平成14年第4回江別市議会会議録(第2号)平成14年12月11日 10ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐忠男君)
宮澤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
宮澤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
私の政治姿勢に関してのお尋ねでありますが、私は公平・公正・平等を旨とし、自主自律の江別を目指すということを基本に、行政の執行に取り組んでまいりました。しかし、少子高齢化や環境あるいは地方分権への対応を初めとして、地方自治体は多くの行政課題に直面する一方で、経済の低迷に伴う市税収入の落ち込みや地方交付税の減少などによる財源難から、自治体の経営は大変厳しい状況に置かれております。こうした状況にあって、地域社会が自主自律を確保し、分権の時代にふさわしい活力のある姿を実現していくためには、行政だけで都市経営を行うのではなく、市民との協働の中でこれに取り組んでいくことが重要であると考えております。
そのためには、市民との情報共有化や意見交換が必要でありますことから、江別市の現状や行政課題を知っていただき、これらに対する取り組みを市民の皆さんとお互いに語り合うための場として、今年度から新たにタウンミーティングを実施してまいりました。
そしてまた、行政が時代の変化に的確に対応するためには、成果主義や顧客志向などといった民間企業の経営手法を行政の仕組みの中に組み込むことが重要であると判断し、そうした仕組みを導入すべく専門家の知恵も借りながら、様々な行政システムの改革を進めてまいったところであります。
さてそこで、江別市に財産として何を残すのかといった趣旨のご質問でありますが、その基本となるところは、新総合計画後期基本計画に示された将来都市像を具現化するための政策の実現であり、その政策を実現するための施策、事業の実施であります。
さらに、これに加えて第1には、市民とのパートナーシップに基づいた透明性のある協働のまちづくりであり、第2には、効率的で成果達成を重視した新しい都市経営の姿を大切にしたいと考えてきました。このことを高齢者の方々にも分かりやすいように具体的にということでありますが、高齢者福祉という施策の意図は、高齢者が自立し、生きがいを持って暮らせるようにするということであります。そのためには、在宅福祉や施設ケアの充実を進めるほか、生きがいづくりの促進や健康の保持、増進を図るなど、様々な事業をバランスをとって総合的に展開することが必要であると認識をいたしております。
次に、施策の優先度は何を基準に判断するのかと、こういうご質問でありますが、その基本は、総合計画に示されている政策を実現するために、最も効果的な施策を実施するということで、優先度を判断してまいりました。自治体を取り巻く環境が厳しくなる中で、今後は行政評価システムの考え方を中心に据えて、政策を実現するために、政策への貢献度の高いものから施策の優先度を決定し、施策への貢献度の高い順から、事務事業の優先度を決定してまいりたいと考えております。
なお、行政改革の推進に関してでありますが、今後の都市経営の基本は、情報を市民と共有しつつ成果達成とスピードを重視しながら、市民とともに協働のまちづくりを進めていくことであると認識をいたしております。
こうしたことから、今後の公共サービスの提供に当たっては、行政がすべて行うべきであるというふうには考えておりませんで、むしろ民間にできることは民間に任せる、市民やNPOなどにお願いできることは、市民の皆さんなどにお願いする、こうした考えを基本に対応した方が、公共サービスの質の向上や行政執行の効率性の面などで優れているものもあると考えております。しかし、個々の事業はそれぞれに目的や方向性も異なっており、委託することの適法性や経費の合理性、サービス向上の余地など総合的な観点から判断しなければなりません。
このようなことから、民間ができることは民間に任せるといったことを基本にすべきと考えておりますが、民営化に関する市民的理解の促進のほかに、非常勤職員の活用などによる直営方式と民間委託との経費比較など、様々な観点からの検討を行ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
なお、保育園を初めとした幾つかの施設管理に係る具体例、さらには電子入札につきましてもご提示いただきましたが、これらについては、今後の検討に際しての参考にさせていただきたいと考えております。
なお、本年3月に、私は本部長を務める行政改革推進本部において、行政改革大綱を定めました。厳しい財政状況の中で、今後とも市民の負託にこたえるべく、この行政改革大綱に込められた理念の実現を目指して、行政自らが最初に血を流し、身を削りながら行政改革に積極的に取り組んでいく覚悟でありますので、そのことをお答え申し上げまして、答弁とさせていただきます。
以上であります。
宮澤義明君
ご答弁をいただきました。基本的には今、小川市長が答弁された、正しくそのとおりやっていただければいいのかなと、そう思っております。ただ具体的に今回は、この議会には30年間福祉制度として行われた制度が議会に、委員会に提案されて、一定の今、方向を見ているわけですけれども、やはりそれだけ大きな福祉サービス、市民に対するサービスが直接的に今回は減る。その中で先ほど市長がお話しになった3月に行政改革本部を設けられて、行政改革大綱も出され、そしてこれから数年先にわたって行政改革をこれからこういうふうに進めていきます、そういうふうに述べられている。でも、実際には一つの今、この福祉制度については、今議会でもって結論を出さなければいけない。そういう時代的、スピード的、その部分のずれ、その部分がやはり今の部分になっているのかな。
今、市長が答弁されたことについては、基本的には全くそのとおりで、そのとおりやっていただければ、市民もまた行政も本当に良いのだろうと思うんですけれども、実際には時間的なずれがあって、片方は現実に今結果を求められている。そして、もう片方の行政改革や何かについては、これから何年かかけてやります。苦労されてやっておられる部分も確かにあるわけですけれども、それらも今この質問の中で具体的に挙げたこの保育行政についても、厚生労働省所管の事業です。そして、国が決めた基準に基づいてサービスを提供する。これは公であろうと民であろうと全くサービス内容は同じわけです。何が違うかといったら、人件費だけです。そうすると財政効果、これは明らかに数年先には財政効果がはっきりしてくる。これらついては、市民サービスを下げるわけではない、結果を出さなければいけない、こういうサービスだと思うんです。
確かに戦後からずっとバブル経済まで右肩上がりで経済が推移してきた、その中で市民要望もあり、やはり行政組織も膨らんできた。ただ、これから見ていくと少子高齢化社会の中で、間違いなく財源の部分も縮小していく。本当はそのまま今の体制で維持できれば、それは維持していった方が、本当はこういう経済状況の中ですからいいんですけれども、ただ市長がやはりタウンミーティングでおっしゃられているように、財政的には非常に厳しい、地方交付税も含めた形で財源も縮小していく、その中でやはり市民も最低限のサービスを願っている。その中で財源的に効率的にやるとしたら、やはり何らかの手法をしっかり考えなければいけない。そういう面からいくと、どうしても公共という部分は、人件費を含めて重いのかな。そうすると民間でできることについては民間でしていただいた方が、より柔軟性が効いて、結果としてサービスが向上できるのかなと。
今後私が考えているのは、行政、これは企画、頭脳部分、人間の体でいけば、頭脳と神経系統、これが行政部門で、手と足、実際に動く部分については、民間部分のそういう部分でいいのかなと。確かに、過去にはまだノウハウもなくて、できない部分もたくさんあった。その中で保育の部分についてもやはり市民要望があって、どうしても行政が先発でやっていかなければいけない、そういう状況の中でこういうことを増やしていった。そして、それが民間という中で、今より以上にサービス的、柔軟性を持ってやれるのが、民間の方がもっと柔軟を持ってやれるようになった。そうすると、やはり時代的な要請にあっては、江別の子供たちを民間に預けていけるような、柔軟性を持ったその組織に預けた方が、よりサービスの向上を図れるのではないか。だったら、そのことをこの行政改革の中でいち早く、やはり市民にも痛みを求めるのであれば、そのことも、これで市民サービスが低下するのだったら別です。でも市民サービスは低下しない、そうであるのであれば、やはりそのことをしっかりテーブルに乗せて事務事業の見直し、行政改革の中でしっかり最初に取り上げていかなければいけない問題ではないかなと。
ただそこには職員の方々がいらっしゃるし、職員の方々の今後のことを左右簡単になんて言えないかもしれないけれども、やはりもう何らかの手法を検討する時期に来ているのではないか。ましてこの行政改革大綱の中で、事務事業の見直しでは、そのことも含めてこれからやっていく。そうすると職員定数についても10年間かけて10%、今の時代に果たしてその言い方で、行政運営が財政的にできるのかどうか。それ以上にもっと時代はスピード化して、少子高齢化に向かって、より財源を効率的に使わなければいけない状況がはっきりしているわけです。そうなると、今の進め方では、私は遅いのかなと思っております。
市長という立場で、また市の職員として、そして議員をやられ、ましてこうやって市長もやられている立場で一生懸命努力されているのは、理解できます。努力していないということではなくて、頑張られておられることは間違いなく頑張っておられる。ただ、その頑張っている状態が、今の時代のスピードに本当について行っているのかな。そういう面から見ると、やはり私はまだついて行っていない、つき切れていない、だから、市民サービス、市民が一番望んでいることをも、いち早く知らなければいけないような状況になっている。そうであるならば、それだけ財政的に厳しいのであれば、やはり膨らんできた行政機構、組織もこの時期に早急に見直し、結果を出すべきではないか。そのことによって市民は市長に市政を預けて、これだけ私たちに厳しいことも言うけれども、市長自らも、また行政組織自らも本当に頑張っている、そういう理解が得られるのではないか。それがこれから、また来年に向けての市長の決意につながっていくのではないか、私はそういうふうに思っています。
基本として、民でできることを民で、よりそれを明確にこれから打ち出していただきたい。また、具体的にはこの保育行政だけ今取り上げているように見えますけれども、全体の中で事務事業を見直していただく。先ほど質問の中にもあった、今公共事業もこれだけ従来の一番多い時代から見たら3分の1です。そういうことからすると、そこで働いておられる方々もやはりそういう形の機構に、組織に見直していく時代に来ているのではないか。そういうことを1つ1つチェックしていくと、相当痛みを伴うけれども、財源の効率的活用という部分については、しっかり方向性を見いだせるのではないか、そんなふうに思っております。
今後の行政改革のスケジュール、確かにあります。その中で今後保育行政も含めてどのようなスパンで、いつごろというのをちゃんと明示、結果を出されるのか、その点をご答弁をいただければと思います。
2回目を終わります。
市長(小川公人君)
宮澤議員さんから再質問があり、いろいろなかなり広い角度からご意見があって、質問のところでは今、保育園というふうに絞られておりますけれども、若干私もちょっと総論のところで、あえて付け加えさせていただきたいと思いますが、私は、こう言うと男性諸君にしかられるかもしれませんけれども、家庭で言えば昔型夫、昔型男性のように、自分の持ってくる給料は、企業の中で私の処遇はそれだけ、持ってきた給料はこれだけ、そして私は社会に出ているからこの小遣い、交際費は必要な額だ。残った金額で奥さんに丸投げして、あとはやりくりするのはご婦人の力量なんだ、おまえの仕事なんだと、こういうことで家計運営を奥さんに全部預けていい時代、そういう傾向だった社会も私はあったと思うんです。しかし、今はもうやはり家計のやりくりは夫も子供たちも、子供といえどもやはり隣の子供の小遣いはあんなにもらっているのに、どうして僕は半分になるんだ。これは隣の家庭は隣の家庭で、我が家は我が家なんだ、子供にも知らせなければならない。そういう意味では全体の財政、何も私は好き好んで市民の皆さんに暗い話、夢のない話ばかり、とにかく大変さ、何も好き好んではいないんですけれども、現実は本当に避けられない、直面している、何億円という、もう7億円とか8億円とかそういう単位で、交付税が目の前で毎年切られてくるわけです。ですから、やはりつらいけれども、この現状をまず知っていただくということで、タウンミーティングの中で、あえて暗い話でしかられたりもしましたけれども、説明させていただいて、その中でやはり本当にやるべきことをやる、やりくりすることも、私たちこういうふうに考えていますということで、暗い話なのは承知なんですけれども、まず知っていただくことが第一だと。
その上で今、宮澤議員さんは、バランスの中で福祉の部分で切り詰める話をしている。では、行革の努力の仕方が、本当にそれに見合う形になっているか、これはまたどこをとらえたらそのバランスなのか、ちょっとそれぞれのお考えで定めがつかないですけれども。
私どもとしては、今現在もささやかかもしれませんけれども、理事者の給料のカット、やはり市民がみんな痛みを受けているわけですから、我々もやはり痛みをまず受けようということで、今カットもしています。議員の皆様方も議員定数の削減に努力して、今回結果を出して3名減もされている。それぞれ努力している。そのほかに10年先に10%の職員削減がとろいのか、まだスピードが遅いか、しかし、行政改革の委員会の中で、私はものすごく重いと思うんです。市の職員を10年間10%といったら100人以上カットしなければならない。
しかし、職員を明日から首にするなんてことはできないわけですから、やはり不補充、定年退職したときに埋めないとか、あるいは民間委託の中で調整をするとか、そういう中で改革を努力しないと、今明日からどんどんというふうにはいかないということ。
それから、最後の方の保育園についても、民間委託を否定はしていないですし、公設民営を事実実行しましたけれども、むしろ逆にお金がかかり過ぎるような改革ということなら、皆さん方の意向には反するわけです。例えば公設民営の東野幌をしたときに、やはり条件が整ったわけです。乳児の待機が多くなっている、建物も老朽化している、いろいろな条件がうまく整ったときにあれを公設民営しました。だけれども、そういう条件がないまま委託をいきなりするといったら、残った保育園の保母さんを首にすれば別ですけれども、そうでないとしたら、またその保母さんをどこかの仕事にまた、わざわざ重複する形でどこかに移行したりしなければならない。そういう意味では、保育園もやはり一定の条件、まるでお金が逆にかかるようなことにならないようなにらみをしながら、私、しないと言っていませんし、そういう意味では、これからも民営についても条件が整う状況を見てやはりそんなことも十分検討したい。
こういうことで行政改革生ぬるい、まだ不十分だというご指摘はあろうかと思いますけれども、私どもなりに行革を努力していますし、その中で本当に30年の歴史のあるこの制度に対して一つメスを入れたことについては、大変心痛むところもありますけれども、心からお願いしたいということで、今回提案させていただいている。その辺について是非ご理解をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
宮澤義明君
ご答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
小川市長の性格からいって、一生懸命まじめに取り組んで頑張っておられる。これは私も十分よく理解しております。また、一生懸命取り組もうという、そういう人間的な素晴らしさ、これも多くの方が認めているところではないか。
ただ、ある面で梨下に冠を正さずではないですけれども、やはり職員という中で議員になられて、市長になられた、一生懸命努力をしているんだけれども、ある面で、私たちから見るとまだ足りないかなと。今の時代のスピードというのはかなり速くて、そういう部分では、より以上に進めなければいけない時代にもう入ってしまった、良い悪いではなくて、いろいろな民間企業も大規模なリストラをやったり、まず会社自体がなくなっている。そういう状況の中で、行政も相当身を絞らなければいけない時代にもう入ってしまった。これはどなたが市長をやられようと、これはもう致し方ない時代に入ったんですね。
その限られた財源の中で市民サービスを行っていこうとしたら、どこかに財源を求めなければいけないし、どこかでスリム化しなければいけない、絞らなければいけない。その過程の中で、今私たちもちょうど市長という立場、また議員という立場で、この議会で相対しているわけですけれども、やはり今そういう時代に入って、この議論の中でより以上に進むこと、また結果を出せることが見えてくる。そのことを今回はこの本会議でこの問題を取り上げさせていただいたのは、より市民の皆さんにもこの部分をもっと見ていただきたい。そして、その中で自分たちが選んだ議員が、また市長がこれだけ頑張っている、また頑張っていない、そんな評価も市民の中でしていただかなければいけない。そして、それぞれが立場としてしっかりこの江別市に対して発言する中、頑張る中で貢献をしていく。そして、その結果が市民サービスという形に最終的にやはりつながっていく、そんなこともあってあえて、3回目の部分でも保育とかそういう部分について取り上げさせていただきました。
ただ、本当にこの部分を代表的に取り上げたというだけで、今このことを、では、明日から職員のこと関係ないですよと、そんな言い方で聞いたわけでなくて、やはりそのぐらい今時代は押し迫って、結果を出さなければいけない。否が応でも結果を出さなければいけないような状況になってきている。これはここにいらっしゃるどなたもすべてが感じていることで、今ちょうど市長がこの立場でおられて、その一身に12万人の江別市民の思いを受けなければいけないという立場で、今どうしたって頑張らなければいけない立場にありますので、私たちもこのようなちょっと厳しい言い方でお伺いをしておりますけれども。やはり基本としては、私は行政でできる分野は行政の分野、民でできる分野、なるべく効率的にできる分野については、すべて効率的に、そして民でできるものについては民で、そういう大きな線の引き方、縦割りの仕方をもうやらざるを得ないのかな。
その部分で、また私たちも来年度に向けて市民の審判を受けながら、市長により以上に素晴らしい江別市を作っていただきたい、そんな思いで、また要求もいたしますし、またお願いもするところたくさんあると思います。そういう面で、こういう形で言われると大変苦しい部分もあるでしょうけれども、是非市長には、やはりそのことも含めてしっかり頑張っていただきたい。ある面で厳しさとエールを送りまして、私の質問を終わらせていただきます。
議長(五十嵐忠男君)
ただいまの発言は要望といたします。
以上をもって宮澤議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
議長(五十嵐忠男君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後2時29分 散会