平成15年第1回江別市議会会議録(第5号)平成15年3月27日 4ページ
6 議事次第の続き
一般会計予算案
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
宮本忠明君
議案第17号 平成15年度江別市一般会計予算案について、委員長報告に反対の立場で討論に参加いたします。
平成15年度、国は改革断行予算を基本路線に、一般歳出及び一般会計歳出全体を抑制するための歳出構造改革、いわゆる三位一体改革を目指し、国庫補助負担金の削減等、地方財政計画を縮減という極めて抑制された予算編成を打ち出し、地方はこれを受けて地方分権の名の下、自主自律、自己財源による経営が求められております。
こうした流れの中で、江別市の財政事情は地方交付税の大幅減額、景気の低迷により市税収入の減といった、歳入が極めて厳しい状況となっております。
一方、歳出においては地域福祉の推進、多様化する市民ニーズへの対応、環境、教育、経済の活性化など、さらには起債償還額、扶助費の増嵩等により財政需要が増大し、従前同様の施策展開が困難になってきております。今、行政に求められているのは、行財政改革を強力に推進し、持続可能な行財政体質の構築であります。このような現実を踏まえて、市長は本年度の江別市の一般会計予算編成に当たり3点の基本理念を述べられております。また、本年は統一地方選挙の年に当たり、いわゆる骨格予算としております。
さて、当会派は予算編成の基本理念及び骨格予算とする当予算案を、財政の状況を踏まえたものかどうか等を含めて種々の観点から検証してまいりました。
市の説明では、財政の現状は一般会計に占める公債費比負担率が19.1%となる見込み、ごみ焼却場の償還が始まると19.9%となると説明があり、危険ラインとされる20%に極めて近く、中・長期の見通しでは財政の硬直化は否めないとされております。その上で市長は、起債残高や償還額の推移を考慮すると、今後とも事業の選択と集中を進め、起債の発行の抑制を図る必要があるとしております。このことは市長として当然の考えであると思います。
しかし、市長は大型プロジェクトである野幌駅周辺顔づくり事業について、きちんと財源も含めた説明責任を果たさないまま、本定例会を迎えたわけであります。最終的な理事者質疑の中で、市負担は約200億円程度から半減程度にしたいとの考えを示されました。この唐突な半減の考え方は何の根拠をもって言われたのか、一体どのような事業を江別市として考えられているのか、理解に大変苦しむところであります。江別市負担100億円程度で国と協議しているとすれば、区画整理事業、関連街路事業の大幅な見直しを余儀なくされると思いますが、具体的にその内容が示されていないわけであります。市が考えている100億円程度の負担での事業内容、つまり市長が自らおっしゃっている江別市の中心、野幌駅周辺のコンパクトなまちとはどんなものなのか、早急に市民の前に明らかにすべきであります。
また、いわゆる三点セットのパッケージ方式でないと国は認可しないと、市ではずっと説明してきておりましたが、100億円縮減となると、パッケージの考え方そのものが崩れるのではないかと思います。要するに、既にパッケージ方式は成立しないということではないかと考えざるを得ません。以上のことについても、非常に分かりにくく、もっと市民に分かりやすい行政手法はできないものかと感ずるわけであります。その上で、市民合意形成を図るべきであると思います。
また、先般の新聞報道におけるJR江別駅の再開発事業について、核店舗の進出中止問題であります。市としては3月8日に、担当者を通じて出店が困難であると申し出がなされたが、その理由が明らかでないし、必要な諸条件がそろえば議会に明らかにする予定であるとのことであります。いろいろ理由、考えがあるにしろ、大変重要なことであります。3月8日の情報について速やかに所管委員会、また特に駅周辺再開発調査特別委員会に報告すべきであったと思います。なぜ、特別委員会に報告がなされないのか、新聞報道があったので、予算結審の日に説明される異常さであります。特に、特別委員会での審議を避けたと言わざるを得ません。施行主体と行政との関係を、また責任所在はどうなのかを分かりやすく説明すべきであると思いますし、今後この問題解決は施行主体が行うのか、行政が行うのか、商工会議所とみらいの関係はどうなのか、地元入居希望者や、企業との関係はどうなのか、大変心配なことであります。
次に、平成16年度より、スタートするべく、第5次の新総合計画策定に着手しておりますが、平成7年から市長就任と同時に始まった後期基本計画についての検証がきちんとなされていないと思います。新しい総合計画を立てる前に、今までのまちづくりの総合的な検証をすべきであります。特に、後期基本計画の8つのリーディングプロジェクトの検証、今後の考え方をきちんと市民に示すべきであると思います。
また、市長は江別市役所の組織改革についても発言をしておりますが、予算案の中には何らその具体的な内容が明らかにされていないことが大変残念であります。
次に、骨格予算についてでありますが、骨格予算の概念は、肉付きのない予算であると理解いたします。それが次期リーダーと新しく選ばれる市議会に対する礼儀であると思われます。しかし、本予算は骨格とは言いながら政策的予算が目立ちます。これは、次期新市長及び新議会への越権行為であると思われます。つまり間接的に言えば、選挙民の選択権を奪うものと言わざるを得ません。今回、課題となった江別・野幌駅周辺など、実現性の不確実な調査事業は市民に絵にかいたもちを見せるだけで、残るのは失望だけにならなければと思います。
当然、一般会計は産業振興、福祉、教育、環境、インフラ整備など、市民生活に密接に関係のある極めて重要な予算であります。そのものを否定するものでは決してありません。特に、本定例会初日の駅周辺再開発調査特別委員長報告の内容とは大きく異なったものとなってきております。
議長(五十嵐忠男君)
静粛に。
宮本忠明君
意思形成過程も含めて、情報公開、特に特別委員会へ迅速に報告すべきでありました。特別委員会の設置目的は、申すまでもなく事業計画の進展と費用対効果などを十分調査するためのものであります。委員会軽視、ひいては議会軽視と言わざるを得ません。予算編成に当たり、市長の言う市民との協働を積極的に進めるという理念とは正反対の行政手法と言わざるを得ないわけであります。しっかりと市長リーダーシップによるまち哲学に基づいて行政内部が連携し、一体となった予算編成をするべきであったと思います。
以上のことを踏まえて、江別市の平成15年度予算案に反対を表明して討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
坂下博幸君
議案第17号 平成15年度江別市一般会計予算案に対し、討論に参加します。
地方財政計画が2年連続マイナスとなり、その結果、地方交付税の大幅な削減とともに、市内経済の不振、停滞による法人税、市民税の減収は江別市の財政運営を極めて厳しくしており、財政収支不足額を赤字地方債23億9,000万円の発行で収支の均衡を図っております。その結果、経常収支比率、公債費負担比率とも一般的に言われる公共自治体の財政の危険ラインの目安に限りなく近づいております。私たち会派は、そのため大胆な事務事業の見直し、職員定数の前倒し削減など大幅な行政改革の推進を進めるべきと主張し、削減分を投資に振り向け、企業誘致と新規及び創業企業への支援を強力に進め、将来の税収増と新卒者及び中高年の就業を促進することを提案し、税収不足による市民サービスの低下、特に弱者に対するサービス低下を極力抑制するように訴えてきたところであります。
今年度予算では、昨年度見直しされた老人医療費助成制度の実施、4歳未満児まで対象児童が拡大された小児医療費無料化の所得制限実施など、今年度予算には受け入れ難い部分も多々あります。しかしながら、江別の顔づくり事業の野幌駅周辺再開発事業については、当初予算の大幅な見直しによる身の丈に合った事業にしていきたいとの市長の前向きな答弁もあり、着工準備採択に向けての今後の計画提示を慎重に見守りたいと考えます。
江別駅周辺再開発事業については、寝耳に水、唐突な出店拒否の報道がなされ、予算委員会でもその真偽が確認されましたが、明確な確認はできませんでした。北海道へのヒアリング申請も5月中旬と日程が詰まっていることから、早急な結論と、前向きな結論が示されることを期待するものです。江別地域の再活性化の目玉でもあり、過去の何回かの事業修正、見直しと、後遺症的状況もあることから速やかに市民の願いにこたえることができる解決策を見いだしていただきたいものであります。
行財政改革の一環として主張してきた公立保育園の民営化については、新年度、保健福祉部の中に検討委員会を設置し、一定の方向性を出していきたいとの市長の答弁もあり、同委員会の今後の結果、方向性を会派として検証させていただきますので、早急な結果報告を望むものであります。
また、これまで主張してきた企業誘致推進事業及びIT産業育成のアンビシャス事業もスタートしたことから、大きな期待を持って見守りたいと思います。
以上の点から、平成15年度予算案に対しては、市民サービスには不安は残るものの、努力されていることを認め、今後ますます行政改革を推し進めていただくことを希望し、平成15年度江別市一般会計予算案に対しては賛成の立場を表明し、討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
稲垣良平君
議案第17号 平成15年度江別市一般会計予算について、反対の立場で討論に参加いたします。
江別市をサスティナブルな都市にする。そのために規模の大きな再開発事業もやらなければならない。そういう論理であります。私は全くナンセンスだと思います。今、これまでの江別市の予算の取り組みというものを見直して、新たな取り組みを開始することによってのみ、サスティナブルな持続し得る江別市というものが、再構築でき得るんだというふうに思います。
先ほど、共産党の討論の中で、国主導の大規模な公共事業をという話がありました。私はその認識は違うと思う。国は、野幌駅前再開発について根本的に再検討したらどうだと、ほかの候補はどうなんだ、投資効果はどうなんだ。いわゆる根本的な見直しというものを実は求めているんです。にもかかわらず、江別市は江別の都市構造だとか、市民ニーズだとか、財政の状況だとかということを何ら考慮せずに、物を欲しがる子供のように、事業を実施したいと言っているに過ぎない。
江別駅前の事業については、8日に、進出意向にあった事業者から参加意向を撤回するという連絡があったというふうに報道されていました。私は一般質問で、13日でした。進出するとされている企業が進出することに関して、どう担保されているのか。1回目、2回目、3回目、同じ質問をしました。何ら答弁がなされなかった。ということは、進出するということについて担保があるという判断であれば、進出することは担保されています、こうこう担保されていますと言えるはずだった。ところが報道されたように、担保されていない状況にそのときあったから答弁ができなかったんではありませんか。私はそのことを予算の審議をする議会において、ましてや市民に対する説明を明確にする責任を果たす、そういう意味からも、今回の対応というのは全く責任を果たしていない。
このことについては、議会が市行政のチェックをするという責任があります。その責任を私どもは果たせたのだろうか。新聞報道によって初めてそういうことを知り得て議会のテーマとなったような状況で、私も一人の議員として極めてその責任についてじくじたるものを感じます。
25日の委員会に便益分析の報告がなされたと報道されていました。私はあの記事を見て、新しい手法でも取り入れてやったのかというふうに思って資料を手に入れて読んでみました。何のことはない。事業によって土地の価格が上がります。だから便益が計上されているだけではないですか。その前の日、24日、土地の価格が公示されました。江別市の住宅地、商業地とも大きく経年にわたって前年を下がってきているわけではないですか。24日にそれは公示された。25日に事業をやったら土地の価格が上がります。それを便益として計上して便益計算ができますなどという、だれが考えても今や通用しないような手法によって説明をしようとしている異常さ、一体どうしたことか。私は極めて遺憾に思います。
老人医療費の助成という市民にとって…
議長(五十嵐忠男君)
静粛にしてください。
稲垣良平君
意見を二分するような大きなテーマを、この年度予算を審議する議会ではない場で決めてしまった。その行政手法についても、極めて大きな疑問が市民から呈されています。当然であります。私はこのような態度で編成された予算、そして今こそ、今まで取り組んできた体制、事業というものを見直すことによってのみ、サスティナブルになり得るということは明らかであります。日本能率協会から行政評価をしていただいたそのときに、明らかにされているではありませんか。江別の施策というものが、可能性から考慮して資源というものを選択的に投資しない結果、評価さえできないような状況になっている。極めて厳しい指摘がされている。私はそのようなことが今、何ら生かされた予算にはなっていないと思います。
以上、申し述べて反対の討論といたします。