平成14年第1回江別市議会会議録(第2号)平成14年3月11日 8ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐忠男君)
以上をもって、星秀雄議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
小玉議員の市長の市政執行方針についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。
小玉豊治君
議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
さて、今定例会は言うまでもなく予算審議を控えた大切な3月第1回定例会であります。一般質問におきましても、各事業の詳細については予算特別委員会の中で審議させていただこうと考え、できるだけ市長の執行方針についてのお考えと各種改革の決意をお聞きしようと思いますので、よろしくお願いいたします。
今、どこでもはやりのように、そして当たり前のように、財政改革、構造改革が国においても、そして地方においても声高々に叫ばれています。余りに日常的に聞く言葉になっており、ともするとひと事、他人事に聞こえてしまい、だれかがやってくれる、今に何とかなる、私の暮らしはまだ大丈夫とたかをくくる人もいるかもしれません。しかし、現実は市の予算編成に当たっての一般予算の減少、事業の縮小などに見られるように、まさに破たんの一歩手前といっても良いレベルに来ています。そして地方交付税の削減や経済の低迷による税収入の減少、リストラや福祉、教育政策への不信からくる市民の暮らしへの不安感、加えてそれらを解決するすべを持たない政治への失望とすべてが絡み合って明日への不安感が増大されており、一議員としても大きな焦燥感を持っています。
今回の予算案に、市長初め5役の方々について給与の削減案が提案されています。財政改革の決意について一つの表れと理解はしています。私たち議会としても先般議員定数の削減を決定いたしました。もちろんこのことは人件費の削減という視点だけで論議され、決定されたわけではありませんが、経費的側面で言えば、例えば各種視察の在り方や委員会の持ち方や、日常の職務の中で本当に改革できるものはないのか、市の財政全般と議会予算をトータルに見る中でもう一度襟を正して臨まなければと真剣に考えています。
市長の市政執行方針を見ると、全体には非常に厳しい予算の中で、行政診断や行政改革大綱に基づき積極的に改革していこうという姿勢は読み取ることができます。しかし、行政が一体となって取り組む、つまり現業職の方々を初めすべての職員の方が同じ情報を共有しながら、同じ熱い思い、同じ危機感の下に改革に取り組むという具体的なイメージをすることがまだできません。従来の縦割り行政の弊害が果たして本当に解消されていくのか、今までの慣習が惰性となって改革のスピードが緩み、改革の意識が薄れることはないのかなどいろいろな不安を感じないわけにはいきません。
江別市の話ではありませんが、いまだに古い体質の残っている自治体では、行政執行の進められ方や議会との関係において、古い組織の自己どうちゃくとも言えるいろいろな弊害がまだまだ残っていると、他地域の議員と話をする中や関係者から聞くことがあり、私自身もそう考えております。トップから下りてきたものはとにかくそのままやらなければいけないという意識が各部署にまだ残っている。自分たちはこう思うけれど、言われたとおりにするのが公務員だという意識が一部ではあるが、中間管理職の方を含む職員の中にいまだはびこっているところがあるのではないか。意欲のある職員の意見や行動が各部局の現場を初めとし市の施策に生かされておらず、埋もれてしまっているのではないか。予算のついた事業は、つまり実施すると決まった事業は、良くても悪くてもとにかくいろいろな手段を講じ議会を通過させ、議会を通過したことを担保に市民を納得させるのが仕事のできる公務員であると勘違いしている方が一部にいられることはないのか。難しい案件については、議会に諮り表に出る前に、一部の関係者の部局の方と一部の議員が妥協し合い、本来の議会と行政の関係や一番の主役である市民をも軽視、無視しているケースは果たしてないのか。
一方、国においても、今国会で調査されている北方領土の案件や、これは行政としてもいずれ説明責任が出るのではないかと思いますが、江別市及び栗山町、南幌町の名前が残念ながら報道された件のように、国と地方自治体の関係においても議員が介入するなど古い体質が残っており、いまだ堂々と機能していた事実が国民の前にさらされています。このようなことは国においても、地方自治体においても、行政改革とともに早急に絶対に改革されなければなりません。
当市においてこういうことはあるとは思いませんが、13年9月に示された江別市行財政運営改善化調査の中間報告をめくってみると、今述べたような古い体質に近いかなと思われるケースや組織としての改善すべき点が要所要所に表れている調査結果とその内容が見受けられます。また、個人アンケートを初めとした分析結果の中にも所々に顔を出しています。この中間報告を経て、今後最終調査結果が明確に示された上で実施計画に沿った改善策が立てられると思いますが、これらの要件に対し素早くかつ積極的に取り組まれることを強く希望し、期待しております。
14年2月に改定された行政改革大綱については、非常に評価できるものであると考えています。行財政運営改善化調査の中間報告を十分に受け、改定されていると伺うところもあります。大綱としては、私どもが視察等で勉強させていただいた他市のものに比較しても、全くそんしょくがないと言えるでしょう。ただ推進期間が3年、5年というふうに一定期間を区切ってあります。10年単位で一昔と言われたころに比べ、近年は人間の7倍の速さで年をとる、つまり人の1年が7年に当たると言われているドッグイヤーから、現在は1年で寿命が尽きる、つまり1年で80年分を生きてしまうラットイヤーのサイクルに突入し、その変化はとてつもなく速いと言われる現状です。そう考えるとき、一年一年で勝負し、結果を出すのが今必要とされていることではないでしょうか。ついつい3年あると気を緩め、今までのように少しずつ先送りする結果にならぬよう、1年でここまでいくという具体的目標を年度ごとに持ち、1年ごとにしっかり検証していかなければならないと思います。ひょっとしてあり得るかと思いますが、経済状況や国の大きな制度改革や政治状況や環境破壊など、想像できない事態が起きて、江別市にこの流れのままの次の2年目はないほど変化するかもしれません。行財政運営改善化調査の中間報告と行政改革大綱に基づく今年度の改革の決意と1年ごとが勝負である、2年目はないという強い決意とあわせて市長の考えをお聞きします。
では、市政執行方針の中から幾つか質問をさせていただきます。
市長は重点テーマとして3つの項目を挙げられています。子供たちの可能性を伸ばす施策の推進、IT化の推進、環境施策の推進です。
子供たちの可能性を伸ばす施策の推進については、子供たちの育つ地域を重点項目に挙げ、地域、家庭、学校の連携を重視し、各種の施策が実施されようとしています。このことは非常に共感でき、期待もするところです。
IT化につきましても、私ども会派が2月に視察した自動発行機による印鑑証明や住民票の自動化を実施している多くの市を初め、市民がインターネットを使用して行政手続や情報の入手に利便性を図ることは時代の流れでもあり、その基盤整備については今後の行政と市民の関係において必要不可欠なことと考えます。庁内でも庁内LANの整備を初め1人1台になりつつあるパソコンなど、今後もまだまだ課題は多いと思いますが、行政内と市民とのコミュニケーションという観点から、同時進行的に改善されていくと期待しております。
環境施策の推進についてですが、市長はこの項で、ごみゼロ社会への転換に向け、廃棄物の抑制と循環利用を進めて、環境に優しい社会の構築をと述べられております。私の記憶の中では、ごみゼロという言葉を公に高らかに宣言されたのは最初ではないかなと思います。大いに同感いたします。これを私流に平たく言うと、ごみが出ない社会にするために物を捨てることをやめましょう。そのためにできるだけごみになるものを買わない、使わないことを心掛けましょう。やむを得ずに捨てなければならないものは極力少なくし、できるだけ再利用を進めましょう。再利用できないものは環境に配慮して安全に処理をし、行政、企業、市民がみんなで環境に優しい循環型社会を目指しましょうとなりますが、市長、これでよろしいでしょうか。
では、質問いたします。今お話ししたように、ごみゼロ社会は市民・行政・企業のみんなで目指さなければいけないというのは市長もおっしゃっており、同じ考え方であると思います。ではおひざ元の江別市の施設、つまり庁舎やその関連する施設では、具体的にごみをゼロに近づけるために、そしてもう一歩進めてごみをゼロにするために、どんな目標を持って、どんな方法で取り組まれていますか。つまり削減の量的数値目標や再資源化率をどのくらいに設定し、具体的にどんな数値が集計されていますか。そしてその数値の成果は市民と職員の方々にどのように情報公開し、それはどのように評価されていますか。それを受けた市長の感想と今後に向けての考え方をお教えください。
その目標が高く、達成率が高いほど、行政及び職員一人ひとりの方の環境意識が高いであろうことは当然のことであり、そうあるためにも明確な成果が数値で出され、検証していくことが不可欠であると思います。ちなみに行政の環境意識と言えば、今どの自治体も大きな関心を持って取得し、あるいは取得を計画している国際環境基準であるISO14001があります。環境先進県と言われる三重県のISO14001の取得に関しては、県内69市町村のうち既に25市町村が取得しており、2002年には57市町村が獲得予定とのことで、今後2002年には約8割が取得しているとのことです。
一方北海道では、212市町村のうち、わずかに5市町村が取得済みで、2001年度には8市町村が取得する予定とのことです。現在取得している市町村は北海道の庁舎、帯広市、黒松内町、厚岸町、斜里町です。平成13年度は過ぎているので既に取得していられるかとも思いますが、13年度内で取得予定の市町村は札幌市、千歳市、恵庭市、釧路市、石狩市、苫小牧市などなどです。これだけ足しても13市町村であり、道内市町村から計算すると2%強にしかなりません。三重県内の取得数とこの差はとても大きく、残念ながら環境意識の低さの表れかとも感じざるを得ません。これは2001年11月の調査ですが、全国でISO14001の取得済みの企業数は7,624件、そのうち自治体は233件であり、国の機関は2機関となっています。数でいくと東京都では36自治体関連が取得しており、埼玉県が17か所と続いています。
ISO14001の取得は言うまでもなく、行政が事業を実施するときやその活動を通じて、環境に与える負荷をできるだけ減らすように配慮した国際規格のシステムのことです。今あらゆる場面で環境問題がこれほど市民の間において関心を持たれ続けている時代はありません。地球環境の保全については各企業や市民の努力、行政の方の努力があって初めてなし得ることです。その意味でも住民のリーダーシップを取るべき行政や自治体は、積極的にこの環境ISOの取得に取り組むべきであるということは、既に前述の取得自治体の例でも示されています。非常に有効であり、かつ今の時代は取得が当たり前である、環境政策を推進する自治体の義務にまでなりつつあるのではないかという声も聞かれます。
では、具体的にどういう目標を立てるのでしょう。多分今江別市が実施している庁舎等における減量やリサイクル施策や環境保全と重複する事例もあると思いますが、簡単に例を述べさせていただきます。
例えば、省エネ対策として、事務所内の電気・ガス・水道の使用料を前年比10%ずつ削減し、3年後には当初の30%減を目指す。例えば省資源として紙類の使用料を前年比15%削減する。例えば自動車対策として公用車のガソリン代を前年度比20%削減する、及び低公害車へのシフトを3年後までに50%台に乗せる。例えばグリーン調達として、環境配慮型の商品リストを作成し、その中から100%購入することを目標としながら、今年度はその達成率を50%とする。例えば職員の意識向上策について、職員研修の中に環境に関するカリキュラムを盛り込むなど、それぞれ明確に目標を定め、職員それぞれの方が目標達成に努力し、見直しもかけ、より良いものにしていこうというものです。
今までにも私たち同僚の複数の議員の方が一般質問の中で取得に対し質問されており、答弁としては前向きに検討していただいているのかなと理解していますが、この際、行政自ら目に見える減量、リサイクルを進めるために、また職員の方全体の意識の向上のために、そして市民の模範となるべく、まさに行政改革の一環と言えるISO14001の取得を決意してはいかがでしょうか。市長のISO14001についての考えと取得に向けての考えをお聞かせください。
さて、市長は市政執行方針の中で3つの重点目標を初め、美しいえべつ、若々しいえべつ、健やかなえべつなど目標を掲げ、市民のための愛される江別を作ろうと決意を示されています。素晴らしいまちという視点で、質問からは少し膨らむかもしれませんが、とても興味深い本を読み、ある意味衝撃を受け、ある意味勇気付けられもして、今後の江別市に大きな希望を持ちましたので、少しくご紹介したいと思います。
物語はアフガン紛争最中のパキスタンで、日本人の中学生の年齢である16歳の少年が地雷で負傷した。しかもその少年は正式にパシュトゥンであると報道されます。彼は興味を持ってマスコミに取り上げられ、ヒーローになっていきます。これに呼応する複数の中学生がパキスタンに行こうと飛行機に乗るところから物語は始まります。彼らはいじめやいろいろな理由で学校に失望している中学生だったのです。このパシュトゥンになってしまった少年は、ナマムギというニックネームをつけられ、マスコミに報道されますが、社会システムに反しているということで情報を抹殺され、徐々に忘れ去られていきます。
しかし、中学生たちはITを使い、彼について様々なサイトの中で情報交換が始まります。つまり私たちレベルでは想像もつかないほどITは彼らにとって当たり前であり、不登校の中学生にとってのコミュニケーション手段となっており、その中でナマムギ情報が交わされていたのです。そのサイトの中で、学校へ戻ろうと訴えていたホームページにポンちゃんと呼ばれる少年が出現しました。ただ彼は、今までのような、例えば男一匹餓鬼大将のような、絶対的リーダーではないわけです。周りにはいろいろな分野の専門知識を持った中学生がいて、緩やかなネットワークを作っています。
一人の中学生、ポンちゃんの呼び掛けに同調し、全国の中学校で不登校の生徒が集まり出しました。彼らは学校を変えることに見切りをつけ、今の社会システムにがんじがらめになっている大人との違いを認識しながら、自分たちのネットワークを作り出しました。それはITを通じ、自然発生的に実に80万人が参加することになります。既存社会に縛られることなく、いや既存社会を否定も肯定することもなく、自分たちで発想した社会の透き間を敏感に見付け、様々な事業を起こしていくのです。それぞれマスコミ関係や探偵業、株や金融など、私たちにすればゲームのような感覚でITを駆使し、それぞれの事業が成功していきます。物語には円を巡る通貨危機やアジア円通貨基金構想などが出てきて、それらの事件がデフレを含め、すべてこれから起こり得るというある種のリアリティを持っていたように、私は感じました。
そして、ばくだいな資金を得た彼らは日本の中に自分たちの住むエリアを確保し、移住しようと計画します。それは独立国とか組織ではなく、自分たちの満足できる暮らしをするためのものであり、最終的に彼らが選んだ地域が梅雨のない北海道だったのです。そして札幌の近くの広い土地を北海道庁から購入します。そのエリアには13の市町村が入っており、その市町村の人々と協力してまちをつくっていきます。そこには30万人が移住し、風力発電の施設、バイオの研究所、それに隣接した農場と牧場、25万戸の住宅、5,000棟の集合住宅、8つの職業訓練学校、21か所の公園、スポーツ施設、全部の住宅に光ファイバーを引く計画であり、それが実現していきます。そして地域の通貨の発行、つまりエコマネ-のようなものです。そして老人のための施設とシステム、それは老人が働くためのシステムで、希望すれば必ず何か役割を与えられ、退職して年金だけの暮らしではないのです。そこで出てくる彼らのつくる新しい革命的まちの名ですが、移住してきた地域のほぼ中央にあるまちの名前を取ります。それが何と野幌市という名前なのです。江別市としないところが作者の一ひねりなのかもしれません。ローマ字のつづりではNOHOROなのですが、これが作者がアイヌ語の語源について取材不足だったような気がします。
いずれにしても、野幌の地名が小説に載ること自体、しかも少年たちがつくる希望のまちの名前として登場することは、うれしいような、元気が出るような、不思議な感じがしました。
さらに、風力発電による売電により住民の電気使用料はただになり、その発電所建設や道路整備のために起債した野幌市の地方債が、市の発展が評価され、ムーディーズの格付けでトリプルAにランクされます。その結果、国による債権の買い取りを拒否し、銀行を仲介して経済界にまで進出していきます。そして環境資源、教育、国際貢献へのファンドを組み込んだ税制を実施するものです。つまり野幌市が認定したNPOやNGOに対しファンドを拠出した企業は、その額に応じて法人税が控除され、個人についても住民税が控除される。個人が環境NPOや国際支援に拠出すれば所得税を控除するという税制までもが実施されます。そのために国税として国に入るべき税金を市が肩代わりするという条例を野幌市議会が可決することになります。当然環境税も実施され、多くの環境企業が移転してきて市の税金収入が増え、企業もその株価を上げる。
大まかはこんな粗筋です。そして最後は、この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。ただ希望だけがないという言葉で終わっています。
年はとっていても中学生の心を持っている、この話を読んだ、あるいは聞いただれかが、このポンちゃんになることができるのか、江別市内の中学生の中にポンちゃんが出てきたときに、新しい希望の国ができる下地を私たち大人は江別市に残していくことができるのか。私たちは、今こんなまちをつくろうとすることができないのかなどいろいろ想像してしまいました。皆さんどんな感想を持たれたのでしょう。ただの夢物語とは私には思えませんでした。この本の題名は希望の国のエクソダス、エクソダスとはモーゼに率いられたイスラエル人のエジプト脱出のことであり、大集団での移動ということだそうです。興味を持たれた方は是非読んでみてください。少し膨らみましたが、市政執行方針の延長として、もし良ければ感想をお聞かせください。
さて、次の質問に移りますが、歴史的れんが建造物保存活用事業、つまり旧ヒダれんが工場についてです。このれんが工場にかかわり、平成12年に用地取得費として2億3,000万円余りを土地開発基金の拠出によって取得しています。あわせて屋根補修やトイレ及び調査等で2,000万円前後の投資をされています。平成12年の第3回定例会でその取得と活用方法について、我が会派の立石議員の一般質問についてお答えいただいております。市長の答えは、「昭和26年に建てられたこの建物は、歴史的にも貴重な産業遺産であり、江別の顔づくりの中でもシンボリックな建物としてとらえている。市民参加型修復事業や商業観光事業、国際経済交流やまちづくりの活動の場として、江別建築士会による保存修復の技術習得と伝承の施設である」。
また、平成13年の2定では星昭史議員の質問があり、平成13年の4定では坂下議員の質問に対して、「利活用検討協議会において7回協議されている。窯業の工場の一部を歴史保存することや、物販の場として工芸など芸術工房や販売の場として多目的な空間として活用していく」などの活用方法が答弁されています。そして建物などの全体の補強など安全策が必要であると結んであります。つまり平成12年に取得されてからいろいろな活用法が言われ、協議会で論議されながらも、具体的には構造物の補強などの思わぬ懸案事項が出てきて、ほぼ2年にわたって、今年度は3年になりますが、調査と測量、一部の補強と煙突を壊しただけであり、活用のためのシステムや具体的手法及び方向性や、それに伴う経済的支出の見込みも公にされるには至っていないという、その進み方の遅さが結果として、事実として表に今出てきてしまっていると思います。その間に調査費等で数千万円もの金額がつぎ込まれています。今後も同じように調査費や補強費がつぎ込まれ、具体的に形にならず、過去2年間と同じようなことが繰り返されそうに思え、不安になる次第です。
今後江別市としては、この旧れんが工場の活用についてどのような基本方針で臨み、その活用方法が見えてくるのはいつなのか。そして、今までにかかった費用は幾らになるのか、また活用方法の決定までにどの程度の投資が必要と考えておられるのかお教えください。
今回の予算で外構工事、アンテナショップ開設、煙突解体工事及び復元調査などが計上されており、これについては、今後予算特別委員会で審査されることとなりますが、あの建造物を市長がおっしゃるように、最終的に全面を使用していく考えに変更はないのでしょうか。とすれば、最終的に全面を使用するためにどの程度の期間と投資が必要と考えていらっしゃるか、市長におきましては予想されていると思いますので、これもあわせてお教えください。
さて、次の質問です。
鳴り物入りで見切り発車された介護保険も3年目になります。その間、様々な修正を加えながら各自治体で実施されてきております。その運営組織形態も自治体自ら公社等を設置し、民間とその業務を調整し、分け合って理想的な介護を目指してきたところや、自治体に体力がないために民間に頼り、それを補助してきたところなど様々な手法がとられています。江別市においては公社を設立し、まずは公社で介護保険を実施していく方向性で出発しました。ここがちょっと実施当初民間の方には公社が懸命に独占している、抱え込んでいると誤解されたようですが、しかし皆様ご存じのように、介護保険の目的は地域と市民と民間事業者、それに行政が一体となって地域のお年寄りの介護をみんなで進めようというものであります。その点でいくと、江別市においては実施当初余りに公社事業が民間に比べ先行しており、民間の、特に施設を持たないヘルパー派遣の業者は苦しい経営に陥り、数か月のうちに2社、その後も1社が撤退せざるを得ない状況でした。近隣の福祉関係の方々から江別で民間の新たな参入は難しいなどと評価されたことは、非常に残念なことであります。
公社とはいえ、江別市とは独立しており、民間事業者と同じであるというお話を聞きます。しかし一方では、幾ら民間は自主努力が必要であるとはいえ、民間業者と公社をもし同じ事業レベルで比較したときに、時間をかけ十分準備をし、市の委託事業を受け、パート職員の方の募集や事業の告知に市の広報が使えるなど、実際には民間に比べ明らかに優位に立っている部分もあるのではないでしょうか。
そんなことからも、介護事業の開始のときから公社と民間の事業所のかかわり方はどうあるべきかということについて、公平にというのは当然そうされていたと思いますが、議論が十分になされ、認定者が増える将来を見越し、力のない民間事業者を今後のために、ソフト面、ハード面ともに江別市が育てるという視点が市の福祉施策にあったならば、撤退する業者も出なかったのではと思い返しています。
今さらながら、この2年間で介護保険利用率も上がり、高齢化により介護認定者が年々増え、居宅介護サービスや施設介護サービスが急増しているのが今の状況であると考えます。このような状況の中で、民間とのパートナーシップが不可欠であり、重要となっている状況ではないでしょうか。市長はこの点について、当面スタートのときに市が関与することではなかった、市には責任はない、飽くまで自助努力であるとお考えなのでしょうか。振り返り、事業開始のときを思い起こしつつお聞かせください。
既に民間と協力し、公民ともに役割分担をしながら成り立っている自治体や、逆に民間業者に撤退しないでくれとお願いし、頼りながら事業を運営している自治体もある状況です。江別市においても今後において介護認定者が増加する中で、民間に一定の役割を果たしていただかなければならないでしょう。これは江別市が計画したことではなく、認定者の増加等によって社会現象として出てきた結果であると考えています。このまま公社だけが膨張し続けることは、きめ細かな個別のサービスを供給する点や地域的に細かくカバーし難い状況が発生しかねないことや、資金面、職員の雇用面のリスクからも、また介護保険の精神から見ても、いつかは公社だけではやり切れない限界が来ると思われます。
ついては、今後の介護対象者の方はどのくらい予想しており、そのうちどのくらいの方が公社を利用されるのか、どのくらいの方が民間を利用されることになると予想していらっしゃるのか、事業開始時点からの認定者の推移とあわせてお教えください。
公社として事業はこれから膨らんでいくのか、特定の分野をカバーすることになるのか、全面的に現状維持なのか、その方向性もあわせてお示しください。
以上で、私の1回目の質問を終わります。