平成15年第1回江別市議会会議録(第3号)平成15年3月12日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(塚本紀男君)
稗田議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
午前中の時間が差し迫っておりますけれども、稗田議員のご質問、多岐にわたっておりまして、できるだけスムーズに随時ご答弁を申し上げてまいりたいと思います。
まず、介護施設の在り方についてでありますが、ご質問の特別養護老人ホームへの入所については、国が定める指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準に基づいた施設利用となっており、従来は入所申込み順となっておりましたが、入所待機者の増加等から、国では昨年8月に当基準を改正し、介護の必要度及び家族などの状況を重視することとなり、比較的介護度の高い方などが優先的に入所ができることとなっていることをご理解いただきたいと存じます。
次に、市の財政と健康増進施設との関係についてでありますが、市民の健康への関心が高まる中で、現在、当市において健康づくり計画を策定しておりますが、この計画は様々な健康づくり事業を通じまして、市民の生涯にわたり健康な生活を送ることができるよう推進しようとするものであります。計画の推進に当たりましては、市民の皆さんに健康づくり意識を持っていただくことや、地域における取り組みと協力が最も大切なものになってまいります。
したがいまして、日常的にも生活周辺に健康づくりの場を考えることが大切であり、体育施設や公民館、公園などを利用して、いつでも健康づくり活動ができる環境を作り上げることが必要であります。
特に高齢者の場合、身近な所でスポーツを初め文化 ・学習活動などができる場所が必要であり、そのことが閉じこもりをなくし、高齢者の社会参加につながるものと考えております。
厳しい財政の中にありましても、健康づくりに活用されるこれら施設につきましては、その機能が有効に活用されるために、高齢者とともにすべての人が安全で安心して利用できる施設となるように努めてまいりたいと考えております。
次に、健康診査受診の促進についてでありますが、高齢社会の進展や生活環境の変化に伴って生活習慣病が増加し、介護を必要とする人が増えておりますが、疾病の早期発見、早期治療には健康診査は欠かせないものとなっております。
現在、当市の健康診査は、基本健診や胃がんなど各種がん検診を保健センターや対がん協会、市内医療機関で実施しております。このような中で市民税非課税など所得の低い方に対し、受診機会の促進を図るため受診料を無料としておりますが、今後とも引き続き受診機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、高齢者手帳についてでありますが、高齢化の進展に伴い、高齢者に対する情報の提供が重要となっていることから、現在、広報等による周知のほか、市や関係機関の窓口などに各種用途に応じた説明書やパンフレットなどを配置し、高齢者や家族の方に情報提供しているところであります。高齢者手帳の交付までについては、今のところ考えておりませんので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、環境整備事業に係るご質問のうち、まず低公害車の導入でありますが、ご質問にありますように自動車の排気ガスは大気汚染問題など地球環境に大きな影響を与えておりますことから、特別職等の公用車につきましては、環境に優しいハイブリッドカーに切り替えようとするものであります。
また、事務改善を図る一環から、現在の特別職等の公用車5台を3台にし、車両を集中管理することによりまして、効率的な運用が図られ、経費の節減につながるものと考えております。
ご質問の導入いたしますハイブリッドカーの具体的な運用方法につきましては、特別職等を初め議会の現地調査や視察、さらには行政視察によります来訪者の送迎や案内などが考えられますが、平成15年5月1日からの運用に向け、スケジュール調整の手法を検討するなど、より効率性が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、森林愛護デーの設定についてでありますが、平成10年度に土地開発公社が取得いたしました鉄道林の樹木の種類でありますが、大部分がトウヒ、トドマツ、カラマツの針葉樹であり、植林後約30年から45年前後経過しております。
平成11年10月の台風により樹木が数十本倒れまして、これは処理いたしておりますが、これまでの樹木の手入れにつきましては不十分な点があったかと思います。
なお、ここで関連した点について、市民協働の動きについて二、三紹介を申し上げたいと思います。
駅前にありましたコンビニ跡地に花壇を造成したところ、ある企業の親ぼく団体によるボランティア活動の一環で苗木の植栽、草取りなどにご協力をいただき、市民の方々にも喜んでいただいております。
また、このようなボランティア活動の動きとしては、大麻のまちづくり協議会から平成15年度に向けて地域内の自然環境の保全やふるさと意識の醸成を図る活動の一環として、市道大麻西駅通りの鉄道林沿いに花木を植栽したいとの要望がございます。このほかにも鉄道林の維持管理に関心をお持ちの団体もあるようでありますので、これらは議員ご指摘の市民参加による協働の精神によるまちづくりそのものであり、市も積極的に進めてまいりたいと考えております。こうしたことで成果が上がり、市民と行政がお互いに連携する積み重ねにより、ご提言ありました森林愛護デーの設定、実行委員会方式に進展していくものと考えますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、地球温暖化防止対策についてのご質問でありますが、地球温暖化の問題は国際的にも早急な対策が求められており、1992年には気候変動枠組み条約が締結されるとともに、1997年に京都で開催された条約締結国会議、いわゆる地球温暖化防止京都会議で2000年以降の削減目標が決定されたところであります。
日本も昨年、この京都議定書を批准するとともに、地球温暖化対策推進法の改正を行い、目標達成計画の策定を行っております。
また江別市も、地球温暖化対策推進法に基づき、温室効果ガスの排出抑制等のための措置に関する計画の策定作業を進めているところであります。
温室効果ガスの中で、その大半を占める二酸化炭素は、その排出抑制のみならず、森林による吸収での削減を日本を初め各国で研究、検討されております。
当市におきましても、今後さらに防風林等の既存樹林の保全に努めるほか、昨年完成いたしました新ごみ処理施設環境クリーンセンターの緩衝林として約3.5ヘクタールの植樹計画を進めるなど、緑地の量的確保を進めてまいりたいと考えております。
また、市街地における緑化を推進していくために、公園等公共用地の緑化、街路樹の整備や市民と緑のふれあい事業などを推進してまいります。 現在、おおむね20年後を目標とした江別市の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画である江別市緑の基本計画の策定作業を進めており、平成16年度よりスタートする予定となっております。
今後、緑を守り、育て、親しむ市民意識の高揚を図りながら、市民、事業者と協働して緑豊かなまちづくりに努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、耕地整備事業と道央圏連絡道路の連携についてでありますが、道央圏連絡道路は、千歳市を起点として長沼町、南幌町、江別市、当別町、札幌市、石狩市を結び小樽市に至る延長約80キロメートルの地域高規格道路で、沿線自治体相互の連携を強化し、新たな地域ネットワークを構築するとともに、北海道縦貫及び横断自動車道と新千歳空港、石狩湾新港の広域交通拠点、物流拠点相互を結ぶものであります。
江別市域内では、事業主体である札幌開発建設部において、美原大橋を含む美原バイパス、美原道路が整備区間として事業中でありますが、江別太と長沼町及び南幌町を結ぶ延長約22キロメートルの長沼南幌道路につきましては、平成11年度に調査区間の指定を受け、現在ルート選定、整備手法、環境アセスメント、都市計画等の調査を進めておりますので、ルート決定にはもう少し時間を要するものと伺っております。
いずれにいたしましても、当職が会長であります道央圏連絡道路整備促進期成会が一丸となって、この長沼南幌道路の早期の整備区間昇格を、今後とも国等に要望してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、黒い実のナナカマドについてご答弁申し上げます。
黒い実のナナカマドにつきましては、平成13年第1回定例会にて稗田議員の一般質問にお答え申し上げた関連のご質問というふうに思いますが、黒い実のナナカマドは、正式にはアロニア ・メラノカルパと申しますことから、この名前をとったアロニア研究会が平成12年3月に設立され、JA道央農協女性部、大学、菓子業界、国の研究機関、道食品加工研究センター、農業改良普及センターなどのメンバー43名が集い、産学官連携の試験研究活動を行っているものであります。
今日に至る2年間の活動経過につきましては、ジャムやクッキーなどの試作品を初め、既に市内3軒のお菓子屋さんもアロニアを利用した菓子を黒い実のナナカマドとして名前を統一して商品化し、販売をいたしております。
また、女性農業者グループでは、大根のアロニア漬けや染物に活用したアロニア染め紙コースターなど、女性の発想と感性ならではのアイデアと工夫により多様な試作品が生み出されており、今後に大いに期待しているところであります。
次に、ハルユタカの生産拡大と需要開発の方策についてでありますが、当市の平成14年産水田転作率は70%を超え、農林水産省の調査結果では水稲の作付面積が1,350ヘクタール、麦の作付面積が1,790ヘクタールとなり、小麦の作付けが水稲を上回る結果となっております。
小麦は、当市の気象条件、地域特性に合った転作作物であることや、連作障害を防止するための輪作体系に組み込む重要な作物であることに加え、江別市の篤農家が10年にわたる栽培技術の研究、実践により、究極の促成栽培と言われる初冬まき栽培の技術が確立し、品質はもとより10アール当たり500キログラムを超える収穫を実現したことが、小麦の作付面積拡大の大きな要因であると考えております。
特に、稗田議員の申されますとおり、ハルユタカにつきましてはテレビ等マスコミでも取り上げられ、関東、関西の消費者はハルユタカを下さい、こう銘柄指定で買い求める状況であり、小麦ブランドとして確立しているとの評判であります。
また、昨年9月に農業関係機関、製粉、製めん会社、パン屋さん、お菓子屋さん、そして大学、研究機関が連携し、小麦をテーマとした全国菓子祭りを開催しまして、地域の足元を見詰め直し、市民とともに地産地消の理解を深めたところであります。
こうした地域連携の持ち味を生かした地域内循環、地産地消の動きを拡大するためには、異業種連携、いわゆる産業クラスターの思想が必要と考えております。その具現として、昨年9月に異業種間、産学官交流の江別市経済ネットワークを立ち上げたところでありまして、ハルユタカの新需要開発につきましても、現在この経済ネットワークの中でアイデアを出し合い、江別ブランドの商品化を探っているところであります。
次に、生産拡大についてでありますが、ハルユタカは非常に付加価値の高い小麦ではありますが、栽培が難しく、赤カビ病に弱い欠点もありまして、他の産地では作付けが敬遠されるわけでありますが、その欠点を補うため雪を逆利用したのが初冬まき栽培技術ですので、この技術の普及促進と赤カビ病の対策に努めて生産拡大を図ってまいりたいと思います。
次に、雪の少ない十勝などでは、初冬まき栽培の導入が困難なこともありまして、ハルユタカの種を取る採種ほが平成15年より廃止されますことから、種子の確保が大きな課題となっておりますことから、まず市といたしまして生産拡大とハルユタカブランドを守るため、新たな採種ほ設置等の支援策を講じてまいりたいと考えております。
なお、多岐にわたっておりまして、このほか助役以下4名から残りの質問についてご答弁を申し上げます。
助役(中川正志君)
私から野生鳥獣の駆除に関します2点につきましてご答弁申し上げたいと思います。
まず、アライグマの対策でございますけれども、アライグマの農作物被害は平成9年に野幌森林公園隣接地の西野幌を中心に多発いたしましたことから、市といたしまして平成10年度に有害鳥獣駆除助成事業といたしまして、捕獲のための箱わなの購入に対し助成を行って以降、現在までJA道央農協が中心になりまして、30か所に移動式の箱わなを設置し、継続して駆除を行っております。平成14年度までの延べ駆除実績は185匹と、こうなっておりまして、農業被害額は平成11年度以降、稗田議員が申されましたようにトウモロコシを中心といたしまして毎年約250万円前後の被害が出ている、こういった状況で推移しているところでございます。
今後の市の対応といたしましては、箱わなによる捕獲を中心に、さらには酪農学園大学の協力を得まして、円滑な駆除を支援したい、こう考えておりますことから、有害鳥獣駆除対策費を計上し、農産物被害の防止に努めたいと考えております。
しかしながら、アライグマの生息地域は広範囲に及んでおりまして、一市町村だけの対策だけでは困難でありますことから、今後とも関係地域、あるいは団体と連携を図りながら対策を講じてまいりたいと、このように考えております。
なお、石狩支庁のアライグマ被害検討協議会の件でございますけれども、平成10年に設置された経緯はございますけれども、平成12年に農業被害の防止策などをまとめたアライグマ被害対策ハンドブックの発行をもちまして所期の目的を終えたということで、解散したとのことでございます。
北海道におきましては、現在アライグマを含めた動物の移入種問題について、専門家による移入種対策検討委員会が設置され、対策の検討が進められていると、このように伺っております。
次に、カラス対策でありますけれども、当市のみならず多くの自治体におきましても、このカラス対策には苦慮しているところではなかろうかと、こう思います。カラス問題を根本的に解決するには、基本的にはえさを断つと、このことと、捕獲により生息数を抑制すると、このことが必要とされております。
当市の場合、市民の皆さんに生ごみのたい肥化でありますとか、減量化の促進、それからごみステーションがカラスに荒されない工夫などのご協力をお願いするとともに、カラスの捕獲につきましては、市のごみ埋立地での捕獲でありますとか、猟友会の協力などによりまして、年間約700羽から800羽を捕獲するところでございます。なお、公園の中に営巣いたしますので、その巣の撤去なども行ってまいりました。また、大麻地区に隣接しております札幌市の山本処分場では、年間約4,000羽ほど捕獲していると伺っております。
しかし、捕獲用の箱わなを仕掛ける場所は限定されますことや、カラスは広範囲に移動することなどから、必ずしもその成果が現れていない現状にございます。
カラスの生態等につきましては、これも酪農学園大学の研究室などでも部分的な調査を行っておりますけれども、行動範囲やえさ場など、いわゆるカラスの行動実態を把握するためには、個体識別、こういったことを含めた大掛かりな調査が必要とされております。現状では抜本的な対策は困難でありますけれども、カラスの捕獲や生ごみ対策などを地域自治会、又は市民、事業者のご協力を仰ぎながら、今後とも進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上であります。