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令和6年度姉妹都市グレシャム市派遣高校生の感想文

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年3月18日更新

『機会に感謝!!アメリカ留学』 北海道札幌啓成高等学校2年 佐澤 芯優

Shinyu

 はじめに、江別市とグレシャム市の姉妹都市高校生相互派遣事業に携わっていただいたすべての皆様に心から感謝を申し上げます。               

 この3週間は、かけがえのない、素晴らしいアメリカ生活でした。      

 中学3年生の時、中学生国際交流事業の派遣事業に参加を希望したものの、コロナ禍のため派遣が中止となり、残念な思いをしておりました。姉妹都市高校生相互派遣事業の派遣高校生に応募することが、高校生活の目標の1つにあり、派遣決定の連絡が来たときは、飛び上がって喜びました。            

 私は英語の雰囲気が好きで、英語で海外の友人と交流をしています。電話やSNSだけではなく、実際に海外へ行き、英語圏で生活をすると、英語に対する新たな発見があったり、日本人と異なる考え方に感心したりします。        

 アメリカは私にとって、カナダ、韓国、オーストラリアに続く4カ国目の訪問のため、高校生活における国際交流の集大成と位置付け、渡米を心待ちにしていました。                                 

 高校生のみで渡航する大冒険があり、緊張もありましたが、標識を頼り、スタッフの方々に助けてもらいながら到着したことは、自信になりました。     

 私は飛行機や空港が好きなので、ブラジルの航空機メーカーEmbraer社の機体に搭乗できたことや、日本では馴染みのないエアラインを見たことに心が踊り、空から見るシアトル・タコマ国際空港(SEA)のV字型の美しさに感動し、ポートランド国際空港(PDX)の緑色のカーペットや木の温もりに親しみを感じたりと、オレゴンまでの道のりも楽しく過ごしました。                

 出迎えてくれたホストファミリーの笑顔を見たときは安心し、始まるアメリカ生活にワクワクがとまりませんでした。                   

 ホストファミリーは5人家族で、Pa、Ma、叔母のCarmen、2024年に来江し江別高校に通った大学1年生のIsaiahとグレシャム高校2年生のJoshが温かく迎えてくれました。Pa、Ma、Carmenの間の会話はスペイン語で、初めて聞くネイティブのスペイン語は興味深いものでした。滞在中はメキシコ料理を食べることが多く、食事が毎回楽しみでした。タコスは色々な種類や食べ方があり、Carmenが作ってくれた手作りのトルティーヤやお肉のタコスが本当に美味しく、思い出の味になりました。ホストファミリーが日本へのお土産として持たせてくれたコーントルティーヤが日本の家族も気に入り、タコスが身近なメニューになりました。                                  

 私も日本の文化を紹介したいと思い、お土産に小振りな兜飾りを持参し、端午の節句に兜を飾る意味について伝えました。また鶏の照焼を作ったり、抹茶を点て振る舞いました。小学校の土曜広場で参加していた茶道教室の経験が役立ちました。Carmenが抹茶を気に入ってくれて、リクエストしてくれたのがとても嬉しかったです。                              

 グレシャム高校は規模が大きく、生徒数は約1700人。私が通う札幌啓成高校の約2倍の人数が通っていました。広い敷地に陸上用のトラック、テニスコート、野球場には電子掲示板があり、野幌総合運動公園と同じような設備が高校の敷地にありました。アメリカの公立高校の学習環境の素晴らしさに、驚くばかりでした。                                 

 ホストブラザーのJoshは、グレシャム高校とCALという将来なりたい仕事を見据えた学校へも通っていました。アメリカの高校生の朝は早く、7時35分から授業が始まります。私はJoshと一緒に、午前中はグレシャム高校で、日本語、数学、アメリカの歴史の授業を受け、午後はCALに行き、医療の実習や医療用語や生物、英語の授業を受けました。CALへは他校の友人のConnorが車で迎えに来て、乗せてくれました。16歳で車を運転する様子に車社会を実感しました。

 自分の将来に向かい、2つの学校で学習する高校のシステムが素晴らしいと思いました。CALは様々な高校の生徒が通うので、他校の生徒とも仲良くなることが出来たのが良い思い出です。CALの生徒はとても仲が良く、CALで過ごすのが楽しかったです。                             

 グレシャム高校では、日本語の勉強をしている生徒が多くいました。姉妹都市交流を行っているからだと思います。派遣高校生として、江別へ行きたいと言っている生徒もいて、喜ばしく思いました。彼らの希望が叶い、江別で再会できる事を願っています。                             

 帰国が近づくにつれ、まだまだアメリカに滞在したい。もう少し生活を送れたらという気持ちでした。別れを寂しく思っていましたが、MaとCarmenが「あなたは私たちの家族の一員よ。ここはあなたの家。いつでも帰ってきなさい。」と言ってくれ、Mendez家との出会いに感謝の気持ちでいっぱいになりました。友人たちは、今後も連絡を取ろう!と言ってくれ、本当に嬉しかったです。帰国後もアメリカの家族や友人たちとは、連絡を取り合っています。先日は、CALメンバーがビデオメッセージを送ってくれて、みんなに会いたくなりました。    

 交流を通じて特に印象的だったのは、生徒たちの多様な背景です。グレシャム高校の生徒と話していると、「私は〇〇で生まれたけど△△で育ったよ」と話す人が多く、日本生まれ日本育ちの私が少数派と気づきました。アメリカでは異なるバックグラウンドを持つ人々が、当たり前に一緒に生活していることで、異文化交流が自然と行われていると感じました。                 

 英会話では、発音の訛りにも興味を持ちました。アメリカとオーストラリアの英語には違いがあり、同じ単語なのか?と思う場面がありました。また、バックグラウンドによって、英語の発音に訛りがあるようで、ネイティブ同士でも聞き取りにくいことがあると知りました。ネイティブ同士でも軽く聞き返す様子に、自分が聞き取れない、伝わらないことがあっても、聞き返せば良いのだし、落ち込む必要はないと気づきました。これからは、地域による英語の違いも意識して学びたいと思います。                           

 滞在中は姉妹都市交流ならではの出来事が多くありました。Isaiahの通うマウントフッド・コミュニティカレッジの日本語クラスに参加した際、以前派遣高校生として江別で生活をしたことがある大学生が声をかけてくれました。またIsaiahから聞いた江別高校のエピーソードでは、私が通っていた大麻東中学校の先輩の名前が出てきて、お互い共通の知り合いがいたことに、とても驚きました。日本語クラスのTara先生や現地サポーターのBarryさんも毎年この派遣事業に携わっているそうで、手厚いサポートのおかげで、滞在中は心強かったです。           

 グレシャム市長表敬訪問の際は、姉妹都市として交流する素晴らしさを述べることができました。Travis Stovall市長にお会いできて、大変光栄でした。機会を設けていただけた事に感謝します。                   

 ホストファミリーやBarryさんには、色々な所に連れて行ってもらいました。大型スーパー、モール、レストラン、ファストフード、映画館、ゲームセンター、ポートランドなどです。ハイウェイもよく利用し、ビッグなアメリカを体感しました。                                 

 グレシャムでは雪が少し降ると学校や会社が休みになり、お店が閉まり、車で移動が出来なくなります。雪が少し降っただけで、家にいなければならない状態になり、予定どおり外出できない日が数日ありました。江別市と北緯は変わらないのに、雪があまり降らず、雪が降るとお休みするという生活に驚きました。今回行けなかった場所は、次回のお楽しみとして取っておこうと思います。    

 アメリカ生活を通して、文化の違いや多様性に対する理解が深まりました。アメリカと日本は多くの面で違いがありますが、それぞれの良さを知ることで自分の視野や考え方が広がったように感じます。今回の経験をこれからの生活や将来に活かし、敬意を持ちながら、異なる文化を理解しようとする姿勢を大切にしていきます。                                

 いつかまた、Mendez家や友人に会いにアメリカへ行きます!!MaとCarmenと次に会うときは、スペイン語でも話そうと約束をしたので、スペイン語の勉強も頑張ります!!                              

 最後に、ホストブラザーに手を上げてくれたJosh、日本語で「待ってる」と連絡をくれた日本とチキンが大好きなIsaiah、家族の一員と言ってくれたMendez家、帰国後も仲良くしてくれるアメリカの友人達、江別市とグレシャム市の姉妹都市高校生相互派遣事業に携わる皆様、応募にあたりサポートをしてくれた札幌啓成高校の先生方、もう一人の派遣高校生の綾音、いつも応援してくれる日本の家族に心から感謝いたします。ありがとうございました。

『アメリカ留学で広がった世界』 北海道大麻高等学校1年生 須藤 綾音

Ayane

 私は今回の留学で、初めて海外に行きました。この機会がなければ、一生パスポートを作ることはなかったかもしれません。               

 アメリカでは、日本との文化や価値観の違いを強く実感しました。また、家族がどれほど私のことを思ってくれていたのかを改めて考える機会にもなりました。                                  

 学校では、先生や友達が温かく迎えてくれました。特に驚いたのは、毎日同じ時間割で授業を受けるシステムです。                   

 私はホストシスター(以下、シスター)が選択した授業を一緒に受けていました。シスターは映画史、生徒会、日本語、英語(国語)、数学、化学、地理を履修していました。日本の中等教育では幅広い科目をまんべんなく学びますが、アメリカでは高等教育のように自分の興味や得意な分野を中心に学ぶ印象を受けました。私は映画が好きなので、言語をより理解できていれば、映画史の授業はさらに楽しいものになっていたと思います。                

 やはり一番楽しかったのは日本語の授業でした。クラスの生徒たちは日本語を学ぶ意欲が高く、日本への興味を持っている人が多かったです。その中の数人とは特に仲良くなり、休日や最終日には一緒に遊ぶほどの関係になりました。彼女たちと過ごした時間は、本当に楽しい思い出です。              

 私がアメリカで驚いたことのひとつに、多様性の受け入れの広さがあります。関係が浅い私に対しても、自分が同性愛者や両性愛者であることを堂々とカミングアウトする人が何人もいました。友達が好きになった男の子の多くが同性愛者だった、ということも珍しくありませんでした。日本でも多様性は少しずつ受け入れられつつありますが、まだ「恥ずかしいこと」だと捉える風潮が残っていると感じます。性別にとらわれず、自分らしく生きることに対して偏見を持たれることが少ないアメリカの方が、私にとっては過ごしやすく感じました。    

 一方で、言語の問題を除いても、生活の中で戸惑うこともありました。先ほど述べた文化や価値観の違いです。アメリカではキリスト教の影響が強いため、英語の授業で創造神話について学ぶ機会がありました。また、日本では「もったいない」という概念が根付いていますが、アメリカではあまり意識されていないように感じました。家庭や学校、外食先でも食べ残しが多く、何よりも食事の量の多さには驚きました。軽く食事を済ませたいと思っても、注文したものが予想以上の量で出てくることがよくありました。普段は残さないように努力している私でも、食べきれないことが何度もありました。               

 「街中で不用意な発言をして撃たれるのではないか」と内心ヒヤヒヤしながら向かったアメリカでしたが、ホストファミリーや友達のおかげで安全に過ごすことができ、無事に帰国することができました。さらに、日本を訪れる計画を立て、「会いに行くね」と言ってくれる友達もいます。今度は私が彼女たちを迎え、日本を案内する側になりたいと思います。