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第3回 株式会社菊水

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月25日更新

TOP対談 株式会社菊水

企業と行政のトップが対談。企業から見た江別の魅力を聞きます。杉野社長
みなさんご存知「えべチュンら~めん」「江別小麦めん」のメーカー、株式会社 菊水の杉野邦彦社長を三好市長が訪問しました。


【三好市長】
 江別には若い方たちの転入が増えてきていますので、市内企業のがんばりを広報やホームページでお知らせしたいと考え、企業訪問させていただいています。

【杉野社長】
 麺には即席麺と生麺の業界があるのですが、当社は生ラーメンでは全国3位、北海道内ではトップシェアを持っています。
北海道でナンバーワンのラーメンメーカーが江別にあるということは、意外とみなさん知らないのでびっくりされます。
下川町で創業した後、札幌市に工場を造り、1973年に江別へ。
移転して来て良かったと思うことは、素晴らしい小麦、日本一のハルユタカの産地であり、日本最大のローカルである北海道の中で江別地域は、コンパクトで連携しやすい環境の中で、独自のものづくりができるということです。
農商工連携がしやすく、異業種交流もしやすいです。
大学、研究機関、行政もすごく身軽で、すぐ動いてくれるのが良いですね。「えべチュンらーめん」「江別小麦めん」とハルユタカの麦の穂
小麦の生産者も先進的です。

2002年、ラーメンの全国大会に純連さん(札幌市)と一緒に出て、江別小麦のラーメンで日本一をとりました。
これを機に江別経済ネットワークの中に異業種交流の組織として、ラーメン部会を作り、2年がかりで大学や研究機関、行政、生産者、飲食店の方々に関わっていただき地域ブランド「江別小麦めん」が完成し、市民参加の「麦の里えべつ」発表会で2004年にスタートすることができました。
江別で作った小麦を、江別で粉にして、江別で麺にして食べられる、そのことを「麦の里えべつ」ブランドとして全国に発信していこうという取り組みです。
こうした農商工連携で取り組んだ地域の経済波及効果は、小麦の粒のままでの出荷と比べて30倍になり、雇用や設備投資が発生し、いろいろなことがその中で価値を生んでいくという仕掛けができました。
現在では、「えべチュン」というキャラクターを活用した商品も生まれました。
それも、キャラクターをベースにしたパッケージデザインを公募して、小学生から80歳のおじいちゃんまで180人ほどが応募してくれました。
みなさんに参加してもらうようなことをどんどんやっていこうと思っています。
おかげさまでスーパーでは、箱買いする方がすごく増えていて、本州に送られるようですよ。
「地元にこんなものがあるよ」ということを市民が広めてくれている嬉しいお話です。麺の製造工程

【三好市長】
 地元を大事にする企業なのだということと、それから、地元に愛されている企業が当然、他でも愛されるということを感じました。
これは社是の「信頼と創造」に繋がっています。
さらにお聞きしたいのは、創業されて、来年の12月に70年を迎えられますが、これは企業にとりましては大きな節目です。
次の企業づくりとしてどんなことを考えていらっしゃいますか。

【杉野社長】
 今までの70年と、これからの70年はまったく違いますし、70年と言わず、20年、30年でも大きく変化していきます。
人口は減っていきますし、どんどん高齢化していきます。
そういう意味で、だんだん胃袋は小さくなっていくかもしれませんが、食べる楽しさとか喜びとか、そういった価値をちゃんと提供していくことによって、われわれが存在する価値を認めていただき、ずっと長く生き続ける企業になっていきたいです。
「江別小麦めん」についても、まずは地元の人に知っていただき、評価を受けて根付くところからやってきました。
ですから、これまで当社としては海外戦略を積極的にはやっていませんでした。
ただ、これからは海外から求められているのも事実です。画「知床ざるそば」を手に談笑
今後は、北海道の食材を使った美味しいものを海外に出していくというようなことも一つの柱にしていきたいと思っています。

※シンガポールでの快挙は、フォトグラフえべつ平成28年5月参照
URL http://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/koucho/38488.html


【三好市長】
 実は私、一番驚いたことは、ラーメンのイメージがありましたが「知床ざるそば」がベストセラーなのですね。

【杉野社長】
当社は夏の時期ですと北海道民が家庭で食べる蕎麦の6割ほどシェアを持っていて、知床そばは、当社の200種類の麺の中で第一位の売上になります。

【三好市長】
どうして知床にしたのですか。

【杉野社長】
これは知床産の羅臼昆布を麺に練り込んでいますし、つゆの出汁も羅臼昆布でとっています。本社前で撮影
当社を知らなくても、知床そばは知っていると言う方が結構いるようですよ。

【三好市長】
ところで、高齢化してパンの需要が多くなってきていると聞きます。
パンの食べやすさとして、それ一つで食事ができるという便利性がありますが、ラーメンは自分で作らなくてはいけません。
でも、日本人の麺に対するこだわりはかなりあると思うんです。

【杉野社長】
おっしゃるとおりで、麺類は調理の問題があります。
当社の商品のうち伸び率が一番高い商品は、コンビニエンスストアやスーパーに提供している調理された麺(調理麺類)です。
この即食性のある麺はまだまだ伸びていきますが、家庭で調理しなければならない麺については、人口と高齢化の問題も含め、それほど伸びないと思います。
そういう状況でも、本格的な生麺にさらに価値を高めて商品を提供できるか、それを江別のこの工業団地にある本社生麺工場、寒干し麺工場、調理麺工場で
バランスを取りながら事業展開していきます。
当然海外も見据えながらですね。
いろいろな方策を、基本は地域と一緒に発展していくということを考えながら進めていきたいと思います。

【三好市長】
私ども行政でやるべきこともたくさんあると思いますので、アイデアがありましたらお聞かせいただければ。
私どもも地元の企業があってこその江別。
地元の企業が発展しないことには、このまちも発展しないと思っています。
一緒になって努力して、発展させていきたいと思っています
ので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。