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2 この時期の関わり方のヒント(3歳)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年5月6日更新

目次

1.自己肯定感を育てましょう

2.いろいろな経験をさせてあげましょう

3.集団生活に向けた準備をしましょう

4.頑張りすぎない子育てをしましょう

 

1.自己肯定感を育てましょう

「私は愛される価値がある人間だ」と思える気持ちのことを自己肯定感と言います。自己肯定感が高い人は、自分に自信を持ち、他者とも信頼関係を築きやすく、自分の考えで行動できる、自立した大人になることができます。

この自己肯定感は、幼少期に親や周囲の人の関わりにより高められたり、低くなったりします。自分の気持ちをしっかりと受け止めてもらった子どもは、「自分は大事にされる価値がある(=自己肯定感が高い)」と自分に自信を持つことができ、叱られることが多い子どもは、「自分はダメな人間なんだ(=自己肯定感が低い)」と自信のない子になりがちです。

子どもが健やかに育つためには、自己肯定感が大切になります。また、子どもはこの「自己肯定感」を土台にして初めて「しつけ」が可能になるため、この感情を持つことがとても大切です。

お母さんと子どものイラスト(男の子)

(1) 気持ちを受け止めましょう

 3歳は、自分で何でもやりたがったり、「自分はこうしたい!」と自己主張が強くなったりしてくる時期です。でも、まだこの時期の子どもの見方は自己中心的だったり、一方的だったりすることもあります。お友だちとの関わりも増え、トラブルになることもあるでしょう。「○○したくない!」「これを買って欲しい!」など「だだこね」になって、親としては困ってしまうこともでてきますね。でも、「だだこね」は「自己表現の証」で、立派な成長段階の1ステップなのです。

この時に大切なのは、「こうしたい!」というお子さんの気持ちを受け止めることです。子どもの要求に応じられない場面だったとしても、まずは「○○したかった(○○したくなかった)んだね」と、言葉で伝えてあげましょう。大好きなお父さん、お母さんが「自分の気持ちをわかってくれた!」と感じることで、次の言葉を聞いてくれるようになります。また、「自分の気持ちを大切にしてくれた=自分は大事な存在なんだ」と、自己肯定感を育てます。

まずは気持ちを受けとめて、その後に「でも、今は○○だから、~できないんだよ」などと説明したり、「あと何回○○したら、おしまいにできるかな?」などと提案したりして、お子さんが納得するのを待ってみましょう。

(2) ほめることを意識しましょう

1日に、子どもを「ほめる回数」と「しかる回数」の割合はどのくらいですか?          

子どもは何回もしかるよりも、上手にほめて満足感を与える方が、望ましい行動をしてくれることが多いものです。ほめることが苦手な親は多いようですが、できるだけほめることを意識し、「しかる」よりも「ほめる」ことを増やしましょう。たくさんほめられた子どもは、自己肯定感が高まり、自信を持って積極的に行動できるようになります。             

 
ほめ方のコツ ほめ方の例

単に「すごいね」「えらいね」だけではなく、「○○しているね」と行動できていることを認めると良いでしょう。

「(ママが言わなくても、)ちゃんと手を洗えたね」

良いことをした時や我慢できた時、すぐに褒めましょう。

頑張っている最中にほめることも継続できるコツです。

「立たないで、ご飯食べているね」お母さんのアドバイスが響く子供イラスト

「○○してくれて嬉しい」「助かるよ」と親の気持ちを伝えると、子どもは親が喜んでくれていることで自信がつきます。 「お皿を下げてくれて、ママ助かったよ」

望ましくないことを我慢できた時もほめポイントです。

「○○しなかったね」「よく我慢できたね」と伝えてあげると、「ママ(パパ)は私のことをちゃんとみててくれている」と、モチベーションが上がり、次も我慢できる確率があがります。

「今嫌だったけど、叩かないで我慢できたね」

「今日、お菓子買ってと言わなくてえらかったね。」

 

「ありがとう」も相手への最高の褒め言葉です。ほめることが苦手な方は、たくさん「ありがとう」を伝えてみましょう。

「△△くん(弟)に、おもちゃを貸してくれてありがとうね」

 

(3) 言葉で「大好き」「○○ちゃんが大切だよ」と伝えてみましょう

親が子どもを想う気持ちは、言わなくてもわかるだろう、と親は思うものです。でも、子どもは叱られることが多いと「自分は悪い子なのかな」「自分は大切な存在ではないのではないかな」と思ってしまうことがあります。「○○ちゃん、大好きだよ」「ママ(パパは)○○くんが大切だよ」など、言葉で伝えてあげると良いでしょう。

言葉で伝えることが苦手な方は、お父さんお母さんの方からお子さんを抱っこしてあげると良いですね。3歳になると、下の子がいたりして、抱っこしてもらうことが少なくなってしまうこともあります。子ども要求した時だけでなく、お父さんお母さんから「抱っこさせて」と言うと、お子さんはとても嬉しい気持ちになって、「お母さんは僕(私)が大好きなんだ」「僕(私)は大切な存在なんだ」と気持ちが伝わります。

2.いろいろな経験をさせてあげましょう

子どもの情緒は、普段の会話や体験の中で育っていきます。何気ない毎日には、心の栄養素がいっぱいです。

体を動かす・触る・見る・聞く・想像するなどの体験は、「運動能力」「手先の器用さ」「言葉」「感性」「思考力」「判断力」「想像力」などの豊かな能力を育てます。また、他の子どもと遊ぶことで、仲良しになったり、けんかをしたりする経験が、社会性を養います。

このような経験は、家の中で1人で遊んでいるだけでは限界があります。外で思いっきり体を動かして遊んだり、泥遊びや水遊びをしたり、ブロックや積み木で何かに見立ててつくったり、他の子と一緒に遊ぶなど、いろいろな経験をさせてあげましょう。

 

3.集団生活に向けた準備をしましょう。

幼稚園に入園するお子さんも多い時期です。集団生活へ向けた準備をしましょう。

1.生活リズムを整えましょう。

2.着替えや食事など、身の回りのことを自分でやってみましょう。

3.他の子と接する機会をもちましょう。

4.予防接種を受けましょう。

3歳になったら、日本脳炎ワクチンの接種が始まります。忘れずに受けましょう。

受け忘れている予防接種がないか母子手帳を確認し、もし受けてない予防接種があったら早めに受けましょう。

4.頑張りすぎない子育てをしましょう。

2~3歳頃は、自己主張する力が育ち、「子どもがいうことをきいてくれない」ことも多い時期です。親側からすれば、自己主張はしても周囲との調和をしてほしいと願って、「しつけよう」=「いうことを聞かせよう」としますので、親と子はぶつかりあうのが当たりまえの時期なのです。

お母さんは頑張り屋さんです。「子育てがつらい」「いつも怒ってしまっている」という方は、お子さんのことを真剣に考えている証拠です。でも、子どもは何度言っても失敗を繰り返すものです。毎回完璧に対応しようとすると、イライラしたり怒りすぎてしまったりします。怒りすぎると、子どもは自己肯定感が下がってしまい、自信のない子になってしまいます。

「まあいいか」「しかたない」が楽しい子育ての秘訣です。

子どもを「育てよう」と思わず、「親も一緒に育ちあう」ような気持ちで、頑張りすぎない子育てをしましょう。

叱りたくなる時の気持ちの持ち方のコツはこちら

「子育てがつらい」「子どもを叱りすぎて止められない」」「叩いてしまう」など困っている方は、一人で抱え込まず、家族や友人、保育園などの周りの方や、保健センターへご相談ください。