平成15年第3回江別市議会会議録(第4号)平成15年9月19日 8ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤 義明 君)
以上をもって高橋議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
伊藤議員の江別駅前地域の再活性化についてほか1件についての質問を許します。通告時間20分。
伊藤 豪 君
お許しをいただきましたので質問をさせていただきます。
第1のテーマは、江別駅前地域の再活性化の課題であります。
残念ながら、いわゆる優良建築物等再開発事業は、商業活性化の拠点となるはずの核テナントスーパーが見つからず補助事業は返上することとなりました。しかしこれは、数ある再活性化の手法の中の一方法が実施不可能と判明したということであり、江別駅前の再活性化の道が全くふさがれたということではありません。
確かに江別市が主体的責任を負って実行すべき手法である公社方式を中止して、有限会社みらいの設立を促し、優良建築物等再開発事業による方法こそベターであると方針変更した小川市長の責任を問う声もありますが、今は責任論よりも次の打つ手をどうするか、江別駅前再活性化を必ずやり遂げると断言する市長の決意を信じて、あらゆる可能性を探りながら、関係者が一致協力して全力を尽くす以外に活路はないと思います。
そこで第1問ですが、前議会で質問の際に申し上げたように、消費者がいないところに商業は成り立ちません。核商業施設の建設と同時並行的に、条丁目地域に、どうやったら多数の人々に住んでもらえるか。役所流に言えば、どう人口を張り付けるかを工夫し実行しなければならないと考えます。町の形、道路の形は今のままで良いのか、公園のありようはどうか、歩道の狭さをどう工夫するかなど。そして、狭い地域に大勢が住むにはマンション形式が望ましいが、高層マンションには地盤対策をどうするか。地盤の弱さを考えた場合、3階建てぐらいの低層タイプの組み合わせを安く提供した方が、まちづくりや高齢者社会に向いているのではないかなど。また、それらを解決するための土地区画整理事業は必要かなどなど、行政が主導しなければ解決できない課題がたくさんあります。
そしてさらに言えば、例えば、東京都豊島区の巣鴨にはとげぬき不動尊というお地蔵様が祭られており、大勢のお年寄りが参詣に訪れ、商店街は人波が絶えないそうですが、江別駅前地区にもお願いして分尊していただいてはどうかという案を真剣に考えておられる方もいるように、地域として知恵を出すことも必要です。
さらには、住居地としての江別駅前地域の魅力を、札幌を初め市外の人々に広報宣伝する手段をとるなどが考えられます。これらの人口増に向けての様々な手段、方法について、江別駅前再活性化を担当する部門は、長年にわたってどのように考え行動し手を打ってきたのか伺います。
第2問として、市の勧めによって発足した有限会社みらいは、優良建築物等再開発事業の返上によって、当面の活動の停滞を余儀なくされると同時に、借入れ等経営上の赤字発生による先行き不安の状況に置かれているわけですが、有限会社みらいをしっかりと引き続きバックアップしていく決意を、市長はお持ちであることを確認させていただきます。その決意、お考えを伺います。
第2のテーマは、江別市の職員の給与の現況についてであります。
私は子供のころ、食品加工と販売をしていた零細家業の家に育ちましたが、算数が不得手の上に、社会に出てからもきちんとしたサラリーマン生活、つまり、一定のお給料で暮らすという生活を長くしたことがありません。商人というものは、有り合わせのお金の範囲で暮らすものという感覚であります。お金がなければ水を飲み、あれば多少羽を伸ばす。こういうのが私どもの、商人の感覚ではなかろうかと思うんです。ですから、給与というものについて考えるのが不得意であり、今回の問題についても、今になっても自分が理解できているのかいないのか不安であります。しかし、市議会議員の責務として市政について何かおかしいのではないかと感じたことについて、市民に代わって行政担当者の見解をただすことは、一番大事な仕事と考えますので、以下、質問させていただきます。
以前に、市の理事者のどなたかから、地方公務員法第24条第3項によれば、職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならないとあるが、江別市内には零細規模の事業所ばかりで、市役所に匹敵する規模の事業所がないため、やむを得ず、仕方なく、給与を比較する数値は札幌市内の事業所の平均値を使用しているとの趣旨の言葉を伺ったことがあります。それは確か平成八、九年ごろと思いますが、景気は悪くなりかけていましたが、バブルの余じんくすぶる中であり、そんな言葉を聞いても、そんなものかなと思う程度の考えで深く考えもしませんでした。
また、最近、市政だよりで、江別市職員の給与の状況という給与のあらましを伝える広報を見ても給与の仕組みが良く分からず、市職員の給与は高いのか安いのか、妥当なのかそうでないかも分からない始末であります。
例えば、職員給与費の状況という表を見ますと、1人当たりの給与費は691万8,000円となっております。少し高目なのではないのかなと思ってよくよく見ますと下に小さな字で、職員数は市長などの特別職を含みますと書いてある。これでは一般職等の職員の給与の水準が分からない。
ところがたまたま、本年7月15日、市議会環境経済常任委員会の主催による勉強会が開催され、江別商工会議所の女屋専務理事から、江別市における給与・雇用実態調査についてと題して、市内で働く方々の給与の厳しい状況についての分析を伺うことができました。女屋講師はその中で、江別市と札幌市とで働く方々の給与に大きな格差があることを指摘されました。江別商工会議所が調査したところによると、大学卒の男子は平均年齢40.9歳、平均勤続年数12.3年で、平均年間給与の総額は562万2,952円となります。たまたま、札幌商工会議所の調査統計資料の中に、札幌市内で働く大学卒男子40歳の全業種平均の数値があり、江別市の数値と比べることができるとして指摘されました。その札幌市の大学卒男子40歳の平均年間給与総額は599万9,000円で、その差は、江別市の方が約37万円も低いというご指摘でした。内容的に違いを見れば、札幌市の場合は他の資料から推して、どうやら平均勤続年数は18年であり、江別市の勤続年数は12.3年と約6年の差があります。また、年齢も0.9歳の差があります。しかし、大まかに見ても約37万円の落差は江別市の厳しい現実であり、江別市民はその現実の中で頑張っているということであります。
私は、江別市の職員の給与の水準は、この両者に比較してどのぐらいの数字なのか興味を持ちました。江別市の民間企業の数字は余りにも厳し過ぎますから、昔聞いた言葉もあり、札幌市の平均の給与にほぼ近い数字だろうと思いましたが、江別市の職員の給与水準を民間の給与水準と比較してみる勉強の機会と考えて、先日、江別市職員課に、一般行政職、大学卒男子、40歳と、同じように高校卒男子、40歳の条件での江別市職員の平均値を計算してもらえないかと依頼しました。たまたま、国家公務員の給与に関する人事院勧告が出て多忙な中でしたが、私のわがままに応じていただき、9月5日の日にその数値をいただきました。
それによりますと、一般行政職、大学卒男子、40歳の市職員の平均年収額は私の予想を超えておりました。実に650万3,350円でした。高校卒男子、40歳の職員の場合の平均年収額は637万4,665円となっています。これらの数字は、先ほども申し上げたように厳密に同一条件ではありません。もっと調査を重ねる必要があります。しかし、とりあえず現在の段階で、私どもの手に入る極めて現実的で貴重な数字であります。
もう一度申し上げますと、大学卒男子、40.9歳、勤続12.3年の江別市民間企業の平均年収は約562万3,000円。同じく大学卒男子、40歳、勤続年数18年の札幌市の民間企業の平均年収は約599万9,000円と、約37万円、札幌市の平均値は高くなっています。そして、大学卒男子、40歳、勤続年数18年の江別市職員の平均年収は約650万3,000円。札幌市の同様条件者の平均年収より50万4,000円高く、江別市の民間企業に働く方々より、勤続年数などの違いはありますが、年収にして、実に約87万円高い数字となっています。先ほども申し上げ、また何回も言いますが、厳密な同条件の比較ではありませんが、この数字は江別商工会議所、札幌商工会議所、そして江別市役所から出た数字であり、比較検討し討論することに耐え得る数値であると思います。いかがでしょうか。
前議会の質問において、小川市長が間違って報告された資産公開条例の数字を私は知らずにそのまま引用して愚かな議論を展開してしまいました。
そこで、質問の第1として確認させていただきたいのですが、私が今申し上げた江別・札幌両商工会議所、そして市職員課の出された数字に間違いはないかどうかということであります。もし間違っていたら訂正をしてください。
次に第2点は、市民あるいは民間が、市職員の給与の適正さについて判断するのに、市広報の表現では誠に理解し難いということであります。予算の枠やパーセンテージなどについては分かっても、給与水準についての判断資料はありません。先ほどの大学卒男子、40歳を比較した3点の数字がほぼ間違いないとしても、その比較だけで市職員の給与の適正さについて判断するのは少し乱暴だろうと私も思います。
そこで私の質問は、江別、あるいは札幌商工会議所の調査の態様に合わせる様式で、市職員の給与の実態を市民に公表・報告してほしいということであります。大学卒、短大卒、高校卒、男子、女子、一般行政職の事務系、技術系、消防職、医療技術職など。そしてさらにそれらを、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳などのそれぞれの平均給与を出していただくと、市民はもちろんのこと、給与に疎い私にも大変理解ができやすいと思います。
12月議会は、人事院勧告に基づく職員給与についての審議が行われるとの話ですので、この審議に間に合うように、できたらお願いします。
このリストは、先ほどの大学卒男子、40歳の1点だけの議論から、議論を線あるいは面として職員給与を見ることができ、今後、市民の市役所及び市行政についての正しい理解が一層深まると思われますが、その実現について小川市長の答弁を求めます。
第3点は、職員給与の比較の基準についてであります。
先ほど、過去に聞いたある理事者の論を紹介しましたが、江別市民のために働く市職員の方々の給与の比較の基準点に、札幌市の大きい民間企業の給与水準を持ってくるということは、江別の市民感情からいっておかしくはないかということであります。江別市役所が1,000人を超す組織になり、江別市内に比肩すべき大企業がないといっても、それは江別市の人口が増加したという原因、理由であり、つまりは市民のおかげであります。仮に江別市民の給与水準や生活の経済水準が低いのに、市役所職員は札幌市並みの給与でなければ働けませんとはならないと思いますがいかがでしょうか。
現在も、職員の給与水準の比較対照の資料として、札幌市の民間企業などの調査資料を使用しているのかどうか。また、江別市民の給与水準の資料をあわせて使うようにならないのかどうかも伺います。もちろんのことですが、江別市民にも大勢、札幌の企業に働き、給与水準の高い方も多いことと思われます。さらに申し上げれば、市職員は市民のために昼夜を問わず全力を挙げて働き、水準の高い行政を展開しているという誇りもありましょう。だから、国や道などの公務員の給与に準じて高い給与を受けるのは不思議ではないとの考えもできるかもしれません。
しかし、残念ながら江別市民は、先ほどの給与の実態調査に示されたように厳しい水準で生活しているのであります。財政も、高齢の弱者への補助を削るほど厳しいのであります。江別市職員は江別市民の目線で勤務してほしいものと思います。
第4点としての質問ですが、市民から見て、市役所職員の給与を客観的に適正に判断することは非常に大事なことと思います。その比較検討の材料は、私の考えるところ6点ぐらいはあろうかと思われます。第1に国家公務員、第2に道庁職員、第3に札幌市役所、第4に江別市と人口の近い道内都市、つまり、苫小牧、小樽、北見、岩見沢など、第5に札幌市の民間企業、第6に江別市内の企業等であります。これらが、市民に参考に提示された中で、さて江別市職員の給与水準はどの辺りに位置すべきかを判断するようにしてはどうかと考えますがいかがでしょうか。これらの資料を比較の材料として出すことはできるかどうかを含めてご答弁をお願いします。
第5点は、既にお分かりのとおり、私は江別、そして札幌両会議所の調査、さらに職員課の資料から見て、現在の市役所の給与水準は高過ぎるのではないかと強く疑っているのであります。
札幌市民間企業の平均年収に比べても50万円も高いわけであります。もし、私の指摘が正しいとして、仮に職員1人当たり年間30万円節約できたとすれば、10人で300万円、100人で3,000万円、1,000人で3億円、10年間で30億円、20年間で60億円という数字になります。もし過去にこのような財源があれば、市民に迷惑をかけながら職員も働きづらいこのたこ足分散庁舎は、場合によってはとっくに生まれ変わっていたかもしれません。何よりも、財政基金として積まれて、今日の財政危機の救いの神ともなっていたことでしょうし、ご理解を賜りたいという答弁の数もぐっと減ったのではないかと思います。
この疑いの正しい判断は、私は市民の皆さんにしていただこうと考えています。そのためにも、より詳しく適正な資料が必要です。市民の貴重な税金を職員の高級な給与が食べ尽くしていたなどという市民の評価にならないように願っていますが、私のこの疑い、そしてこの不安をぬぐい去っていただくように、市民の判断の前に、とりあえず小川市長のご答弁を求めます。
以上でございます。