第10回 角山開発株式会社
企業と行政のトップが対談。市内企業の魅力や思いを市長が聞き出します。
私たちの生活にとって不可欠なごみ処理。ごみから資源に再生するまでの過程において、日々新しい取り組みを行っている角山開発株式会社の湯藤社長を後藤市長が訪問しました。
【後藤市長】
先ほど各施設で産業廃棄物がどのように処理されているのかを見学させていただきましたが、私たちがゴミをゴミステーションに出したら、ほとんどの人は、あとのことは分からないと思うんですよね。
【湯藤社長】
そうですね。ただ、私たちが扱っている産業廃棄物は、排出事業者に処理責任があります。そのため、自分たちが出した廃棄物がどのように処理されているかを確認するため、しばしば事業者が実際の処理現場に来られています。
【後藤市長】
人が生きていくうえで必ず出るのが廃棄物です。角山開発さんが扱っている特別管理産業廃棄物や一般廃棄物が、どのように処理されているのか、そこをきちんと理解したうえで、ごみを分別して出さなければならないということを、みなさんに分かってもらわないといけないと思うんですよね。
【湯藤社長】
そうですね。みなさん、意外と知らないですからね。でも最近では、リサイクル事業や環境関連事業が注目され、教育の一環として学生たちが施設見学に来ることもあり、少し意識が変わってきたかなと思います。
【後藤市長】
変えていかなくてはだめですね。
【湯藤社長】
JICA(日本国際協力機構)の関係で、中南米やアフリカの行政官も見学に来られています。途上国では、ゴミは埋め立て処分されていて、それが逼迫してきているため、中間処理やリサイクルを行わなくてはならない状況になっているみたいですね。
【後藤市長】
今までただ捨てていたものが、「分別することで資源になるもの」、「もう一回使えるもの」がたくさんあることが分かってくると違ってきますよね。
【湯藤社長】
そうですね。我々の業界も変化のスピードが速く、どんどん変わってきています。
【後藤市長】
以前、太陽光パネルのリサイクルで貴社が北海道第一号の産業廃棄物処分業許可を取得し、受け入れを開始したとの新聞記事を拝見しました。その時、第一号になるのはすごいことだなと思ったんですよね。
【湯藤社長】
どこよりも早く取り組むことに意味があると考えています。本州の技術革新に注目し、次にどんな技術がトレンドになりそうかを見極めながら、先行して始めた方が良いと判断したものは、積極的に導入しています。太陽光パネルのリサイクルや選別施設に導入したロボットアームがその一例で、道内で導入しているところはまだないはずです。
【後藤市長】
今、どこの業界も人手不足が課題になっています。最終的には人の目も必要になってくるとは思いますが、省人化できるところは省人化することで、人の手でやるところと、機械でやるところをきちんと分けることで、本当に人が必要な所に配置できるようになりますね。
【湯藤社長】
当然、すべてが機械でできるわけではありません。現在、重機メーカーと共同開発しているのが、重機に人が乗って操作し、廃棄物を投入する感覚をAIに覚えさせた後、無人にしてボタン一つで作業するシステムです。先日の試運転では、大体上手くできました。実際の運用開始は重機メーカーから3年後ぐらいと伺っておりますが、来年からは、試験の延長ということで取り組むことになっています。ただAIに教える先生の腕が悪いとだめなので、上手いオペレーターで練習させないとなりません。
【後藤市長】
そうすると、AIはオペレーターの癖まで再現してしまうということですね。AIに教えるオペレーターは大変ですね。でも、人の代わりをできるシステムがたくさん出てくると、本当に人が必要なところに配置できるようになりますね。
【湯藤社長】
そうですね。働き方も今年から土日祝日を休みにし、年間休日を120日まで増やしました。これまではローテションを組んでいたため、常に誰かが休みになり人手不足でしたが、土日祝日を休みにすると、平日は全員出勤になるため、逆に良かったと思っています。求人の条件もだいぶ変わりましたしね。
【後藤市長】
まさに働き方改革ですね。
【湯藤社長】
これで良しということはなく、次々とやっていかないといけないですね。あとは先進的な取り組みを行うことで、「江別でこんなことをやっている会社があるんだ」と会社のPRをしながら、業界のイメージを変えていきたいなと考えています。
【後藤市長】
「業界のイメージを変えましょう」という話になると、「こんなことをやっている。」というところをしっかり見せて、選んでもらうことが必要になってくると思います。
【湯藤社長】
先進的な取り組みとしては、以前から東京大学の教授と共同で樹脂サッシの再生に取り組んでいます。研究段階では樹脂サッシへの再生は難しいため、塩ビ管にしようとしていましたが、今は、樹脂サッシに戻さなきゃだめだという流れに変わり、その方向で動き出しています。その他、ガラスのリサイクルも板ガラス協会と連携しながら進めていますが、鏡みたいなガラスやワイヤー入りのガラスなど、種類が多く見極めるのが難しいためメーカーに指導してもらっています。
【後藤市長】
ガラスもそんなに種類があるんですね。
【湯藤社長】
今まで埋めていたものが再生できる可能性が出てくると、やはりどこよりも先行して取り組みたいなとの思いが強いです。
【後藤市長】
先行して取り組むことでビジネスチャンスが生まれますしね。それが1つの技術として確立されれば、周りにもアピールもできますよね。今、一般の最終処分場を拡張していますが、とんでもない金額がかかります。処分場を延命化するためには、リサイクル、分別を徹底的に行っていかなければなりません。こうした取り組みは、今、私たちがやらなければならない脱炭素社会の実現に繋がっていく話です。
【湯藤社長】
私たちの業界は、いろいろな廃棄物、例えば瓦礫、ガラス、陶磁器くず、廃プラスチックなどが、どういう中間処理を経て、どれだけ再生できるようになり、どれだけ最終処分になったのかを全部報告しなくてはなりません。弊社には焼却施設があるので多くのCO2を排出していますが、廃プラスチック類を固形燃料にしたり、木くずなどを燃料チップにすることで、CO2の排出量をかなり削減しています。「脱炭素社会に貢献している」という誇りを持って仕事をしています。
【後藤市長】
この脱炭素の取り組みは、すごく難しいと思うんですよね。人は生きてるだけでエネルギーを使いますし、その分ゴミも排出します。CO2の排出量を少なくして、吸収できるようにするのは、そんな簡単にはいかないですよね。
【湯藤社長】
そうですね。私たちは廃棄物処理の専門業者なので、私たちができることで協力が必要なところがあれば、ぜひ声をかけていただきたいです。昨年は、北海道の依頼で、不法伐採された樹木を無償で撤去したり、道南では町民の方と海岸清掃を行ったりしています。市内でも国道のごみ拾いのほか、地域自治会と一緒にごみ拾いを行いました。以前に比べてだいぶごみも減ってきましたね。ただ、なぜかビールの空き缶が捨てられていたりするんですが。
【後藤市長】
地域の方々には、毎年春と秋に一斉清掃をしていただいていますから、ポイ捨ては減っていると思います。それでも国道の人目につかないようなところにはありますよね。角山開発さんには、いろいろな形で地域貢献をしていただき感謝しています。そもそもこの廃棄物処理という仕事自体が、地域の環境を守ってくださっている仕事だと思っています。私たちは感謝しなければなりませんし、多くの方にこういうことをやっているというのを知ってもらい、自分たちが出したごみの行き先を分かってもらうことで少しでもごみが減るといいなと思っています。
【湯藤社長】
私たちも「社員が自慢できる会社にならなきゃいけない」と思い、清掃活動や地域貢献、そして新しい取り組みを進めています。
【後藤市長】
ぜひこれからも新しい取り組みにチャレンジしながら、従来の業界イメージを一新していただき、いろいろな形で地域を守っていただけるとありがたいです。
本日はありがとうございました。
