平成14年第1回江別市議会会議録(第4号)平成14年3月28日 5ページ
6 議事次第の続き
議案第27号の続き
丸岡久信君
議案第27号 平成14年度江別市一般会計予算に賛成の立場で討論いたします。
我が国の財政は、バブル崩壊後、景気回復を優先した財政運営を行ってきた結果、平成13年度末の国と地方を合わせた長期債務残高は約668兆円にも達する見込みであり、危機的状況にあります。
平成14年度の政府予算、いわゆる構造改革予算が成立したが、急激な高齢化等に伴う経費の増大の一方で医療改革が進められ、公債費の累積と国債費の増大等に対処するため、公共事業費の10%カット、国債発行は30兆円に抑えられているものの、特別会計からの借入れに依存し、一方、景気の落ち込みにより税収の伸びが期待できず、歳入歳出構造はますます硬直化してきているとされています。
また、地方財源の柱となる地財計画も初のマイナスで、交付税も4%減となり、交付税特別会計からの借入れ方式の継続や赤字地方債の増額などにより収支を合わせる計画となっています。
市の財政は、国の影響をもろに受け、地方交付税の大幅な減額や補助金、起債などの見直しの影響、加えて税収の伸び悩み、一方、地方債償還金や扶助費の増加、並びに各会計への繰出金も老人保健や介護保険を柱に増加しており、限度額一杯の赤字地方債の発行による厳しい財政運営を余儀なくされているものであります。
こうした地方自治体を取り巻く状況は、国の責任による財政破たんのツケを地方自治体に転嫁していると言わざるを得ないが、先送りを排し、避けて通れない課題として不退転の決意をもって臨もうとする市長の強い意志が感じられます。将来を見通したまちづくりや市民施策への強い改革への意志の中で、緊急財政の中での行政の推進を念頭に、市民などの役割を重視するとともに、行政組織の改革を初め、現行の行政システム等の検証、施策の重点化と再構築、行財政資源の効率的配分に意を用いた予算と評価するものです。効果として、前年度より17億6,700万円減額、4.1%減の初めての大幅な緊縮予算となりました。
施策の推進では、三つの重点テーマとして目標を掲げ、1、次代を担う子供たちの可能性を伸ばすために、基礎学力向上を意図した支援事業や地域ぐるみ教育活動、2としてIT化の推進では、市民がいつでも行政情報が入手できるよう基盤を整備、3として環境施策の推進では、新ごみ処理施設の運転開始に合わせて、市民要望の高かった不燃ごみ収集の週1回体制や、白トレイを新たに加える資源物5品目収集体制など、将来の江別にとっても欠かせない人材の育成や地域環境基盤整備推進など盛られ、多く期待するものです。
また、都市計画決定に向けた顔づくり事業の推進や、江別駅周辺地区市街地再開発事業の核施設事業の施行主体を初めとする事業計画案の策定、子育て支援の充実を図るために野幌地区に児童館の整備や延長保育の拡大など、限られた財政環境の中で将来に向けた都市整備や人づくり・地域づくり支援、市民の力が発揮される行政運営に意を用いた予算と評価するものです。
特に委員会で大きな議論となった市単独事業の老人医療費助成事業を廃止することについては、この間の議会意見、福祉ニーズの拡大、道内各市の廃止や縮小の状況、道老の制度の充実と継続などが示されたところでありますが、制度見直しに当たって対象年齢の精査・吟味、制限事項など検討の結果、急速に進展している高齢化に伴う福祉ニーズの拡大にこたえるためには、残念ながらこれまでの福祉の在り方を根本的に見直しすることは避けられないものと思います。
さらに、市の貯金である積立金は72億円余りでありますが、目的を限定せず、将来の財源補てんに活用で きる資金、財政調整基金は14年度末、たったの16億円余りであります。今年度の予算案でも一般会計で1億 7,700万円の繰入れを予定していますが、毎年度、同程度繰入れするとしたら9年で枯渇し、繰り入れないでマル老だけを継続したとしたら8年で貯金がなくなり、さらに両者同時に進めるとするならば、4年程度で財源がなくなるばかりか、新規事業にも制約が生じると言えます。
さらに、今日的な税収の伸びの鈍化と交付税の減収、かてて加えて繰出金、公債費、扶助費など増加する経常一般歳出、つまりは経常収支比率などを考慮すると、制度の廃止についてはやむを得ないものと主張してきましたが、先ほど条例議案が否決されましたので、議会意思をしんしに受け止め、今後、市民理解をより深める努力を期待いたします。したがって、今後、総合的な福祉サービスの充実や、疾病予防と健康づくりを市民ぐるみで推進、展開していくことを強く求めるものであります。
最後に、今後も厳しい財政見通しが想定されることから、地方分権の潮流に見合った財源の移譲を国に求めるとともに、市民とのパートナーシップをつくり、行政資源の有効活用と適正配分、受益と負担の適正化、市税収納率の向上など自主財源の拡大強化とともに、財政の現状を国・道に訴え、コンパクトなまちづくりを進めるなど一層の努力を期待して、賛成討論といたします。
以上であります。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
本件に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について起立により採決いたします。
なお、念のため申し上げます。起立されない場合は否とみなします。
議案第27号は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
可否同数であります。
ただいま報告いたしましたとおり、可否同数でありますので、地方自治法第116条の規定により、議長において本件に対する可否を採決いたします。
本件については、議長は可決と採決いたします。
次に、議案第28号 平成14年度江別市国民健康保険特別会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
三上孝君
議案第28号 平成14年度江別市国民健康保険特別会計予算について、反対の立場で討論を行います。
国民健康保険は、自営業者や農業・漁業従事者、無職や年金生活者の方々などを対象とする社会保障制度であり、高齢者や低所得の加入者がその大部分を占め、大変不安定な財政運営を余儀なくされているところであります。
特に、今日の深刻な経済情勢の下で、中小零細企業の倒産やリストラの横行、就職難、そして高齢者においては、この数年間の相次ぐ医療制度改悪による負担増、介護保険料の徴収など、生活基盤を揺るがしかねない大変厳しい状況が進行しております。
しかも、当市においては、平成13年度から国保税条例の一部改正による国保税の引上げが行われたことも加わって、短期受給者証の交付の増や今後における資格証明書の発行予定の準備、過年度分も含めた正に異常とも言えるような収納率の低下などにも見られるように、被保険者にとっては払いたくても払えないような負担の限界を超えているのが実態であります。
したがって、国民の生活実態を正視しない国の福祉・医療政策を根本から改善させ、国における国保財政に対する国庫負担の増額や国保制度の拡充強化を求めていくことは市長として当然のことでありますが、しかし、江別市としても、国保の保険者として、被保険者である市民の負担の軽減のために最大限の努力を払うべく重大な責任を担っていると言えます。
平成13年度版のこくほえべつによりますと、当市の国保加入者は、世帯数では約35%の1万6,960弱世帯、被保険者数でも人口の26%の約3万2,000人を超え、また所得階層でこれを見ますと、年間所得200万円以下の世帯が80%を占めているという、このことからも市民の医療保険を守る重要な課題として、市民生活の実態に見合った具体的な対応をすべきであります。
しかし、平成14年度予算では、一般会計からの国保への繰入金は前年度よりさらに減少して約7億8,000万円、これは加入者1人当たり約2万4,600円でしかありません。しかも、この繰入れのほとんどは国の制度分や国から補てんされている分でありまして、純粋な一般会計からの繰入れは実質的には限りなくゼロに近いのがその実態であると、このことを強く指摘せざるを得ないのであります。
多くの市民は、いずれ国保の被保険者になることは明らかであり、したがって、保険者である江別市は保健・予防活動の充実も含め、市民の命と健康を守り、安心して被保険者でいられる国保事業と財政運営を行うべきであるということを強く指摘をいたしまして、反対の討論といたします。
以上であります。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
矢澤睦子君
議案第28号 江別市国民健康保険特別会計予算について、賛成の立場で討論に参加します。
国民健康保険財政は、被保険者数の増加、医療費総額の増、さらに診療報酬がマイナス2.7%となるなど、一地方自治体で解決できない歳入構造となっております。このような状況の中、市としては高医療費市の指定を受け、医療費適正化対策や保険税の収納率向上の対策の強化、総合健康指導事業に取り組もうとしていることは評価できるものです。
国民健康保険加入者の約8割が200万円以下の所得階層でありますが、3段階の減額制度により受益者負担の軽減を図っております。
また、一般会計より繰入金として7億8,175万円を予定しており、総体的に厳しい財政状況下にあります。地域医療保険として本制度の果たす役割は大きいことから、医療費の適正化を図り安定的運営に努められるよう期待して、賛成の討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第28号を起立により採決いたします。
議案第28号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第30号 平成14年度江別市介護保険特別会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
三上孝君
議案第30号 平成14年度江別市介護保険特別会計について、反対の立場で討論を行います。
ご存じのように、介護保険制度は施行されてから3年目を迎え、介護認定者数の増加が今後も見込まれるために、居宅介護サービス、施設介護サービスに伴う介護給付費は、共に前年度と比べ増額された予算となっております。
次期の介護保険事業計画の新たな策定を控えて、介護サービスの利用増から当然保険料の負担増も懸念されており、こうした状況からも、ますます所得の低い方への軽減対策が急がれているにもかかわらず、今年度の予算の中では全くと言っていいほど、これらについての考慮が行われておりません。
厚生労働省が行った調査でも、昨年10月1日の時点で自治体が独自に保険料を減免している、この数は道内において62にも上り、しかも、国が示した具体的な三つの原則、これを超えて実施している自治体も40となっていて、今後もこうした実態は増加する傾向にあるとマスコミ等でも報道されていることから見ても、当市の対応は不十分であると言わざるを得ません。
議長(五十嵐忠男君)
三上議員、途中でございますが、議事の運営上ちょっとお待ちください。
議事の途中ではありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。
申し訳ありません。よろしくどうぞ。
三上孝君
低所得者の方々の生活と権利を守るためにも、我が党がこの介護保険制度導入当時から強く主張し、また指摘してきた保険料及び利用料の負担軽減措置を、これを直ちに実施すべき時期に来ていると言わざるを得ないわけであります。
さらに、施設介護サービスにおいては、介護老人施設の満床状態が続いていて、現在90名を超える方々が入所待機中と言われておりますが、施設の運営や管理が民間任せになっているために、これらの実態について的確な状況を把握できない、こういう現状となっていて、待機者はもちろんのことでございますけれども、これから入所を希望している方やその家族からも強い不満や不安の声が多く出されているのが今日の実態であります。
この制度が正に保険の名にふさわしい、その名に値するようなものにするためには、被保険者の権利がしっかりと守られて、そしてサービスの利用については、最低限、要介護度に応じた具体的なサービス内容が安心して十分利用できる仕組みがきちんと保障されることこそが必要であると考えますが、今の江別市における現状は、これとはほど遠く、正に不十分であり、早急に改善を要している、そういう状況にあることを強く指摘をして、反対の討論といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
坂本和雄君
議案第30号 平成14年度江別市介護保険特別会計予算について、賛成の立場で討論を行います。
介護保険制度が実施されて2年を経過し、各種介護サービスの利用が確実に増加していることから、制度そのものも市民に広く浸透しているものと受け止めます。
給付費では、これまでの年度比較で見てみると、12年度と13年度の比較では7億3,000万円で25%の増になり、13年度と14年度の当初予算の比較では8億7,900万円の24.1%増になっています。江別市の地域の特殊性があるにしても、このような大幅な伸びは介護保険の当初計画を超える状況にあると言えます。
伸びる給付費に対し、一定の基準率により算定される一般会計からの繰入金も並行して増加し、14年度予算では6億6,411万円になっています。さらに、基金からの繰入金も1億519万円となり、底をつくことになります。このことからも、14年度を区切りに、次期介護保険事業の計画立案時には第1号被保険者の保険料を見直すことになりそうです。
このような状況下にありながらも、この保険制度としての保険料は、低所得者に対する配慮措置として所得段階別の設定や、災害時の特別な事情により負担が一時的に困難な場合の減免の仕組みがあり、さらに市独自の保険料の軽減も取り入れております。また、利用料についても、制度として所得状況によって高額利用料の上限を設けたり、障害者のホームヘルプ支援措置として負担軽減も講じられています。
なお、この制度は社会保険方式で運営されており、運営に必要な財源は被保険者の保険料及び公費で賄われており、保険料の減免には厳しい事業運営になると予想されます。
これまで市民から寄せられた相談、苦情についても迅速に対応し、すべて処理済みで、北海道介護保険審査会にも江別市の苦情等はないということであります。これからも事業内容の変化やサービス要望の多様化に速やかに対応するとともに、事業の効率的・安定的な運営にも努力を期待して、賛成の討論といたします。
議長(五十嵐忠男君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第30号を起立により採決いたします。
議案第30号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
議事の途中でありますが、暫時休憩いたします。
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午後4時02分 休憩
午後4時13分 再開
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