性の多様性について
性の多様性について
人間の性(ジェンダー(Gender)・セクシャリティ(Sexuality))に関する社会的認識は、つい最近まで、身体と心の性は一致するものであり、世の中には「男性」と「女性」の2つの性別しかないと考えるのが一般的でした。また、男性は女性を、女性は男性を好きになるのが当然だと考えられ、それに当てはまらない性自認・性的指向はなかなか認められることがありませんでした。
しかし、そういった性自認や性的指向を持つ方、いわゆる性的少数者(性的マイノリティ)といわれる人たちは、日本では人口の約9.7%(およそ10人に1人)の割合で存在するといわれています。(※出典:電通ダイバーシティ・ラボ「LGBTQ+調査2023」)
姿、価値観、感情などが人によって異なるように、人間の性も多様であり、たった2つのパターン(「男性」「女性」)に分けられるほど単純なものではありません。自分の性別をどのように認識するか、どのような性別の人を好きになるのかは人それぞれ違います。
現在では、日本でも性の多様性についての理解は広がりを見せており、誰もが自分の性を尊重され、自分らしく生きることのできる社会が強く望まれています。
LGBTという言葉を知っていますか?
LGBTとは、次の4 つの言葉の頭文字を組み合わせた言葉で、性的少数者(性的マイノリティ)を表す総称の一つとして使われています。
- レズビアン(Lesbian)・・・女性の同性愛者(心の性が女性で、恋愛対象も女性)
- ゲイ(Gay)・・・男性の同性愛者(心の性が男性で、恋愛対象も男性)
- バイセクシャル(Bisexual)・・・両性愛者(男性も女性も恋愛対象)
- トランスジェンダー(Transgender)・・・身体と心の性が一致していないため、身体の性に違和感を持ったり、心の性と一致する性別で生きたいと望む人
さらに、「自分自身の性がわからない、決められない人(Questioning クエスチョニング)」を加えたLGBTQや、「男女どちらにも恋愛感情を抱かない人(Asexual アセクシャル)」など多様な性を表す+(プラス)を加えたLGBTQ+という表現もあります。
SOGIの考え方とは
SOGIとは、どの性別を恋愛の対象とするかを表す「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう思っているのかを表す「性自認(Gender Identity)」の頭文字をとった略称で、”すべての人の性を2つの視点で考えよう”という概念です。
性的指向(Sexual Orientation)
+
性自認(Gender Identity)
↓
SOGI(ソジまたはソギと読みます。)
人はそれぞれが自分だけの性的指向と性自認を持っていて、その組み合わせは実に多様です。すべての人が持っている性の構成要素であるSOGIの観点から、あらゆる性的指向や性自認を尊重し、理解し合うことが求められます。
カミングアウトとアウティングについて
カミングアウトとは
自分が性的少数者(性的マイノリティ)であることについて、人に打ち明けることを「カミングアウト」(Coming out)といいます。
その語源は「クローゼットから外に出る」(= Coming out of the closet)であり、自分の本当の性を隠して偽りの自分を演じながら日常生活を送っている状態を「クローゼットの中に閉じこもっている」と表現したことに由来しています。
カミングアウトは、本当の自分が外の世界に踏み出す第一歩であり、自分の性を受け入れ、自分らしく生きていくための手段の一つといえます。
もしカミングアウトされたら
カミングアウトには大変な勇気と覚悟を伴います。打ち明けた相手に迷惑をかけるのではないか。相手との人間関係が壊れてしまうのではないか。自分が意図していない範囲まで知れ渡るのではないか。そのようなリスクに対する強い不安があるからです。
もし、あなたがカミングアウトや相談を受けた場合、それはあなたが信頼されていることの証です。その思いを真摯に受け止め、次のことを心がけるようにしましょう。
- 打ち明けた本人は不安でいっぱいです。まずは「話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。
- 何かできることはあるか、自分に何を望んでいるかを確認し、寄り添う気持ちを伝えましょう。
- 打ち明けられたことで感じた疑問、気持ちは素直に伝えましょう。
- これまで誰に打ち明けたか、誰に伝えていいのか、誰に伝えてはいけないのかを確認しましょう。
アウティングとは
本人が秘密にしたい事実を、本人の同意を得ずに、他者に言いふらしたり、それと分かるような言動をとることを「アウティング」(Outing)といいます。
アウティングは、性的少数者(性的マイノリティ)の方々がカミングアウトに踏み出せない大きな原因の一つです。過去には、カミングアウトした結果、相手のアウティングによって周囲に知れ渡り、精神的に追い詰められ自死に至ったという事例もあります。
他人の秘密を暴露する行為であるアウティングは重大な人権侵害です。事実そのものを口外する以外にも、次のような行為もアウティングに当たりますので、本人の同意がない限り、絶対に行わないように注意しましょう。
- SNSやグループラインに投稿する。
- 黒板や壁に落書きする。
- それと分かるような素振りや言動で周りの人に気付かせる。
- 周りに人がいる状況で思わずつぶやいてしまう。(悪意がなくても、故意ではなくてもアウティングに当たります。)
性の多様性への理解促進に向けた市の取組み
市では、第3次江別市男女共同参画基本計画に基づき、LGBT等性的少数者(性的マイノリティ)への理解促進に関する取り組みを行っています。
江別市パートナーシップ宣誓制度
江別市は、「江別市パートナーシップ宣誓制度」を令和4年3月1日から開始しました。
この制度は、LGBT等性的少数者(性的マイノリティ)の当事者を含むカップルが、互いを人生のパートナーとし、日常生活において相互に協力し合う関係であることを宣誓し、市が両者に対して証明書(パートナーシップ宣誓書受領証)を交付するものです。
【詳しくはこちらをご覧ください】
江別市パートナーシップ宣誓制度について
子どもたちへ向けた啓発ポスター
教育現場では、性的少数者の子どもの約6割が、いじめや暴力を受けたことがあるといわれており、子どもの頃から多様性を認め合い、支え合っていくことを伝える必要があります。
市では、性的少数者の当事者やその家族を支援している江別SOGIの会、SOGI mamii's、SOGI mamii's youthとの協働により、小学生向け及び中学生・高校生向けのポスターを制作しました。
中学生・高校生向けポスター [その他のファイル/570KB]
各ポスターは、市内の小中学校、高校および公共施設に掲示しています。
性の多様性に関するガイドブックによる事業所等への啓発
従業員一人ひとりが性の多様性について理解を深め、誰もが働きやすく活躍できる職場づくりを目指す取組のヒントとして、多様な性についての基礎知識や性的マイノリティの当事者が職場において直面する困難と、それを解消するための職場環境の整備、実践事例などを紹介したガイドブックを作成しました。
詳しくはこちら☛性の多様性に関するガイドブック~誰もが自分らしく働ける職場づくり~ [PDFファイル/1.85MB]
※本冊子は事業所等へ順次配布します。
職員ガイドラインによる市職員への啓発
江別市では、市の職員が、性の多様性について正しい知識を持ち、手続きや相談等で市役所を訪れる性的少数者の方に対して、適切な配慮や対応を身に着けるため、「性の多様性に関する職員ガイドライン~性の多様性を認め合い、誰もが自分らしく暮らせるえべつへ~」を作成し、全職員に向けて周知啓発を行っています。
性の多様性に関する職員ガイドライン~性の多様性を認め合い、誰もが自分らしく暮らせるえべつへ~ [PDFファイル/1.97MB]
LGBT等に関する相談窓口のご紹介
LGBT等の方の心の健康や人権、法的トラブルなどに関する相談窓口についてはこちらをご覧ください。