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平成28年度江別市市政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月1日更新

 ただいま上程されました、平成28年度予算案及びこれに関する諸案件をご審議願うに当たり、私の市政に対する基本的な考えと予算の大綱についてご説明申し上げます。

 我が国の人口は、2008年を境に減少に転じ、ピーク時の約1億2,800万人が、2060年には約8,700万人まで急速に減少し、同時に高齢化率は、40パーセントまで上昇すると推計されております。

 かつて経験したことがない人口減少・高齢化社会を迎える中、本道においては、全国を上回るスピードで人口減少が進行しており、地域の存亡に関わる課題として、地域の特性や強みを活かし、オール北海道で、総合的な対応が求められております。

 江別市におきましても、平成22年の国勢調査において、人口減少が明らかになったことから、少子高齢・人口減少への対応を市政運営における最大の課題と捉え、平成23年度から江別市の特徴を活かした人口減少対策を進めてきております。

 このような状況下で、平成26年度からスタートした第6次江別市総合計画、「えべつ未来づくりビジョン」では、人口減少下で策定した初めての総合計画として、前半の5年間で経済の活性化や、子育て支援、教育の充実などを進める、「えべつ未来戦略」を定め、重点的・集中的に取り組んでいるところであります。

 その結果、総人口の減少は続いているものの、14歳以下の年少人口の社会増減では、平成22年には170人ほどであったものが、平成27年は300人を超える転入超過となるなど、この間の取り組みが、成果として現れてきているものと考えております。
 変化に直面する今こそ、えべつ未来戦略に定める経済活性化や子育て支援、教育の充実などの施策を進め、成長の芽をより確実なものに育てていく必要があるのではないでしょうか。

 また、国では、平成27年を「地方創生元年」と位置付け、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、都道府県や市町村に地方版総合戦略の策定を求め、地方の人口減少に歯止めを掛けるとともに、首都圏への一極集中を是正し、長期的な成長力の確保を目指すこととしています。

 これらの国の施策目標は、現在、市が総合計画において進めている人口減少への対応とその方向性を同じくするものでありますことから、市の総合計画の方向性にあわせ、昨年10月、“江別版地方創生総合戦略”を策定したところであります。

 この、江別版地方創生総合戦略では、

  「しごとをつくり安心して働けるようにする」

  「えべつへの新しい人の流れをつくる」

  「若い世代の結婚・出産・子育てを支援する」

  「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしと健康を守るとともに、地域と地域を連携する」

 の4つの基本目標の下、平成27年度からの5年間に、「しごと」をつくり、その「しごと」が「ひと」を呼ぶような、新しい人の流れをつくり出す交流人口増加策などを進めることとしており、中でも、江別市の特徴である4大学を活かし、大学生の広域的な地域活動支援などを通じて、出生数に大きな影響があるとされている、若者の首都圏への一極集中の是正を進めていくこととしております。
 江別版地方創生総合戦略における人口ビジョンにおいて、江別市の人口は、2060年には7万人程度まで減少し、中でも生産年齢人口はピーク時の半数程度にまで落ち込む一方で、高齢者人口は1.8倍に増加し、その割合は約4割になると推計されております。

 今後においても、地域経済の活力を維持し、持続可能なまちとして、“ふるさとえべつ”を次の時代に引き継いでいくためには、将来にわたって一定の人口規模を確保する人口減少対策を、引き続き進めなければなりません。

 そのため、私は、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ多様な主体が、それぞれの役割分担により、得意分野や知識・経験などを活かして、協働の下、えべつ未来戦略と江別版地方創生総合戦略を一体的に進め、定住人口・交流人口の増加策を更に加速させてまいりたいと考えております。

 さて、間もなく東日本大震災から5年を迎えようとしております。
 被災地では、住民の皆様や関係者のご努力で、復興に向けた歩みが進められておりますが、いまだに、地域社会の再生や産業の復興、放射性汚染物質の処理問題など、数多くの課題が残されており、引き続き、すべての国民が被災地の皆様と心を一つにして、復興に取り組まなければならないものと考えます。

 江別市におきましても、東日本大震災を契機として、防災訓練や自主防災組織の強化など、防災力の向上に取り組み、中でも優先して進めてきた学校の耐震化は、江別第一小学校の開校をもって一定のめどがついたところでありますが、引き続き安全・安心なまちづくりを進めていかなければならないものと考えております。

 また、このたびの大震災は、これまでの低炭素型社会実現に向けた取り組みに加えて、再生可能エネルギーへの取り組みを加速することになりました。

 このため市では、計画中であった地中熱ヒートポンプ方式によるロードヒーティングを進めるとともに、災害時の非常用電源の確保を含め、公共施設等への太陽光パネルの設置、大規模太陽光発電所の誘致など、市民、民間事業者と連携・協働の下、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めてまいりました。

 特に、再生可能エネルギーへの取り組みの広がりは、本年1月、民間のバイオマス発電所の事業開始につながるなど、大きな流れとなり、その発電見込量が、市内家庭向け年間使用電力量の大部分を賄えるまでになるなど、“エネルギー自給自足のまちえべつ”へ、第一歩を踏み出したものと考えております。
 引き続き、第6次江別市総合計画の基本理念である「協働」の下、市民とともに、環境にやさしいまちづくりを進めてまいります。

 そこで、市政を担当するに当たっての、第6次江別市総合計画に基づく、私の基本的な考えについて申し上げます。

 まず1点目は、「安心して暮らせるまち」であります。
 子どもから高齢者まで、あらゆる人が健康的で安心して暮らせるため、保健・医療・福祉サービスの充実や、地域防災力の向上を図り、市民生活の安全・安心を確保することが必要であります。

 そのため、「江別市地域防災計画」に基づき、自治会や関係機関と連携し、地域防災力の向上を図るとともに、避難所の拠点化とその周知に努めるなど、引き続き災害に強い安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

 また、「えべつ市民健康づくりプラン21」に基づき、がん検診の受診勧奨や、地域における健康相談、栄養指導を行うなど、健康意識の向上と健康づくりへの支援に努め、入院や介護を必要としない健康寿命の延伸に取り組んでまいります。

 さらに、「江別市地域福祉計画」などに基づき、介護や障がい等の各種福祉サービスの提供に努めるとともに、就労相談窓口を設置し、障がいのある方の社会的自立を促進するほか、道立特別支援学校高等部の誘致などを進めてまいります。

 また、だれもが住み慣れた地域で、安心して暮らすため、成年後見制度の支援体制の検討などにも、取り組んでまいります。

 2点目は、「活力のあるまち」であります。
 人がいきいきと暮らし、市民の暮らしを支える産業を活性化するとともに、生きがいや心の豊かさを育む文化やスポーツ活動などを充実し、まちのにぎわいや活力を生み出していく必要があります。

 そのため、市内企業の新ビジネス創出に向けた支援や、企業誘致を引き続き進めるとともに、「都心地区整備基本計画」や「野幌駅周辺地区活性化計画」に基づき、野幌駅を中心とした南北市街地の一体化と合せて、地域の交流拠点の整備や、魅力ある商店街づくりを進めてまいります。

 また、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」への参画により、これまで取り組んできたモデル事業の成果を、市内企業の機能性食品開発につなげるとともに、首都圏の企業等に向けたPRや海外市場への展開を支援するなど、次のステップに向けた取り組みを進めてまいります。

 さらに、「江別市農業振興計画」に基づき、市内外へ安全・安心な農畜産物を供給し、都市型農業を推進するとともに、「都市と農村の交流拠点施設」を整備するなど、農業を中心とした6次産業化を進めてまいります。

 また、「江別市社会教育総合計画」や「江別市スポーツ推進計画」に基づき、市民が生涯にわたって、学習・文化活動・スポーツを気軽に行える場を提供し、あわせて、市内の知的資源である大学や自治会などと連携し、引き続き生涯学習の充実に努めてまいります。

 さらに、市内体育施設の耐震改修を着実に進めるとともに、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、トップアスリートと市民との交流を通じてスポーツ振興を図るため、合宿を誘致してまいります。

 3点目は、「子育て応援のまち」であります。
 江別市の未来を担う子どもたちが健やかに成長できるよう、子育て支援や教育の充実を図り、安心して子どもを産み育てられる、魅力あふれるまちづくりを進める必要があります。

 そこで、小児医療・産科医療の体制充実を図るとともに、「えべつ・安心子育てプラン」に基づき、子育て家庭の経済的な負担軽減のため、引き続き市独自に保育料の引下げを行ってまいります。

 また、認定こども園の普及や小規模保育事業等の拡充を図るとともに、「よつば保育園」の開設などにより、年間を通じて待機児童ゼロを実現するための取り組みを進めてまいります。

 さらに、江別第一小学校の新校舎建設に合わせ、放課後児童クラブを併設するとともに、公設による放課後児童クラブの開設時間を延長するなど、子育て環境を整備してまいります。

 また、「江別市学校教育基本計画」に基づき、退職教員等による学習サポート事業を引き続き実施するとともに、大学と連携した朝運動プログラムなどにより、児童生徒の学力、体力の向上を図ってまいります。

 さらに、これまで進めてきた電子黒板などの情報機器に加え、デジタル教科書の全校への導入を開始するほか、モデル校でのタブレットパソコンを使用した授業を実施するなど、児童生徒へのICT教育を推進してまいります。

 4点目は、「環境にやさしいまち」であります。
 江別市の豊かな自然を次代に引き継ぐため、再生可能エネルギーの推進やごみの資源化を推進するとともに、野幌森林公園や石狩川などの自然環境と触れ合うことにより、人と自然が共生するまちづくりを進める必要があります。

 そのため、生ごみの減量化を進めるほか、「江別市環境管理計画」に基づき、低炭素型社会・省エネルギー社会への対応を自治会や市内大学などと連携して進めるとともに、引き続き、学校や公共施設への太陽光パネルの設置、電線の地中化、街路灯のLED化などを進めてまいります。

 また、「江別市緑の基本計画」に基づき、都市公園の整備や公共用地の緑化のほか、民有地を含む緑地の保全やその啓発活動などを行い、緑豊かで潤いのあるまちづくりを進めてまいります。

 さらに、環境への意識を高めるため、自然塾や環境学習の充実を図るほか、廃棄物の発生抑制と資源化を進めてまいります。

 次に、これらの基本理念の実現とあわせて、江別版地方創生総合戦略に基づく、4つの基本目標について申し上げます。

 はじめに、基本目標の1つ目は、「しごとをつくり、安心して働けるようにする」ことであります。
 まちの活力の源は、産業にあります。
 人口減少社会の中、活力を維持していくためには、これまで以上に産業の活性化が重要となります。
 そこで、市内で安心して働ける就業環境を整備するため、市内企業の成長を支援し、雇用の場を確保するとともに、そこに働く人材の育成に努める必要があります。

 そのため、「江別市企業立地等の促進に関する条例」に基づき、市内企業への支援や企業誘致を進めるとともに、新規創業セミナーの開催などにより、新たなビジネスに参入する人材を育成してまいります。

 また、産業の担い手確保のため、アルバイトとインターンシップを兼ねる、有給インターンシップ事業の充実を図り、高校生や大学生、働きたい女性への就労支援のほか、介護分野への就労希望者に資格取得を支援してまいります。

 さらに、食関連産業での就労を希望する方を対象に、市内企業で有給研修や実習の機会を設け、市内産業の担い手育成を支援してまいります。

 次に、基本目標の2つ目は、「えべつへの新しい人の流れをつくる」ことであります。
 人口減少とともに、生産年齢人口や年少人口が減少している中、将来にわたりまちの活力を維持するため、江別の魅力を効果的に市内外に発信するとともに、地理的優位性や産業、自然環境、大学などの地域資源を活かして、定住人口や交流人口の増加を図る必要があります。

 そのため、江別の様々な魅力に触れてもらうため、アンテナショップGET’S(ゲッツ)を通じて、観光・物産情報を発信するほか、市内大学と連携したイベントの開催などにより、江別を訪れてもらうための取り組みを進めてまいります。

 また、観光ルートの紹介や、「健康ウォーキングマップ」のリニューアルなどにより、観光誘客を図るとともに、江別の魅力をより多くの人に知ってもらうため、シティプロモート推進協議会と連携し、江別市の優位性や取り組みなどの情報を発信してまいります。

 さらに、地域おこし協力隊を活用し、新たな視点からの地域資源発掘やPR手法の開拓、体験型イベントの展開などを検討してまいります。

 また、ふるさと納税をされた方に対し、感謝の意を込めて江別の特産品を贈り、引き続き江別のPRに努めてまいります。

 さらに、江別市の特徴である知的資源を活かすため、市内4大学と連携し、大学の地域活性化に向けた研究や、学生の地域活動、大学教員による出前講座へ引き続き支援するほか、関係機関や道内自治体とも連携し、学生の地域定着や、大学の知的資源の地域活用を進めてまいります。

 次に、基本目標の3つ目は、「若い世代の結婚・出産・子育てを支援する」ことであります。
 少子高齢・人口減少社会において、持続可能なまちづくりを進めていくためには、人口減少を抑制するための取り組みが重要です。
 そこで、安心して子どもを産み、育て、心豊かに学ぶことができる環境をつくり、結婚から子育てまで切れ目のない支援により、選ばれるまちとならなければなりません。

 そのため、子育て世代の意向に基づき進めている、保育料の独自軽減などの取り組みとともに、妊娠・出産・子育てをテーマにしたイベント開催のほか、子どもが1年を通して安心して快適に遊ぶことができるあそび場の充実を図ってまいります。

 また、学校教育では、外国語指導助手を全校に派遣し、小学校一年生から英語に慣れることで外国人とのコミュニケーション能力を高めるなど、学力向上に向けた取り組みを引き続き進めるほか、いじめ、不登校に悩む児童生徒の学習活動等を支援するため、スポットケアなどを充実してまいります。

 さらに、地域の関係機関と連携協力して、継続的に男女の出会いの場となるイベントを開催するとともに、まちの魅力を効果的にPRし、定住人口、交流人口の増加を図ってまいります。

 最後に、基本目標の4つ目は、「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしと健康を守るとともに、地域と地域を連携する」ことについてであります。
 少子高齢・人口減少が進む中、地域が抱える様々な課題に対応し、持続可能なまちづくりを進めるためには、すべての市民が住み慣れた地域で、健康に生涯を暮らすことができるための取り組みが重要です。
 そこで、駅を中心としたコンパクトなまちづくりを進めるとともに、誰もが住み慣れた地域で、健康でいきいきと自立した生活を送ることができる、地域づくりを進めてまいります。

 そのため、公共交通の利便性向上に向け、バスの実証運行の結果を踏まえ、駅を中心とした路線再構築に向けた検討を進め、市全体の交通計画の策定を進めてまいります。

 また、大麻地区において、モデル事業として進めている、住まいの相談窓口を引き続き運営するなど、住み替え支援を推進することにより、高齢者はもとより、誰もが住みやすい住環境づくりを進めてまいります。

 さらに、転入増加と転出抑制による定住人口確保のため、親と同居または近居するための住宅取得等や、子どもが2人以上いる多子世帯の住宅取得に対する支援を行ってまいります。

 また、高齢者の在宅生活を支えるため、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、江別版CCRCを検討してまいります。

 以上、第6次江別市総合計画に基づく基本的な考えと、江別版地方創生総合戦略に基づく4つの基本目標について、申し上げました。

 次に、平成28年度の江別市予算案でありますが、国においては、経済再生と財政健全化の両立を図る予算と位置付け、一億総活躍社会の実現に向けて、子育て支援や介護サービス等の充実、地方創生の本格展開を図る一方で、一般歳出の伸びを経済・財政再生計画に沿って抑制することとしております。

 また、平成28年度の地方財政計画では、地方交付税の減少の一方で、地方税の伸びなどにより、地方一般財源総額は、平成27年度と比較し0.2%の増加と、ほぼ同水準が確保されたところであります。

 そこで、江別市の予算編成でありますが、第6次江別市総合計画に基づき、人口減少下における持続可能なまちづくりを柱に、事業の優先度や緊急度などを踏まえ編成したものであります。

 また、国の補正予算による交付金など有利な財源を活用し、平成27年度補正予算への前倒しを行っております。

 その結果、平成28年度の各会計予算規模と前年度当初予算との比較においては、

一般会計

464億5,000万円

1.2%の増
特別会計261億700万円2.6%の増
企業会計185億6,660万6千円0.2%の増
合   計911億2,360万6千円1.4%の増

となるものであります。

 以下、平成28年度の予算案の概要について申し上げます。 

 第1に、「自然・環境」について申し上げます。
 江別市の豊かな自然や地域環境を次代に引き継いでいくため、地球温暖化対策、地域環境の保全、水と緑の保全、ごみの減量化・資源化などへの課題に対応するとともに、市民・事業者・行政との協働により環境保全に取り組み、安全で快適な生活環境づくりを進めてまいります。

 そこで、子どもの頃から環境問題に興味や関心が持てるよう、引き続き環境教育を積極的に実施するほか、石狩川300万本植樹への参加や市民植樹、街路樹の補植などにより、緑化を推進するとともに、美しい街並みを創出するため、自治会などが取り組む花のある街並みづくりを支援してまいります。

 また、ごみの減量化や資源化等を更に進めるため、引き続き家庭からの生ごみ排出量を減らすための取り組みを実施するほか、古着や古布、使用済み小型家電の資源化を推進してまいります。

 さらに、新たに設置する新栄団地C棟や江別第一小学校には、環境に配慮した施設整備として太陽光パネルを設置するなど、引き続き再生可能エネルギーの導入を推進してまいります。

 第2に、「産業」について申し上げます。
 地域における活発な産業活動は、雇用を創出して活気のあるまちをつくります。大都市に隣接している立地を活かした都市型農業の推進、地域の特性を活かした産業間連携や産学官連携等による商工業の振興と、新たな地域資源の掘り起こしによる観光振興などによって地域経済を活発にし、新しい産業振興策の展開に取り組んでまいります。

 そこで、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」については、これまでの成果をもとに、市内の食関連企業による海外市場開拓や機能性食品開発を支援してまいります。

 また、市内企業による商品開発や人材育成等の取り組みなどのPRを強化するとともに、「江別市企業立地等の促進に関する条例」に基づき、市内企業への支援や企業誘致を進めてまいります。

 次に、都市と農村の交流促進につきましては、江北中学校跡地に平成29年度の開設に向けて、「都市と農村の交流拠点施設」の建設に着手してまいります。

 また、6次産業化を推進するため、新たに農産加工品の開発や、地域おこし協力隊を活用した取り組みを進めてまいります。
 
 さらに、「江別市食育推進計画」に基づき、引き続き小学生の農業体験学習や中学生の地元産食材を使ったお弁当コンテストなどの食育事業を実施してまいります。

 次に、観光振興においては、新たに設置された旧ヒダ工場内の江別アンテナショップGET’S(ゲッツ)の管理運営を通して、江別の観光・特産品の魅力を発信するとともに、新たな体験型イベントによる周遊促進や、地域おこし協力隊を活用した観光事業への支援などにより、観光客の増加を図ってまいります。

 また、商店街の振興や地域経済活性化のため、引き続き新商品開発や地域イベント開催などへの補助のほか、商店街参入促進に向けたセミナーの開催や相談事業に取り組むとともに、起業化促進を図るため、新たに創業支援セミナーを実施してまいります。

 次に、雇用においては、大学生の就業体験や潜在労働力の掘り起こしのために、引き続き市内企業による大学生有給インターンシップの受け入れを支援するとともに、女性の就労を支援するため、実習を含めた有給研修を実施するほか、新たに食産業の担い手育成支援を実施してまいります。

 第3に、「福祉・保健・医療」について申し上げます。
 すべての市民が生涯を通じて健康に過ごせるよう、健康意識の向上と健康づくりに努め、病気や怪我の際には、必要な治療が迅速かつ適切に受けられるよう医療体制の安定的な運営を図ります。
 さらに、高齢者や障がいのある方が、地域でいきいきと自立した生活を送ることができるよう、サービスの充実を図るとともに、市民の地域福祉への理解を深め、人材を確保することで、地域全体で支え合う体制づくりを推進してまいります。

 そこで、健康づくりにおいては、「えべつ市民健康づくりプラン21」に基づき、市民の健康増進に向けた各種施策を進めるほか、がんの早期発見、早期治療による重症化予防のため、検診を受けやすい体制づくりや受診勧奨にあわせ、新たに20歳代の女性を対象とした自己採取HPV検査キットの配付を試行的に行い、がん検診に対する意識の向上を図ってまいります。

 また、市民の健康増進に向けた新たな取り組みとして、健康測定機器を利用した健康チェックなどの出前事業や、江別版リズムエクササイズ「E-リズム」の普及啓発を積極的に進めてまいります。

 さらに、国民健康保険事業については、特定健診の受診率向上に向け、引き続き各種健診の受診に積極的に取り組む自治会を支援するとともに、新たに策定したデータヘルス計画に基づき、効率的な保健事業の推進に努めてまいります。

 また、市立病院においては、市民に必要な医療の提供や抜本的な経営改革を図るため、医療費の包括請求方式(DPC)や地域包括ケア病棟の導入による病棟の再編を図ってまいります。 

 さらに、引き続き近隣公的医療機関への支援による連携強化のほか、高齢者などが自宅でも安心して療養できるよう、総合内科医による在宅診療の充実など、地域医療の確保に努めてまいります。

 次に、高齢者や障がい者の福祉においては、介護保険や後期高齢者医療制度、障害者総合支援制度などの安定的な運営を図り、「地域福祉計画」や「高齢者総合計画」、「障がい者支援・えべつ21プラン」に基づき、高齢者や障がい者の生活を地域で支えるための取り組みを進めてまいります。

 また、生活困窮者自立支援法に基づく「くらしサポートセンターえべつ」での相談窓口を引き続き開設するとともに、新たに家計相談支援や就労準備支援など、生活困窮者の自立に向けた取り組みを拡充してまいります。

 第4に、「安全・安心」について申し上げます。
 交通安全や防犯活動の推進、安全で快適な社会環境を築いていくため、防災訓練や自主防災組織の拡充など、地域の防災力向上に向けた各施策を計画的に進めるとともに、消防・救急体制の充実を図り、災害に強く、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 そこで、危機管理体制の強化を図るため、引き続き関係機関との連携により総合防災訓練や避難所運営訓練を実施するほか、避難所名称の変更に伴う周知用リーフレットの全戸配布など、防災対策の充実を図ってまいります。

 また、災害等による大規模な断水発生時における生活用水の確保を目的として、新たに地域開放が可能な井戸の登録制度を導入してまいります。

 さらに、消防・救急の充実では、高度化する救急業務に対応するため、引き続き救急救命士の養成を図るほか、化学消防車や小型動力ポンプ付積載車の更新整備を行い、消防体制の充実に努めてまいります。

 次に、自治会等が管理する防犯灯については、LED化を更に加速するため、LED照明の新規設置や更新に対する補助と促進奨励金の交付を引き続き実施するとともに、市が管理する公共街路灯や市有施設の照明についても、LED化を推進してまいります。

 また、消費者安全法の改正に伴い、平成28年度から消費生活相談窓口を「消費生活センター」に組織改編し、窓口の時間延長など、相談体制の充実を図ってまいります。

 第5に、「都市基盤」について申し上げます。
 駅を中心としたにぎわいの創出や、誰もが安心して過ごすことのできるまちづくりを進めるため、市街地や道路環境の整備、公共交通の利便性向上などにより、暮らしやすさを実感できる都市基盤の形成を進めてまいります。

 そこで、中心市街地の活性化と、コンパクトなまちづくりを目指す「江別の顔づくり事業」については、平成28年度に野幌駅前南口広場の整備に着手するなど、街路事業や土地区画整理事業を計画的に進めてまいります。

 また、高砂駅北側の渋滞解消のため、送迎用停車場の整備に向け、平成28年度は、測量などの各種調査や用地取得等を進めてまいります。

 次に、新たに「同居・近居・多子世帯」の住宅取得等に対する助成制度を創設し、定住促進を図ってまいります。

 また、市民の足である公共交通を守るため、引き続き路線バスの運行費補助を行うほか、実証運行結果を踏まえ、駅を中心としたバス路線の再構築に向けた検討や交通計画の策定を進めてまいります。

 さらに、高齢者世帯が多い大麻地区の住環境対策として、住みかえ支援を推進するため、引き続き相談窓口を開設するとともに、新たに地域おこし協力隊による相談体制の強化を図るほか、ホームページ等による情報発信の充実に努めてまいります。

 また、高齢者に安心して住み続けてもらうため、新たに江別市の地域特性に合わせた江別版CCRCの検討を進めてまいります。

 次に、低廉で良質な市営住宅供給のため、引き続き住環境の改善を図るための改修を進めるほか、高齢者や子育て世代などにも配慮した新栄団地C棟の建設に着手してまいります。

 また、安全で快適な道路環境を確保するため、生活道路の整備や改修を進めるとともに、自治会、除排雪事業者、市による3者懇談会の開催など市民との協働の下で、「除排雪事業」や「自治会排雪支援事業」など、引き続き雪対策の充実に努めてまいります。

 次に、上下水道の整備においては、水道水の安定供給と災害に強いライフラインの構築のため、基幹管路の耐震化や上江別浄水場の設備更新等を計画的に進めるとともに、下水道施設の改築や更新、耐震化に向けた調査などを行い、安全で快適な生活環境の整備を進めてまいります。

 第6に、「子育て・教育」について申し上げます。
 まず、子育てでは、安心して子どもを産み育てられ、就労と子育ての両立ができるまちづくりを進めてまいります。

 そこで、「えべつ・安心子育てプラン」に基づき、子育て家庭の経済的負担を考慮し、引き続き保育料の独自軽減を実施してまいります。

 また、保育園の待機児童解消対策として、0歳児から2歳児までの年間を通じた待機ゼロを目指すため、小規模保育事業等の拡充を進めるほか、よつば保育園の整備により、0歳児から5歳児までの一貫した保育サービスを提供してまいります。

 さらに、放課後児童クラブにつきましても、公設児童クラブの開設時間の延長のほか、民間施設と連携しながら、その受け入れ体制の充実に努めてまいります。

 また、地域での遊びや交流の場を提供するため、子育てひろば「ぽこあぽこ」の運営や、出前型のあそびのひろば事業の充実を図るほか、よつば保育園の整備にあわせ子育て支援センターを新たに設置し、地域子育て支援体制の拡充を図ってまいります。

 さらに、次の世代の大切な命を育むことについて、様々な世代の関心や理解がより深められるよう、新たに妊娠をテーマとしたイベントを実施してまいります。

 次に、教育では、それぞれの子どもが持つ個性を尊重しつつ確かな学力の定着に努め、子どもたちが多様で変化の激しい社会を生き抜いていく力を養成し、次代を担う心身ともに健康な子どもたちを育ててまいります。

 そこで、学力の向上では、江別第一小学校の新校舎建設にあわせ、ICT教育のモデル校としてタブレットパソコンを整備するほか、全小中学校にデジタル教科書の導入を開始するなど、教育環境の充実を図ってまいります。

 さらに、小中学校学習サポート事業による補充的学習や、小学校全学年での外国語活動を継続して実施するほか、引き続き特別支援教育支援員による教育の充実を図ってまいります。

 また、いじめや不登校に悩む児童生徒への支援として、不登校児童生徒を対象とした学習活動であるスポットケア事業を拡大してまいります。

 次に、安心して学ぶことができる学習環境を整備するため、学校施設の耐震化を進め、避難所としての役割や地域に開かれた学校の整備を進めてまいります。

 そこで、平成28年度をもって、市内すべての小中学校施設の耐震化が完了するよう、江別第一小学校の新校舎の建設や、各学校の屋内体育館のバスケットゴールや照明など非構造部材の耐震改修を進めてまいります。

 また、江別第一小学校では、学校建設に合わせて初めて併設される放課後児童クラブの整備を引き続き進めてまいります。

 第7に、「生涯学習・文化」について申し上げます。
 市民が生涯にわたって、心身ともに健やかで充実した生活が営めるよう、学習・文化・スポーツを気軽に行える場を提供してまいります。

 また、長い歴史を持つれんが産業や文化・歴史遺産を通じて、市民のふるさと意識の醸成を図ってまいります。

 そこで、多くの市民の方が受講できるよう、引き続き市内大学の自主公開講座とふるさと江別塾とを合わせた「えべつ市民カレッジ」を実施し、年間スケジュールの周知に工夫を加えながら、学習機会の確保に努めてまいります。

 また、優れた芸術文化に触れる機会を提供するため、セラミックアートセンターにおいて、芸術作品を鑑賞する企画展を開催するとともに、旧ヒダ工場EBRI(エブリ)を活用した子ども向けのモノづくりイベントを実施してまいります。

 さらに、市民ミュージカルの公演に補助するほか、引き続き市民の主体的な芸術文化活動を支援してまいります。

 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、トップアスリートと市民との交流などを通じたスポーツ振興を図るため、新たに合宿団体への支援などを行い、スポーツ合宿誘致を進めてまいります。

 さらに、社会体育施設の耐震化では、大麻体育館の第一体育室の耐震改修工事を実施するとともに、トレーニング室棟の耐震改修実施設計を行ってまいります。

 第8に、「協働」について申し上げます。
 「江別市自治基本条例」の理念に基づき、市政への市民参加を進めるとともに、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学などの各種団体と連携して魅力ある協働のまちづくりを推進してまいります。

 そこで、まちづくりへの市民参加を推進するため、施行から8年目を迎える「江別市自治基本条例」について、見直しの必要性など、条例の規定に基づく4年ごとの検証を進めてまいります。

 また、未来のまちづくりを担う子どもたちに協働の理念を知ってもらうため、引き続き小学生向け啓発用リーフレットの配布や、出前講座を実施するほか、新たに中学生向けパンフレットを作成してまいります。

 さらに、地域での交流や環境美化などの活動に取り組む自治会や、協働のまちづくりを実践する市民活動団体等へ引き続き支援するとともに、新たに女性を対象としたセミナーを開催し、自治会活動の担い手など、協働を担う人材育成に努めてまいります。

 次に、江別の知的資源である4大学との連携の下、大学教員や学生による地域活性化への研究などの取り組みに引き続き補助するほか、学生によるまちづくりへの提案を支援してまいります。

 また、道内8自治体の広域連携による取り組みとして、市内大学に通う学生の地域活動などへの参加を促進することにより、若い世代の地域定着を図るほか、独身男女の出会いの場となるイベントを開催してまいります。

 第9に、これまでの8つの政策を支える「計画推進」について申し上げます。
 「まちづくり政策」を進めるためには、効率的な行政サービスの執行と健全な財政の確保により、市の基礎自治体としての機能を充実させるとともに、市民との情報共有や市内外への情報発信を充実強化し、より分かりやすい広報誌やホームページづくりに努めるなど、江別のまちの魅力を積極的にPRしていくことが必要であります。

 そこで、江別の魅力をより多くの人に知ってもうため、PR用パンフレットの作成や、大学生と連携した江別プロモーション動画の活用など、多様な情報発信に努め、引き続き子育て世代などの転入者の増加を目指すほか、江別シティプロモート推進協議会の運営などを通じ、市民と行政が一体となったプロモーション活動を実施してまいります。

 また、ふるさと納税を推進するとともに、寄附をいただいた方に対し、感謝の意を込めた江別の特産品を贈り、多くの方に江別の良さを知ってもらうよう、引き続きPRに努めてまいります。

 さらに、市内大学に通う学生の市内居住や住民登録を推進するため、引き続きパンフレットの配付などにより、制度の周知を図ってまいります。

 以上が歳出予算の概要でありますが、次に、歳入の見通しの主なものにつきまして、ご説明申し上げます。

 まず、市税につきましては、個人市民税や法人市民税の減少などから、市税全体では前年度当初に比べ0.3%減の120億6,400万円を見込んでおります。

 次に、地方消費税交付金は、地方財政見通しにより20.8%増の22億1,000万円を見込んだ一方、地方交付税では102億7,000万円と前年度当初に比べ1.3%の減を見込んでおります。

 また、臨時財政対策債は、前年度当初に比べ4.0%減の13億9,200万円を見込んでおります。

 その結果、一般財源総額では、265億4,130万1千円となり、前年度より0.7%の増となったところであります。

 また、赤字地方債の性格を持つ臨時財政対策債の借入れは続いており、後年次に地方交付税で措置されるとはいえ、将来の財源確保には不透明な面もありますことから、今後とも市税等の自主財源の確保が課題であると考えております。

 次に、市債の発行につきましては、臨時財政対策債のほか小学校の建設や道路整備等の財源に充てるため、総額では50億9,130万円となりました。

 市債の残高は、これまで進めてきた学校の耐震化を始めとした大型の投資事業により増加いたしておりますが、今後とも市債残高や償還額の推移について、将来世代と現役世代との負担バランスに十分配慮しつつ、投資的事業の重点化・平準化などにより、計画的な発行に努めてまいりたいと考えております。

 なお、使用料・手数料につきましては、原価の算定方法を明確化することによる透明性の確保と、市民相互の負担の公平性の確保を基本とした見直し方針に基づき、所要の改定を行うこととしたところであります。

 以上、総合計画の施策体系に基づき、平成28年度予算の大綱について申し上げました。

 終わりに、私は、3期目のスタートに当たり、「えべつ未来づくりビジョン」の前半の5年間を正念場として、人口減少対策を全力で進めていくと申し上げました。

 その成果の兆候は、年少人口の社会増に現れ始めており、この見え始めたばかりの希望の光を、確かなものにしていかなければなりません。

 そのためには、えべつ未来戦略と江別版地方創生総合戦略に基づく各施策を、スピード感をもって進める必要があります。

 一方、総人口の減少は、消費の縮小や市内経済の停滞などを招き、特に高齢化による社会保障費の増大は、持続可能なまちづくりのためにも、一日でも早い対応が求められております。

 このため、すべての市民が住み慣れた地域で、健康に生涯を暮らすことができるよう、国民健康保険などの社会保険制度の安定運営、地域医療体制の確保、福祉サービスの充実・強化に引き続き努めるとともに、地域包括ケアシステムの構築や江別版CCRCの検討など、市民の健康寿命の延伸に取り組まなければなりません。

 そのことは、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ、多様な主体の思いを一つにして、将来都市像「みんなでつくる未来のまちえべつ」へと着実に前進させ、すべての市民が生涯を通じ、心身ともに健康で安心して暮らせる“健康都市えべつ”の実現につながるものと確信しております。

 私は、少子高齢化とともに増大する社会保障費など、厳しい財政事情等の本市を取り巻く社会環境の変化に的確に対応し、先人たちが築き上げてきた“ふるさとえべつ”を次代につないでいくため、「えべつ未来づくりビジョン」に掲げる施策を着実に進めてまいります。

 市民の皆様並びに議員各位の特段のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成28年度の市政執行方針並びに各会計予算案の説明とさせていただきます。