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平成15年第3回江別市議会会議録(第5号)平成15年9月26日 6ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

請願第1号

議長(宮澤 義明 君)

 日程第13 請願第1号 精神障害者の交通費助成を求めることについてを議題といたします。
 厚生常任委員長の報告を求めます。

厚生常任委員長(川村 恒宏 君)

 ただいま議題となりました請願第1号 精神障害者の交通費助成を求めることについて、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
 委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
 本請願は、精神障害者の方々が市内においてバスやJRを利用する際のバス運賃やJR運賃について、市としてできる範囲で交通費の助成を求めるものであります。
 委員会においては、札幌市、函館市や北見市で実施されている交通費助成制度の概要を初め、この3市の助成制度を仮に江別市で実施した場合の試算額や、現在市で行っている精神障害者に対する交通費助成制度に関する資料等について、担当部局から説明を受け、質疑を交わし、審査を進めてまいりました。
 初めに、委員会における主な質疑の概要を申し上げますと、過去にも同様の請願が出されている経過を踏まえ、交通費助成制度にかかわる市としての検討状況等について質疑があり、答弁では、助成制度を実施している各市と同様に、精神障害者のほか身体障害者、知的障害者や高齢者も対象として想定した場合、江別市においては約2万人くらいになり財政負担上の問題がある。精神障害者に対する交通費助成制度は、ほかの障害者に対する制度と比較しても歴史的経過から遅れているため、今後も市長会等を通して粘り強く要望して実現が図られるよう努力したい。今年の4月から精神障害者の在宅福祉としてホームヘルプサービス事業も立ち上げており、今後策定予定の障害者福祉計画の中で、精神障害者に対してどういう対策、支援をしていかなければならないのか、今後の推移を見極めながら総合的に判断していきたいとの答弁がありました。
 また、市立病院精神科で実施しているデイケアに対する考え方についての質疑では、デイケアは病気の回復や日常生活の訓練であり、デイケアに通って生活のリズムを元に戻すという医療行為の一環として行われているものであり、通院医療費に対しては北海道の補助事業としての公費負担制度があり、江別市の場合には国保加入者に対しては、さらに残りの自己負担分5%についても国保特別会計で助成しているとの答弁でありました。
 次に、討論の概要を申し上げます。
 まず、採択すべき立場の委員からは、平成5年に改正された障害者基本法では、精神障害者を身体障害者や知的障害者と同様に障害者と明確に位置付け、附帯決議においても、精神障害者のための施策が、その他の障害者のための施策と均衡を欠くことのないようにと明記されているにもかかわらず、いまだに著しい不公平が続いている。多くの精神障害者は障害年金や生活保護、あるいは親に全面的に生活依存する無年金者や若者世代であり、経済的基盤の弱い精神障害者が唯一利用できる江別市の心身障害者自立促進交通費助成制度は、交通費の半額とはいえ大きな役割を果たしているが、助成対象が通所施設に限定されているため、精神障害者全体の社会参加や社会復帰を促し自立を支援するまでには至っていない。精神障害者が地域で生活を続けていくためには、療養しながら生活範囲を広げていく必要があり、そのためにこそ交通費の助成が求められていることから、採択すべきであると述べられております。
 一方、趣旨採択とすべき立場の委員からは、身体障害者や知的障害者に対する公共交通やタクシー、航空運賃等の割引制度は、各交通事業者の事業として実施されているが、精神障害者とは歴然たる格差がある。過去に衆参両議院において精神障害者保健福祉手帳によるサービス拡大に関する請願が採択されていることや、また、全国市長会における要望も踏まえ、昨年江別市議会としても国に対して意見書を提出したところである。道内では、札幌、函館、北見の3市で、市営交通政策や市長の政策として助成制度が実施されているが、江別市よりも財政力があり、また、委員会審査の過程においては、3市と同様の手法で江別市が実施した場合の試算額も示されましたが、対象者が約2万人くらいいるということから実現には厳しい見解が示されている。したがいまして、本来は国が早急に是正改善を進めるべき施策であることや、現下の厳しい財政実態を吟味すると、障害者施策の中で総合的に検討すべき課題であることから、趣旨採択とすべきであると述べられております。
 また、同じく趣旨採択とすべき立場の別な委員からは、市内の精神障害者保健福祉手帳の交付者は235名で、そのうち80%強が30代から50代の方々であり、手帳交付者のうち53名に対して、北海道の社会復帰支援事業補助制度による江別市の自立促進交通費の助成として、160万円ほどが支給されている状況にあるが、今後もっと手厚い支援が必要で、国や道への働き掛けはもちろん、市としても今後策定予定の地域福祉計画や障害者福祉計画の中で、その対応を考えていくことが必要である。国の三位一体の改革の中で、ほかの自治体同様、江別市も財政上厳しい状況に置かれているが、請願者の置かれている立場も何とか自立しようと努力されていることも理解するものである。今後の財政計画や第5次総合計画の中で財源を見いだし、精神障害者の交通費助成が実現できるよう努力するとともに、現状としては趣旨を理解し、支援することを表明し、趣旨採択とすべきと述べられております。
 以上の討論を経て、採決を行った結果、請願第1号は多数をもちまして趣旨採択とすべきものと決しております。
 なお、当委員会の総意といたしまして、現行の心身障害者自立促進交通費助成制度のPR、啓もうや制度の拡充とともに、精神障害者など障害者の通院などに限定し交通費の一部助成制度を研究、検討されますことを、意見を申し添えさせていただきます。
 以上が、当委員会における審査の経過と結果でありますので、よろしくご審議の上、ご決定くださいますようお願い申し上げます。

議長(宮澤 義明 君)

 これより厚生常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で、厚生常任委員長報告を終結いたします。
 これより請願第1号 精神障害者の交通費助成を求めることについてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

高橋 典子 君

 請願第1号 精神障害者の交通費助成を求めることについて、採択すべきとの立場で討論に参加いたします。
 精神障害者に対する福祉施策については、1993年に障害者基本法が制定されたことから、初めて障害者福祉制度の対象となっており、身体障害者や知的障害者などと比べ、施策の上で遅れがあります。
 当市では、障害者福祉計画において、障害のある方々の地域での生活や社会参加の促進がより図られるようにと明記されており、また、この間の関連法の改正においても、精神障害者の社会復帰を促進する方向が示されています。
 しかしながら、これらの方たちが地域において生活していくには経済的基盤が大変弱く、年金制度の変遷の中で生じた無年金のために、生活保護を受けたり親の支援に頼ったりしながら生活されている方、また、障害年金を頼りに生活されている方など厳しい状況です。また、支援する側の親御さんも高齢化するにつれ、不安はますます募ります。
 また、病院に入院されている方については、いわゆる社会的入院の問題も指摘され、国の施策においても地域の基盤整備が重視されてきています。当市の市立病院の精神科病棟においても、条件が整えば退院の可能性のある方が相当数いると言われており、この方たちの自立を支えるためにも通院やデイケアの利用、あるいは日常生活の中での社会活動を通じたリハビリのためにも、移動手段の確保が必要です。これら経済的な問題、社会復帰と社会活動への参加の保障などから、せめて交通費の負担軽減をとの願いは切実です。
 現在、公共交通運賃については、精神障害者に対する割引制度を実施している事業者が各地にあるものの、取り組みにばらつきがあり、特に主要な事業者であるJRについてはいまだに割引制度が実施されておらず、国において早急に対処されるよう望まれます。
 このような遅れた実態を補う形で、地方自治体において住民の福祉施策として独自に交通費助成が行われており、道内においては札幌市、函館市、北見市で取り組まれています。厚生常任委員会に提出された資料によると、それぞれの方式を江別市に置き換えた場合、札幌方式で1,418万1,000円、函館方式で777万4,300円、北見方式で125万6,310円との試算がされています。現在の当市の財政の中でやりくりすれば十分に賄える額と言えます。
 当市議会においては、これまで本請願と同様の趣旨の請願が平成13年、14年と2度にわたり審査され、いずれも趣旨採択となった経緯があり、請願者の切実な願いにこたえ、一歩でも前進させることが切実に求められています。
 なお、既に共同作業所等への通所を支援する江別市心身障害者自立促進交通費助成がありますが、助成対象が通所施設に限定され、しかもこの不況の下で仕事量も減っているとのことであり、この助成制度を利用できる方は一部に限られております。
 精神障害者全体の社会参加と自立を支援するため、本請願を採択すべきであることを申し上げ、討論といたします。

議長(宮澤 義明 君)

 ほかに討論ありませんか。

坂本 和雄 君

 請願第1号 精神障害者の交通費助成を求めることについて、委員長報告のとおり趣旨採択に賛成の討論をします。
 このような請願が過去2回提出され、いずれも趣旨採択となっております。障害者に対する公共交通機関、タクシー、航空機等の運賃などの割引や助成制度は、国の通達により障害の程度に基づき、それぞれの交通関連企業による個別の事業として実施されています。
 障害者の自立と社会参加行動を進めるために、これまでに衆参議院の委員会で各種参加資格制限を緩和したり撤廃の附帯決議がなされ、その流れを受け精神保健福祉法改正の際には、他の障害者の法律との均衡を図ることから全面改正をし、障害者プランや市町村障害者計画の策定など義務付けられたところであります。
 しかしながら、現時点でも身体障害者や知的障害者とは歴然たる格差があり、そのことから一昨年6月の参議院本会議で請願が採択され、さらに全国市長会の要望事項にも盛られ、当江別市議会でも国に意見書を提出してまいりました。
 道内でこの助成制度を実施しているところは3市あります。札幌、函館、北見で、いずれも市営交通システムや市長の政策公約として実施されており、潜在的に3市とも江別市より財政力があると思われます。江別市でも同様の制度を採用するとした場合の試算が提示されましたが、対象者が約2万人になり、北見市の制度に当てはめると約1億1,700万円になり、今の財政状況では難しいとの見解であります。
 現在は、北海道の助成とともに江別市においても、精神障害回復者の自立促進のために施設に通う交通費を措置しておりますが、その他にも道の医療費自己負担助成を踏まえ、国保事業において自己負担の軽減を図っております。
 よって、精神障害者の助成制度は国が早急に是正を進める福祉政策であることは自明であります。当市の厳しい財政実態を吟味し、特に障害者施策の中で検討すべき課題であるとの立場を踏まえながら、委員長報告のとおり趣旨採択とすべきものであります。
 なお、参考として、全会一致で附帯意見が確認されましたが、障害者の方々の通院などの支援に向けて、一歩でも前進するよう期待するものであります。
 以上、委員長報告に賛成の討論といたします。

議長(宮澤 義明 君)

 ほかに討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより請願第1号を起立により採決いたします。
 請願第1号は、委員長報告のとおり、趣旨採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立多数であります。
 よって、趣旨採択とすることに決しました。

議案第43号及び議案第44号

議長(宮澤 義明 君)

 日程第14及び第15 議案第43号 平成15年度江別市一般会計補正予算(第2号)及び議案第44号 平成15年度江別市介護保険特別会計補正予算(第1号)、以上2件を一括議題といたします。
 これより議案第43号 平成15年度江別市一般会計補正予算(第2号)に対する討論に入ります。
 討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 討論なしと認めます。
 引き続き、議案第43号を採決いたします。
 議案第43号は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
 (「異議なし」の声あり)
 ご異議なしと認めます。
 よって、原案のとおり決しました。
 次に、議案第44号 平成15年度江別市介護保険特別会計補正予算(第1号)に対する討論に入ります。
 討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 討論なしと認めます。
 引き続き、議案第44号を採決いたします。
 議案第44号は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
 (「異議なし」の声あり)
 ご異議なしと認めます。
 よって、原案のとおり決しました。

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