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平成14年第3回江別市議会会議録(第5号)平成14年9月25日 6ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

議案第66号

議長(五十嵐忠男君)

 日程第14 議案第66号 損害賠償の額の決定についてを議題といたします。
 環境経済常任委員長の報告を求めます。

環境経済常任委員長(坂下博幸君)

 ただいま議題となりました議案第66号 損害賠償の額の決定について、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
 委員会の開催日は、付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
 担当部局に補てん額の算出内訳に関する資料の提出を求めて質疑を交わしておりますが、理事者質疑や討論の内容との重複を避け、その概要を申し上げます。
 まず、支払理由等の説明では、市の計画に対し参画の意思を示した2社から市が1社を選定したこと。方針の変更を伝えたときに、市側から要した経費については誠意を持って対応すると申し出たこと。昨年12月、駅周辺再開発調査特別委員会において、市としての責任ある対応という答弁をしたことの3点が主であり、判例については、あくまでも参考としたものであるとのことであります。
 また、市場調査及び計画策定に要した費用については、市の計画に基づき出店のために必要な調査を実施し、事業費や施設規模など全体計画に必要な宿泊施設の計画を策定していただいたことから、費用弁償の性格もあるので全額補てんすることとしたもので、開業準備室に要した経費と開業準備室職員人件費については、一般の営業活動の範ちゅうとも考えられるが、スコットサービスに誠意を持って対応すると申し上げてきた経緯と、実質的に当市への進出のために要した経費として、その3分の1を補てんすることとし、協議調整の結果、費用総額の2分の1で双方合意したものとのことであります。
 また、開業準備室の貸室賃貸契約書、職員の給与にかかわる源泉徴収票、調査・計画にかかわる領収書等は、事務所に行って確認したとのことであります。
 参考とした判例は今回の事例の根拠にはならないのではないかとの質疑があり、答弁では、地方公共団体が定めた一定内容の継続的な施策において、勧誘等に基づいて準備活動に入った者とは、契約が締結されたものとは認められない場合にあっても、信義衡平の原則に照らし、その施策の変更に当たっては、かかる信頼に対して法的保護が与えられなければならない。
 施策が変更されることにより、準備活動等に入った者が社会観念上、看過することのできない積極的損害を被る場合には、地方公共団体において損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむを得ない客観的事情によるのでない限り違法性を帯びるとしている判例だが、今回の場合は、裁判で争っているのではなくて、その判例の精神を参考にしたとの答弁であります。
 市場調査は営利追求のための営業経費であり、市が責任を持つ必要があるのかの質疑には、地方都市にとってコミュニティホテルを一種のインフラ整備的なものに位置付け、市の計画に沿った形で依頼してきた経緯から、単に営利の追求だけではない部分があり、市にも相応の責任があるという答弁であります。
 同様の事例については今後慎重に対応すべきとの質疑に対しては、事務処理に甘さがあったことについては反省しており、大変申し訳ないと考えている。今回のことを十分教訓にし、今後進める上で肝に銘じ、こういうことを二度と起こさないような心構えで業務に当たっていきたいとの決意が述べられております。
 以上の部局質疑を経て理事者質疑を行っておりますので、その概要を申し上げます。
 まず、書面による契約がないまま進めてきた責任についてどう考えているのか、白紙に戻す話はホテル側からではないかという質疑であります。
 答弁では、江別駅周辺地区市街地再開発事業は、地区全体のまちづくりを推進し、地域の活性化を図るために、拠点施設としてホテル機能、商業機能、業務機能からなる複合施設の建設を検討してきたものである。
 ホテルについては、平成11年11月に2社から参画の意向があり、面談等により株式会社スコットサービスを選定し、平成12年1月に同社からの出店参画の申入れを受けて江別市の計画予定地への進出を要請し、同社も開業準備に必要な市場調査を鋭意実施し、施設計画の策定を進めてきた。
 この間、双方の信頼関係に基づいて、種々の計画やスケジュールなど一連の流れの中で進めてきたが、開発主体の検討過程において、リスク回避を踏まえ、最終的に振興公社による開発を断念した。信頼関係の中にあって、行政側の一方的な理由に起因して見通しが立たなくなったと判断され、進出を断念するような機運を作ったので、行政側にも道義的な補てんの責任があると考える。
 当該事業については、その後検討してきた民間主導での開発に方向性が見えてきており、計画達成に向けて全力を尽くすことが最大の責務と考えているとの答弁であります。
 また、市場調査によるホテルの計画内容は稼働率等を過大評価していたのではないか、計画自体に甘さがあり、ホテル側にも責任があるのではないかとの質疑には、計画内容でホテルを断念したのではなく、当初進めてきた公有地信託方式が、金融機関を巡る大きな社会情勢の変化の中で、銀行の撤退により駄目になり、次善の策として振興公社方式を一つの選択肢として可能性を探ってきたが、総合的な政治判断から振興公社を事業主体とすることを断念したものである。
 ホテル側が出した計画については、融資には金融機関の審査も受ける必要もあり、実際に市内のイベント調査等を行い、収益を十分計算した上で参画したものと受け止めているとの答弁であります。
 2点目は、再発防止の対応に関する決意についてであります。今後ますます市民との協働や民間活力の活用を推進する中で、反省の上に立ち、問題を解決して対処すべきというものであります。
 答弁では、市が行う施策は各分野で多岐にわたり、しかも、長期にわたる場合も多々あるため、社会情勢の変動や財政状況、住民の意思などに基づいて施策の変更や中止は今後も起こり得るので、委員会における指摘や意見を尊重するとともに、従前にも増して議会に諮り、関係者と十分協議し進めてまいりたい。
 また、PFIや民間活力の活用に当たっては、口約束ではなく、責任の所在が分かる対応が必要との質疑には、非常に厳しい時代であり、予定どおりにいかない場合もあり得るので、対応と責任については今回のことを教訓にして検討する必要があり、ご指摘を参考にさせていただきたいとの答弁であります。
 次に、討論の状況でありますが、反対の立場の委員からは、判例は、計画内容の変更は、やむを得ない客観的事情によるものでない限り、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不法行為責任を生ぜしめるとしたものである。
 しかし、市が江別振興公社を事業主体とする方式を断念した時点では、三つの拠点施設機能を断念したものではなく、ホテルについても可能性は残されており、当該企業が参画を白紙に戻したことは自らの判断によるものである。公社方式の断念は、やむを得ない客観的事情によるもので、市に損害賠償の責任はない。
 また、別の観点からだが、江別駅周辺市街地再開発事業の拠点施設は、ホテルを中心的に位置付けていたにもかかわらず、相手方と正式な契約や覚書を取り交わしていない。このような行政の進め方は、市民に対する説明責任の放棄であり、極めて異常な手法と言わざるを得ない。
 市長は、政策は各分野で長期にわたるため、その間の社会情勢の変化などで政策が変更、中止になることは起こり得ると述べられたが、事業の施行主体が短期のうちに猫の目のごとく次々と変わっており、社会情勢の変化や長期であったとは言えない。
 開発を推進する方向で、経済的な観点に立つことなく、進出企業の調査内容を過大評価するなど、ホテルに関する計画策定に見通しの甘さがあったと指摘せざるを得ず、市からの要請があったにせよ、営利目的の進出であり、企業としての市場調査は当然営業活動の範ちゅうで、企業側が負担すべきものである。
 市が厳しい財政事情を市民に説明し、最小の経費で最大の行政を目指していることを考慮すれば、補てんは市民の行政不信の増大と市職員の士気の低下を招くもので、江別市の不名誉な歴史の1ページとなり、今後における行政事業の進め方にも波紋を広げることになる。
 再発防止に向け、市民に対する説明責任を一層重視する必要があり、今後、早急にルール化していくべきである。
 賛成の立場の委員からは、江別駅周辺地区市街地再開発事業は、長年の間、衰退していく条丁目地区住民の悲願であった。
 商工会議所や関係団体、市民会議の協議を経て、再開発事業の活性化拠点施設建設に様々な手法を検討してきたが、民の得意とする分野を振興公社が事業主体となって運用することは、社会情勢などを勘案すると大きなリスクを背負うことから、市長が振興公社を事業主体としない決断をしたことについては一定の評価をせざるを得ない。
 事業推進のパートナーであった株式会社スコットサービスとは信頼関係にありながら、事業を中断したことにより、やむを得ず損害を与えたことについて、行政側は道義的にも賠償することになるだろうし、当市の顧問弁護士の見解もそうだったと聞いている。
 市長は、市民との協働で行政を進めると表明されており、PFIを初め民間活力の導入によって事業手法がスピード化を求められているとき、詰めの甘さによるこのような事故はあってはならない。
 優れた洞察、優れた知恵、優れた行動力のある職員に大きく期待を寄せているのである。
 今、民間活力で進められている駅周辺再開発事業の実現に全力を傾注するとともに、素晴らしいまちづくりができることを願い、貴い市民の税金が結果として形となって現れず、誠に残念であるが、今回の経験を含めて、事前に議会とも諮って協議したいとの市長の発言もあったことから、これを教訓に今後慎重に事を進められ、二度と発生しないように期待し、賛成する。
 以上の討論を経て採決の結果、議案第66号は多数をもって原案のとおり可決すべきものとの結論に至ったものであります。
 以上申し上げまして、審査報告といたします。

議長(五十嵐忠男君)

 これより環境経済常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。

稲垣良平君

 ただいまの委員長報告に若干質疑をさせていただきたいと思います。
 あらかじめお断りしますが、委員長を責めようという考えは持っておりません。
 江別駅前のホテルの計画、これがとんざしていると。それには、いろいろな原因があります。しかし、その責任を明らかにすることなく、市民の公金によって、その責任を横に置こうと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ご承知のとおり、今回議案として提案された第66号の損害賠償の決定は、地方自治法の第96条第1項に基づく議決の要求ではありません。では、それはどういうふうに議会で考えなければならないのか。その第1項の13番目に、法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること、それを議決することが求められている。要するに、法律上義務が属するんです。
 では、それは具体的に言えばどういうことなのかと。この自治法の解説書によると、国家賠償法の規定によって賠償義務を負うような場合とされている。では、国家賠償法にはどう書いてあるのか。国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に、違法にです、他人に損害を与えたときとされています。
 すなわち、今回この損害賠償の額を定めるという議案の判断というものは違法性があるのかどうか、そして、その違法性はどの程度なんだという議論というものが中心的に行われた上で、結論が導かれるという必要性があったかと思います。
 ついては、委員長にお伺いします。第1点目、損害賠償に至る違法性について、提案者、理事者から明らかにする説明がなされたとお受け止めになったかどうか、お伺いをいたします。
 以下の質疑は、答弁をいただいてから順次行いたいと思います。

環境経済常任委員長(坂下博幸君)

 私、委員長は、自己の意見を述べる立場にはございませんけれども、委員会議論の中には違法性という言葉を使った議論はございませんでした。
 以上です。

稲垣良平君

 違法性に関する議論というものはなかったということでありますけれども、そうすると、額というものは、その違法性に基づいて、その違法性の程度について判断がなされるわけです。であってみれば、この額について妥当とする議論というものについて、そのレベルについてどのような議論があったか、お聞かせいただきたいと思います。

環境経済常任委員長(坂下博幸君)

 当委員会では、違法性の度合いという議論はございません。相手に損害の有り無しについて議論がございました。
 以上です。

稲垣良平君

 大体分かってきました。
 最後に、もう1点だけお伺いします。
 仮に、委員会の多数の意見として、今回提案されている損害賠償額を妥当とするというふうに動いていくとしても、事ここに至った、至っている行政上の責任というのは、先ほど委員長から報告があった中にも含まれていましたけれども、極めて重いと思います。その責任を明らかにするのが当然というふうに思いますし、議会に損害賠償の議決を求める前に、その責任というのは明らかにするのが普通だろうと思います。
 先ほど、委員長は個人的な見解だというふうにお話ございましたけれども、できれば率直な感想、思いをお聞かせいただければと思います。
 以上。

環境経済常任委員長(坂下博幸君)

 先ほどもお答えいたしましたが、私の個人の意見を述べる立場にはございません。
 以上でございます。

議長(五十嵐忠男君)

 ほかに質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって質疑を終結いたします。
 (「議長、議事進行」の声あり)

高間専造君

 ただいま坂下委員長に対しまして、第66号に対して稲垣議員のご質疑がありました。その中で、冒頭、この議案につきまして、議会が巻き込まれているという表現をされました。これは大変な不規則な発言でございます。なぜならば、我々議会は、この議案が正式な形の中で議題として供されたわけでございます。委員長を初め環境経済委員の方々は、誠心誠意この議案に対して精査をさせていただきました。そのような議会の審議の姿を、議会が巻き込まれているという不規則発言は許されません。議長において、この発言に対しての削除をお願いいたします。
 以上。

議長(五十嵐忠男君)

 議事の途中でありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。
 暫時休憩いたします。

午後3時17分 休憩
午後4時25分 再開

議長(五十嵐忠男君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、当職よりご報告申し上げます。
 休憩前における高間議員からの議事進行発言について、議事録を精査いたしました結果、先ほどの環境経済常任委員長に対する稲垣議員の質疑中、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上の部分は、会議規則第48条第3項に規定する、議員は、質疑に当たっては、自己の意見を述べることができないとの禁止規定に抵触すると判断いたしますので、議長の職権において削除いたします。
 議事を続行いたします。
 これより議案第66号 損害賠償の額の決定についてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

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