平成15年第1回江別市議会会議録(第1号)平成15年3月4日 6ページ
6 議事次第の続き
議案第17号ないし議案第24号
議長(五十嵐忠男君)
日程第18ないし第25 議案第17号 平成15年度江別市一般会計予算、議案第18号 平成15年度江別市国民健康保険特別会計予算、議案第19号 平成15年度江別市老人保健特別会計予算、議案第20号 平成15年度江別市介護保険特別会計予算、議案第21号 平成15年度江別市基本財産基金運用特別会計予算、議案第22号 平成15年度江別市水道事業会計予算、議案第23号 平成15年度江別市下水道事業会計予算、及び議案第24号 平成15年度江別市病院事業会計予算、以上8件を一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
市長(小川公人君)
ただいま上程されました平成15年度予算案及びこれに関連いたします諸案件をご審議願うに当たり、私の予算編成に関する基本的な考えと予算の大綱について申し上げます。
さて、私が市民の皆様の信任を得てから、はや2期8年の任期が過ぎようとしています。私は、市政を担うに当たり、公平・公正・平等や思いやりの心、さらには市民とともに考え行動することを基本に、将来を支える子供たちへの対応や、時代に即した行財政改革などを重点課題としながら行政を進めてまいりました。
この間に時代は、我が国が幾多の困難を乗り越えて大きく飛躍した20世紀から、新しい千年紀である21世紀へと歩み出しています。この世紀を明るいものとし、誇りを持ってふるさと江別を次の世代に引き継いでいくためには、今後とも少子高齢化や環境などの諸課題に積極的に取り組んでいかなければなりません。
ここでこの4年間を振り返ってみますと、世界的には、多くの人々の心に深い悲しみと衝撃を与えた2001年9月のアメリカでの同時多発テロ事件がありました。この出来事では、平和の尊さと多様な価値観を許容する社会の構築の大切さを改めて考えさせられたところです。
一方、国内では、国民が望んでいる経済の再生は、いまだ道半ばであります。経済のグローバル化が進展する中で、企業はその活力を取り戻すには至っておらず、完全失業率も上がり続けています。改革に伴う痛みはあるかもしれませんが、経済の早期回復を期待したいと思います。
また、北海道では、食の安全性を揺るがす国内初のBSE(牛海綿状脳症)が発生しました。その後も数例が発見されていますが、農業は観光と並んで北海道が比較優位性を持つ産業でありますので、消費者の信頼を回復するためにも、一日も早い原因究明が待たれるところです。
こうした中にあっても、江別市は北海道の中核都市として着実な発展を続け、人口も増加しています。このことは、全道的に多くの自治体で人口が減少している中にあって、江別市が自然や文化、利便性などの面で住みやすい都市であり、また、可能性を持ったまちであると多くの方々に認めていただいた結果であると考えております。これもひとえに市民や議員各位とともにまちづくりを懸命に進めてきたたまものと感謝を申し上げる次第であります。
私は、正に今が時代の大きな転換期であると認識しています。我が国を成功に導いてきた様々なシステムや価値観が行き詰まりを見せており、変革が求められていると考えております。こうした中で、日本が置かれている現状と将来を見通すならば、これからの江別のかたちをどうするか、江別らしさをどう構築するかといった観点から、今後の政策選択の在り方やまちづくりにおける市民参加の姿、あるいは公共サービスの提供手法などに関して、市民の皆さんとともに考えていかなければなりません。
過去にとらわれないざん新な発想と力強い行動力が求められています。今こそ市民が持つ自治の力が試されていると言ってもよいでしょう。
このような厳しい環境変化の中で、明日の江別市の発展を実現していくためには、何を選択し、何を重視すべきなのか、将来のためにどのような準備をしておくべきなのか、私は次の点が基本であると考えております。
第1は、市民と行政との協働をより積極的に進めることです。
これからは、市民や企業、NPOなど、地域の皆さんが自主的にまちづくりに参加することがより一層重要となってまいります。理想と考えるまちを創るためには、それぞれが意見を出し合って情報を発信し、能力やアイデアを生かしていく、さらには市民と行政とが互いに連携することが重要と考えております。
まちづくりの主人公は市民であるという自治の原点を大切にしなければなりません。
第2は、少子高齢化といった社会の構造的な課題や環境など、次の世代にも影響を及ぼす課題に対する政策の展開です。
少子高齢化が問題になっている中で、子育てを支援する施策を展開するとともに、子供が持っている可能性を大きく伸ばす条件を整えること。そして、人々が高齢になっても、健康で生きがいを感じながら暮らしていける条件を整えることが重要であると考えております。
市民の一人ひとりが輝いてこそ、江別市は元気になるのです。
こうしたことから、子供たちの可能性を伸ばす施策の推進、少子化対策・子育て支援、健康づくりの推進、環境・循環型社会の推進の4項目を重点テーマとして取り組んでまいります。
第3は、行政改革の推進です。
施策全体を踏まえた上で、目的と手段の妥当性を見極め、資源配分の優先順位を決定していくことが重要となっております。また、市民に分かりやすい形で施策の達成状況を公表し、絶えず必要な見直しを加えていくことが欠かせません。
今後は、行政改革大綱に基づき、市民と情報を共有化し、市民満足度の向上を目指しながら、効率的かつ効果的な行政運営を進めていくとともに、新たな総合計画もこのような考え方を基に策定してまいります。
地方分権が進んできました。そのキーワードは自主・自律であります。時代の流れが不透明な今こそ、自らの判断と責任において新たな地平を切り開いていかなければなりません。市民の皆さんとの協働を基本として、時代の困難を乗り越え、透明で信頼される行政を進めてまいります。
このような基本姿勢に立って平成15年度予算を編成したところでありますが、まず、国の予算は、活力ある経済社会と持続的な財政構造の構築を図るため、改革断行予算と位置付けた平成14年度予算の基本路線を継承し、歳出全体について実質的に前年度以下の水準に抑制するとともに、公共投資関係費の3%削減など歳出構造改革を推進する一方、活力ある経済社会の実現に向けた将来の発展につながる人間力の向上・発揮などの4分野に重点的に配分を行うこととして編成されました。
また、地方財政については、国の歳出予算と歩を一にした徹底的見直しと重点的配分により地方財政の健全化を図るとともに、定員の計画的削減や地方単独事業費の減額により地方財政計画の規模の抑制と財源不足額の圧縮を図ることを基本とし、また、国の関与を縮小し、地方の権限を拡大する観点から、税源移譲を含む税財政の見直し、地方交付税改革、国庫補助負担金の廃止縮減のいわゆる三位一体の改革を進めることとして、地方財政計画全体の規模を平成14年度に引き続き減額する厳しい内容となりました。
こうした地方を取り巻く状況が劇的に変化する中での予算編成となったところであり、市の財政は、恒久的減税や景気の低迷、さらには固定資産の評価替えなどから税収が落ち込むとともに、地方交付税が大幅に減額する一方、少子高齢化への対応や子育て支援、循環型社会の形成など地域課題への対応のための財政需要が増大し、市債償還額、扶助費の増嵩と併せて極めて厳しい財政状況に立ち至っております。
こうした中で、地方自治体が自らの権限と責任、さらには自己の財源によってその経営に当たることが求められる地方分権の時代に対応し、持続可能な行財政体質を構築して将来のまちづくりにつなげていくことを基本に予算編成を行ったところであります。
なお、本年は統一地方選挙の年に当たるため、いわゆる骨格予算となっておりますが、人件費や扶助費などの義務的経費につきましては年間所要額を、また、投資的経費にあっても、市内経済の活性化が喫緊の課題となっている今日の経済状況にかんがみ、早期かつ安定的に発注できるよう極力当初予算に反映させることといたしました。さらに、新規事業につきましても、行政の継続的かつ円滑な推進を図る上から、市民生活の向上や福祉の向上に配慮し、その事業の緊急性、効果、見通しなどを個別に検討し、所要額を計上したところであります。
その結果、平成15年度各会計予算の規模と前年度当初予算と対比した場合の増減率は、一般会計407億5,800万円、2.5%の減、特別会計258億9,470万円、6.8%の増、企業会計179億4,994万6,000円、0.7%の減、合計846億264万6,000円、0.5%の増となるものであります。
以下、私が進めてまいります基本政策に基づき、予算案の概要について申し上げます。
第1に、次代に誇れる美しいえべつについて申し上げます。
私は、えべつの恵まれた自然環境や優れた都市環境を生かし、地域が持つ歴史や風土、文化などに根ざした個性豊かで表情のある生活都市を実現したいと考えております。
このため、21世紀のまちづくりの指針として、市民と行政がともに知恵を出し合い実践する協働のまちづくりを基本とした第5次総合計画の策定を進めます。
また、駅の持つ都市機能を充実し、都市空間の快適性を創造するため、江別の顔づくり事業の実現に向け引き続き努力してまいります。本年度は、北海道が事業主体となる連続立体交差事業と連携して、都心地区整備基本計画及び中心市街地活性化基本計画を作成するとともに、土地区画整理事業や関連街路事業について住民説明による合意形成を図り、都市計画原案策定に係る調査を実施いたします。
また、都市計画における基本方針となる都市計画マスタープランにつきましては、第5次総合計画及び北海道都市計画マスタープランとの整合を図りながら、全体構想、地域別構想を策定してまいります。
次に、重点テーマの一つであります環境、循環型社会の推進につきましては、ダイオキシン対策として、平成12年度から平成14年度までの継続事業で建設を進めてまいりましたごみ処理施設が昨年12月から稼働しておりますが、本年度は主として外構工事を実施するとともに、平成14年度から平成15年度までの継続事業として埋立処分地施設の整備を実施してまいります。
また、二酸化炭素排出抑制の観点から、特別職等の公用車を8人乗り低公害車に切り替えるとともに、台数を5台から3台にいたします。
さらに、資源化によるごみの減量化を推進するため、生ごみたい肥化容器の購入助成や、市民の自主的な団体資源回収活動に対する資源回収奨励事業の助成を継続するほか、環境教育の推進として市民環境講座の開催や啓発活動を実施いたします。
次に、緑の保全と創出、さらには、その活用による潤いのある都市空間を形成するため、緑のまちづくりの指針となる緑の基本計画を策定するほか、都市の景観づくりとして、自治会や小中学校とともに花のある街並みづくり事業を実施いたします。
次に、下水道につきましては、健康で快適な生活環境を実感できる地域づくりを推進するため、大麻、文京台南町、野幌松並町で汚水管整備を行うとともに、浸水対策として工栄町及び大麻地区の雨水幹線整備を継続するほか、江別浄化センターの沈殿池の整備を実施いたします。
さらに、生活排水を適正に処理し、農村環境の保全に資するため、合併処理浄化槽設置整備事業を継続して実施いたします。
また、上水道につきましては、引き続き石狩東部広域水道企業団拡張事業に参画するとともに、配水及び浄水施設や配水管整備を推進し、安全で良質な水道水を安定して供給いたします。
次に、都市機能の充実と良好な市街地を形成する道路整備事業につきましては、市道幹線として10丁目通り及び兵村4番通りを継続して実施するほか、一般生活道路では、元江別224号道路と元野幌222号道路の舗装新設工事を完了させるとともに、大麻東駅通り舗装新設工事を引き続き実施いたします。
なお、道路の維持管理につきましては、引き続き路面凍上改修事業及び道路再整備事業を進めるとともに、冬の生活空間を確保するため、除排雪や自治会排雪、さらには融雪施設資金貸付事業を継続して実施いたします。
第2に、21世紀を担う若々しいえべつについて申し上げます。
私は、21世紀を担う子供たちが、豊かな人間性をはぐくみ、多様な能力を伸ばすことのできる環境づくりを進めるとともに、地域との連携を図って、地域ぐるみの子育て支援を進めてまいります。
まず、少子化への対応と子育て支援でありますが、子育て支援センターにおける地域や父親の活動に対する支援を継続して実施するとともに、民間保育園が実施する子育て支援センター事業に対し助成するほか、地域住民が主体となって運営している豊幌こども広場には、引き続きその活動に対する支援をしてまいります。
また、本年度から公設の放課後児童会と児童センターの開設時間を拡大するとともに、放課後児童会については土曜日も開設するほか、新たに公設の3か所の保育園で延長保育を実施することにより、民間及び公設のすべての保育園で延長保育を実施いたします。
さらに、児童の養育が困難な保護者に対し、児童福祉施設で児童を一定期間保護する子育て支援短期利用事業を実施するほか、乳幼児健康診査後の事後教室を3歳児のほか1歳6か月児健診時にも拡大するなど、子育てを支援する環境づくりを進めてまいります。
次に、学校教育につきましては、学校の週5日制や新学習指導要領の実施など、子供たちを取り巻く学習環境が大きく変わってきており、ゆとりの中で生きる力をはぐくむ教育の推進が大きな課題となっております。
このため、学校外の人材を講師として活用するほか、補助教員の配属による少人数教育と習熟度別学習を実施し、学力向上を支援してまいります。
また、地域の特性を生かした特色ある学校づくり、さらには地域に開かれた学校づくりを推進するため、学校が保護者や地域の方々とともに、よりよい教育を目指す学校評議員制度を全小中学校に拡大するとともに、地域と一体となった学校の顔づくり事業を進めてまいります。
さらに、各学校における創意工夫による総合的な学習の時間への対応を推進し、子供たちが自ら意欲的に学ぶ環境を整備するとともに、各学校の図書についても計画的な整備を進めてまいります。
また、IT社会の到来により、学校における情報教育は、さらにその重要性を増しており、本年度で中学校におけるコンピュータ学習の際の生徒1人1台の配置を完了するほか、ITにかかわる基礎的な能力を身に付けるための学習環境を整備いたします。
さらに、学校の週5日制を踏まえ、地域ぐるみの教育活動として、土曜広場における市民の活動に対する支援を充実するとともに、子供と地域の交流事業や学校体育施設開放、さらには地域における巡視活動など、子供を見守る事業における地域の取り組みに対して引き続き支援してまいります。
次に、いじめや不登校につきましては、その対策として、家庭や地域との連携、さらには学校全体での取り組みが重要なことから、引き続きスクールカウンセラー及び心の教室相談員を配属し、相談業務の充実を図るほか、不登校児童生徒対策として、家庭児童グループケア事業と連携し、自然との触れ合いや体験学習に教育の立場からも専任指導員が参加することを通じて支援をしてまいります。
次に、学校施設整備につきましては、児童数が増加している江別太小学校の教室不足を解消するため増築を行うとともに、第一中学校のグラウンド整備事業を実施するなど、各施設の環境整備を計画的に進めてまいります。