平成15年第3回江別市議会会議録(第2号)平成15年9月17日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤義明君)
吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
吉本議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
初めに、平和に対する基本姿勢についてのご質問でありますが、一昨年9月、アメリカで発生した無差別テロ事件は、いまだ私たちの記憶に新しいところであります。そして、これを一つの契機として、世界の人々の平和への願いに反して戦争にまで発展したことは、誠に残念なことでありました。この戦争によって、兵士ばかりではなく、罪のない多くの人の命が奪われてしまったわけであります。言うまでもなく、今日の憲法は多くの尊い犠牲者を出した過去の悲惨な戦争の反省を踏まえ、恒久的な平和の実現を願って作られたものであります。私は、市民の生命と暮らしを守る立場から、従来から憲法に基づく平和理念を尊重することを市政運営の基本方針として掲げてまいりました。そこで、日本政府に対しての見解でありますが、我が国が世界に誇る平和憲法に込められた人々の願いを十分に踏まえた中で、これからも冷静な対応をとっていくべきであると考えております。
次に、非核都市宣言についてのご質問でありますが、昨今の国際情勢から、核兵器への脅威はいつになく高まってきており、平和を願う市民にとって誠に憂慮すべきことであると思っております。このため、憲法に規定する恒久平和と並んで、我が国の国是である核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという非核三原則を堅持することは、極めて重要な意味を持つものと考えております。
ご指摘のように非核三原則の堅持や核兵器廃絶の立場を宣言した自治体が全国に数多くあることは承知しておりますが、それを当市に置き換えて考えてみますと、市民の間での議論の熟度などを総合的に判断して決定すべき事柄であると思いますので、そのようにご理解を賜りたいと存じます。
次に、平和行政の推進についてのご質問でありますが、この8月、立命館慶祥高校弁論部の生徒が広島まで日本を縦断するピース・イン・ライフの旅に出発する際に、私は学校に出向いて激励の言葉を贈るとともに広島市長へのメッセージを託しました。いずれにいたしましても、行政が主導して行う平和行政もあるでしょうが、市民レベルでの幅広い草の根の取り組みを広げるためには、こうした若い世代が平和について考え、戦争世代とともに語り合う経験を持つことに大きな意義があるものと思っております。市民の自主的な平和運動につきましては、市といたしましても、場所の提供など出来得る範囲での支援を以前からしてまいったところでありますが、今後ともNPOなどによる多様な取り組みの広がりを期待しているところでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
このほかのご質問につきましては、教育長からご答弁を申し上げます。
教育長(高橋侃君)
私から、放課後児童会についてご答弁申し上げます。
初めに、江別市の放課後児童会の基本的な対応は、対象となる児童数を市直営では20名、民間では10名とし、また、2キロメートル圏内に1か所という基準の下に開設をしてきたところでございます。現状につきましては、児童クラブを含め市直営で4か所、民間で9か所の開設があり、十分とは言えないものの、基準に基づけばほぼ充足されたものと考えておりますが、今後はご指摘の件も含め地域の実態を踏まえ、住民の方々と十分協議を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。
次に、いずみ野小学校区の放課後児童会設置についてでございますが、現在、いずみ野小学校に通学する児童については、対雁小学校の敷地内に開設するおおぞら児童会に入会していただいておるところでございます。いずみ野小学校から児童会へ通うためには、5丁目通りの横断が必要であり、近年、保護者から交通量の増大により危険であるとのご意見もあることから、学校での指導はもとより、児童会としても、入会時に適正な通学指導を行っており、また、冬季間の歩道の確保にも努めているところでございます。
次に、今年度のおおぞら児童会待機児童8名のうち、いずみ野小学校区児童は1名であり、入会児童6名を含め、当該地域の入会希望者は7名と把握しておりまして、また、来年度に新たに11名程度の希望があるところでございます。こうした状況からいたしますと、当該地域における放課後児童会の必要性はあるものと認識いたしているところでございます。したがって、今後PTAや地域自治会、保護者の方々と十分協議する中で、例えば民間による運営や市民との協働による視点等、多様な角度から検討してまいりたいと存じますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
吉本和子君
2回目の質問をいたします。
最初に、市長の基本姿勢について伺います。
市長がこの8月、平和活動をする市内の高校生を激励し、広島市長へメッセージを託すなど新聞報道にもありましたけれども、このように平和に対して具体的に行動されたことについて、高く評価いたします。平和を願う市民にとって、その思いを市長と共有できたと感じられることは、大きな喜びであり、活動団体にとっては、運動を続ける励みにもなるものです。しかし、答弁では非核都市宣言については、市民の十分な論議を、平和行政については、市民レベルでの取り組みをというように市民に多くを期待し、行政の積極性が薄く、市としての役割が不鮮明と言わざるを得ないものでした。市内で地道に平和活動を続ける団体への支援はもとより、キ106のCD-ROMを作成した高校生、ピース・イン・ライフの旅をした高校生など、若者の平和への率直な思いや若者らしい多種多様な平和活動が、この江別市でも途切れることなく続けられるように支援する必要があります。そのためには、市として時には旗振りで、時には後押しの立場で平和行政の推進に取り組む必要があると思いますが、今一度、どのようにお考えか伺います。
次に、放課後児童会に関して、設置基準の見直しについて伺います。
初めに、いずみ野小学校区内に放課後児童会をという地域の要求に対しては、前向きな答弁であり、評価するものであります。放課後児童会が2キロメートルに1か所の基準でほぼ充足されたということですが、低学年の子供たちにとって、安全な生活圏という視点で考えるとどうでしょうか。低学年の子供たちが歩いて通ってくる、その歩いている間の安全確保も大変です。交通事故の危険はもとより、犯罪からも子供たちは守られなければなりません。1997年以降、全国的に登下校中の子供が犠牲となる事件が相次いで起きています。記憶に新しいところでは、新潟県村上市の事件がありました。このような事件は通学範囲が広がるほど危険度は増すと言われています。放課後児童会が子供たちの安全な生活を保障するものになっているかの視点、例えば、学校と児童会の距離、地域の道路交通状況、住宅の密集度、地域の協力体制があるかないかなど、この視点で検証すれば、従来の2キロメートルに1か所という一律の基準について、今、検討する必要があるのではと思いますが、市のお考えを伺います。
以上です。
市長(小川公人君)
吉本議員の再質問にご答弁を申し上げます。
今ほどは、立命館慶祥高校に対する取り組みについて高い評価をいただいて、ありがとうございました。決して、これで胸を張ってやっていると、これだけで申し上げるつもりは毛頭ありません。今のご指摘で、市民に期待すること、多く行政の部分については消極的ではないかと、こういうご指摘でありますけれども、そのことについては、ご意見をご意見としていただいて、いずれにいたしましても、私は平和については、確かに全国で相当の件数、宣言をしていることは承知しておりますけれども、やはりできれば、中身を私も十分に承知していないと。宣言はしたけれども、そこに本当に中身の伴う取り組みが、その宣言によって、どう起動しているかというところも大事だろうと思いますけれども、今、議員ご指摘のとおり、率直に言って、平和の問題、平和と言うとだれ1人反対はしないと思うんですけれども、いざ議論となると、例えば原水禁運動、私も何回も広島の運動に行きましたけれども、これも率直に言えば政治的に組織があって、いろいろな団体の意向があると、そういう中で、平和では共通しているはずですけれども、取り組みは非常にニュアンスが違って、なかなかまとまらないということもあると。そういう中で、どうやっぱりコンセンサスを、どこかに共通点なり、一致するところがあると思うんです。率直に申し上げれば議会も含めて、そういった熟度、先ほど熟度と申し上げましたけれども、そういった盛り上がりの中で判断していかないと、ただ宣言すればいいと、もちろんすることの意味はあろうかと思いますけれども、そういった意味で申し上げておりますので、不十分な点というご指摘もありましたけれども、その点については、またいろいろな出来得る限り、当面は民間の主導による主体性によるいろいろな取り組みについて支援をしていきたい、これからも継続して支援をしていきたいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
以上であります。
教育長(高橋侃君)
ご答弁申し上げます。
議員ご指摘の趣旨は、私なりに十分理解できるものでございます。今後につきましては、設置基準の見直しを含めまして、ご指摘の子供の安全確保も大事でありますことから、検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。