平成14年第4回江別市議会会議録(第2号)平成14年12月11日 9ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐忠男君)
以上をもって星秀雄議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
宮澤議員の市長の政治姿勢についての質問を許します。通告時間20分。
宮澤義明君
ただいま議長より質問の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
師走の風が吹き、忘年会の声を聞く季節となりました。しかし、ちまたでは不況の嵐が吹きまくり、師走どころではない方々も多くおられ、実際どのように12月をやり過ごそうかと苦慮されている方々もおられると聞いております。
日本では、バブル崩壊から10年以上にも及ぶ不況に株価は下落、金融機関の不良債権は膨らみ続け、貸し渋り、貸しはがしも一般化し、夜明けの見えない経済、デフレの様相を一段と強めています。世界経済のけん引役をこの10年間果たし続けてきたアメリカ経済も、IT神話の崩壊、大企業の会計監査への不信がきっかけとなり、経済に陰りが見えています。さらに、世界経済に暗雲を投げ掛けているのがイラクの大量破壊兵器査察であり、いったん攻撃が始まれば中近東は不安定になり、石油も高騰することが予測されます。今でさえ不安定な世界経済がさらに悪化し、日本経済もデフレスパイラルに飲み込まれ、世界不況も決して起こり得ない状況ではないと考えています。
江別市も同様で、先日の新聞報道では、RTNの誘致企業である京セラグループの京セラタイコム北海道が、今年末をもって撤退との報道がなされております。また、江別市に本店がある金融機関も合併し、新たな金融機関としてスタートしていますが、年末を間近にして資金需要も増えていることから、柔軟な融資を心から望むものであります。
バブル経済崩壊から始まった構造的不況の影響が遂に江別市内の企業にも及び、不況の嵐が冷たく吹き寄せているのを実感します。この厳しい経営環境が続けば、江別市の中小企業も徐々に体力を失い、早晩厳しい状況に立たされることは目に見えております。中小企業で働く多くの方々にとって収入が目減りしており、毎日が不安の連続ですと聞かされてもいます。
この厳しい経済状況の中、市長は今年度当初からタウンミーティングを市内各地域で開催し、市の財政の厳しさを中心に事業説明をされておられます。しかし、市長との対話に出席されてこられた方々の中には、厳しい、厳しいとの一方的な話ばかりで希望が持てないなど、会合終了後に不満を述べられる方々も多くおられるようです。行財政の厳しい認識を持たれているのは市長として当然としても、市民は小川市長に期待をしており、このような厳しい時代だからこそリーダーシップを発揮し、市民に明日の希望を与え、リードされるのが市長の役目と考えます。正に現在の市内の状況は、江別市に希望を与え、明日に向けて元気が出る市長の出現を心より願っている状況です。市民の期待に十分こたえる政策を打ち出し、全国で一番住みやすい町を目指し、市政のかじ取りをするのが小川市長と、全国に名をはせる名市長になっていただきたいと心から願っております。
しかし、そのためには、新時代の市長にふさわしい新しい視点で、新しい施策を大胆に実行、実現していただきたいと考えます。しかし、残念ながら現在のところ期待とは逆に、明確なリーダーシップを発揮されているようには見えません。例えば江別市の代表的な特産品はと聞かれれば、多くの市民はれんがと答えられる方が多いのではないでしょうか。道内最古のれんが生産地で、地場産れんがを活用したまちづくりを是非進めるべきと考えられている方も多い。そのため市長は批判を受けながらもヒダれんが工場跡地を購入され、アンテナショップもオープンされたのではないかと思っていました。
見える部分は努力されているのは理解しますが、見えざる部分、もう一つの大事な施策のふるさと景観融資制度が、行政改革の名の下、利用者が少ないと制度が休止されています。江別には江別の歴史があり、アイデンティティがあるべきで、この1点でも江別市ならではの独自性が失われているようで残念でなりません。
しかし、有り難いことに、市民の方々に伺うと江別は住みやすい町と答えてくれています。住みやすいと評価してくれる方々に、医療助成制度を挙げられる方もおりますし、障害児がおられる方にも低年齢児の福祉が充実していると江別市に住まれた方もいます。このことは江別市の福祉制度を評価してくれた結果であります。暮らしやすさ、住みやすさを求めるまちづくりが、江別市のアイデンティティであり、あっても良いと考えています。それらを含み市民が何を今一番求めているのかを理解し、その理解の上で実現に取り組み努力するのが小川市長の務めであり、責任ではないかと考えます。
しかし、残念ながら30年間も市民に感謝されてきた江別市独自の福祉制度が、財政が厳しいからと、いの一番に財政改革の名の下に議会に提案をされました。市民はサービスカットを望んだわけではなく、今一番求めていることは、行財政改革をしっかり進め、高度経済成長の中で膨張し過ぎた行政組織、機構をスリム化して無駄な経費を削減し、その財源をもって市民が望むサービスをさらに充実してくれることを望んでいるのではないでしょうか。
しかし、現在の市の状況は、市民の願いとは逆に、江別市民が大切にしてきた施策を行政改革の名の下に打ち切り、市民がサービス向上のために期待している施策については、計画は練っているが目に見えた結果は出せないでいます。
市長は、江別市に財産として何を残すために市長になったのか、初心に返って思い出していただきたい。現状では弱い方々を財政が厳しいからと切り捨てるために市長になったと言われかねません。市民からえんさの声、不満の声が沸き上がっているのがお耳に届いておりませんでしょうか、お聞かせ願います。
江別市民に財産として何を残すために市長になられたのでしょうか。古い江別的なしきたりから決別し、新たな江別を小川さんなら見せてくれるだろうと期待し、支援してくれた方々、リニューアルした施策を期待し、心待ちにしている市民の方々、また不満を抱いている市民にも明確に分かりやすくご説明をください。特に今回は高齢者、弱い立場の市民にも分かりやすく理解できるよう、具体的にお答えになる義務があります。
次に、市長の施策の優先度は何を基準として進めておられるのかをお聞きします。
財政が厳しくなるとの予測は今に始まったことではありませんが、これほど不況が長引き、税収が不足し、地方交付税が削減されるとは、財政当局も予測してはいなかったのではないか。しかし、現実は、各自治体とも税財源が縮小する中であっても、市民サービスに知恵を絞り、地域に応じた施策を実行していかなければなりません。ほかの自治体で好評を得ている施策であっても、江別市でできるものとできないものがあり、他の自治体が条例の廃止、縮小したから江別市も同じ論理で廃止、縮小するという理由にはならないのではないかと考えています。財源が不足というならば、江別市は行財政改革を思い切って進め、事務事業を見直し、民間でできることは民間で行い、財政の均衡を大胆に図るべきです。
いみじくも老人医療費助成制度の見直しに当たっては、任期中に何らかの道筋をつけるというのが、私の責任であり、決意であると市長は述べられています。福祉制度の改悪には重大な決意を持って臨まれている市長ですが、身内の行政改革には至って温厚であり、言葉は先行するが具体的結果は依然出しておりません。市長は過去の予算特別委員会で質問された保育園の民営化については、施設の建替えがあったとき検討すると、事実上民営化については検討する意思がないような答弁をされておられます。
タウンミーティングで市の財政のひっ迫を説明され、民生面の福祉事業まで任期中の決着とまで言われた重大な決意を持って臨まれている市長としては、民営化に手を付けないのは不自然ではないでしょうか。検討する時期が十分来ていると考えますし、早急に実行するのが市長の立場、役目ではないでしょうか。
市長もご存じのように厚生労働省所管の保育行政、認可保育所については、公立であろうと民営であろうと保育単価、サービスは変わらないことになっています。なおかつ延長保育、夜間保育、休日保育、ゼロ歳児保育等の新たなニーズに対し、公立の認可保育所は組合、組織、人間関係もあり、市民ニーズを実現しようにも簡単に実現できない組織となっております。また、新サービスにこたえるべく検討を進めても人件費など経費がネックとなり、実現は基本的に難しいのが現状です。
現在の厳しい経済不況の中、子供を保育園に預け、パートなど仕事に就くことを希望される方々が増えています。仕事の関係上残業、夜間勤務などをしなければならない方など、保育ニーズも多種多様に変わってきており、保育行政もこれまでの延長線上の考え方では対処できなくなりつつあり、大胆に運営方法、組織を再検討、見直しをすべきです。それが現代、21世紀のスタンダードモラルであり、大胆な変革こそ市民のニーズにこたえることになります。
民営化した場合の財政効果は、将来的には数億円の効果があると考えます。これだけ財政効果が予測できる市民ニーズにこたえることのできる施策を、何ゆえ市長は検討し実行をされないのでしょうか。福祉施策への決意表明と余りにも対応が違う理由を、是非市民に理解できるように説明をいただきたいと思います。
また、認可保育所だけでは対応のできない新たな保育ニーズに対しても、東京都など幾つかの自治体で独自施策として進められている認可外保育所に対する認証保育制度なども要綱を定めるなど、支援体制を江別市も早急に検討をすべきであります。
また、病院の給食、学校給食センターの民間委託化も検討すべきで、事業の進め方によっては大きな財政効果を生み出し、結果的には市民の税負担が減少することになります。
清掃事務所の完全なる公設民営化を進めるとともに、収集業務の完全民営化も進めるべきです。
余剰人員についても民間に倣って出向などを検討し、賃金などもそれに応じて検討する可能性も探るべきです。また、他部署への配置転換は当然として、早期退職制度の活用などの検討もすべきで、できないではなく、できるところから手を付けるべきであります。
また、市民会館、公民館、えぽあホールなど公共施設を振興公社管理から、運営も含め非営利組織のNPOにゆだねるべきと考えます。事務事業の整理、統合、縮小による職員の削減は避けられないのが現実で、それに伴う江別市の外郭団体の職員についても抑制的に検討すべきで、国・道などと同様に幹部職員の事実上の天下り先をもなくす方向で検討すべきであります。
また、公共工事が半減し、業務量が減っている部署においては、定数管理を厳格に進めなければなりません。企業でも余剰人員を多数抱え、合理化対策が遅れているところは、間違いなく時代から取り残され、退場を余儀なくされています。
行政視察で訪問させていただいた市では、行政改革本部を設け、学識経験者、市民代表にも参加をいただき、市長が本部長となり、行政改革を推進するため事務事業の項目を決め、大胆な民営化を進めているところもあります。この大胆な改革を進めている市長は、元は民間企業の社長であり、民間経営的手法を行政部門に導入し、大胆な行政改革を進めています。
また、これまでも何回か質問させていただいている入札・契約事務及び一般事務についても電子化を進め、行政事務の効率化や社会コストの軽減化を進めるべきです。これらのシステムの構築は、結果的に市民への情報開示にもつながり、入札の透明性、公平性にもつながります。
また、低入札価格調査制度が今年度から導入されており、効果も出始めております。一般競争入札についても、資格要件を満たした地元企業すべてに入札参加を認める。一般電子競争入札も早急に検討し、入札価格の適正化を図り、財源の効率的な運用を実現する時期に来ているのではないでしょうか。
時代のキーワードはスピードです。福祉施策をスピード、決意を持って処理されるなら、当然、今ほど提起させていただいた行政改革諸施策も優先度を決めてスピードを持って処理すべきと考えますが、お答えください。
特に申し添えますが、施策の執行には優先度、バランスが必要と考えます。外に厳しく、内には優しくではバランスを欠くと考えますし、今申し上げた改革事項が何年も先に実を結ぶ、結果を出すでは勝負になりません。市長の率直かつ前向きに時期を明示した決意を持ってご答弁をいただければと考えます。
以上をもちまして、1回目の質問を終わります。