平成15年第1回江別市議会会議録(第5号)平成15年3月27日 5ページ
6 議事次第の続き
一般会計予算案の続き
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
堀内城君
議案第17号 平成15年度江別市一般会計予算について、賛成の立場で討論いたします。
最初に、15年度予算を取り巻く環境についてでありますが、国と地方合わせて693兆円という巨額の公債残高を抱え、国債依存度は44.6%に達し、地方においては毎年14兆円もの財源不足が生じており、その補てんのため赤字地方債の発行を余儀なくされています。これらの現状を改革するとして、補助金の見直し、交付税改革、税源移譲の三位一体の改革を進めるとしているが、その実態は歳出削減が先行し、税の移譲が遅れたものとなっており、地方自治体を取り巻く状況は一変し、自己の権限と責任、さらに自己の財源によって、その経営に当たる方向にかじが切られ、財源の保障は極めて限られた範囲でしか認められない厳しい内容となっています。
このような環境下にあって、当市の財政構造は、減税、景気低迷による市税の減少、交付税の大幅な減額などが続く一方、扶助費は重度心身障害者医療費、新たな児童扶養手当支給事業、生活保護費が引き続き増加したことにより、14.3%増と突出している。公債費も残金が増加、各特別会計等への繰出金も増加、一方、人件費は給与改定率の減、3月期の手当の廃止及び職員数の減員等によって前年度当初比2.9%減、投資的経費は34.6%の減となっています。
こうした極めて厳しい財政構造にあって、財政上の対応として、一つには赤字地方債を発行せざるを得ない状況の中で、可能な限り起債発行の抑制を図ったこと、二つには平成12年度以降進めている事業の見直し、再構築を継続し、経費を4億5,500万円縮減を図ることによって、扶助費等の施策経費を生み出したこと。3として、土地開発公社への対応として、保有地処分計画に基づき供用開始用地の買戻し等を進めることなど、その努力を評価するものであります。
施策の推進に当たっては、一つ、子どもたちの可能性を伸ばす施策の推進。二つに、少子化対策・子育て支援。三つに健康づくりの推進、四つ目に、環境・循環型社会の推進の4項目を共通テーマとして位置付け、21世紀を担う子供たちを取り巻く環境整備事業では、市内全保育園で延長保育を実施することを初め、開設時間の拡大、認可外保育園の支援等の子育て支援、多様な能力を伸ばす教育環境づくりのために学力向上支援事業や地域ぐるみ教育活動の充実等と、積極的な事業展開に期待が持てるものであります。福祉サービスの充実や、環境分野では、夜間、深夜、早朝にホームヘルプサービスを利用する低所得者の利用料の負担軽減事業、介護保険料の減免実施等の新規事業を初め、これまでの事業を検証、再構築して総合的な健康づくりの推進や、二酸化炭素排出抑制と、事業の再構築の視点から特別職等の公用車台数を減らして8人乗り低公害車に切り替えたこと、商店街振興や、地域経済活性化を支援する商工業活性化事業の推進、雇用対策では、国の制度を活用した事業展開とワークシェアリングの実施、簡素で効率的な行政を目指すため、協働型まちづくり事業の推進とITを活用した事務事業の検討と行政評価の導入と組織の見直し。また将来の都市基盤整備への期待が高い江別の顔づくり事業は、連続立体交差事業の16年度着工準備採択に向け、国からの検討課題3項目を初め、費用対効果や、事業実施を待望する地域の声、活性化に向けた地域と行政の取り組みなども重要な要素となりますので、本年度計画している都市計画原案策定にかかわる調査と住民への合意形成に期待するものであります。
事業の推進に当たっては、持続発展可能な再開発の道筋を付けることを基本に、事業目的である都市機能を充実し、都市空間の快適性を飛躍的に創造することを初め、将来の財政体力をつけるためにも事業効果が大きく期待されるものであります。
以上、将来を見通したまちづくりや市民施策への強い改革の意思の中で、緊縮財政の中での行政の推進を念頭に、市民との協働を重視し、行政組織の改革を初め施策の重点化と再構築、行財政資源の効率配分に意を用いた予算と評価するものです。
最後に、今後も厳しい財政見通しが想定されることから、財源の移譲を国に強く求めるとともに、歳入総額の減少に耐え得る歳出構造にするための改革を一層推進することを期待して、賛成討論といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第17号を起立により採決いたします。
議案第17号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第18号 平成15年度江別市国民健康保険特別会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋典子君
議案第18号 平成15年度江別市国民健康保険特別会計予算について、反対の立場で討論を行います。
国民健康保険は自営業者や、農漁民、無職の人や年金生活の方々などを対象とする社会保障制度であり、高齢者や低所得の加入者が多く、不安定な財政運営を余儀なくされています。特に、現在の厳しい経済情勢の下で、中小企業の倒産やリストラの横行、就職難、高齢者においてはこの間の医療制度改正による負担増、さらに介護保険料の徴収など、生活の実態は厳しい状況に置かれています。国民の生活実態を見ない国の政策を根本から改善させ、国保への国庫負担の増額、国保制度の拡充強化を国に対し強く求めていくことは当然のことですが、一方、江別市としても、保険者として被保険者である市民の負担軽減のために、最大限の努力が払われなければなりません。
当市においては、平成13年度から国保税条例の一部改正により、税率の引上げと最高限度額の引上げが行われ、市民にとって大きな負担となってのしかかってきていました。さらに昨年の第4回定例会において国保条例の一部が改正され、給与所得特別控除及び公的年金等特別控除の廃止に伴い、国保加入者の約4割が負担増となります。地方税法の改正に伴う条例改正を行う際には、同時に所得割の引下げを行うなどすべきです。提案された予算は保険税歳入で前年度より1億2,867万6,000円増となり、年金収入で月14万4,000円以上の方は、1万6,800円の負担増、給与所得者で年間98万円を超える方は2,000円の負担増となります。道内の他都市並みに一般会計からの繰入れを行い、国保税の市民負担増を抑え、さらに引下げを行うよう努力が払われるべきですが、そのような対応がなされておりません。また、この間、法の改正に伴い当市においても保険税滞納者への被保険者資格証明書の発行が行われております。資格証明書では病院等で受診したとき、いったん窓口で診療費全額を支払わなければなりませんが、保険税が払えない人がそのようなお金を準備できるはずもなく、病気になっても医療機関にかかれない事態になりかねません。地域医療保険としての役割を果たすためにも、対象となる方の実情を良く把握し、交付対象外となる特別の事情に当たらないかを見極め、資格証の発行を極力避けるよう努力を求めるものです。
以上、保険者である市として、市民の命と健康を守る立場に立って国保事業と財政運営を行うべきであることを指摘しまして、反対の討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
坂本和雄君
議案第18号 平成15年度国民健康保険特別会計予算について、賛成の立場で討論を行います。
国保は、国民のだれもが医療保険制度の適用を受けることができるという皆保険制度の基礎的な部分を担っていますが、近年リストラなどによりやむなく職を失った市民や他の健康保険を離れた市民の加入が増え、医療費の伸びの抑制と保険税の確保という課題を抱えています。また、これまでに幾度となく国保制度の改正が行われてきましたが、他の健康保険と比べると所得が低い加入者と医療費の高い高齢者を抱えざるを得ないために、財政基盤が弱いという構造的な問題は解消されておりません。昨年10月にも大きな制度改革が実施されましたが、将来を見通した抜本的な改革には至っていない状況にあります。このような中で編成された15年度の国保会計予算は、14年度当初に比べ9.4%、7億9,000万円ほどの増加となっており、その多くは会計年度区分などの制度改正による医療給付費の増にありますが、加入者の所得の伸びを上回る医療費の伸びが続いております。
一方、医療費の伸びに対処し、国保財政の安定化を図るために、国による新たな財政措置が講じられ、財政基盤の強化が一定程度なされるとの見通しから、保険税率を据え置くこととしたというのが提案された予算の概要であります。今日の経済状況下にあって、国保税が据え置かれたことを評価するものでありますが、税率の引上げがないとはいえ、地方税法の改正によって15年度から税負担が増える世帯が一部にあります。今後は、加入者の納税意欲を損なわないためにも、税負担の公平を図る観点からも、収納率の向上に向けたさらなる取り組みを求めるものであります。
また、15年度から健康づくり計画がスタートすることとなりますので、国保においても保健事業を通した医療費の抑制、適正化に向けた努力と効果を期待いたしまして、賛成討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第18号を起立により採決いたします。
議案第18号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第9号 江別市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第20号 平成15年度江別市介護保険特別会計予算に対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。