平成13年第4回江別市議会会議録(第1号)平成13年12月5日 6ページ
6 議事次第の続き
認定第4号ないし認定第8号
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第10ないし第14 認定第4号 平成12年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第5号 平成12年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第7号 平成12年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第6号 平成12年度江別市老人保健特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、及び認定第8号 平成12年度江別市基本財産基金運用特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、以上5件を一括議題といたします。
決算特別委員長の報告を求めます。
決算特別委員長(岡村 繁美 君)
それでは、一般会計及び各特別会計の平成12年度決算認定につきまして、審査報告を申し上げます。
これらの議案は、さきの定例会最終日に付託され、閉会中の継続審査となっていたもので、決算特別委員会の開催日は、付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
特別委員会では、各常任委員会の所管ごとに執行内容等の説明を受け、歳入の実績や歳出の行政効果などについて、担当部課長に対する質疑により鋭意審査を進めたものであり、その概要をご報告いたします。
まず、建設常任委員会所管分では、融雪施設資金貸付事業について、融資限度額の引上げや高齢者の利用拡大などの観点から質疑があり、答弁では、貸付件数の減少は前年度の降雪量が少なかったことや景気も影響したと考えるが、今後、利用実態を踏まえ、制度改正などの検討も必要とのことであります。
また、高齢化に対応した公園整備に関する質疑には、地域の実態に合った公園整備に努力したいとの答弁があったほか、高齢者等人にやさしい歩道整備や排水機場、市営住宅などにも質疑がございました。
次に、環境経済常任委員会所管分では、ごみ分別収集の開始に伴い、不燃ごみの収集回数が減少したことなどに質疑があり、今年度の状況も含めて答弁がございました。
資源物の集団回収量は奨励金の増額効果から増加傾向にあり、市による収集量は若干減少しているが、現時点で直ちに資源物の収集回数を減らし、不燃物の収集回数を増やすことは難しい。今後におけるプラスチックの回収を含め、不燃ごみも資源ごみについても、廃棄物減量等推進審議会の審議を基に、環境負荷や資源節減、経費負担をバランス良く考え適切に対応したい。
また、不法投棄への対応強化に関する質疑には、家電リサイクル法の施行に伴い一時的には増加したが、啓発看板の設置や草刈りによる環境美化、パトロールの実施などで防止に努めており、関係機関とも協議して対応していくとの答弁であります。
農業関係では、酪農家が減少する中、市営牧野の在り方について質疑があり、昨年は深川の牧野で6頭と最盛期に比べ年々減少する状況にあるが、今年は牧野の見直しをし、深川は増加している。草地改良などの経緯から、当面は利用の促進に努力したいとの答弁であります。
各委員からは、関係者の意見を聞いて有効活用に努力すべきとの発言と、早急に在り方を検討すべきとの発言がございました。
このほか、合併処理浄化槽の整備促進や街路灯に関する負担の在り方、セラミックアートセンターの運営などに質疑がございました。
次に、厚生常任委員会所管分であります。
従前も論議のありました、がん検診など健康診査の推進について、健康づくりや医療費削減に向けての目標設定や積極的な施策の構築など、各委員から特に集中的な質疑がございました。
一般会計や国保などの特別会計にとりましても、医療費の増大は高齢化の進む中で大変な財政負担となる可能性が高く、効果的かつ積極的な取り組みを求めるという観点からであります。答弁では、受診率には変化がなく、自己負担増の影響があったとは考えていない。健康教室や健康相談、訪問指導など様々な機会を通じて健康管理の自覚や意識を高めてもらうよう努力している。早期発見による医療費抑制が長期的観点から財政面でも有効なことは認識しており、他の部局の関連も含め、保健福祉部が中心となり実情を分析し、きめ細やかな対策を進めたいとのことであります。
次に、初めての決算となった介護保険関係では、実績関連の質疑があり、答弁では、第1号被保険者の1割以上が介護サービスを受けているが、初年度は数字の精査が困難であり、概算で予算措置をしたため、計画より実績が下回ったもので、苦情も少なく、全体的に大きな問題はなかった。北海道は施設介護の指向が強い傾向があるため、今後は居宅介護への移行が課題であると認識しており、実施予定の実態調査により、細かく精査し、対応したいとのことであります。
なお、介護保険料の収納実績は、特別徴収と普通徴収との合計で98.8%となっております。
このほかには、ドメスティック・バイオレンスへの相談対応や国保税の収納率向上策、特定疾患福祉手当、福祉除雪サービスなどに質疑がございました。
次に、総務文教常任委員会所管でありますが、まず教育関係では、郷土資料館の運営に質疑があり、答弁では、文化課とも連携し、歴史講座や史跡巡りなどの実施により利用者の増加を図っている。
また、使用料収入が少額であり、費用対効果や社会教育の観点から無料化にすべきとの質疑には、受益者負担の観点からもあり、無料にしても管理上、人員配置が必要なことから、一層の経費削減に配意していきたいとのことであります。
また、教育委員会が昨年度行った機構改革の成果を問う質疑に対しては、1部制により学校教育と社会教育、いわゆる学社の融合が進み、学校施設開放などで連携が円滑に行われている。業務量の変化から総務課の学務係を学務課にしたことなどによるメリットもあったとの答弁であります。
このほか、学校給食におけるアレルギー対応や地場産品の活用、公民館教室の在り方、森林公園キャンプ場の管理、教職員住宅の有効活用などに質疑がございました。
次に、総務・企画関係では、美原大橋のライトアップに質疑があり、調査を踏まえ、現時点では一般の電力を使って期間を限定して実施するなど、コストに見合う形が好ましいと判断しており、大々的に風力発電で行うことは見直す考えとの答弁であります。
また、循環バスの試験運行など交通関係での質疑では、南北方向や駅などの交通結節点に課題のある地域があるが、来年に予定されている規制緩和後のバス路線確保が一番大きな課題である。交通手段の確保は重要と認識しているが、試験運行の結果は乗客数が少なく、採算ラインには達していないため、利用促進に向けてどのような手法があるのか、行政としての対応を今後も検討していきたいとのことであります。
次に、入札契約事務の改善について質疑があり、答弁では、元請と下請関係の適正化や市内業者の活用については毎年通知しており、市内業者の下請率は少しずつ改善されてきている。低入札調査制度についても、調査項目や判断基準などの素案を作成し、成案に向けて検討中である。建設業退職金共済制度の指導は、他市の例を調査し、施工担当部とも協議したいとのことであります。
質疑の最後は、厳しさを増す財政全体の総括でありまして、答弁では、平成12年度は再算定などで交付税が多くなっているが、今後は交付税の減額や高齢化への対応など、将来を展望すると非常に難しい局面を迎えている。来年度は約13億円、その次年度は約17億円の財源不足が生じる見込みであり、昨年度から進めている財政健全化を行政改革や行政評価、行政診断等と一体で実現させなければならない。政策の総合性を高めるよう、現在、予算編成の時期を早めて取り組んでおり、率先して内なる痛み、内なる改革を進めたいとのことであります。
次に、討論の状況を要約して申し上げます。
まず、一般会計決算について、不認定の立場から、公債費負担比率の上昇や財政力指数の低下など厳しい財政状況であり、不況が長期化し、深刻さを増す中で、医療や福祉の負担増などにより、暮らしが脅かされている。不要不急の事業を見直して、最大限、市民の生活と健康を守る立場で財政運営に努めるべきだが、住民健診の自己負担増や特定疾患患者への福祉手当は後退である。財政執行に当たっては、地域経済を守り、住民福祉向上の視点から各事業を十分検討して行うべきである。
顔づくり事業や江別駅周辺地区調査事業など大型公共事業は、市の主体的判断の下に見直すべきであり、入札契約についても改善の努力はされているが、見るべき成果には結び付いていない。JR駅のバリアフリー化や子育て支援センター、保健福祉センターの開設など積極的な政策にも取り組んでいるが、弱い立場の市民を守る立場の市政が行われているとは言えない。
一方、認定の立場からは、長引く世界的な不況や構造改革などの中で、緊急雇用対策なども実施されたが、経済情勢は厳しい。公債費の増加など財政の硬直化が進行しているが、歳出では、子育て支援センターや保健福祉センター、西大麻住区会館、公営住宅などの建設、JR駅バリアフリー化、給食センター移転新築などハード事業が推進され、ソフト面ではIT化に向けた各事業、緊急地域雇用特別対策事業やNPOへの支援などは、市民の身近な課題が解決に向けて大きく前進したものと評価する。
歳入では、税収が落ち込み、自主財源比率が低下するなど、財政基盤がぜい弱化しており、厳正な財政運営が必要で、税財源の確実な捕捉ときめ細やかな対応、市民ニーズに適合した身の丈に合った政策の選択、バリアフリー化など社会的弱者への一層の対応、企業誘致を初めとする自主財源の確保、市民の交通手段確保のための施策、情報化の一層の推進などの実現を期待する。特に医療費の削減と健康づくり事業との連携を目指し、きめ細やかな施策の推進に向け、横断的体制整備を期待すると述べられております。
次に、国民健康保険特別会計決算に対する討論では、不認定の立場から、国保加入者は低所得者が多数を占め、国保税は支払能力の限界を超えており、介護保険料がさらに家計を圧迫している。老人保健への拠出増や不況を反映した中小零細企業労働者の加入により厳しい状況となっており、国において構造的欠陥を是正する抜本的改革が必要で、国保を社会保障として位置付け、国が被保険者の負担軽減等を図るべきだが、市も不要不急な歳出を検討し、加入者の負担軽減を図るべきである。また、早期治療や検診の充実により医療費低減を図るべきであり、特に緊急の課題である高齢者の健康づくりについて、全庁的、総合的に推進するよう要望する。
一方、認定の立場からは、被保険者や保険給付費の増加と保険税収納率の低下により、赤字決算という大変厳しい結果となったもので、様々な収納対策の努力を評価するが、一層きめ細やかな対策が求められる。経済が低迷し、厳しい環境に置かれているが、医療保険制度の改革を控え、市の保健事業とも連携し、検診の充実など様々な工夫により保健予防対策を推進するとともに、国などへの財政支援も引き続き要請するなど、今後のきめ細やかな施策に期待すると述べられております。
次に、介護保険特別会計決算への討論でありますが、不認定の立場から、介護保険制度は導入当初から数々の問題点が指摘され、特に高齢者や低所得者の負担に対する具体的施策が求められており、多くの自治体で保険料や利用料に独自の軽減策がとられているが、江別市はとられていない。介護サービスの給付実績も道内の中位程度で、年金や医療など高齢者の置かれる状況が厳しくなる中で、本来目指すべき介護の社会化の実現に向け、市の果たすべき役割に最善が尽くされたとは言えない。
一方、認定の立場からは、介護保険制度の円滑な導入のために第1号被保険者の徴収猶予措置がとられ、保険料収納率も全道平均を上回っている。給付実績は施設指向などから計画を下回ったが、今後は在宅サービスの利用拡大に向けたサービスの質の向上、ケアマネジャーなどサービス提供者の質の向上も必要である。第1号被保険者は毎月約80人増えており、今後ますます給付費の増加が見込まれるため、社会保険の理念を掲げつつ、介護保険事業の健全な運営に努力を期待すると述べられております。
以上の討論を経て採決の結果、一般会計と国民健康保険特別会計、介護保険特別会計は賛成多数で、老人保健特別会計と基本財産基金運用特別会計は全員一致で、いずれも認定すべきものと決したものでございます。
決算認定5件にかかわる審査報告を一括申し上げました。よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。