平成14年第3回江別市議会会議録(第5号)平成14年9月25日 7ページ
6 議事次第の続き
議案第66号
立石静夫君
議案第66号 損害賠償の額の決定について、討論に参加いたします。
この事件は、全く不可解な事件であると思うわけでありますが、議会や市民に対し、事件の全容について十分に理解できる説明がなされていないことが、大きな問題となっていると思います。
春の3月定例会で問題となり、まだ解決しておりませんが、医師住宅借上問題に引き続き、同じように問題提起されているものと解釈できます。このことは、行政自体が今何をしているのか、何をしなければならないのか、整理また判断がつかないままに進行している状況と考えられます。
問題となっておりますホテルでありますが、このホテルが建築された場合、テナントとして参入予定している業者のマーケット調査費用等を行政が支払うなどについては、全く考えられないことであります。ましてや、当行政とテナント業者間においては、そのような契約書を交わしてもいなく、テナント業者からも請求がないといった状況であります。もしテナント業者から請求があったとしても、行政としては市民のための税金を1円でも支払はしないとする努力と態度が必要ではないかと思います。
このような行政の開発的箱物事業にかかわっての問題は、バブル時代に頻繁に起き、裁判ざたになった事例も数多くあると伺っているものですが、そのころより特に書面主義といったことが重要視され、覚書また確認書等についても裁判上それほど有利な証拠資料にはならなく、あくまでも内容に不備のない契約書、また正式な形の和解書等でなければ話合いにならないと認識をしていたところであります。まして、口約束していたなどと今になって言ったところで、当初より決め事などは何もなかったと言っているのと同然と思うわけであります。
現在、予算上では、ご承知のとおりホテル建設費等は計上されていなく、議会また行政においては再開発に向けて思案中といえます。そんな中で、建設費20億円ほどのホテル建設に向かわせようとさせているのが、テナントとして入居予定をしている企業が独自に調査したとして提出している収支計画書であります。
その内容は、年間売上げ8億円、粗利益1億円が見込めるものとなっているわけですが、年中無休にして 1日220万円の売上げが必要。その一例として申し上げるわけですが、毎日平均80人の宿泊客と、1人の料金4,000円ほどの会合で毎日平均400人の人がホテルを利用しなければ、この収支計画は成り立たないことになります。
この収支計画書は、テナントに入る業者が行政に提出しているものですが、行政としては、この収支計画が成り立つものか成り立たないものか、当初より全く判断ができていないとしているものです。今日に至ってもそのように見受けるところでありますが、しかし、行政も理解し難いこの収支計画の内容について、判断しているのが銀行であると思うわけです。
銀行は、慈善団体ではありませんので、意味なく融資はしません。互いに利益を追求できる間違いない事業計画、収支計画には企業、団体、個人等に対して融資をしてくるのが、通常一般的に考えられるところであります。行政がかかわっての信託方式事業が認知されないことは、ホテル事業並びに収支計画の内容に対して疑問点が多々あるのではないかと私は思います。
この収支計画を見せていただいてから江別市内企業関係者40名ほどに伺ってみましたが、ほとんどの方が全く無理な収支計画であると即座に返答されます。
今回、テナント業者から提出のあった収支計画書をもって行政が思案中に、その業者がテナント参入に対し白紙撤回した行為は、自ら作成した事業推進の核となっている収支計画書を確たる理由なく撤回した形となっているもので、大きな問題を発生させているものと考えられるわけです。
そういった最悪の事態とするならば、行政が信頼し、パートナーとしているテナント業者にも、事業推進にかかわっては重大な責任があると言って間違いないものと思うわけです。そういった形の中で、行政は業者に対して迷惑をかけたとしていることは、大きな疑問となっております。
ただ、テナント業者が現時点で白紙撤回したことは、さらなる将来的な不安が解消されたことにもつながると思います。契約書もなく事業は進み、ホテルの建設費20億円ほどが予算計上され、ホテルが完成した後、テナント業者が参入を理由なく断念しても特に問題はないと思うわけで、その後、予定している家賃を支払い、参入するテナント業者もいないとなれば、重大な問題を発生するところではなかったかなと思います。
また、これもバブル時代によく聞いた話でありますが、民間企業が箱物建設のために提出する収支計画書に振り回され、挙げ句に建設をしてしまい、今日大変な事態を招いている自治体も数多いと伺うところであって、商いにかかわっては民間企業に任し、行政が直接タッチしないことが基本的ではないかと考えるところであります。
ホテル建設計画推進中とはいえ、資金の調達や融資のめどが立たない時点の事業は、夢を語っているだけのことであって、このたびのホテル事業は何一つ成立していないと考えるところであります。こういった状況の中で、契約書など書いたものは何もなく、ホテル経営は難しいとして業者がテナントからおりただけの単純な問題であるが、その業者に対してお金をあげたいとしていることは全く理解し難いものです。
十分な説明はなく、何がどうなっているのか、よく分からない事件でありますが、問題を解決する手段や形はほかに幾らでもあると思います。知恵や努力なくして、最終的な手段である金で解決するといった形を唐突的に提案していることに対し、賛成することはできませんし、また事件の違法性についても、委員会審議においては全く触れていなかったものであります。
以上のことから、委員長報告に対しましては反対の立場を表明して討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
齊藤佐知子君
議案第66号 損害賠償の額の決定について、委員長報告のとおり、原案のとおり賛成の立場で討論に参加いたします。
このたび損害賠償額の決定について、委員会審議においても多くの議論がございました。
江別駅周辺市街地再開発事業は、当初進めてきた公有地信託方式が金融機関を巡る社会情勢の変化で退去を余儀なくされました。次善の策としての振興公社方式を選択肢として進んできましたが、最終的に市長の政治判断に伴い断念したわけであります。
損害賠償の責任を考えるとき、委員会論議もありましたが、2点あると考えます。一つとして、同計画の拠点施設としてのホテル機能の参加は、当市が2社の中から株式会社スコットサービスを選定し、参画を依頼した経緯があること。二つ目として、企業側が本来予定していたスケジュール等に見通しが立たなくなり、結果として計画への参加を断念することとなったと考えます。
以上のことから、公社方式の断念は、一方的に市側が信頼関係を崩したことによる責任があると考えざるを得ません。
そこで、損害賠償額の算定の根拠ですが、顧問弁護士の助言によりますと、市場調査及び計画策定に要した費用は、全額補てんが相当であるようであります。また、開業準備等にかかった費用に関しては、誠意を持って対応するとの発言もあり、同費用の3分の1を補てんしようとするものです。協議の結果、費用総額の2分の1での双方合意をしたものであります。
今回提案された議案の根拠は、地方自治法第96条第13号に基づき、裁判によるもの以外の損害賠償の額を定める事項に当たるもので、議会の議決を要するものと定めております。ですから、当損害賠償は、当事者間の双方合意に基づく民法上の契約行為ととらえるべきと考えます。委員会論議においても、裁判で争うべきとの議論はありませんでした。
公的に必要な調査については、本来、あらかじめ予算措置をし、委託契約を行った上で調査を実施すべきものであります。予算措置もせず、何ら書面による契約も交わさずに事実上の委託契約を実施している点は、医師住宅の過去の事例もあり、強く反省を求めるものであります。
本来、正式に公費負担で委託契約を行うべきであり、当然その実費については補てんすべきであります。その観点が賠償の根拠となっているものと私どもは考えております。
このたびの当事者間の合意結果は、要するに半々の痛み分けであります。裁判によらない以上は、当事者間の合意形成を図ることが最も通常の手法であり、責任の度合いに関する判断もありますが、顧問弁護士と相談している経緯もあり、少なからず不満は残りますが、原案に賛成するものであります。
最後に、今後に向けた十分な反省と適切な対処を求めるとともに、また、地元商店街の方々等の真剣な努力もあることから、江別駅周辺市街地再開発事業の円滑な推進に向け最大限の努力を期待し、賛成討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
森好勇君
議案第66号 損害賠償の額の決定について、反対する立場で討論に参加いたします。
平成8年、市の依頼により土地開発公社が取得するわけですが、高度経済成長のバブルのときは、時間をかけていたら地価の高騰や、また、民間企業による先買いをされたら、まちづくりに影響するので、市に成り代わって公社が取得すると理解していますが、低成長、長期不況の下、地価は連続して下落し、特に商業地域の下落幅が大きくなっています。このような経済状況での土地取得については、開発計画、開発手法、財政負担等、周到な準備をしてから慎重に取得すべきであります。
国鉄清算事業団用地取得後、母町活性化の施策として、ホテル、商業、業務機能を有する施設建設の青写真を描きましたが、ホテル建設については、開発手法の変更により取りやめることになったキャンセル代として、相手企業に損害を与えたので、賠償金として787万5,000円を支払うという内容です。
議会で損害賠償というと、交通事故の専決処分の報告がありますが、今回の件はそれとは相当異なる内容です。それは、市長の施策変更ということでの損害賠償で、全国的にも珍しいケースであります。それゆえに、公金の支出は厳密に行われるべきで、支出根拠にあいまいさがあっては納税者は納得しません。
行政側として企業に損害を与えたのは事実でありますが、委員会での担当課長による説明によると、補てん額の目安として開業準備室費用の3分の1、開業準備室職員費の3分の1、市場調査費は100%とのことですが、それを合計すると885万円になります。双方話し合って、総費用1,575万円の2分の1にしたとの報告でありました。このような算出は合理的な根拠に欠け、非科学的と言わざるを得ません。交通事故のように責任割合がルール化されているのとは異なる今回の件は、司法を通じて決定されることが本筋であると考えます。
今回のホテル計画を取りやめた問題は、市側の、行政側の性急さが裏付けなしに走り出した結果で、市長の責任は大きいものがあります。損害賠償というならば、住民が納得する手法の手続を経て支出すべきことを述べて、反対討論といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
坂本和雄君
議案第66号 損害賠償の額の決定について、委員長報告のとおり、賛成の立場で討論に参加します。
江別駅周辺地区市街地再開発事業は、衰退していく江別の母町である条丁目の方々の長年の悲願であります。
平成5年度に地元商店街と自治会で組織された江別市街地近代化促進市民会議が、国鉄清算事業団JR江別駅東側用地の活用に関する要望書を提出されたことから、市は平成8年に商工会議所や関係団体、市民会議との協議を経て、再開発事業における活性化拠点施設の建設を構想し、事業実施のための様々な手法を検討してきました。
平成13年10月に市長は、社会経済情勢などの理由から江別振興公社を施行主体とすることを断念されましたが、今後のリスクを勘案すると、この決断には一定の評価をするものであります。
しかし、このことによって、株式会社スコットサービスは事業への参画を取りやめたのでありますが、市がスコットサービスを選定してきた経緯や、市の計画に基づいてスコットサービスがいろいろの調査事業を行ってきたことなど、事業推進のパートナー関係にありながら、市側の一方的な理由により進出計画を断念するに至らしめ、結果として与えた損害に誠意を持って道義的に対応しようとする市の姿勢は理解できるものであります。顧問弁護士のご見解も、そうであったと伺っております。
さて、市長は、市民との協働で行政を進めることを3月定例会で決意を表明されたことから、これからますます民間の活力の導入や委託による事業手法が増大し、より一層のスピード化を求められると思いますが、急ぐ余り事務処理に甘さがあってはなりません。
優れた洞察力、優れた知恵、優れた行動力のある市長を初めとする職員の皆様に、市民は大きな期待を寄せているものです。このような事故は、二度とあってはなりません。市長は、再発防止に向け、施策の変更や中止は今後も起きると思うが、今回の事故を教訓とし、従前にも増して議会に諮り、関係者と十分協議してまいりたいと決意されていることから、施行主体を民間主導で進めている江別駅周辺地区再開発事業の実現に全力を傾注していただき、素晴らしいまちづくりができることを願い、議案第66号に賛成の討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
赤坂伸一君
議案第66号 損害賠償の額の決定について、賛成の立場で討論に参加をいたします。
今回の株式会社スコットサービスに対する損害賠償額の件につきましては、当然、自治法第96条第13号に基づき、その義務に属する額を決定しようとするものであり、義務そのものが明らかになってきたところであります。
特に、判決により確定した損害賠償の額は、議会の議決を要する必要がないとの解説もあることから、裁判で争うのは好ましくないとの意思が、当時の助役による誠意を持って対応するとする中身と理解するものであります。
審査の過程の中では、江別駅周辺地区市街地再開発事業の見直しに基づき、当該企業が市場調査などのために要した経費の一部について補てんしようとするものです。江別駅前再開発については長年の懸案事項であり、江別地区の商業の活性化を図るため、拠点施設として、ホテル機能、商業機能、業務機能からなる総合施設の建設を、市が施行主体となり、株式会社江別振興公社による開発を推進してきたところであります。
特に、ホテル機能については、平成11年11月、2社からの参画意向があり、面談等により株式会社スコットサービスを選定し、平成12年1月に出店参画の申入れを受けて、市として計画予定地への進出を要請してきたものであります。
以来、スコットサービスとしては、開設準備に必要な体制の整備、市場調査を実施するとともに、施策計画の策定を進め、当市としても、これら資料を上部機関への説明などに活用してきたとのことであります。
しかし、昨年12月の駅周辺再開発調査特別委員会において、市長から、今日の国の動向や社会情勢から見て、この計画を断念せざるを得ないとの見解が示されました。特別委員会は、満場一致でこれを了承し、確認したものであります。
したがって、この時点で委員から、白紙に戻したことによる企業からの違約金の要求の有無について質問されましたが、その際は誠意を持って対応したい旨、当時の助役から発言があったところです。
今回の件について、スコットサービス側は損害賠償要求をせず、双方誠意を持って話し合った結果であり、スコットサービスが示してきた開発に要した経費1,575万円については、市側としても十分精査したものであり、妥当な額であります。
また、市の顧問弁護士からも、この種の判例など教示をいただき、慎重に検討し、当市の賠償額については、市場調査や計画策定に要した経費について100%の補償を、開設準備室等のその人件費については3分の1とし、合計885万円と算定し、誠意を持って折衝に当たってきたことが明らかとなりました。
最終的に双方が和解した額は、全体の2分の1である787万5,000円の損害の補てんとなったものであります。したがって、今回の措置については十分了承できるものであり、議会や市民に十分説明がなされていないとすることには、その立場には立てないものであります。よって、この判断について賛成するものであります。
なお、市長が理事者質疑の中で述べているように、今後このような事態については、二度と生じないよう慎重な対応が望まれますので、これを教訓として十分な対策を講ずるよう強く要望し、賛成討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
稲垣良平君
議案第66号 損害賠償の額の決定についてに関し、反対の立場で討論に参加いたします。
平成13年10月に市はホテル計画を断念して、スコットサービスに通知、スコットサービスは出店計画の白紙化を表明したという経過の説明を受けておりますが、私はその約1年前、12年の第4回定例会でこの問題を取り上げて質問をさせていただきました。
そのときに、公有地信託を検討しておった信託銀行の役員にも話を伺いました。その役員の話は、当初想定していたホテル進出業者とは経営形態を異にする不安定なホテル事業者の進出意向を伺っていると。その計画についてはきぐしておったというふうなお話を伺いました。
また、ホテル開発、再開発の取り組みを市では進めておりましたけれども、それに関しても所管庁では、この事業というのは、経済性というものを最重要視して、その事業の可能性を判断しておりますと。ついては、極めて厳しいというふうな意向を伺っておりました。そういう状況でありました。
そして、私はこの質問のときに、このホテル計画事業というものを構想した計画自体で、ホテルの必要性というものはほとんど説明しきれていない、そういう報告書になっているということをご指摘いたしました。そのときに市長は、そうかもしれないけれども、滝川だとかという例を挙げて、そこではやっていると、全然というお話もありました。私は、そういうのは全然条件が違いますと申し上げました。
併せて、公社が事業主体になることについて、その危険性、この可能性がほとんどないということを、札幌市の例と比較してご指摘いたしました。だけれども、公社を主体にしてやっていくことを検討しますと、引き続きやっていきます、検討しますというふうなそのときのご返事でした、ご答弁でした。ところが、13年10月に断念を通知する、白紙化をするというふうなことに、結果は事至っております。
私は、これまでかかわってきたのは、この計画というものは根本的に見直しをする必要があるという立場でした。その意味からは、ホテル計画を白紙化するというのは当然のことであり、私の立場から言えば、今進めようとしていることに関しても、根本的な再評価、見直しというものが必要であろうというふうに思っております。ですから、13年10月に見直しをしたということについては、何ら異論はない。
ところが、その始末として、この財政状況の中、私は財政状況は1回置いておいてもいいと思います。その後始末として損害賠償をするというふうな処理の仕方については、極めて大きな疑問がある。
すなわち、先ほど自治法の読み方について話がありました。確かに第96条第1項第13号に書いてある。しかし、その場合の例外として、裁判によった場合には議決は要しない。これは裏を返せば、もし議決をする場合、その審議に当たっては、裁判に匹敵するような厳密な綿密な違法性についての議論が必要ですということを裏で言っているんです。そういうことを考えると、この違法性の把握について明確なものは示されていなかったのではないかというふうに思います。
先ほどの委員長報告で、判例というものについては、直接ではなくて、参考にするんだというふうな言い回しの理事者答弁があったというふうに報告がありましたが、特別委員会を設置する前の段階での委員会への報告では、郡山あるいは沖縄の宜野座村の判例を根拠として説明してきているではないですか。
郡山では、10年間、昭和50年の都市計画決定、もうオーソライズされてしまっている、都市計画決定されている、そういう計画にもかかわらず、新しい市長が当選して変更した、施策を見直した。その場合も、社会情勢の変化によって、そういうふうな計画というのは変更ということはあり得るんだということ、要するに行政の裁量権というものを非常に重要視していた。
そして、その損害については、社会通念上極めて大きい、積極的な損害以外は認めないという判決。結局は、その賠償請求というのは棄却されているんです。その間で郡山市の市長は、要するに行政の裁量権、物事を見直して、時代に合わせて見直して進んでいく行政、その必要性というものを一生懸命訴えてきた。その結果が、そういうふうな判決になったわけです。
宜野座村では、確かに当初は1億円程度の損害賠償に対して、最終的には二、三千万円の賠償になったわけです。その場合は、積極的な損害というもの、違法に行ったことに関連して積極的な損害、それを詳細に認定する行為というものがなされて、そういう結論になった。極めて限定的なんです、損害賠償というのは。
そういうふうな判例からすると、私は、この損害賠償をするという必要性というものは、ほとんど見いだせないというふうに思います。それが一つです。
それから、いかにもおかしいと思います。市の公金700万円を超える、これを支出する、損害賠償として。要するに、行政として間違ったことをして相手に迷惑をかけた、違法性ということで。だから、700万円を超える金額を払うんです。そうしたら、そこに発生する行政責任というのはあるはずです、極めて大きな。まずそれを明らかにしないで、先に公金の支出だけを決めてしまう、そういうおかしいことは断じて私は認められるものではないというふうに思います。
さらに、先ほど申し上げましたように、施策あるいは事業というものは時代の変遷によって、環境によって変わっていく、そのことはしかるべきです。ましてや、こういう大きな時代の変化、財政状況の変化のときには、そういうことの必然というのは従来にも増して高まってきます。そうすると、そのことに対応する行政としてのしっかりとした立場というもの、見識というものを持たないと、おかしくなってしまいます。そういうことを見越して、例えば郡山の市長はしっかりと対応なさった。
環境経済委員会のやりとりを読ませていただいている中で、では、要するに裁判をやって払わなかった例はないのかという質問をなさった委員がおられる。それに対して、最終的には把握できません、していませんという答弁がなされている。そういうのは把握されない、要するに当たり前のことなんです。
宜野座村のように、損害賠償をするということは極めて異例なことなんです。異例なことなんです。だから、自治法でも、第96条第13号でもやっているのは、議決するということは、行政として損害賠償をするなんていうことは極めて異例なことなんです。だから、極めてこれを慎重に扱わなければならんし、私が言いたいのは、そういう法に基づいて議案として出すということについては、極めて責任が重い重要なことなんだということを申し上げたい。かつ、それに対応する、重要なことに対応する考え方というものが、私は十分ではない、的を射ていないというふうに感じます。
以上、反対の立場、意見を表明して討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第66号を起立により採決いたします。
議案第66号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。