活性化と、それを支える基盤づくりを進めてまいります。

 昨年は、江別駅前の「みらいビル」が本格稼動したことにより、多くの雇用が生まれたほか、RTNパークへも食品関連企業が進出するなど、企業誘致が着実に進んできております。
 今後も、明確な戦略のもと、企業誘致を強力に推進することにより、地域経済の活性化と安定的な雇用の確保に努めてまいります。

 また、近年、安心・安全な食への関心が高まる中、地産地消やフードマイレージという考え方が定着してきたことから、生産者の顔が見え、消費者にアピールできる付加価値の高い農産物の生産をはじめ、農商工連携による新たな江別ブランドの確立やグリーン・ツーリズムの推進など、都市型農業の確立に努めてまいります。

 こうした取り組みとともに、将来の江別を見据えた都市基盤の整備も必要です。江別の顔づくり事業は、鉄道の高架化が進み、徐々にその姿を現しつつありますが、今後とも、この事業を着実に推進するとともに、福祉や環境など時代の要請に応える新栄団地の建替えや江別駅跨線人道橋の整備に向けた調査を実施するなど、明日の江別につながる都市基盤の整備を進めてまいります。

 第四は、「市民とともに歩む街」であります。 「江別市自治基本条例」の施行により、市民と議会と行政が、適切な役割分担のもと、ともに手を携えて街づくりを進めていくためのルールが定められました。

 私は、これまでも市民の目線に基づく街づくりを市政運営の基本にしてまいりましたが、条例制定を期に、これまで以上に市民との対話を大切にし、市民とともに歩む街づくりを進めてまいります。

 このため、新年度予算編成に際して、新たに事務事業に対するパブリックコメントを実施し、市民の皆様からいただいたご意見も踏まえて予算編成を行ったほか、新年度に向けてパブリックコメントの手続に関する要綱を定めるなど、今後とも、江別市自治基本条例の趣旨に基づき、市政における市民参加のルールづくりに努めてまいります。

 また、江別市では、自治会や市民活動団体などが様々な活動を展開していますが、こうした団体が活動の輪を広げ、市民参加によるコミュニティづくりが進められるとともに、一人でも多くの市民の皆様が、市政に参加していただけるような環境の整備に努めてまいります。

 第五は、「確かな明日に向かってしっかり歩きだす街」であります。 社会経済情勢が急激な変化を見せる中、第5次総合計画で示した都市像を実現するためには、明確な戦略と計画的な行財政運営が必要であります。

 このため、江別市では、平成16年度に行政評価システムを導入し、総合計画の適切な評価に基づく推進管理を行ってきたところですが、この評価システムに、新たに外部評価を導入することにより、評価の客観性をさらに高め、開かれた市政運営を進めてまいります。

 以上、市政執行にあたっての基本姿勢と、私の街づくりに対する考え方などについて申し上げました。

 次に、平成22年度の江別市予算案でありますが、
 まず国においては、政権交代という歴史的転換期に立ち、右肩上がりの経済成長を前提とした資源配分や行政手法を転換し、経済の構造や重視すべき価値を変える、という基本方針のもとに予算の編成がなされました。

 一方、地方財政に関しては、地方の税収不足等に対応し、臨時財政対策債を大幅に増発するなどによって、地方の一般財源確保への対応が行われ、その結果、江別市においても一定の財源確保のもとに予算案が編成できたところであります。

 平成22年度は第5次総合計画後期基本計画の2年目となり、私の現任期における最後の本格予算となります。
 今次予算は、総合計画に掲げられた政策の方向性を踏まえ、私の基本姿勢に基づき、財政規律を守りながら、事業の緊急度や優先度等を考慮しつつ編成を行ったものであります。

 その結果、平成22年度の各会計予算規模と前年度当初予算との比較においては、

一般会計411億5,000万円7.4%の増
特別会計196億9,000万円1.0%の増
企業会計148億2,165万1千円0.6%の増
合計756億6,165万1千円4.3%の増

となるものであります。

 以下、平成22年度の予算案の概要について申し上げます。

 第1に、「環境と調和する都市の構築」について申し上げます。人と地球にやさしい環境を創出するためには、一人ひとりが環境への負荷を減らす循環型社会を目指した、具体的な行動を行っていかなければなりません。
 江別市においては、政府の掲げた2020年時点でのCO2削減目標である、対1990年比25%削減達成のため、環境負荷の軽減やみどりの創出を積極的に進めていく必要があります。

 そこで、市民の環境や自然エネルギーに対する意識の啓発を図るため、これまでの市民環境講座や環境広場の開催のほか、子どもの頃から環境問題に関心が持てるように、市内企業などの協力のもと環境学校を実施するとともに、太陽光発電の啓発講座を開催してまいります。

 また、市道街路樹の維持管理においては、景観の創出などを目的に定期的なせん定を行うとともに、緑化のほか、CO2の削減等、環境対策の視点も含めて街路樹の補植を拡大してまいります。

 次に、ごみの発生・排出の抑制等においては、市民団体や小売事業者との連携を図りながら、マイバッグ等の推進や家庭用廃食油の資源化等について啓発するほか、電気式等の生ごみ堆肥化容器の購入について、補助対象を拡大してまいります。

 第2に、「明日につながる産業の振興」について申し上げます。 江別市は大都市に隣接するという地理的優位性と、多彩な知識や経験を持つ市民、さらに4大学を擁するという強みがあります。これら強みと、農商工の事業者を加えた産学官民の連携により、江別産品のブランド化が進み、市内雇用の創出や拡大が図られるものと考えております。

 そこで、事業者が地元農産物等の製品化の際、それら製品の高付加価値化や販売促進に活用できる補助枠を拡大するほか、本州等でのイベント出展に対する支援を行うなど、商工業活性化を進めてまいります。

 また、新マーケットの開拓やリーダーの育成等、地域おこしに必要な研修会を開催するほか、市内大学が行う地域振興に関する調査研究に対して補助する「大学連携事業」を継続するとともに、学生を中心とした地域活動へも拡大し、若い世代の街づくりへの参加を支援してまいります。

 さらに引き続き、直売所、貸し農園、農産物加工品などを活用した市民交流事業を進めるとともに、新たに札幌圏の親子を対象に農業体験ツアーを実施し、加えて秋に開催予定の(仮称)小麦フェスタに対し補助を行うなど、江別の農産物ファンを増やしてまいります。

 次に、雇用の確保のためには、市内企業への支援はもとより、企業誘致は必須であることから、市内企業との定期的な情報交換により必要な支援を行うとともに、今後ともRTNパークへ食品産業の誘致活動を積極的に進めてまいります。

 また、就職を希望する高校生に対してのビジネスマナーの習得支援や個別カウンセリングなど、就職活動の支援を行うとともに、「緊急雇用創出事業」と「ふるさと雇用再生特別対策推進事業」と合わせて21の事業を実施し、雇用の創出に努めてまいります。

 第3に、「安心を感じる保健・医療・福祉の充実」について申し上げます。 次代を担う子どもの健やかな成長と、親の仕事と子育ての両立を図るためには子育て環境を充実させることが必要であります。

 そこで、まず「子ども手当」や「児童扶養手当」など各種手当を支給するほか、民間の保育園や幼稚園における施設整備に対し補助を行い、保育園の定員増と認定子ども園の新規開設によって、待機児の解消や施設の充実に努めてまいります。

 さらに、地域住民の相互連携のもと子育てを支援する「ファミリーサポート事業」の利用を促進するため、助成券を配布するほか、夜間を中心に施設での児童預かりが可能となる「子育て短期支援事業(トワイライトステイ)」を実施するなど、子育て支援事業の充実を図ってまいります。
 また高齢化社会においては、高齢者が自立し生きがいを持った生活を実現することが重要であり、そのためには保健・医療・福祉の充実が求められています。

 そこで、高齢者や障がい者の福祉においては、引き続き、介護保険や後期高齢者医療制度、障害者自立支援制度などの安定的な運営を図り、各種介護予防事業や地域支援事業を実施するとともに、社会保障においては新栄団地の建替えに向け、基本設計等に着手するなど、低廉で良質な市営住宅の供給に努めてまいります。

 次に、保健・医療においては、市立病院で運営している訪問看護事業について在宅医療の充実を図るため、ステーション化するとともに、公立病院改革プランの収支計画に、乖離を生じさせないよう、臨時的な補助を行うなど、経営支援を進めてまいります。

 また、国民健康保険事業においては、医療費の適正化に向け特定健診の受診率を高めるための組織体制を強化し、早期発見・早期治療による医療費の適正化と国民健康保険税の徴収率の向上に努めてまいります

 第4に、「安全で快適な都市生活の充実」について申し上げます。 すべての人々が、安全で快適と実感できる街づくりを進めるためには、将来を見据えた都市基盤の整備と、犯罪や災害から市民を守る体制の整備が重要であります。

 そこで、野幌駅周辺における連続立体交差事業と土地区画整理事業、さらに昨年9月に地元協議会によって見直しが行われた「野幌駅周辺地区活性化計画」に基づく商業等の活性化など、「江別の顔づくり事業」を着実に進めてまいります。
 また、江別駅跨線人道橋の整備に向けた地質調査等に着手するとともに、大麻駅周辺ではバリアフリーに配慮した大麻東駅通りの整備を進めてまいります。

 次に、市民生活の基盤である社会資本の整備については、引き続き生活道路の整備・改修を進めるとともに、雪対策基本計画に基づき、市民との協働のもと「除排雪事業」や、「自治会排雪支援事業」等を継続して実施するなど、安全で快適な生活の確保に努めてまいります。

 また、公園整備においては、ワークショップを通じて地元住民が参加する「市民参加による公園づくり事業」を継続するとともに、身近な公園を市民と市がともに管理する、公園アダプト制度を推進してまいります。

 次に、消防・救急の充実では、高度化する救急業務に対応するため、引き続き救急救命士の養成を図るほか、119番通報時に瞬時に所在地を特定し、さらにいち早く災害種別に応じた指示ができるよう、高機能な通信指令システムを導入いたします。

 また、住宅用火災警報器の平成23年6月の設置義務化を見据え、啓発活動の強化と、新たに消防職員等による取り付け支援を実施してまいります。

 次に、危機管理の強化・充実においては、地域の防災力向上に向けた市民防災講座の開催や災害時の要援護者支援について関係機関との連携・強化を進めるほか、地震への備えとして、江別市耐震改修促進計画の策定に合わせ、耐震相談を実施するとともに、耐震診断を行う方への補助制度を新設いたします。
 また、上下水道の整備においては、石狩東部広域水道企業団の構成団体の一員として、引き続き事業に参画するとともに、安全で良質な水道水の安定的な供給と、大麻地区等の雨水幹線整備や浄化センターの整備などにより、災害に強いインフラの整備を進めてまいります。

 第5に、「豊かさと創造性を育む生涯学習環境の充実」について申し上げます。
 自ら学び、主体的に判断し行動できる「生きる力」を身につけた人間性豊かな子ども達の育成のため、学校教育の施策を充実させるとともに、生涯学習の「場」づくりや、スポーツ・文化活動を支援する必要があります。

 そこで、子どもの可能性を伸ばす教育の充実を図るため、退職教員等による「小中学校授業サポート事業」をすべての小中学校に拡大するとともに、地域の社会人による授業を行うほか、学校における読書環境整備のため、学校図書館に引き続き司書を派遣し、学校図書館の機能を高めていくなど、小中学校の学習支援に取り組んでまいります。

 さらに、障がいのある児童生徒への必要な支援を行うため、特別支援学級の生活介助員を増員するなど、学習体制の充実に努めてまいります。

 また、引き続き耐震化推進のため、江別小学校含め3校の耐震診断等を実施し、江別第二小学校含め5校の耐震改修のための実施設計を行うとともに、野幌小学校の屋内体育館屋根改修など、学校施設の整備を進めてまいります。

 次に、いじめや不登校などへの対策として、家庭や地域との連携と学校全体での取り組みを推進するため、引き続きスクールカウンセラー及び心の教室相談員を配置するほか、学校裏サイトの監視などネットパトロールを実施してまいります。

 また、生涯学習においては、「まちおこし市民大学講座」などの開催や公民館の運営などによる、生涯学習の場づくりを継続し、郷土資料館では開館20年目を記念して、英国大英博物館等に展示された、「大麻3遺跡」から出土した土偶等の里帰り展を実施するほか、セラミックアートセンターにおいても陶芸文化に関する企画展を開催するなど、江別の歴史・文化を広めてまいります。

 第6に、「市民協働によるまちづくり」について申し上げます。
 街づくりの基本は、市民や自治会、市民活動団体、大学・企業などがともに主役として主体的に参加し、それぞれの得意分野や特性を活かし、協働しながら事業を展開していくことであり、そのことにより活力ある地域社会がつくられるものと考えております。

 そこで、引き続き地域での自治活動に取り組んでいる自治会に対して支援を行うほか、協働の街づくりを実践している各種団体等がより活用しやすいよう制度の充実を図り、市民活動団体やボランティアなどが活動する場である、NPOが運営する市民活動センターに支援してまいります。

 また、国内・国際交流においては、友好都市土佐市や姉妹都市グレシャム市との相互交流により、異なる文化や風土への理解を醸成するとともに、引き続き江別市国際交流推進協議会への補助を行ってまいります。

 第7に、これまでの6つの政策を支える「計画実現に向けて」について申し上げます。 第5次総合計画で示した都市像の実現と、私が目指す「明日の江別を確かなものに」するための各種施策の実施には、しっかりとした行財政基盤が必要です。
 したがって、第5次総合計画後期基本計画の着実な推進とともに、これまで内部で行っていた行政評価に新たに外部の視点を取り入れ、さらに行政改革大綱とその個別計画である行政改革推進計画の実行により、行財政基盤の確立を図ってまいります。

 以上が歳出予算の概要であります。

 次に、歳入の見通しの主なものにつきまして、ご説明申し上げます。 まず、市税につきましては、経済状況の悪化を受けた給与収入の減少などから、個人市民税が大幅な減収見込みとなるなど、市税全体では前年度当初に比べ3.2%減の120億2,700万円を見込んでおります。
 なお、市税全般を通じて、公平負担の原則から、税源の的確な把握と収納率の向上に引き続き努力してまいります。

 次に、地方譲与税では、長引く不況の影響から、前年度当初に比べ4.2%の減、一方、地方交付税は98億100万円と前年度当初比1.7%増、地方の一般財源的性格を持つ臨時財政対策債は、23億300万円と前年度当初比75.3%の大幅な増となりました。

 したがって、市の一般財源確保においては、市税の落ち込み分を地方交付税の増額と臨時財政対策債の発行によって確保したものであります。

 結果として、臨時財政対策債の借入れ残高が増加することから、その償還財源は後年次において全額地方交付税に算定されるとはいえ、その財源確保のためには今後とも市税等の自主財源の涵養が喫緊の課題であると考えております。

 市債の発行につきましては、臨時財政対策債のほか、江別の顔づくり事業や道路整備等の財源に充てるため、総額では35億8,810万円となりました。

 今後とも、将来世代と現役世代との負担バランスに十分配慮し、市債残高や償還額の推移を考慮しながら、投資的事業の重点化・平準化などにより、計画的な発行を図っていかなければならないものと考えております。

 以上、平成22年度予算の大綱について申し上げました。

 終わりに、低迷する日本経済のなかにあって、雇用情勢を中心に市内経済の状況も極めて厳しいものと言わざるをえません。
 しかしこのような時だからこそ課題を先送りすることなく、今を将来の基礎を築く好機と捉え、果敢に立ち向かっていかなければならないものと考えております。

 そのためには、常に緊急度や優先度等を点検しつつ、必要な時には英断を持って対処しなければならないものと考えており、お互いがやさしさや豊かさを実感でき、誰もが元気で活力あふれる街を目指し、市民、自治会や市民活動団体、大学・企業などと手を携えて、確かな明日に向けて相互に補完しながら、ともに歩んでまいりたいと考えております。

 市民の皆様並びに議員各位の特段のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成22年度の市政執行方針並びに各会計予算案の説明とさせていただきます。