平成14年第4回江別市議会会議録(第2号)平成14年12月11日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐忠男君)
鈴木豊実議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
鈴木豊実議員の一般質問にご答弁申し上げますが、大変多岐にわたっておりまして、ボリュームが多いために少しはしょらなければ相当の時間を要するかなと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
まず最初に、最近の首長選挙結果から、地方政治の流れをどう見るか、その情勢変化をどう分析しているのかと、こういったご質問でありますが、選挙結果に関連して伝えられる有権者の反応や首長自身のコメントなどから判断をいたしますと、一つの潮流といったものがうかがわれるものと思っております。その基本的な流れといたしましては、住民自身が納税者としてまちづくりの主役であるという意識の下に、受益と負担の面で納得のできる税金の使われ方がなされているかどうか。主体的な住民参加をしていくために、行政情報の公開がより透明性の高い形になされているのかなどを求める声が強まっていると、このように認識しているものであります。
一方、これにこたえるものとして、住民との対話や行政としての説明責任を果たしていく姿勢が評価されるとともに、住民参加の手法による協働のまちづくりを進めていくことが支持されているようであります。私もこれらの諸点は、今後の自治体経営にとって極めて重要な視点と考えておりますことから、協働のまちづくり実現の観点から、市民の皆さんとともに語り合い、情報を共有することによって、市民と行政とのパートナーシップを一層強化するための取り組みが必要と、このように認識をいたしているところであります。
次に、国・地方の厳しい経済情勢を背景に、財政制度の見直しなどがなされる中で、市政の基本的スタンス、姿勢についてのご質問でありますが、現在の厳しい財政状況は直視しなければならない現実でありまして、このような行財政環境において住民に直結する行政運営を進めていくためには、先ほど申し上げましたように住民との協働の視点がより重要でありますことから、この間、市内各地でタウンミーティングを実施してまいりましたほか、主体的にまちづくりに参加する市民を支援するために、地域担当員制度を継続しております。
また、情報公開条例を改正することによって、さらなる透明性の向上を図ってきたほか、各種事業に対する行政評価を行うことにより、その結果や施策など上位目的達成に対する貢献度を検証することによって、財源配分の妥当性を見直してまいりました。
私は、まちづくりとは主役である市民と行政との共同作品であると考えております。こうしたことから、市民の皆さんとの対話を大切にしながら、長期的視点に立って市民参加による開かれた自治体経営を行ってまいりたいと思っております。
次に、顔づくりに代表される開発型計画についてでありますが、現在計画あるいは調査を進めております事業は、いずれも将来の江別市の基盤を形成するため、中長期的視野に立って進めてきたものであり、現下の財政状況下で、すべてを同時に推進することは困難でありますが、いずれの事業も江別市の将来にとってその必要性において変わるものではなく、その事業費規模と財政状況を勘案しながら、市の施策全般の中で優先順位を見極めつつ進めていきたいと考えております。
次に、私が市長に就任した平成7年度以降の起債についてでありますが、バブル崩壊以降、国の経済対策と歩調を合わせ、地域における景気浮揚策として本市でも様々な事業を前倒しで実施してきたところであります。私はこうした経済対策に係る事業の実施に際しましても、市民の生活に直結する事業を選択してきたものであり、平成7年度以降13年度までの7年間の起債発行額359億2,810万円は、すべてが経済対策によるものではありませんが、このうち最も市債発行額が多かったのは、市民の生活道路を整備する考え方から、道路橋梁費で68億2,210万円、19%、次いで日々の生活に関連の深いごみ処理施設の52億2,130万円、14.5%、子供たちのための小中学校整備で40億7,660万円、11.3%、さらに学校給食センターや文化ホールなどの教育施設整備で37億2,780万円、10.4%等となっているものであります。
こうした経済対策による起債の増嵩あるいは平成11年度からごみ処理施設更新による起債等が、公債費支出の増嵩の要因となっていることは事実であり、今後市債の発行を極力抑制しつつ、歳入歳出の均衡を図り、事務事業の見直しと再構築を進め、また負担の適正化を図るとともに、行政改革大綱を確実に遂行していくことにより、今後さらに厳しさを増すであろう財政状況の中で、将来につながる行財政体質を作り上げていこうとしているものでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
次に、財政確保と地方交付税についてでありますが、普通交付税は、平成14年度は12年度に比較して約14億円の減額となっており、臨時財政対策債は平成13年度は5億9,300万円を発行し、本年度は13億2,240万円を発行予定であります。当該市債の償還に際しましては、その理論償還費の全額が交付税上、基準財政需要額に算入されているところですが、交付税における財源調整機能は残しつつも、財源補償機能は廃止の方向にあること、また交付税、国の補助負担金の見直し、税源移譲のいわゆる三位一体の見直しの中で、交付税総体はさらに減額の方向にあることから、当該償還額が算入されても、それ以上に交付税が減額される見通しであります。
したがいまして、地方債計画、地方財政計画等については、今後年末に向けて協議の上策定されるため、現段階ではその額を見込むことは困難でありますが、仮に総務省の交付税要求額を基に試算してみますと、平成15年度においては、本年度に比べて6億円ほど減額の107億円程度になるものと考えられるものであります。
次に、市町村合併について各般にわたるご質問をいただきましたけれども、まず今回のいわゆる平成の大合併でありますが、基礎的自治体であります各市町村において、時間的な制約の中で急がれる地域の課題となっておりまして、現状を直視しながら今後の自治体経営をいかに展望し、地域の将来をどのように切り開いていくべきか、このような視点を根本に据えながら、地域的な論議を重ねていくべきものと考えております。
そこで、第1点目の合併特例法に基づく合併に向けた国・道の対応についてのご質問でありますが、今次の市町村合併においては、国による各種の財政的優遇措置が用意される中で進められております。今回の合併論の背景としては、国と地方を通じての財政状況の悪化があり、そのために自立できる地域づくりがあるわけでありますが、その一方で地方分権の進展の中で、いわゆる地方分権の受皿としてそうしたことが可能な地方自治体を構築することなどが求められております。
なお、今回の合併論議に当たっては、自主的な合併ということを基本に検討が進められておりますが、国の指針を受けて道段階においても合併推進要綱が定められ、この結果として全道的な合併モデルのパターンが参考として示されているところであります。
いずれにいたしましても、今回の合併においては、各自治体ごとに自己責任を伴う自己決定の場面を迎えているわけでありますが、合併の判断が国等による強制的なものになってはならないものであります。時間的な制約が厳しい行財政環境の下ではありますが、この問題に関しては、それぞれの自治体における自治能力といったものが試されているものと認識いたしております。
次に、交付税の財源補償機能と自治に関してのご質問でありますが、市町村合併との関連で、地方交付税制度は今後どのように対応がなされていくかが焦点となっておりますが、自治を担っていく上で、交付税の財源補償機能は非常に大きな影響を持つものでありますことから、その確保に向けて各関係方面へ働き掛けを積極的に行ってまいりたいと考えております。
次に、1万人を下回る規模の自治体に関する質問でありますが、当市自体に直接該当するものではありませんけれども、国の第27次地方制度調査会の中でいわゆる西尾私案というものが示されました。この中身といたしましては、基礎的自治体の定義が想定され、一定規模以下の自治体に対しては窓口業務など、その有する機能を限定するといったものも含め、今後論議のそじょうに上るようであります。
これは分権の受皿論とも関連して、平成15年3月の中間報告に向けてこの調査会の中で論議されていくとのことでありますので、道内的には相当数の自治体が関連してまいりますので、地方自治の本旨に抵触することがないよう、その論議の経過や推移などについて注目してまいりたいと考えております。
次に、合併における江別市のデメリットについてのご質問でありますが、合併とは、地域が目指す将来のまちづくりを実現するための手段であって、合併そのものが到達すべき目的ではないということを基本的に考えております。
こうしたことから、個々の自治体同士の広域的な連携の素地があって、その延長線上に行政区画の合体による合併につながっていく、このような姿が望ましいものと思っております。
江別的には、大都市圏に隣接し、かつ1次産業の分野や文教都市の顔を併せ持つなどの多様性があります。しかし、今後より厳しくなってくることが予想される財源などを確保するという課題もありますので、総合計画が目指す都市像をより発展させるための有効な手段としての視点を基本に、多方面の検討を加えてまいりたいと考えております。
次に、農業問題についてお答えをいたします。
農業は、安定的に国民の食料を確保する観点から、国の政策が大きな柱となるものと考えておりますが、転作制度の大転換という農政の方向が大きく変わろうする今日、地域農業の方向性は、地域自ら自主的に考えなければならないものと考えます。
当市の農業は米だけに依存した稲作専業経営から、麦、豆類、野菜、花きなどの畑作物導入や肉牛の導入を推進してまいりました結果、平成14年度の水田転作率は70%を超える状況となっており、畑作主体の経営体が増加しております。
このような現状から、当市の農業は、国の農業政策を補完しつつ地域の資源、特徴を生かす視点で対応することが必要であり、冷涼な気象条件と酪農畜産を生かした土づくりによる安心・安全な売れる農産物の生産はもとより、時代のニーズに合った多様な農作物の栽培など、道央圏220万人の食卓を意識した都市型農業の推進が、地域農業の持続的発展と農家経営の安定に資するものと考えておりますので、この点を関係機関と連携し訴えてまいりたいと考えております。
以上で、私の答弁は終わりますが、このほかにつきましては助役ほかをもってご答弁を申し上げます。
助役(中川正志君)
私から、福祉政策の充実についてお答え申し上げます。
質問がちょっとはしょられた関係もあり、答弁の方もその順番になっていないかと思いますが、その辺をお許しいただきたいと思います。
まず、介護保険の関連でありますけれども、改善策と負担軽減ということでのお話であったと思います。
現在江別市の介護保険事業計画策定等委員会におきまして、次期計画の策定の中で、平成14年3月に実施した実態調査報告に基づきまして改善及びサービス量を初めとする利用実績を勘案し、検討しているところでありますので、ご理解いただきたいと思います。
また、保険料、利用料の負担の軽減ということであったと思いますけれども、保険料の在り方につきましては、保険料区分における第2段階の保険料の見直しについて、また利用料につきましては、深夜の巡回型訪問介護を利用する方の負担軽減などについて検討している状況にございます。
それから、今後の保険料については介護サービス給付費に見合った負担構造になっておりまして、介護保険はいわゆる在宅サービスを基本にしておりますけれども、施設サービスの依存が高い傾向にあるため、どうしても1人当たりの単価が高くなる、いわゆる保険料に対する影響も大きくなる、こういったことでご理解をいただきたいと思います。
次に、特養ホームの充実ということであったと思いますが、全国的に特別養護老人ホームの待機者は増加傾向にありますことから、厚生労働省の方といたしましては、今年の8月に運営基準を介護の必要の程度及び家族などの状況が盛り込まれまして、比較的介護の重たい方を対象とするように改正されました。
このことによって待機者が減少すると思われますが、特養老人ホームの増床等につきましても、道の計画の見直しにおいて、札幌圏全体で決められていることもひとつご理解いただきたい、こう思います。
なお、国に対しましては、これまでも北海道市長会等を通じまして、介護保険財政の健全運営のための介護報酬の在り方でありますとか、サービスの供給体制に対し財政措置を含めて求めておりますので、今後も引き続き要請していきたいと、このように思っているところでございます。
次に、国保に関連するご質問でありますけれども、国民健康保険はご承知のとおり加入者の所得水準が低いことなどの構造的な問題を抱えておりまして、その運営は極めて厳しい状況にありますが、所得の状況に応じて軽減措置を設けております。
また、失業などの特別な事情によりまして所得が著しく減少し、納付が困難な状況にあった場合には、国保税の減免措置も講じておりますので、ご理解いただきたいと、こう思います。
次に、住宅問題のご質問でございますけれども、ちょっと市営住宅の応募状況についてお話をさせていただきますと、中央、野幌、新栄、弥生の4つの団地につきましては、年2回の定期応募を行っているところでございますけれども、この4団地につきましては入居率が100%、いわゆる空き家が出た場合の入居順位を決めるということで、本年度の空き家応募結果は倍率が約5倍、こういうことになっております。
また、あけぼの団地につきましては、管理戸数586戸のうち59戸が空き家になっておりまして、応募者が少ないなどのことから、随時応募者に入居していただいております。
近年応募される方々の約8割が家賃の安い市営住宅への住み替えを希望されておりまして、これら空き家住宅を紹介することがありますけれども、住宅の間取りでありますとか立地条件、こういったことの理由で、申込みを辞退されるケースが少なからずある状況にございます。
市といたしましては、住宅に困窮されている方々へこたえるために、今後とも空き家になっている住宅の改善整備を高齢者にも配慮しながら対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと、こう思います。
それから、乳幼児医療費制度についてのお問い合わせでありました。
ご案内のとおり、江別市では乳幼児医療費助成制度を昭和48年に導入いたしまして、その後対象年齢の拡大を経て、現在は入院は6歳未満まで、通院は4歳未満までを対象に実施しております。
本年10月からの医療制度改正におきまして、少子化対策として3歳未満児の医療費負担の割合が、入院、通院を問わず3割から2割に引き下げられました。
乳幼児医療費制度は、乳幼児の保護者が負担した医療費全額を助成する制度でありますが、この改正によりまして、年間でおよそ3,400万円ほどの助成額の減少が見込まれております。しかし、江別市の場合は通院に係る対象年齢を昨年4月から1歳引き上げて、4歳未満児までを対象としているところでありますので、直ちにこの年齢を拡大するということは、今のところ考えておりません。
また、所得制限の撤廃というようなこともちょっとお話があったかと思いますけれども、乳幼児医療費に係る所得制限は13年10月から市が実施しているものでありまして、すべての乳幼児を対象にするものではなくて、13年4月1日以降に出生した乳幼児を対象に児童手当の所得基準を適用しております。国や道の各種手当におきましても、この所得制限が導入されていることなども考えますと、この所得制限については存続したいと考えておりますので、ひとつご理解をいただきたいと思います。
福祉問題につきまして私の答弁が漏れておりましたら、所管部長からいたします。
以上であります。
総務部長(小玉隆君)
所管事項につきましてお答え申し上げます。
まず、入札・契約制度についてでございますが、これまで透明性、競争性あるいは公平性の確保を図るために、多様な入札方式といたしまして、一般競争入札の拡大あるいは公募型指名競争入札の本格実施、また不正な行為を防止する効果や競争性、透明性の観点を重視した予定価格の事前公表の実施、さらにはこの11月から実施した最低制限価格制度から低入札価格調査制度への移行など、より競争性が働く入札・契約制度の改善に努めてきたところでございます。
平成14年度11月現在の土木・建築工事を合わせました落札率を見ますと94.99%でございまして、これは予定価格の事前公表をする前年の平成11年度の落札率98.62%と比較いたしますと、3.63ポイント低下したところでございます。
現在、より競争性が働くよう新しい入札方式として、地域性を考慮する中で一定の資格要件を満たせば参加できるような入札方式を検討しているところでございます。また、実施をいたしました低入札価格調査制度にも、より競争性が働くことを期待しているところでございます。
次に、高金利の地方債の借換えについてのご質問がございました。
地方債には、政府資金、公庫資金、民間の金融機関の縁故債ということがございますけれども、まず、政府資金につきましては、現在借換えの制度がありません。過去に行われました繰上償還も臨時特例措置としての起債制限比率が15%を超える団体、平成13年度江別市においては11.9%でございますが、この15%を超える団体について個別的、限定的に行われた経緯がございます。
また、公庫資金につきましては、平成12年度単年度の臨時特例借換債の借入れによりまして7.2%から8.1%の利率の3億2,190万円の起債について、1.95%に引き下げております。
また、民間金融機関の縁故債につきましては、過去に金融機関と協議の上、条件を改定し、利率を引き下げた経緯がございますが、現在残っている縁故債のうち、5%を超える高い利率の縁故債につきましては、そのほとんどが証券発行分でございまして、昨年来金融機関と協議いたしておりますけれども、事実上繰上償還が極めて困難な状況にございます。
したがいまして、今後は起債ばかりではなく債務負担行為等も含めまして、基金の運用等も視野に入れながら効率的な財政運営に努めてまいりたい、このように考えております。
次に、基金の活用についてのご質問がございましたが、それぞれの基金には目的がございまして、その目的の範囲内でこれを活用すると、こういうふうにされておりまして、さらにその支消に際しましては、予算に計上することによって議会の審議をいただくこととされております。
また、一方、基金は有効に活用されて初めてその目的を達成することができるものでございまして、単に基金として保有されているだけではその趣旨が生かされないものでございますので、こうした一定の規律の下で可能な限り各基金の機動的な活用を図ると同時に、基金の保全にも意を用いてまいりたいと、このように考えております。
それから、補助金等に関連して予算削減についてのご質問がございましたが、平成14年度予算編成では、交付税制度の変更により大きく財源不足が見込まれましたことから、事務事業の見直し及び補助金、特定課題についての見直しを行ったところでございます。
また、平成15年度は総務省の要求ベースの平成15年度地方債計画では、赤字地方債を除く実質ベースで、対前年度6.4%の減、また交付税については、市町村に配分される出口ベースで対前年度4.8%の減、これを江別市に置き換えますと約6億円の減額となっております。
地方財政計画は、年末に向けて財務省と総務省の折衝を経て策定されることになりますが、現段階では地方単独事業につきましては、対前年度で5%から7%の減額、さらに収入面では固定資産税の減額、特別土地保有税の廃止が見込まれております。こうした国の動きを受けまして、本市におきましても15年度には約7億円の財源不足が見込まれまして、経常費、臨時費とも削減が必要とされるものでございます。
したがいまして、15年度予算編成方針において、特定の節及び細節で削減指示額を算出し、各所管に通知したところでございます。
また、当該削減指示額は、該当する節及び細節のみで削減しなければならないものではなくて、広く事務事業の見直し、あるいは再構築によって達成すべきこととしておりまして、各施設の必要経費の見積りなどにおいては、安易に一律カットによることなく、市民の利用に支障を来さない形での予算要求となるよう指示したところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。
以上です。