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江別市土地開発公社解散の説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

土地開発公社解散の概要

 江別市土地開発公社(以下「公社」という)は、公共用地等の取得、管理及び造成などを行うことにより、地域の秩序ある整備と市民福祉の増進に寄与することを目的として、昭和48年5月に設立されました。
 設立当時からバブル経済崩壊までの間は、土地の価格も右肩上がりに上昇した時代で、市民福祉や公共サービスを担う江別市としても公共施設の建設などに必要な公有地を地価が値上がりする前に確保する必要がありました。

 公社は、そうした時代背景の中で、市内各小中学校の建設用地や公園用地、また、各公民館などの公共施設用地や道路用地などの先行取得を中心とした業務を担うことで、江別市のまちづくりに大きな役割を果たしてきました。

 しかし、バブル経済が崩壊し、経済環境が大きく変わる中で、今もなお全国的に地価の下落傾向が続いている状況にあり、江別市においても財政状況の悪化や、人口の伸び悩み、社会経済情勢の変化などにより、公社が保有している先行取得用地の事業化が遅れ、市による用地の購入も進まない状況となりました。

 これらのことから、地価が値上がりを続けていた時代に公共用地等の先行取得を行っていた公社の役割は薄れ、公社設立の所期の目的・使命は終えたものと考えるに至りました。

 このような中、平成21年度に国(総務省)の制度として、「第三セクター等改革推進債」が創設され、江別市としては公社を解散させて将来にわたる市の財政の健全化を図っていくために、公社が保有している資産を処分して、公社の債務(借金)を返済して解散させるための資金手当として「第三セクター等改革推進債」を活用することにしました。

 公社を解散させるには、公有地の拡大の推進に関する法律(以下「公拡法」という。)第22条第1項の規定に基づく、議会の議決が必要となることから、平成22年第3回江別市議会定例会(9月議会)に公社解散を含めて関連議案5本を、さらに続く11月議会においては、約30億円で財産を取得する議案をそれぞれ提案し、議会の承認を得ました。

 その後、第三セクター等改革推進債の使途について、国の統一的取り扱いが示されたことから、一般会計補正予算及び財産の取得の議決変更の議案を平成23年第1回江別市議会定例会(3月議会)に提案し、可決されました。

 江別市土地開発公社は、解散関連議案の可決後、北海道知事に対して解散認可の申請を行い、平成23年3月30日付けで北海道知事から解散認可を受けました。

1.設立の経緯と背景

 江別市土地開発公社が設立された昭和48年当時の日本は、前年まで続いた高度経済成長期に続く安定成長期と言われる時代でした。土地の価格も、平成に入ってバブル経済が崩壊するまでは右肩上がりに上昇し、また当時は「日本列島改造論」に象徴されるように、国土開発ブームに沸いた時代でもありました。

 もちろん、江別市が含まれる札幌圏もその例外ではなく、大麻団地の造成もあって、昭和40年から48年までの8年間に、江別市の人口は4万4,000人から7万1,000人へと増加しました。

 市民福祉と公共サービスの提供を担う行政としても、公共施設の建設などに必要な公有地を、地価が値上がりする前に確保する必要がありました。

 このような時代背景のもと、昭和47年に「公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)」が制定され、全国的に地方公共団体で土地開発公社が設立されました。
 江別市でも、昭和48年5月に公拡法に基づき土地開発公社が設立されました。

2.土地開発公社とは

 土地開発公社は、公拡法に基づいて地方公共団体が100%出資して設立する特別法人です。
 土地開発公社を設立する主な目的は、民間金融機関などから借り入れた資金をもとに、地方公共団体からの依頼に基づいて公共用地の先行取得を行うことにあります。

 地方公共団体が事業を実施する際には、取得経費(土地代+買い取りまでの期間の利息+管理費など)を支払って、土地開発公社から用地を買い取る仕組みになっています。

 江別市土地開発公社の概要

3.公社が果たした役割

 公社は、昭和50年代には、中央小学校や大麻東中学校などの小・中学校建設用地、湯川公園や野幌公民館の建設用地などを市からの依頼により先行取得して、市に売却しました。

 昭和60年代から平成の初めにかけては、北海道情報大学や北海道情報技術研究所の誘致のための土地の取得と市への売却などに代表される、西野幌のRTNパーク(第1工区)の開発のほか、道立食品加工研究センターの立地のための用地の先行取得など、江別市への企業や研究機関の誘致にも貢献してきました。

 その後は、セラミックアートセンター、えぽあホール、市営墓地やすらぎ苑の建設用地などを先行取得して、市に売却しています。

 公社の設立以来、平成21年度までに先行取得して、市が買い戻しをした用地は118件で、面積にして約80ヘクタール、買取金額では138億5,600万円ほどになりました。

 公社はまた、市からの依頼とは別に、第2工業団地の一部の開発に加え、RTNパーク内においても、現在「日本デジタル研究所」や「京セラキンセキ北海道」などが操業している西野幌学術研究開発型事業用地の用地取得と造成工事を行い、市経済部と連携してこれらの土地を立地企業に分譲してきました。

 江別市土地開発公社から市が買い取った主な用地

4.情勢の変化

 バブル景気も平成2年をピークに坂を下り始め、平成5年ころには景気の悪化が明確になりました。平成9年には、北海道拓殖銀行や山一證券が破たんするなど、日本経済は長いトンネルに入りました。

 人口15万人を目指して発展を続けていた江別市の人口増加も鈍り、平成17年の12万5,000人余りをピークに減少に転じました。

 地価も、平成3年ころまでのような上昇は見られず、逆に全国的に下落が始まり、今なおその傾向は続いています。

 また、全国的な景気の減速による国や自治体の財政状況の悪化は、予定していた事業の遅れを招き、市による土地の買い取りが進まない状況となりました。さらには、過去には完売で終了した工業団地の分譲も、西野幌のRTNパークでは、売れ残りが出る状況となりました。

 さらに、平成17年度決算から国が定める土地開発公社の経理基準要綱が改正され、土地の評価方法が変更されたこともあり、結果的に8億円ほどの欠損金を抱えるに至りました。

 これらのことが原因となり、公社が土地の買収や造成のために金融機関などから借り入れた資金の金利負担が増加し、土地の売却が進まない中で公社の管理経費だけが膨らむといった状況となりました。

 江別市土地開発公社保有地の状況(平成22年7月1日現在) 

5.公社を解散へ

 市では、平成13年度から25年度までの期間で、公社が長期間保有している用地の買い取りを進めるため、「長期保有地解消事業計画」に基づき、毎年3億円程度を予算化して計画的に買い戻しを行ってきました。

 しかし、毎年約3億円で市が買い戻しを続けても、10年以上かかり、今後の財政状況によっては、その資金が継続的に予算化できないことも想定されます。この間も、公社が存続すれば、引き続き公社保有地の管理経費や借入金の利息がかかることになります。

 土地価格が上昇する可能性は低く、新たな公共用地確保の必要性も低いことから、市では、土地開発公社が歴史的に担ってきた役割はほぼ終えたものと考えるに至りました。

 このような中で、平成21年度から5年間の時限措置で、国の制度として「第三セクター等改革推進債(三セク債)」が創設されました。

 この制度は、地方公共団体が土地開発公社などを含む第三セクターなどの再建や清算をする場合に、一時的に多額の資金が必要となることから、これらの資金を必要とする地方公共団体などが、議会の議決などの手続きを経て、地方債(特別の借入金)によって賄うことを認めたものです。

 市では、この機会に土地開発公社に関する債務を固定化し、将来的な市の財政の健全運営を図っていくために、三セク債を活用して公社を早期に解散させることを決定しました。

 平成22年9月に開催された第3回江別市議会定例会には、公拡法に基づいて、土地開発公社の解散に関する議案のほか、関連議案を含めて計5本を提案し、可決されました。

6.第三セクター等改革推進債とは

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律が平成21年4月1日から完全施行されたことから、国(総務省)は、地方公共団体が第三セクター等(土地開発公社などを含む。)の抜本的改革を集中的に行えるように、平成21年度から平成25年度までの間の時限措置として第三セクター等の解散又は再生などのために特に必要となる一定の経費を議会の議決等の手続を経て地方債の対象とすることができるよう、特例措置として創設したものです。

 7.公社解散の枠組み

 公社の解散に当たっては、公社の負債(総額約42億円)を整理する必要があります。

 そこで、市が土地開発基金などの基金の取り崩しと一般財源など総額15.3億円の予算で公社保有地を購入し、公社では保有地の売却代金を民間金融機関等からの借入金の返済に充てることで負債の整理を行います。

 さらに、市から公社への短期貸付金28億円のうち、公社で返済可能な9,500万円を除いた残り27億円余りについては、公社の保有地及び建物(簿価約16億円)と公社が独自に取得し、造成した西野幌学術研究開発型事業用地、いわゆるRTNパークの用地(平成23年2月1日現在の時価評価額約2.5億円)を代物弁済(現金の代わりに現物の土地等で返すこと)として受け取り、なお公社で返済しきれない負債約8.5億円については、市が貸付金の返還請求権を放棄するために地方自治法第96条第1項第10号の規定により、権利放棄の議案を平成23年第1回江別市議会定例会に提案し、可決されました。

 当初は、第三セクター等改革推進債を発行(27億円)し、合わせて基金を取り崩す(14億円)ことで財源を措置し、公社の保有地等を一括買い取りして公社の負債整理の資金とするほか、代物弁済と権利の放棄により公社の清算を行おうとしておりましたが、第三セクター等改革推進債の充当については、土地の購入ではなく土地開発公社貸付金の返済分の歳入を減額し、その補填財源とするべきという国の統一的取り扱いが示されたことから、その取り扱いに合わせることとし、改めて一般会計補正予算と財産の取得の議決変更議案を平成23年第1回江別市議会定例会(3月議会)に提案し、可決されました。

 江別市土地開発公社の解散及び清算スケジュール

 江別市土地開発公社債務の清算イメージ

 江別市土地開発公社解散にかかる資金手当て新旧比較表

8.西野幌学術研究開発型事業用地(RTNパーク)に係る公社の収支

 西野幌学術研究開発型事業用地(RTNパーク用地)は、江別市が先端技術関連産業の研究施設、生産施設の集積地として計画したRTNパーク内の第1期開発区域の第2工区の一部に江別市土地開発公社が取得、造成、分譲している工業団地です。

 西野幌学術研究開発型事業用地は平成3年から開発が始まり、平成4年5月に土地取得の上、同年11月に操業したファナック株式会社をはじめ、同年株式会社日本デジタル研究所が用地を取得して翌年に操業、平成6年には株式会社日本電気が土地を取得しています。

 その後、平成10年には協和エクシオ、京セラタイコムが土地を取得し操業しました。平成15年には、京セラタイコムの取得地を北海道キンセキが民間売買で取得し、同年北海道キンセキが新たに取得した土地と合わせて新工場を操業させ、同社は後年京セラグループ入りして社名を変更し、現在の京セラキンセキ北海道となっています。

 平成20年には北海道電気技術サービス株式会社が用地を取得し、また平成21年には食品加工の株式会社トミイチが土地を取得し、本年、既に工場を新築して操業を開始しています。

 西野幌学術研究開発型事業用地(RTNパーク用地)に関する土地開発公社の収支をみますと、当該土地は平成3年から4年にかけて約21億7,000万円で土地開発公社が取得し、平成4年から5年にかけて約12億3,700万円をかけて測量、工事等を行い造成したもので、面積は約29ヘクタールあります。

 また当初から現在に至るまでに管理費、人件費等の諸経費で約2億6,000万円、借入金の支払い利息分として約3億6,000万円が簿価に算入されており、簿価総額では約40億2,700万円になります。

 このRTNパークの用地については、簿価ベースで約28億円、面積にして総面積の約82%に相当する約24ヘクタールを誘致した企業等に売却しました。

 ただ、最近は、RTNパーク周辺でも地価が下落し、同用地の評価額も下落し続けていました。この様な中で、平成17年度に国が定めている土地開発公社の経理基準要綱の改正が行われたことに伴い、同要綱に定める土地の時価が取得価額よりも著しく下落(概ね50%)した場合で、なおかつ将来において地価が回復する見込みの無い土地造成事業に係る土地に該当することになったことから、簿価を時価に切り下げた結果、約8億3,800万円の土地評価損が生じることになりました。

 この平成17年度の簿価見直しに伴う評価損を含めて、公社設立の昭和48年度から公社解散を予定している平成22年度までの損益計算書上の当期純利益又は当期純損失の累積額としては、現段階で約8億円の損失が見込まれる状況となっています。

 公社では、これまでもRTNパークの第1工区や第2工業団地等において土地取得や造成事業を行い、いずれも黒字決算で市の産業振興に大きく貢献してきました。

 ところが、RTNパークの第2工区に当たる西野幌学術研究開発型事業用地については、バブル景気崩壊に伴う地価の下落により、上記の様に約8億円の損失を抱えるに至りました。

 しかし、開発以来20年近くを経過し、誘致企業や従業員が市に納める毎年約7,000万円を超える市民税や固定資産税などの税収だけでも公社がRTNパークに投資した分は回収されており、今後将来にわたって市に入ってくる税収分はさらに黒字分になると考えられます。

 また、誘致企業そのものの消費行動や従業員が給与収入を江別市域内で消費する効果、いわゆる経済波及効果により、江別市が受ける便益はさらに大きいと考えられます。

9.市財政への影響

 第三セクター等改革推進債を発行することで、その償還が市財政にどのような影響を及ぼすか、長期的な財政見通しを推計いたしました。なお、現時点における制度や客観情勢を踏まえ、推計していることから、将来大きく見通しと相違する可能性がありますので、参考資料としてご覧ください。

 なお、毎年の赤字は、歳出の削減努力と歳入確保のほか、必要に応じ財政調整基金等、基金の取り崩しにより対応することになります。

 長期財政見通し(試算)平成23年度~平成37年度

10.道内各市の土地開発公社解散の動き

 平成23年4月1日現在で道内35市の中で、土地開発公社があるのは26市です。

 平成17年から平成23年3月31日までの間で、稚内市、芦別市、赤平市、紋別市、歌志内市、富良野市、釧路市、江別市の8市で土地開発公社を解散しています。

 広報えべつ平成22年11月号・土地開発公社解散関連記事 [PDFファイル/1.5MB]

 広報えべつ平成22年12月号・土地開発公社解散関連記事 [PDFファイル/1.71MB]

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