平成15年第1回江別市議会会議録(第3号)平成15年3月12日 8ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(塚本紀男君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
小玉議員の今任期4年間に関する市長自身の事業評価についてのほか1件について質問を許します。通告時間30分。
小玉豊治君
ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
さて、私たちの今任期も4年目を迎え、残り2か月弱となりました。
市長におきましては、この4年間、いろいろな視点と考えから大切な事業を選択し、実施されてきたと思います。すべてを振り返ることは難しいと思いますが、特に力を入れたものやどうしても実現されたい思いがあり、例え一部の反対があろうとも必ず成し遂げると決意をもって進められたものなど、一つひとつにそれぞれの事業に思いがあることと思います。
私なりに振り返りますと、この4年間は大きな箱物や歴史的建造物の保存、将来を見据えた大きな計画に着手するなど、一つの分岐点ともなる任期ではなかったかと思います。というのは、現在のような社会の経済状況やひっ迫している江別市の財政状況に照らしてみても、今後このように大きな投資を伴う箱物的な建設や、生きるために不可欠なライフラインの整備のように絶対必要なものとはちょっと視点の違う保存活用事業や、10年単位で行われるビッグプロジェクトを計画することは、今後しばらく不可能になると思われるからです。
それぞれの事業については、議会に対しその都度ご提案を受け、会派として、一議員として慎重にかつ積極的に審議に参加し、あるときは反対を表明し、あるときは支持をさせていただきました。振り返り思い出す中で私なりにそれぞれ思いもあるもの、印象的なものを挙げさせていただき、質問いたします。
金額もさることながら大きなものとして、一部外構工事や埋立処分場の新設を残してはいますが、新焼却炉の建設と稼働が挙げられると思います。この焼却施設は、私が常任委員会の委員としてかかわらせていただきました。先進施設の視察を重ねたことや今までにない公開コンペの方法を実施したり、ごみの量の予測では人口増加率減少を見越すなど、慎重に、ある意味意欲的に進み決定されたと考えています。
しかし、いろいろな意見の中には、ごみを焼却炉で燃やす発想そのものが間違いであるとの指摘や、72億円もの巨額の投資を懸念される方、毎年2億円余りの維持管理費が継続的にかかることを指摘する方、部品の入替えや修繕で億単位が何年かごとに必要になるなど、ランニングコストそのものに懸念を持たれる方もいらっしゃいます。
そして、次に論議を呼んだものとして、上江別と江別駅前を結ぶ3丁目の歩道橋がありました。話も比較的とっぴに出てきた感じで、なぜ今必要なのか、本当に便利になり効果があるのかという疑問のままに、要望も多く地域には必要であり、効果があるとの市長の提案説明により建設されました。果たしてそうだったのでしょうか。市民の方は満足されているのでしょうか。歩道橋のおかげで住民はとても助かり、有意義だったとおっしゃる方、また同じ見方をしていらっしゃる議員の方もいらっしゃいます。しかし一方では、ほとんど人も通らず、一時期は若い人が座っていたり、風紀上も問題が出たとおっしゃっている方もいらっしゃいます。どちらの見方が正しいのでしょう。この事業は踏切の不便さを解消し、住民のためになり、大きな効果があったのでしょうか。
保存という視点で見ると、まず林木育種場が挙げられます。建物と前庭を江別市が買い取り、保存しようというものでした。改修した後、見せていただきましたが、それなりに保存はされており、建築法も目を引くものでした。しかし、保存建築物として見学するということに関しては、一度見ると、その後にもう一度見るためだけに改めて訪れるのかなという思いがします。
森林公園を利用する市民の方に休息所などとして活用していただくという予定で始まりましたが、予想どおりの人数の方が有意義に活用されているのでしょうか。確かに緑の中に古い建物が保存され、中を見ることで開拓時代の昔に触れ、心が和むという方もいらっしゃいます。また、活用という面で見ると利用頻度も少なく、今後継続的に維持費がかさむものが、今このときに保存する必要があったのかなどの声も聞きます。この保存は訪れる方にとって、そして江別市民総体で考えたときに、大きな成果があったでしょうか。
もう一つ、保存活用ということでは、いろいろな論議を呼んだ旧ヒダれんが工場があります。
当初、保存活用ということで、土地と建物を買い取る話が出たときには、その目的が保存と活用とうたうには余りに大まかな計画であり、全容が見えず、買い取ることがありきなのではないかと疑問を持つ方もいらっしゃったと思います。その後、結果的には予定どおり市が買い取られ、活用の段階からなのか、あるいはその前からの約束かは確かには見えませんが、NPOとの協力というお話が出てきて、どんなものになるかと思っていました。ところが、具体的に実施する前に委員会等の論議といろいろな指摘を受け、建物の調査の結果、強度について非常に危険ということで使用が中止になったと記憶しています。にもかかわらず、早急とも思える提案で一部を補強し、ほかの部分の補強は後回しとなり、ショップとグレシャム市のコーナーをオープンしました。
そして次の段階として、今回は煙突の解体再生を提案されています。建物の保存活用については、まだ一部であり途中と思いますが、このまま全体をほうっておくわけには、もちろんいきません。改めて今さかのぼって、この工場と土地を市が買い取ったこと自体、もしかしたら早急であり、計画が甘かったのかなと思わずにいられません。
グレシャムのアンテナショップとNPOのかかわる運営形態が、れんが建造物の保存と活用として、今現在で成果があったのでしょうか。
市長の思いが入っているものとしては、もう一つ、河川防災ステーションがありました。
大きなガラス張りの中にどーんと収まっている外輪船のレプリカが市長の思いであり、また議会での論点となったと記憶しています。全体では15億円ほどかかり、年間の維持費は約2,000万円ほどかかるものです。
防災という意味で、河川を監視し住民の安全を守るという意味で、防災ステーションの必要性は十分に理解できます。しかし、一般市民にとって、この不景気のときに幾ら寄附金等があったから、あるいは開発建設部の建物と相乗りで建築できるからといって、多額の投資を新たに行ってまでレプリカを作り、展示する必要性を理解していただいていたのでしょうか。オープンしてから見られた方のいろいろな評価をお聞きしています。市長はその評価をどう受け止めているのでしょうか。
いずれにしても、一つの事業の成果については、立場立場でその評価が違う場合が多く見られます。市民の立場、主婦の立場、お年寄りの立場、企業の立場、行政の方の立場、そして私たち議員の立場、そして市長自身の立場と様々でしょう。なぜこんなに立場によって評価が変わるのでしょう。それはそれぞれの立場の中でしか判断基準を持たないこと、当然その立場の中での判断であれば、利害や損得の意識もある程度働くでしょう。結局は物事を進めるための公に共通するルールと、その成果を判断するための公の評価基準がないからでしょう。
今、江別市においても、行財政評価、事業評価、政策評価などいろいろ研究され、一部取り入れられていくと思います。このことについては大きく期待するところです。
私自身の議員の立場としては、例え反対したものでも、議会制民主主義の中で活動し、意見を述べているわけですから、議決を経て実行されるものについては、ある意味でしっかり受け止めながら、その結果に責任を持ち、より良いものにしていく努力を惜しんではいけないと考えています。
つきましては、いろいろな立場での評価がある中で、その違いはさておき、今、私が述べさせていただいたような事業を含んで、この4年のうち市長が考えられる代表的な事業の成果について、市長自身の基準に基づき、市長自身の評価を偽ることなくお教えいただきたいと思います。特に旧ヒダれんが工場と河川防災ステーションは議会においても論議が多くあったものですので、その評価についてお話しいただければと思います。
続いて、継続されていく事業としては、幾つか考えてみますと、まず新焼却炉については、外構工事や道路整備、新埋立処理場の建設などが今後実施されるとして予算が計上されてきます。そして大きなものでは、江別の顔づくり事業が本年度は準備採択に向けて調査がされるとされています。
また、ヒダれんが工場についても、れんが建造物等技術検討調査委員会及び旧れんが工場利活用検討協議会にげたを預けただけではないのかという声も聞こえる中で、市としても委員会や協議会が出してくる結論にこたえる覚悟、つまり、いずれは補強して使用する準備、それをしながら継続して進めなければ、今ご一緒に事業を進めているNPOに対して、そして市民に対して無責任になるのではないかと考えるところです。それに、これらの財源的手当ても見えない中で、また先送りになるのかと懸念される方もいらっしゃいます。いずれにしても、残りのスペースの有効活用という視点で継続していかなければなりません。
そして、河川防災ステーションの活用方法についても、もちろん継続し研究実施しなければなりません。現在はなされていませんが、当初構想のあった地場特産物の販売や駐車場を使ってのイベントの開催、市長のお話の中で強く印象に残った道の駅的な活用をするのであれば、そのための計画立案が至急必要です。これも器ができてしまったのですから、それを生かすために予定されていた計画の継続は責任でもあります。
今述べさせていただいた事業のように、継続しなければならない事業は、主なものでどういうものが重要と考えられるか。また、市長が是非とも強力に継続したいと考える事業はどんなものであるのか。長、短期にかかわらず継続の必要性があるとされた事業について、代表的な幾つかをお教えください。その際に、市長の決意の背景や市長の考えるところの必然性、必要性などもお話しいただければと思います。
次に、ポイ捨て条例です。
これにつきましては、14年9月定例会において質問させていただき、条例そのものについては難しいところがあるが、関連する条例などの中で、その要素を含むものについては配慮して、環境美化という観点からも空き缶などのポイ捨て、中でもたばこの問題について研究し、実施していきたいとの前向きな答弁をいただいたと思っております。その後6か月しかたっておらず、話が早過ぎるかもしれませんが、この間の経過をお教えください。
といいますのは、つい先日、北海道においてポイ捨ての防止と公共の場での喫煙を制限する目的で条例ができてしまったのです。この条例の概略は、道民、事業者、土地占有者、市町村及び北海道が一体となって空き缶や喫煙を制限し、社会的な生活環境と美観の保持、資源の循環を推進するということであり、それぞれの役割を定め、みだりに空き缶を捨てると2万円以下の過料を課すというものです。そしてそれぞれ市町村、事業者などに今後の協力を求めています。この条例は議員提案により制定され、15年12月1日から施行されるというものです。
昨年の10月ごろから準備され、半年ぐらいで制定できる北海道のこのスピードは何だ。なぜ江別市はあのときにすぐできなかったんだろう。提案を受けて実施に踏み切る北海道の決断が早いから実現したのか。北海道の方が江別市よりポイ捨てについて、美観の面、個人の意識の向上を真剣に考えているからなのか。はたまた議員が議員提案として起案できる力量と行動力を備えていたからできたのか。ということは、私たち議員が未熟なせいなのか。あるいはタイミングが良かったのかなどなど、私自身としてはもっと前回の質問で押せば良かったのかと後悔してみたり、あるいは議員提案まで考えるべきだったのかと反省してみたり、とにかく何となくすっきりしないのが本当のところです。
そんなことも踏まえ、現在までの江別市の進ちょく状況を、もし余りなければ、今後の行動予定等を今一度お教えください。
あわせて、今回の道の条例制定について、実施されたときには市町村の協力も含まれているところから、この条例が施行されたときの江別市の対応と準備についての見解及び罰則を伴う条例の実施について、市長の見解をお聞きしたいと思います。
さて、先ほど新焼却施設建設を例にとったお話をさせていただきましたが、今度は少し詳しく質問してみたいと思います。
昨年の12月5日に落成式が行われ、現在稼働している新焼却炉は国のダイオキシン規制が12月から厳しくなり、従来の焼却施設では、それをクリアするのにかなり費用をかけなければいけないことに加え、耐用年数も切れるために新しく建設されたものです。
これは、私のホームページの中でも紹介させていただいているデータなのですが、江別市と同じケースでダイオキシン基準をクリアするために、各自治体で建替えが計画的に行われています。95年から2000年までの間に建てられた113自治体のデータがあります。その中で焼却処理能力、つまり焼却の規模が旧焼却施設より拡 大されたものが82自治体もあるのです。それに旧施設と同じ規模の自治体が20自治体あり、両方を加えると102、約90%の自治体が旧施設よりその処理能力を増大させて建設しています。そして、わずか11の自治体が旧施設より処理能力の規模を縮小し、建設をしているのです。なぜこんなに規模を拡大する自治体が多くを占めるのでしょうか。私なりに理由を幾つか考えてみました。今までと同じように右肩上がりの経済と人口増加を見込み、国の補助金頼りがゆえに、現在の状況も考えず、もらえるのならば少しでも大きな施設をつくった方が得である。しかし、つくってみたものの、最後には活用し切れない、そんな形の従来型の予算分捕りの行政手法がまだ続いていたのかということです。あるいはもう一面として、一定額以上の規模でなければ補助金の対象になりにくいということもあるかもしれません。
ご存じのとおり、江別市は上記のうち旧施設より規模を縮小した11自治体に入っており、賢明な選択をした数少ない自治体の一つと考えています。リサイクルを進めれば当然ごみは減少し、必要以上の無駄な大規模な施設をつくる必要はないという委員会論議等も、江別市の計画決定には多少効果があったのかなと考えています。あとは前述した自治体の例を踏まないように、無駄なく有効に活用することしかありません。
ちょっと話がそれますが、次に挙げる数字は皆さん何かお分かりでしょうか。スイス、ゼロ、ドイツ、7、イギリス、51、アメリカ、168、そして日本、1,769、多分お分かりだと思いますが、これは現存している各国の焼却炉の数です。これだけ差があります。この数字の違いはごみに対する政策の根本的な違いがあるからでしょう。日本においては資源の循環を無視した政策により、お金を湯水のように無駄に使った結果と言えるのかもしれません。現実的には広域処理や資源リサイクルなどの手法をあわせ、焼却施設が建設できなくなっても、何とかやっていこうと知恵を絞って乗り切ろうとしている自治体の動きが多く見られます。そう考えると、結局最初からこんなにたくさんの焼却施設は、知恵を絞れば本当は必要ではなかったんだろうと、そう思わざるを得ません。燃やす前にやることをやれば、こんなにたくさんの焼却炉は要らなかったんだと認めざるを得ないでしょう。
話がちょっとそれましたので、現在幾つかの焼却規模を拡大した自治体では、人口も伸びず、炉の一つを休止したり、ごみの量が予想より減少し、添加剤や助燃剤を焼却の際に投入したり、逆に近隣の市町村から燃やすごみ集めに追われているケースも出てきているとのことです。
ちなみに、稼働率が焼却能力の80%以上、最も効率が良いと言われる稼働率ですが、これを確保しているのは全自治体の20%程度に過ぎないということです。新しくてダイオキシンも出さず、処理能力や処理量も旧施設より優れているのに、それが生かされないで、宝の持ち腐れになっているのです。江別市はこうならないように、しっかりチェックする機能と有効に活用するための計画を持っているのでしょうか。
では、具体的に質問します。まだ3か月しか経過していませんが、現在の稼働率はどのくらいで推移しているのでしょうか。あわせて、焼却されるごみの排出量について、最初の計画に比べてどのように推移し、また誤差などが出ているのかどうかお答えください。そしてこの3か月の実施稼働の中で、運転及び管理について委託業者との連携の問題や運転管理そのものについての問題の発生や、問題点、改善点等の指摘はなかったのかお答えください。
もう一つ気になることがあります。それは旧焼却施設のことです。先日、名前も江別市リサイクルセンターと変更になりました。管理棟については引き続き使用されるとのことですが、焼却施設本体はどうなるのでしょうか。何かに利用される可能性があり、またその計画をお持ちなのか、あるいは道路を通すために取り壊さなければいけないともお聞きしていた記憶があります。このことについていかがなる計画なのかお答えください。
いずれにしても、炉に使われているれんがなどには、ダイオキシンを初め有害物質の濃度は高いと思われます。壊すにしても一定期間何かに再利用するにしても、その対応と処理方法、あわせて費用も懸念されます。旧焼却施設について、今後の対応予定と問題点があればお聞かせください。
以上、1回目の質問を終わります。