平成14年第3回江別市議会会議録(第5号)平成14年9月25日 5ページ
6 議事次第の続き
議案第60号
議長(五十嵐忠男君)
日程第12 議案第60号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
厚生常任委員長の報告を求めます。
厚生常任委員長(鈴木真由美君)
ただいま議題となりました議案第60号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
今回の条例改正の趣旨は、厚生労働大臣が対象外として定める患者を除き、入院期間が180日を超える入院患者に対して、入院基本料の15%分を新たに長期入院選定療養費として患者本人から徴収しようとするものであります。
委員会における審査内容は、討論に反映されておりますので、その概要を申し上げます。
反対の立場の委員からは、いわゆる社会的入院は、患者本人の選択ではなしに、そうせざるを得ない状況に置かれており、市内には特別養護老人ホームへの入所待機者が5月末時点で245名おり、うち病院に入院している方が29名ということである。
社会的入院の解消を図るためには、介護や福祉などの総合的な対応策が具体的にとられることを前提に、介護保険制度の基盤整備の充実がさらに図られる必要がある。
今回の条例改正案は、そのような問題を解決しないまま患者に負担増を強いることから、反対すると述べられております。
一方、賛成の立場の委員からは、今回の条例改正は、社会保険診療報酬の改定によるもので、厚生労働大臣が定める難病等の患者は除外され、15%の患者負担についても、平成16年3月31日までは5%、10%と2段階の激変緩和措置が講じられていること。また、市立病院は、急性期の患者サイドに立った病院として位置付けされており、現在において該当者はなく、今後も該当者が少ないと予想されること。さらに、医療と介護を明確にすみ分けしていくことが極めて重要であることなどから、賛成すると述べられております。
以上の討論を経て採決を行った結果、議案第60号は多数をもちまして原案のとおり可決すべきものと決しております。
当委員会における審査の経過及び結果は以上のとおりでありますので、よろしくご審議の上、ご決定くださいますようお願いを申し上げます。
議長(五十嵐忠男君)
これより厚生常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、厚生常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第60号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
鈴木豊実君
議案第60号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場で討論を行います。
今回の条例改正案は、平成14年度の社会保険診療報酬の引下げに伴い、入院が180日、6か月を超える患者は原則的に入院医療の必要性は低いとして、医療保険から病院への支払いのうち、入院基本料を段階的に15%カットするというものです。月にして4万円から5万円の削減となり、この分は患者の保険外の負担となります。したがって、負担を過重にして、社会的入院と呼ばれる長期入院患者を、病院から在宅や介護保険施設へ追い込むねらいがあると思われます。
実際、高齢者が脳こうそくなどの後遺症で入院した場合、180日以上の入院はあり得ることです。しかも、月4万円から5万円もの負担は、だれにとっても大変な負担です。
そこで、本当にこの条例案がいうように長期入院患者は入院医療の必要性が低いのか、社会的入院を解消して、その後の受皿は果たしてあるのか、介護施設の整備は十分なのか、条件整備が厳しく問われる問題です。
厚生労働省では、自宅に戻る患者を除き、介護施設で5万人程度の受皿が必要と推定しますが、今でも全国的に特養ホームの不足は深刻で、入所待ちが3年から4年となっています。江別市の特養ホームの入所待機者は、5月末時点で245名に及び、特養ホームの不足はやはり深刻です。介護施設の受皿が整備されていないというのが実態です。
受皿の在宅はどうか。高齢化、核家族で退院させると、生命にもかかわる事態になりかねないという現状があると思います。
市立病院では、今回の条例改正により該当する入院患者はいないとのことですが、今後、高齢化の進行に伴い、住民の命と暮らしに大きな影響を及ぼすものと考えられます。
高額な負担増を押し付け、病院から患者を在宅や介護保険施設に追いやるこの条例案は、小泉内閣の最悪の医療制度であり、市民無視のこの条例を到底認めることができないという立場で反対を表明し、討論といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
尾田善靖君
議案第60号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について、委員長報告に賛成の立場で討論します。
本条例の改正は、本年度の社会保険診療報酬の改定により、入院が長期化する、いわゆる社会的入院の状況を解消することを目的とするものですが、通算入院期間が180日を超える患者の超えた日以降の基本料が、特定療養費として保険給付対象外の残る15%分について、1点当たり10円の自己負担を求めるものであります。
法改正では、まず第1に、一般病床の入院患者で、厚生労働大臣の定める難病等の特定療養費の対象となる患者が除かれていること。
第2に、平成16年3月31日までは激変緩和措置が講じられていること。
第3に、市立病院は急性期の患者を対象とした病院であることから、現在でも180日以上の入院患者はいないとのことであり、180日未満でも数人とのことであり、今のところは影響は皆無か又は少ないと思われます。
第4に、本条例改正をしない場合、今後180日を超える患者が発生した場合に、自己負担分12%について病院が負担することになりますが、累積赤字26億3,800万円余に上る病院会計にとって、社会的入院にも門戸を開く余裕はないものと考えます。
第5は、現行の診療報酬制度は、急性期の患者に照準を当て、患者サイドに立った点数制度となっており、医療と介護の機能分担を明確にする観点からも、条例の一部改正は必要であります。
以上のことから、賛成の討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第60号を起立により採決いたします。
議案第60号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
請願第4号
議長(五十嵐忠男君)
日程第13 請願第4号 精神障害者の交通費10割助成を求めることについてを議題といたします。
厚生常任委員長の報告を求めます。
厚生常任委員長(鈴木真由美君)
ただいま議題となりました請願第4号 精神障害者の交通費10割助成を求めることについて、審査の経過と結果を報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
本請願は、江別市内においてバスを利用する際の、バス乗車料金全額の助成を行ってほしいとするものであります。
委員会における審査の概要を申し上げますと、道内で実施している札幌市、函館市及び北見市の交通費助成制度の内容や平成14年度予算ベースの助成経費、また、この3市で実施している助成内容・助成単価をそっくり江別市に置き換えた場合の試算額、さらに身体障害者、知的障害者と精神障害者を対象にした交通費助成に関する現行制度の比較のほか、江別市で単独実施している精神障害者に対する施設通所にかかわる交通費助成制度などについて、担当部局から資料説明を受け、審査を進めてまいりました。
討論において採択すべき、また趣旨採択とすべきとの立場の各委員からそれぞれ意見が述べられておりますので、順次申し上げます。
採択すべき立場の委員からは、精神障害者への福祉施策は、身体障害者や知的障害者などと比較して、全般的に福祉的側面からの対応が遅れているとの指摘は否めない現状にあり、地域において精神障害者の社会参加を促進し、援助する施策の充実が急がれている。
国に先んじて江別市においても精神障害者福祉の制度的充実が図られるよう、一日も早く具体的な対応が望まれることから、採択すべきとしております。
また、同じ立場の別な委員からは、昨年同様の趣旨の請願が趣旨採択されているが、精神障害者への対策が歴史的な経過もあって、相対的にほかの障害者への対策と均衡を欠いていることは明確な事実であり、議会として採択することで施策の充実が図られるものと考えることから、採択すべきと述べられております。
次に、趣旨採択とすべき立場の委員からは、精神障害者やその家族の方々が苦労され、また社会復帰に努力されていることに深く敬意を表するものであり、確かに国における法的整備の経過などから、ほかの障害者の方々とは制度的な格差があり、冷遇されていると言っても過言ではない。
しかし、国の障害者プランの中でも精神保健福祉手帳に基づく福祉的措置の充実が盛り込まれており、昨年6月には衆参の本会議や委員会で交通運賃割引などサービス拡大に関する請願が採択されている経過を見ると、非常に遅々としてはいるが、少しずつ前進の兆しも見えており、今年の6月には全国市長会でも、国に対して精神障害者に対する公共交通機関の運賃等の割引制度の創設を求める要望事項が取り上げられていること。
道内においては、212市町村のうち3市で実施されているが、財政力が江別市よりも極めて豊かであり、当市においては、財政が厳しい中で財源を的確に配分することはもちろん必要であるし、現在、老人医療にかかわる大きな課題もあり、福祉施策の全体の中で考えていかなければならない。
また、委員会としても、この課題については今後も十分論議をしていく必要があるということを付言し、今回の請願については趣旨採択とすべきと述べられております。
以上の討論を経て採決を行った結果、請願第4号は多数をもちまして趣旨採択とすべきものと決しております。
当委員会における審査の経過及び結果は以上のとおりでありますので、よろしくご審議の上、ご決定くださいますようお願いを申し上げます。
議長(五十嵐忠男君)
これより厚生常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、厚生常任委員長報告を終結いたします。
請願第4号
議長(五十嵐忠男君)
これより請願第4号 精神障害者の交通費10割助成を求めることについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
鈴木豊実君
請願第4号 精神障害者の交通費10割助成を求めることについて、採択すべきとの立場から討論に参加いたします。
請願の提出者は、精神障害者の家族会や本人です。
請願の趣旨は、精神障害者を受け入れてくれる職場が少ないことや、自立していくにしても、生活保護かそれ以下の障害者年金で生活する手立てがない場合が多いと、家族共々精神障害者を取り巻く環境の劣悪さ、状況の厳しさを切々と訴えているものです。
審査の中で明らかになったのは、精神障害者への福祉施策は他の障害者と比べて全般的に遅れていることです。
さらに、精神障害者の場合、社会的な無理解や偏見を正して、社会参加を促進していかなければならない現状にあります。
請願者は、もろもろの要求の中でも、通院や社会参加のための行動などに大きな負担となっているのが交通費であること。こうした劣悪な環境に置かれている精神障害者の悩みや不安、苦しみを取り除き改善することは、住民と最も身近に接する地方自治体の責務として最優先すべき課題だと考えます。
江別市は、厳しい財政状況にあるからといって後回しにすべきではなく、国に制度拡大を求めるとともに、江別市独自の施策として早急に実施すべきです。
ちなみに、函館市や北見市は平成12年度から精神障害者の交通費助成を実施しており、札幌市も既に実施しています。
江別市の精神保健福祉手帳交付数は187名、函館方式を江別市に置き換えて試算すると約650万円の助成であり、北見方式では93万円、札幌方式では1,165万円の助成です。こうした先進都市に見習い、請願で求められている交通費の10割負担は早急に実施すべきであり、請願は採択すべきとの立場を表明して賛成討論といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
矢澤睦子君
請願第4号 精神障害者の交通費10割助成を求めることについて、委員長報告のとおり趣旨採択に賛成の討論をいたします。
本請願は、昨年5月、交通費助成をとの趣旨で提出され、趣旨採択となった経緯がありますが、今回は審議の中でバス運賃について10割助成を求める内容です。
精神障害者の方々や家族の皆さんが、障害者の社会復帰や社会参加に懸命に努力されていることに敬意を表するところですが、障害者に対する公共交通、タクシー、航空運賃等の割引助成制度は、国の通達により、障害の程度に基づき個別企業の事業として実施されています。
1995年の法改正により精神障害者の自立と社会参加が加えられ、1999年、衆参議院の委員会附帯決議でも精神障害者に対する各種資格制限の緩和と撤廃についての附帯決議がなされ、2000年の精神保健福祉法として他の障害者にかかわる法律との均衡の上に全面改正がなされ、障害者プラン、市町村障害者計画の施策などが義務付けられたところです。
しかしながら、他の障害者との比較においても歴然たる格差があることから、昨年6月29日、参議院本会議と衆議院厚生労働委員会で、交通費の割引、精神障害者保健福祉手帳によるサービス拡大に関する請願が採択され、また本年6月、全国市長会の要望事項としても提出されていることから、国の責務として、いつでも、どこでも障害者が社会的に活動できるため、その是正が図られる必要があります。
審査の過程で、道内では札幌、函館、北見の3市で助成制度が実施されており、いずれも市営交通政策の市長の政策として実施されており、かつ3市とも江別市より財政力があると思われます。
江別市での実施の可否について、部局の答弁では、福祉政策の中で総合的に検討される課題であるとの答弁もされたところです。
よって、第1に、国が早急に是正改善を進めるべき施策であること、第2に、当市の厳しい財政実態を吟味し、福祉施策全体の中で総合的に検討すべき課題であるとの立場から、委員長報告のとおり趣旨採択とすべきものであります。
以上でございます。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより請願第4号を起立により採決いたします。
請願第4号は、委員長報告のとおり、趣旨採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、趣旨採択とすることに決しました。