平成15年第3回江別市議会会議録(第2号)平成15年9月17日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤義明君)
以上をもって、宮川議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
吉本議員の市長の基本姿勢についてほか1件についての質問を許します。通告時間20分。
吉本和子君
日本共産党議員団を代表して、通告に従い、順次質問をいたします。
去る8月9日、長崎で行われた原水爆禁止世界大会に参加した者として、一番目に、核を巡る今日の情勢から、市長の平和に対する基本姿勢について伺います。
アメリカによる原爆投下から今年は58年目。人類最初の核戦争を身をもって体験した被爆者の方々は、今なお続く原爆症による体と心と暮らしの苦しみに高齢という困難を抱えながらも、世界のどこにも二度と被爆者 を作るなという思いで被爆体験を語り続けています。にもかかわらず、核兵器開発には歯止めがかからず、2,000回を超える核実験が繰り返され、今、地球上には3万発を超える核兵器が存在していると言われています。しかし、核保有国はいまだに核兵器廃絶の動きを見せず、アメリカに至っては小型核兵器の研究や核兵器の使用もいとわない、そんな姿勢を表明しています。
一方、北朝鮮の核兵器保有発言が国際社会に新たな緊張を高める中で、この日本においては核武装論までもが飛び交うような情勢です。日本政府はいまだに世界の平和と安全は核兵器を含む抑止力によって保たれているという核抑止力論を信奉し、アメリカの核の傘に依存する政策をとり続けています。国連総会の場においても、核兵器使用の禁止や核兵器廃絶を求める決議のほとんどすべてに棄権をしています。小泉首相は、ブッシュ政権の危険な先制攻撃論や非核国への核兵器使用政策への態度を問われ、「アメリカ自身の判断であり、選択肢の一つ」として容認しました。福田官房長官は「国際情勢が変化したり、世論が核を持つべきだとなれば、変わることがあるかもしれない」と非核三原則見直しにも言及しました。
市長は、日本国憲法の尊重と、これを堅持することを基本理念にしていることを常々おっしゃっておられますが、このような日本政府の対応や発言に対し、どのような見解をお持ちかお聞かせください。
2番目に、非核都市宣言をすることの認識について伺います。
今年の世界大会は、国連を無視してイラク侵略を続けるアメリカへの批判、さらに核兵器政策への危険を告発する発言が続きました。アメリカの9.11テロ遺族の会の代表は、「テロによって肉親は殺されたが、報復からは平和は生まれない。平和は平和的な手段でしか作ることはできない。だから、私たちはブッシュのイラク戦争に反対する」と発言しました。人種も国籍も宗教も思想も社会的立場も違っていても、国際紛争を戦争で解決してはならないという国連憲章の精神とヒロシマ・ナガサキの声が世界の共通の意思・行動へと発展していることを目の当たりに確認できました。しかし、その一方、日本国内では、自治体や住民への戦争協力までもが強制される有事法制や、北海道の自衛隊員が最初に戦場へ送り出されるかもしれないイラク派遣特措法などが成立しました。戦争しない国から戦争に協力する国へ、そして今、戦争する国へ平和の流れに逆行する日本の政府に対して、このときだからこそ、戦争の脅威からも核の脅威からも住民の命と財産を守ることを使命とする自治体の意思を明確に表す方法として、この宣言は重要な意味を持ちます。日本非核宣言自治体協議会は、全国の自治体、さらには全世界のすべての自治体に核兵器廃絶・平和宣言を呼び掛けています。非核宣言実施自治体数は、全国でこの7月現在で2,614、全自治体の80%に上りました。道内では3月時点で、25市66町11村、48%になりました。この江別市では、過去に核兵器廃絶や平和の問題について、1975年には非核三原 則の立法化を要請する請願書、1982年3月には核兵器の全面撤廃と軍備縮小の推進に関する意見書、同じく 1982年12月には非核都市宣言についての陳情、そして核兵器廃絶・平和都市宣言についての陳情が審査され、しかし、意見書を除き、ほとんどが不採択という経緯がありました。しかし、今日の国内外の情勢に照らして、今こそ非核都市宣言をすることを平和を求める市民は望んでいますが、市長のお考えをお聞かせください。
3番目に、江別市の平和行政の推進について伺います。
私たち大人は、次代を担う子供たちに平和で安全な世界を引き渡す義務があります。この世界を最も危険に陥れるもの、それは核兵器以外の何ものでもありません。その核兵器の犠牲となったヒロシマ・ナガサキの声をしっかり受け止め、聞き取り、風化させることなく継承し、被爆の実相を広く知らせていくことは、核兵器廃絶の運動のかなめであり、それぞれの自治体の重大な役割です。
1点目に、江別市として、平和の問題や核の問題を広く市民に知らせ、行政と市民共同で核兵器廃絶に向けて具体的に行動するというお考えがあるか、お聞かせください。
2点目に、平和運動を継続している市民団体などへの支援について伺います。
戦時中、この江別ではどんなことが行われてきたのかという歴史の掘り起こしやその検証は、戦争の事実をしっかり見据えることで、戦争の悲惨さと平和の大切さ、その平和を守ることの必要性を教えてくれます。江別でも空襲があったこと、製紙会社で木製戦闘機を作っていたこと、全道各地から動員された中学生や女学生がその仕事をさせられていたことなど、ほとんど一般の市民の方には知られていないのではないでしょうか。市民団体によって毎年開かれる平和を語る集いで、今年、とわの森三愛高校の放送部が、この木製戦闘機キ106の記録をCD-ROM化し、画像公開には70人近い市民の方が視聴したということです。このように地域や学校などで地道に平和運動を続けている団体が、市内にも幾つかあると聞いております。行政として、多方面から支援していく必要があるかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
次に、放課後児童会について伺います。
1990年、1.57ショックと言われ大きな社会問題になった少子化。その後も出生率は低下し、今年は1.32と最低の値を更新しています。少子化は日本社会の未来にかかわる大問題です。小泉内閣のように少子化で将来の社会保障がもたないと制度の将来不安をあおって、福祉切捨てや国民負担増の口実にするような対応では、未来に希望を持ち、子供を生み育てたいという気持ちにはだれもがなれないのではないでしょうか。そんな中でも、子育てと仕事を両立させたいと願い、共働きでなければ家計が成り立たないという経済状況にある多くの若い子育て世帯もあります。この方たちにとっては、就学後は放課後児童会があるかないかが働き続けられるかどうかの大きなかぎになります。保育園に通っている子が小学生になったら、放課後や夏休みをどう過ごしたらいいのか、このような切実な親の思いから始まった放課後児童会は、1998年やっと法制化されました。放課後児童会は、共働きや母子・父子などの片親家庭の小学生の子供たちの毎日の放課後と、春・夏・冬休みなどの学校休業日の生活を守る施設であり、子供たちがそこで安心して生活できることによって、親もまた仕事を続けられ、そのことが親の働く権利と家族の生活を守るという役割を担っています。少子化がますます深刻化する一方で、放課後児童会への要求もさらに高まっています。
1番目に、江別市の放課後児童会の設置基準について伺います。
この江別市においても人口増加率が減少し、少子高齢化が進んでいると言われています。平成14年度、江別市の総人口に占める15歳以下の年少人口は15%、逆に65歳以上の高齢者人口は16.7%、ここ2年の間に逆転し、人口1,000人当たりの出生数は全国・全道平均を下回っています。
その一方で、市内には区画整理地区への転入で社会的な人口増加を示している地域があります。このような新興住宅地には若い子育て世帯が多く、幼児や学齢層の子供の増加に伴い、保育に対する要求が高まってきています。隣近所の関係が希薄な住宅地であっても、安全に対する知識や危険回避ができない低学年の子供たちを交通事故や犯罪などの被害から守るためには、地域の声掛けや見守りは欠かせません。放課後の生活の場が、子供たちの通い慣れた学校の近くにあれば、子供たちにとっても親にとっても安心であり、地域の方と子供の交流も多くなります。地域の子供は地域が育てるという連帯感が、新興住宅地の新たな地域づくりに一役買うことも可能です。
市は、従来より放課後児童会の設置についての基準をおおむね半径1キロメートルの圏内にとしておりますが、それぞれの地域にはそれぞれの特殊性や要求があります。放課後児童会は働く親を持つ子供の権利として、また、親の働く権利を保障するというもので、国や道・市はその推進に責任があります。放課後児童会が欲しいという地域の声をしっかり聞き、その実態を検証し、従来の基準にとらわれず、検討する必要があると思いますが、市のお考えをお聞かせください。
2点目にいずみ野小学校区内に放課後児童会を設置するお考えについて伺います。
1点目、現在、いずみ野小学校の放課後児童会利用児は、対雁小学校敷地内にあるおおぞら児童会に通っていますが、このとき4丁目通りと道道札幌北広島環状線の2つの道路を横断しなければなりません。特に、道道札幌北広島環状線は、この議会でも過去に幾度となく取り上げられているように大型車両が多く行き交う交通量の激しい所です。
また、横断歩道の近くの大型量販店へ出入りする車が多いこと、学校からの近道を通り、横断歩道を渡らない子供がいることなど、児童会までの通学圏の中にたくさんの危険があります。親も学校も児童会も危険であることを心配していますが、だれもが送迎することは困難であり、一、二年生の子供たちに言って聞かせるしかない状況です。市として、通学路の安全確保の問題をどのようにお考えかお伺いいたします。
2点目、いずみ野・元江別地域は今も人口・世帯数とも増加し、まだ宅地造成されている地域があることから、さらに増加する可能性があります。今の傾向でいけば、ますます放課後児童会の需要が高まると考えられます。既に、おおぞら児童会は8名の3年生が定員一杯で利用できないでいる状況です。遠くて通えないと途中でやめた子や、遠くて不安とあきらめたお母さん、このように潜在的なニーズはまだまだあると思われますが、この状況を市はどのようにお考えかお伺いします。
3点目、本来、放課後児童会は低学年の子供たちが歩いて通う場所であることから、小学校区内にあるのが適当だと考えます。いずみ野小学校からおおぞら児童会まで、学校が指導しているコースを通うと、大人の足でも20分はかかります。帰りはそれ以上の距離を歩いて自宅へ戻らなければならない低学年の子供たちにとっては、大きな負担であり、まして交通量の激しい道道を横断することの危険があります。市が決めている半径1キロメートルのエリアという考え方が、この地域にとって適当とは思われません。この点についての市のお考えをお聞かせください。
以上の問題から、いずみ野小学校区内の放課後児童会の必要性について、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。
以上をもちまして、1回目の質問を終わります。