平成15年第1回江別市議会会議録(第2号)平成15年3月11日 8ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐忠男君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
堀内議員の行財政運営についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。
堀内城君
議長より質問の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
今、国も地方も様々な分野において構造改革が進められており、その在り方が問われる時代となっております。
江別市においても、行財政改革、第5次総合計画、合併など、重要な課題が山積しておりますが、旧来の発想、行動様式を新しい行政手法へと大きく転換する中で、厳しい時代であればあるほど江別らしさを発揮できる確かな自立戦略を立てなければならないと考えます。私は、今こそ自治の原点に立ち返る大きな転換点であろうと考えています。
経済には代えられない心の豊かさとは、また、市民自らが行動し、家族、隣人、郷土愛に支えられた地域とは、本当の意味での公共サービスとは、言わばこれまでの既定概念を一掃し、市長が平成15年度各会計予算大綱説明の中でも示している市民協働の自立したまちづくりを目指す考え方に共感するものであります。こうした問い掛けに我々議員一人ひとりも真正面から受け止め、しんしにこたえていかなければなりません。行政も市民もこうしたプロセスを乗り越えなければ、このまちの新しい形を築くことはできないと考えております。そういう立場で順次質問いたします。
第1に、行財政運営についてです。
まず、平成15年度の予算編成の考え方と市民サービスの在り方について、新聞報道などによりますと、国は、人間力の向上などの新重点4分野に予算を重点配分すると同時に、平成14年度の改革断行予算という基本路線を継承して、財源移譲、地方交付税の改革、国庫補助負担金の廃止、縮減といった、いわゆる三位一体の改革を進めることとして予算を編成したとのことであります。
平成15年度の国の予算は81兆7,900億円ほどで、本年度当初予算と比較しますと微増とのことでありますが、歳入の内訳を見てみますと、国債の発行額が36兆円を超え、公債依存度も44.6%に達しております。今年度の国債の30兆円枠を大きく超え、平成15年度末の国と地方を合わせた借入金残高は686兆円に上るとの見通しが示されておりました。また、税収も14年度当初に比較して5兆円余り落ち込み、大変厳しい内容の予算となっております。
こうした国の予算は、地方財政計画を通して市の予算編成に対しても大きな影響を与えることになったと考えられます。したがって、1点目として、いわゆる三位一体の改革が江別市の15年度予算編成にどういう影響があったのか。また、それに対応する市の予算編成に対する考え方についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、やはり新聞報道などによりますと、室蘭市では災害用の備荒資金を取り崩したり、釧路市や旭川市では財源不足を補うために行革によるコスト削減分を起債として借り入れる財政健全化債なるものを発行したり、さらには、小樽市では企業会計から借入をしたりと、いずれの自治体でも予算編成に苦慮している様子がうかがえます。
江別市においても、こうした厳しい状況下にあって、新総合計画を視野に入れた予算編成作業を進めてきたものと思いますが、他の自治体と比べて江別市の予算編成はどうだったのか。特徴あるいは傾向と言えるものは何なのか。さらには、将来に向けた予算の在り方として腐心された点があれば、お聞かせ願いたいと思います。
また、こうした国・地方を通じて直面している危機は、小手先の歳出の削減によって克服することは極めて困難であると思われます。歳入歳出の両面から根本的に現在の仕組みを考え直さなければ、江別市は今後、立ち行かなくなるのではないかとのきぐを覚えるものであります。
特に、歳入については、地方交付税の身代わりとして赤字地方債に頼っているという事態が今後さらに続いていけば、公債費の増嵩を招き、財政がさらに硬直化することは明らかであります。赤字地方債の償還額は交付税に算入されるといっても、交付税自体が国の税収の落ち込みで右肩下がりになっており、結局はこれまでのようには交付税は入ってこないものと考えざるを得ません。こうしたときに、市民サービスは今後どうなっていくのか。いわゆる受益と負担との関係をどう考えていくべきなのか、極めて重要な課題になっているものと思われます。
さらに言えば、市民は市に対して求めるばかりでなく、地域の中で何ができるのかを自ら考え、市とともに地域を創っていくことができるかどうかで江別市の将来が決まっていくと言っても過言ではないと思われます。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、総合計画についてであります。
総合計画は、地域における総合的かつ計画的な行政運営を図るため、議会の議決を経て基本構想を定めるとする昭和44年、地方自治法の一部改正に伴い、市町村の最上位計画として位置付けされ、今日に至っているものであります。このことは、地域発展の将来図を明確にする総合計画が、市町村の長期にわたる経営の根幹となるべき役割を持つことを意味したものと認識いたしております。
これまでは地域の経営は行政が主導的にリードし、市民はこれに従うという構図が一般的で、ややもすると総合計画そのものが行政のための地域計画という側面を持っていたということも否定できないと思っております。もちろん、基礎的な社会基盤を早期に達成するためには、この方法が最も効果的であり、地域振興発展の大きな要素であったことは間違いがなく、都市機能の充実に大きく貢献してきたことも事実として承知をいたしております。
しかしながら、一定の社会基盤が達成され、社会ニーズが多様化した状況の中では、総合計画の持つ意味も変わらざるを得ないのではないかと考えます。行政主導の計画ではなく、官と民がそれぞれの役割を認識し、互いに補完しながら地域を担っていくということを明示するまちづくり計画でなければならないと思っております。
そこでまず、現計画と次期計画のまちづくりの概念を市長がどう認識されておられるのかお尋ねをいたします。
現在進められている新総合計画後期基本計画は、道央圏における本格都市を目指し、大きく発展する条件として15万人を想定した計画となっております。現計画は、この15万人都市を実現するための考え方といたしまして、市民が市政に期待するニーズを取り入れ、それを可能とする都市基盤の確立を最大の命題に取り進められてきたものと認識いたしております。
現計画は、昭和60年から20年のロングスパンで取り進められている計画であります。社会資本の整備状況や人口年齢分布も現計画の策定当初と状況が違ってきており、まちづくりに必要な市民意識や民意の反映の仕方等も大きく変化してきていると考えられます。
そこで、少子高齢化や地方分権の推進等、社会経済背景の変化の中で、平成16年度を目標年とする現在の計画を1年前倒しし、目標途中で新しい総合計画を策定しようとしている市長のまちづくりに対する考え方と次期計画が持つその役割について、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
次に、現行計画におけるリーディングプロジェクトは、15万人の本格都市を実現する推進エンジンとしてその役割を位置付け、まちづくりを初めとする施策を取り進められてきていると思いますが、ご承知のとおり、平成14年12月末現在の江別市の人口は12万3,000人余りであり、現計画の目標人口には遠く及ばない状況であり、リーディングプロジェクトの再評価が必要な状況にあります。
そこで、現計画のリーディングプロジェクトが次期計画でどのように方向付けされ、位置付けられるのか、可能な範囲でその基本的な考え方についてお聞きしたいと思います。
次は、市町村合併について質問いたします。この件につきましては、午前中の高橋議員と重複する部分もあろうかと思いますが、お許しをいただいて質問させていただきたいと思います。
地域の将来を左右する今回の合併は、自主合併が基本と言われております。そして、その目的の第1は、日本の人口が減少する局面の中で、市町村の合併を通して地方自治体の体質を強化し、結果として地方分権を実質的に担うに足る受皿を作るということであります。
目的の第2は、国と地方を通じて大変厳しい財政状況にあることから、従前のような規模では地方交付税の地方配分ができなくなってきているため、合併による合理化によってそうした事態への対応を図ることなどが大きな要因としてあると認識しております。
こうした背景の中で、17年3月という合併にかかわる財政的優遇措置の期限切れが近づくにつれて、全国的にも合併か否かに関する検討が活発化してきました。
日本の少子高齢化の進行や経済の現状を見ると、マクロ的には市町村合併は必要だと考えています。しかし、それを自分たちのまちであるこの江別市に置き換えた場合、我々としていかなる判断を選択すべきか、将来の世代にとっては何が最善なのか、地域の中核市としての役割などもあり、正に頭を悩ます難問であると思います。
今は、自主・自律がキーワードの分権時代です。江別市民の将来に向けての自治能力が試される課題と言っていいでしょう。市民の視点に立った判断を下さなければなりません。
そこで、伺います。1点目として、行政が市民の皆さんを対象に各地域に出向いていって行った合併懇談会における主要な議論についてご紹介ください。市民は何について関心があり、どのようなことを知りたいと望んでおられるのか、どのような意見が出たのか、それらについて説明願いたいと思います。
2点目としては、私はこうした大きな課題に対しては、何よりも市民の理解と協力が不可欠と考えています。そこで、行政としては合併に関して今後どのような対応を図っていく予定なのか、現時点での考え方をお聞かせいただきたいと思います。
3点目として、地方交付税の動向が一つの焦点になっています。地方交付税の今後のすう勢はどうなることが予想されるのか。合併した場合としない場合とで扱いが異なってくるのか、その辺りの傾向について説明を願います。
4点目として、私は、合併という課題は自らが住んでいる地域を見直す良い契機になると考えています。そして、江別市だけの視点で考えるのではなく、他の自治体とのかかわり、つまり広域的な広がりを持った地域全体の課題としてとらえるべき構想力が必要だと思っています。こうしたことについてどう考えるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
最後になりますが、建設業退職金制度について、いわゆる建退共制度について質問をいたしたいと思います。
建退共制度は、一般の退職金共済制度において対象とされない季節労働者を救済するために創設された制度であり、この制度の普及拡大については本議会でも取り上げられた経緯があります。
今日、小泉構造改革の中で公共事業の削減方針が打ち立てられて以降、季節労働者を取り巻く雇用・生活環境は一段と厳しさを増してきております。この制度に対する影響も深刻さを増しています。
昨年6月の新聞報道によると、建退共事業本部は、この制度の未加入企業を対象に実施したアンケート調査結果をまとめております。それによると、建退共への加入予定があると答えた企業は全体の13.5%にとどまり、83.8%は加入予定がないと答えています。
道内では建退共の加入が1万716業者を数え、道内建設業許可業者の4割強を示しているものの、全国的な元請業者が下請業者に必要分の共済証紙を交付していないなどの問題が浮上してきたほか、制度発足から37年がたち、有効に機能されているか点検が必要になってきております。
建退共本部の監察で返納された建退共手帳に共済証紙が一枚もちょう付されていないものが6割強を占め、多額の証紙を購入しながら手帳にちょう付していない事業主が多く見られることなどが発生しているのであります。
そこでお尋ねしますが、第1に、市は建退共制度の意義、その制度について、どう認識を持っているのか。第2に、この制度の普及拡大について、その取り組みについてどのように対応してきたのか。第3に、私がかかわっている建設労働組合では帯広方式、それは元請から下請末端までの対象労働者への共済証紙のちょう付実績を証明するもの、実績書、コピー等を工事完了時に提出を求める方式に改善し、実効を上げておりますが、江別市においても実効あるものにするべきと思うが、いかがでしょうか。
市としても、国の動向や道内の自治体における独自の取り組みを十分調査し、証紙ちょう付の確認方法の改善などにより、制度の実効が図られるよう強く求めるものであります。
また、最近の新聞報道によると、退職金共済の運用悪化に伴い、05年にも剰余金の赤字が予想され、給付引下げが検討されるとのことであり、給付の引下げは日雇建設労働者の生活をさらに圧迫するものであり、反対せざるを得ないことを申し添えて、質問といたします。
以上です。