平成13年第4回江別市議会会議録(第1号)平成13年12月5日 4ページ
6 議事次第の続き
議会運営委員会所管事務調査報告
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第8 議会運営委員会所管事務調査報告を議題といたします。
議会運営委員長の報告を求めます。
議会運営委員長(宮野 一雄 君)
それでは、調査を行ってまいりました議員定数についてご報告申し上げます。
議員定数は、地方自治法第91条第1項の規定により、現在は法定定数制度となっておりますが、地方分権一括法により改正され、平成15年1月1日以降の一般選挙からは、法定上限を超えない範囲での条例定数制度となるものであります。
江別市の場合で申し上げますと、現行の法定定数36人を江別市議会議員の定数を減少する条例により32人に削減しておりますが、改正後の地方自治法では、上限の34人以内で条例により議員定数を定めることとなるものであります。
議会運営委員会では、国勢調査結果の速報に基づく道内各市の人口や世帯数、議員定数の改正状況などの調査を行い、協議を進めてまいりました。その状況を申し上げますと、前回国勢調査が行われた平成7年以降、定数を減少させた市は全道34市中25市あり、増加させた市は皆無であります。
減少数が最も大きい市は釧路市の6人でありますが、法定上限と同数の34人としたものであります。4人減の市は、40人とした旭川市、36人とした函館市、32人とした帯広市、苫小牧市、28人とした室蘭市、24人とした登別市、22人とした網走市、20人とした深川市の8市で、1人減で68人とした政令都市札幌市以外の残る15市は2人減であります。
なお、減少させなかった場合、法定上限を超えることとなっていた市は函館市、釧路市、帯広市、苫小牧市、千歳市、根室市であり、上限を超える状態でありますが、現在なお未決の市は小樽市と岩見沢市であります。
当委員会では、これらの調査結果等を基に、現在の定数は法定上限の範囲内ではありますが、今後の江別市議会の議員定数はどうあるべきかを調査してきたものであり、議会の根幹にかかわる極めて重要な事項でございますので、慎重に検討、協議を重ねたものであります。その経過の中で各委員から出された定数と主な意見は次のとおりであります。
まず、30人とすべき意見の概要であります。
江別市は、札幌市に隣接する道内でも数少ない人口増加市であり、多様な価値観や歴史観、社会観が共存している。多様な市民ニーズに対応しながら、今までだれもが経験しなかった低成長下でのまちの在り方、社会の在り方を、地方分権の推進により江別市が独自に作り上げていくことが求められる時代であり、議会の役割も一層大きくなり、現状の議員数も決して多いものではない。
経費削減の効果を追求する余り、議会本来のチェックアンドバランスの役割までも減ずることがあってはいけないが、昨今の厳しい時代環境を考えるとき、議会もさらなる一層の効率的な運営に意を用いなければならないと考える。
これらの様々な状況を踏まえると、上限値より4人減の30人が妥当であり、人口増加の他都市と比べ、議員1人当たりの人口数や減少率でもバランスが取れると考える。これをさらに減少させれば、経費の削減効果は大きくなるが、選挙時のハードルもまた高くなり、組織や団体などの支援がない、ごく普通の一般市民にとっては、議会参画のチャンスが一層遠ざかることになる。多様な価値観を議会に反映するためにも、若い人たちや婦人、社会的弱者と言われる人たちの議会参画を困難にしてはならない。
なお、節減された経費を議員報酬に充てることは、あってはならないことであるとの意見が加えられております。
また、同じく30人とする意見として別の委員からは、江別市には、既に始まっている総合計画の策定を初め、江別駅周辺再開発や江別の顔づくり、高齢化社会への対応など、今後多くの課題を抱えている。こういうときこそ多くの市民の英知を集めるべきであり、主婦の議員や車いすで来る議員、各グループからの代表などに門戸を広げ、多くの議員により市民の小さな声をくみ上げて将来の江別市を作っていくべきで、大幅な定数減や議員報酬の増額は行うべきではない。常任委員会の活性化に必要な人数を考慮すべきであるとの意見であります。
また、30人を主張する別の委員からは、歴史性や行政面積、人口、行政課題など様々な角度から検討すべきであり、道内10万都市でも釧路市の場合は法定上限数である34人としたもので、その減数率で見た場合はゼロである。江別市が30人とした場合、減数率は11.77%で、帯広市の減数率は5.89%である。法定上限に対する減数率も観点の一つにあって良い。
また、28人前後とすべき意見では、市の財政状況は非常に厳しく、一日も早い大胆な行政改革が必要であり、事務事業の見直しや組織の見直しは避けられない状況にある。議会自らが率先して改革の精神を示すべきであり、議案提出要件の緩和や先進都市の減少事例なども踏まえるべきである。
また、24人とすべき立場からは、議員定数の調査は、地方分権に沿い、市民要望の強い行財政改革等にかかわって行うべきである。
昨年、議会運営委員会が道外調査を実施したが、ほとんどの市が財政面から減少させており、市民団体からの請願や陳情なども財政面からの内容であった。
江別市の中期財政見通しでは、来年度以降、多額の財源不足が想定されており、財政調整基金もなくなるという重大な結果を招くおそれがあり、重く認識しなければならないし、昨今議論されている市町村合併でも、行財政改革や市町村議員の大幅削減が考えられている。
自治体の今後の在り方は、情報公開の推進により、市民が直接、行政施策や事業に参画し、協働型の新たなまちづくりの形態が推進されると考える。また、昭和48年の減少条例制定以降、初めての改正となることからも、議員定数は一度議決すると長期間改正されないだろうと思われる。先見性を持ち、大都市札幌の衛星都市という考え方があっても良いのではないか。
議員定数を決定する要素の第一は人口と考えており、5,000人に1人、2,000世帯に1人の議員でも、江別市の環境、現状から問題はないし、議決機関としても十分成立する定数である。
また、現行と同数の32人とすべき立場からは、議員定数は財源問題的な論点ではなく、地方自治制度における民主主義の観点から論議する必要がある。地方分権の主旨は自主・自立であり、地方自治体としてどうあるべきかを自主的に決定することが基本である。
地方議会の権能や機能等は、住民の意思や希望を反映させ、命や生活、権利を守り、改善していくことにあり、身近な生活や暮らし、福祉などに責任を負う役割がますます強まっていくと思われる。執行機関に対する監視権や意見の表明権、チェックとバランスの面で、地方自治の歴史的経過を踏まえると、本来は議員数は多いほど良い。
議員定数は上限でなく、むしろ下限を定めるべきだが、法定の上限数は人口規模に応じており、江別市は道内でも人口が増加傾向にある希少な都市である。住民意思の反映が最も重要であり、代弁者としての議員確保には上限の34人でも良いが、財政状況を全く無視できないので、現状の32人が適当と考える。
経費節減や運営効率化の観点ならば、少ない方が良いことにはなるが、財政的な節約は議員定数には該当しない。江別市は一般会計に占める議会費の割合も高くはないし、道路等を建設する公共事業費と議会費を同一レベルで考えるべきではない。財政問題を言うならば、海外視察の見直しなども論議すべきである。
江別市は、総合計画や都市計画マスタープラン、少子高齢化、江別駅や野幌駅周辺問題や石狩川、千歳川の治水対策など、たくさんの政策課題がある。議員の定数減は有権者にとっても選択の幅が狭まることにつながり、現状の議員数確保が必要である。
30人ないし28人とすべき意見としては、様々な観点から意見が出されているが、どれもが正論であり、議員とは一体何だろうかという根本的なところに立ち返らざるを得ない。
選挙で選ばれる議員の役割は、市民の声を代弁し、行政に対するチェックやルールを作り出す機能にあり、議員には提案権もある。議会が機能を果たすには、議員が多ければ多いほど市民の意見が反映され、法定上限の34人も正論として立派に根拠があるが、一方では財政難や行政改革という要素から削減の議論があり、この相反する論拠を見比べなければならない。
議会が極端な少数で行われることは偏重につながるおそれもあり、果たして活性化するかも疑問である。各層の考え方や新人などの入りづらい狭き門になる懸念があり、少数精鋭になるかも疑問である。
議員の資質は、あくまでも市民の選択によるもので、議員が他の議員の資質を問うことはできないし、選ばれる議員はすべて精鋭でなければならない。市民の素朴な声を聞き、議会に反映することも議員の大きな仕事である。
常任委員会の委員数を考慮すると、28人から30人が適当と考える。
このように32人から24人までの大きな相違があり、調査の進め方につきましても、委員会に諮りながら、さらなる論議を再三にわたり重ねてきたところでありますが、各委員からの意見はその後も基本的に変わらなかったのであります。
しかし、意見の集約を図るべく進めてまいりました結果、最終的な結論として主張された定数は、24人、29人、32人の三つに分かれたものであります。一つの結論には至らなかったのでありますが、議会運営委員会はこの結果をもちまして本会議にご報告申し上げることを全会一致で決定いたしております。
長期にわたり各会派を代表して深い論議をいただきました委員各位に厚く感謝申し上げながら、所管事務調査報告といたします。
議長(五十嵐 忠男 君)
これより議会運営委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、議会運営委員会所管事務調査報告を終結いたします。
各常任委員会所管事務調査報告
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第9 各常任委員会所管事務調査報告を議題といたします。
初めに、総務文教常任委員長の報告を求めます。
総務文教常任委員長(稗田 義貞 君)
先月実施いたしました三重県3市の行政調査についてご報告申し上げます。
まず、松阪市でありますが、人口は江別市同様約12万4,000人で、三重県南部の産業・経済・文化の中心都市であり、新総合計画の策定と市民参加について調査しております。
来年度からの第4次総合計画の策定を進めているもので、社会情勢の変化や少子高齢化、分権、協働などの時代を背景に、元気で活力ある松阪、快適で美しい松阪など6点を施策大綱とし、期間は平成23年までの10年であります。
歴史と文化のいきづく公園都市を基本として、都市像を達成するためのデザインとビジョンを描くもので、将来人口の設定は行わず、13万5,000人を計画策定のための想定値としております。
策定体制として、市民側には諮問・答申を行う総合計画審議会や市民委員会、市民懇談会などを設置しており、市民委員会には教育、文化、健康、福祉をテーマとする分科会と都市環境や産業振興をテーマとする分科会とが設けられ、施策を分析し、総合計画に反映するべく提言書を作成しております。
一方、行政側では、テーマ別基礎研究庁内検討委員や新総合計画試案作成会議などを設けております。
議会では、全議員協議会で年度末の議決を予定し、議決対象である基本構想案の説明を受けておりますが、調査のための特別委員会などは設置されておりません。
策定段階から市民参加で進めていることが特徴で、審議会へは学識経験者のほか、NPOからも参加しております。小中学校には絵画や作文等のふるさとコンテストを実施したほか、市の将来像などの提言を受ける市民百字提案や市民意識調査、策定段階ごとの市民懇談会、地区別懇談会など多種多様な取り組みを行っており、基本構想は第2次案の段階まで進んできております。
次に、一番短い名前の市、津市でありますが、明治維新後の廃藩置県により県庁所在地となり、明治22年に我が国最初の市制を施行。県の政治経済、文化の中心地として発展し、人口は約16万人であります。
まず、行財政改革についてであります。
平成10年度に策定した行財政改革大綱に基づき、平成12年度までの前期実施計画を推進しており、大綱に対する進ちょく状況を点検し、現在は平成13年度から17年度までの中期実施計画を策定して進めております。補助金の削減には一番抵抗を強く受けたが、補助要綱の整理により、年数は掛かっても見直しを進めるとのことでありました。
二つ目の調査項目は、男女共同参画についてであります。
平成7年度に策定した男女共同参画プランは、平成2年度に策定した津市婦人の行動計画を、男女共同参画都市宣言を契機に行政主導で改定したものでありますが、現在は学識経験者や市民の代表からなる男女共同参画懇話会で意見を聞き、プランの改定や、条例制定など諸施策に反映させております。
庁内の推進体制としては、男女共同参画推進連絡会議を設置し、具体的に各課が行う施策を示した上で進行管理を行っております。
昨年開催の日本女性会議や今年開催した女性議会、小中学校の男女混合名簿など、活発な取り組みを進めており、政策決定の場への参画としては、審議会等への女性登用率は本年6月現在で29.1%に達しております。
また、平成7年に議決された男女共同参画都市宣言は、男女がともに豊かな文化をはぐくみ、魅力ある都市を築く趣旨で、東海地方では初めての宣言となり、市民全体の意識が徐々に高揚するなどの効果があったとのことであります。
さらに、現在、男女共同参画推進条例の制定に向けて準備中であり、本来はプランで十分だが、市以外の事業者や市民も対象にしている点で、条例による裏付けや意識付けの効果があるとのことでございます。
次に、四日市市を調査いたしております。
人口は県下最大の約29万3,000人で、初めに行財政改革について申し上げます。
石油化学コンビナートや国際港湾のある産業の盛んな都市ではありますが、平成11年度から交付団体となり、企業会計も含めた地方債が2,365億円にも達しております。
平成8年に当選した新市長による公約は、情報公開、行財政改革、きめの細かい行政の推進で、情報公開と行財政改革は 表裏一体という考え方であります。
古くは昭和56年に行財政改善整備計画を策定して進めてきた経緯があり、平成9年に大綱策定のための組織を設置し、新大綱は平成10年9月に策定されております。
第1次の実施計画は、平成12年度までの3年間で、職員数は退職者不補充で182名を削減したとのことであり、第1次の未了分と今後もステップアップする分、新規に目指す分とで、合計116項目を第2次分として実施中であります。
各課から3年度分の計画表を提出させ、達成結果により毎年見直すことにより、進行管理を図っているとのことであります。
事務事業評価システムについては、県の影響もあって平成11年に導入し、職員の意識改革や市民へのアカウンタビリティには効果を期待できるが、予算との連携や、本来目的である事業の質を高めるなどの活用面では、まだ試行錯誤の段階とのことであります。
次に、男女共同参画、女性施策についてでありますが、女性施策プランは、女性市職員が中心となった女性施策検討会議による資料が基となっており、次の七つの柱で構成されております。
第1に、仕事と育児を支える条件整備として実施している病児保育は、看護婦1名、保育士2名の常駐体制による民間病院への委託事業であります。
第2に、男女平等教育のすすめとして実施したのは、学校の男女混合名簿であります。
第3に、審議会等への女性登用は、要綱により、平成15年度末で30%、22年度末で50%を目指しております。
第4に、女性のための施設整備面では、平成8年に女性センターを開設しております。複合施設の3階にあり、開館時間は午前9時から午後9時までで、会議室や託児ができるこどものへや、相談室などからなり、調理室以外の使用料は無料で、団体等が利用できるロッカーや連絡用のメールボックスも設置されております。女性を取り巻く諸問題の解決や男女共同参画社会の実現に資することを目的として、各種講座などの学習機会の提供、グループ活動の支援、電話や面接による女性相談、図書や資料による情報収集提供などの事業を実施しております。
また、ファミリー・サポート・センターは、平成9年4月に設立された育児援助の会員組織で、援助を行う会員と援助を 受けたい会員とが保育園や学童保育所等の送迎など子育て支援の輪を作り、仕事と育児を両立させ、安心して働くことができる環境を作ろうとするもので、利用数は毎年増加しているとのことであります。
第5に、相談体制づくりでは、人員体制の充実とドメスティック・バイオレンスへの対応等が課題であり、電話相談員の増員を要望中とのことであります。
第6に、更年期女性への配慮としては、市立四日市病院に更年期外来を設置。
第7に、単身女性等への不利益の除去では、市営住宅への入居優遇などが考えられますが、現実には進んでいないとのことであります。
女性施策プランについては、高齢化や介護の面から見直しを検討中であり、助役をトップとする全庁的な推進体制を整備し、今後、進ちょくも管理したいとのことであります。
これらのほか、駅周辺再開発関連の施設なども視察できましたが、いずれの項目も江別市で取り組み中のもので、参考となる点が多々あったことを申し添えまして、所管事務調査報告といたします。
議長(五十嵐 忠男 君)
これより総務文教常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、総務文教常任委員長報告を終結いたします。
次に、厚生常任委員長の報告を求めます。
厚生常任委員長(鈴木 真由美 君)
厚生常任委員会の閉会中の所管事務調査として、初めに、9月までの市立病院の経営状況についてご報告いたします。
まず、患者数でありますが、入院で6万6,665人、1日平均364人で、計画に対して8人の減、病床利用率は408床に対し89.2%であります。外来では、夜間急病診療を含め19万9,491人、1日平均1,580人で、計画よりも79人の増であります。
診療科別では、入院で循環器科、小児科が計画よりも減でありますが、呼吸器科、整形外科は計画よりも増となっております。外来では、皮膚科が計画よりも減となっておりますが、内科、循環器科、産婦人科、眼科、泌尿器科は増となっております。
次に、診療収益でありますが、入院収益は20億9,413万9,000円で、計画よりも5,409万4,000円の減、診療単価は3万1,413円で、136円の減であります。外来収益は11億3,574万9,000円で、計画よりも3,819万3,000円の増でありますが、診療単価は5,693円で、103円の減となっております。
入院・外来を合わせた診療収益の合計は32億2,988万8,000円で、計画に比べて1,590万1,000円の減であり、診療科別では、消化器科、小児科、眼科が計画よりも減でありますが、内科、整形外科、耳鼻いんこう科は増となっております。つまり、外来患者数の増が、入院・外来の診療単価の減及び入院患者数の減をカバーしている状況にあると言えます。
医業費用の状況は、実績で32億5,163万6,000円、入院患者数の減に伴う材料費の減によって、計画よりも総体的には4,232万6,000円の減となっておりますことから、2,642万5,000円の収支の改善が図られている状況であります。
半年を通して4月から7月までは計画を上回っておりますが、8月、9月は入院患者数の減が影響して計画を下回っている 状況にあり、後半の半年間における収益確保や経費節減に努力されることを期待するものであります。
また、国などで議論されております来年度以降の診療報酬の改定や健康保険の本人負担割合の見直しなど、今後の病院を取 り巻く経営環境も厳しくなることが予想されますことから、委員会としても引き続き注視してまいります。
次に、道外行政調査についてご報告をいたします。
当委員会では、11月5日から8日まで4日間の日程で、埼玉県の深谷市、新座市、蕨市と千葉県の船橋市において調査をいたしました。
まず、深谷市は人口が10万2,367人で、埼玉県の北部に位置し、東京都心から74キロメートルの都市で、休日保育事業と介護保険関連の独自事業を調査いたしました。
休日保育は平成10年から、日曜日、祝祭日に保護者が仕事などで保育できない小学校入学までの児童を対象に午前7時15分から午後7時30分まで実施しており、利用料は年齢区分により1時間につき400円から700円で、民間の保育園1園が国庫補助事業として行っております。
1日平均の利用者数は10人程度で、1歳から2歳児が多く、また、午前中の2時間から4時間程度の利用が多く、園では正規職員2名から3名の体制でローテーションを組んで実施しております。
介護保険関連の独自事業では、市内各地区ごとに2名以上の介護保険相談ボランティアを配置し、市民からの苦情受付や相談機関として位置付けし、市内全体で27名を配置しているほか、まちかど介護相談薬局として、高齢者の利用が多い市内の薬局を地域における身近な相談窓口にして、高齢者の支援を行っております。
また、チューリップネットワークとして、深谷郵便局、市内金融機関やふかや農協などと協定し、関係職員約280名ほどで、一人暮らしの高齢者などに関する情報を市に提供してもらうネットワークを立ち上げ、地域全体で高齢者を守っていく仕組みづくりをしております。
次に、埼玉県の最南端に位置し、人口14万7,608人の住宅都市である新座市では、休日保育事業、トワイライトステイ事業と子育て支援ホームヘルパー派遣事業について調査いたしました。
休日保育は平成8年より実施しており、1歳児から5歳児までを対象に、正月3が日を除く日曜日、祝日と年末に午前7時30分から午後7時まで開設しており、利用料は1日2,000円であります。定員は1日15名以内で、実施は民間の保育園に委託しており、現在の利用状況は月平均で10名前後とのことであります。
ひとり親家庭等児童夜間養護事業、いわゆるトワイライトステイ事業は平成7年から実施しており、平成12年4月からは、仕事などの都合で保護者の帰宅がいつも遅くなるような、ひとり親家庭などの満1歳から小学校6年生までを対象に、夜間に限らず日中も利用できるようになり、養育には市内の里親又は協力家庭が当たっております。
協力世帯への委託料は一律1,800円で、日額の利用料は、生活保護世帯の場合、負担はありませんが、非課税世帯、母子・父子家庭で520円、そのほかの世帯で900円となっており、利用者の負担分と市費で委託料を賄う仕組みになっております。
12年度の利用実績は6件で、年間延べ364日の利用状況でありますが、利用希望があっても、協力世帯がいないと事業自体が成り立たないことから、協力世帯の確保が課題となっております。
子育て支援ホームヘルパー派遣事業は平成10年から開始されており、出産し、退院後1か月以内の母親のいる家庭で、親戚などの家事支援が受けられない母親の炊事、洗濯、清掃、買い物などの家事について、ヘルパーを社会福祉協議会より派遣して支援を行っております。
1時間当たりの負担金は、所得により0円から900円の7階層の区分があり、平成12年度実績で派遣件数は11件、利用率は1,408人の出生数に対して0.78%で、制度創設後の3か年平均の利用率も0.65と低いことから、新座市ではPRのほか、子供への介助も対象にするなど事業内容も検討するとのことであります。
次の蕨市は、行政面積が5.10平方キロメートルと日本一小さな市であり、人口が7万1,385人、人口密度が1平方キロメートルに約1万4,000人であります。
蕨市では、複合施設である総合社会福祉センターと交流プラザさくらを調査してきましたが、市内全域に住宅が密集しており、公共用地の取得が困難な事情もあったことから、施設の複合化がなされております。
総合社会福祉センターは平成7年度完成の施設で、地上4階、地下1階、総事業費33億円で、軽費老人ホーム、在宅ケアセンターとしては老人介護支援センター、訪問看護ステーション、ホームヘルプステーションや有償ボランティアのための施設のほかに、知的障害者授産施設、身体障害者福祉センターとしては入浴、機能訓練、身体障害者デイサービス、知的障害者デイケアのための施設もあり、大別すると、60歳以上の人で独立して生活することに不安のある人が暮らせる軽費老人ホームと障害者支援センターの二つの機能があります。
また、ソフト面では、老人介護支援センターの本来的な業務のほかに、在宅24時間センター機能として、一人暮らしの高齢者に対して、福祉連絡システムを利用した定期的な安否確認を初め、午後5時以降の夜間、早朝及び土日、休日、年末年始などの従来行政で対応できない時間帯にも福祉専門員とホームヘルパーが常時待機し、緊急・臨時の事態に対応するほか、365日、各種の相談・連絡等にも応じることができる体制になっております。
次に、交流プラザさくらは平成9年度完成の施設であり、総事業費4億6,845万8,000円で、老人憩いの家、デイサービスセンター、児童館と留守家庭児童指導室の四つの機能を持ち、乳幼児、児童やお年寄りなど幅広い市民が利用できる市直営の施設で、所長1名、児童厚生員2名の3名体制で運営しております。
老人憩いの家には舞台付きの42畳の和室、囲碁・将棋のための娯楽室や会議室があり、児童館には遊戯室、図書コーナーや幼児コーナーなどが設置されております。
平成12年度の利用状況は3万9,371人、1日平均135人で、うち高齢者が33.8人、児童等が97.7人となっております。
高齢者と児童との日常的な交流をねらった施設でありますが、なかなか自然発生的な交流が難しく、また、学校の授業との関係で小学生高学年などの利用が少ないため、開館時間の延長を試行したり、学校週5日制への対応も課題とのことであります。
最後に、千葉県の船橋市は人口55万3,913人で、県内では千葉市に次ぐ第二の人口を擁し、都心より20キロメートル圏内にあり、ケア・リハビリセンターとデイサービスセンターを調査いたしました。
ケア・リハビリセンターは、地下1階、地上4階、総事業費38億円で、平成9年に完成した寝たきり防止など家庭で療養している高齢者支援のための施設で、リハビリセンターでは、在宅高齢者に自立した生活や社会参加が続けられるように、楽しみながらできる運動や作業活動によるリハビリを行っております。
リハビリセンター部分は市直営の施設で、運動療法室、プール、カルチャー室や言語療法室等が整備され、理学療法士、作業療法士、保健婦などの専門職員も含めて7名の職員が配置されております。
利用状況は平成12年度実績で1日平均8.1人で、介護保険制度の適用施設でないため、利用の促進を図っていくことが今後の課題とのことであります。
ケアハウス市立船橋長寿園は、身体機能の低下等により独立した生活に不安がある60歳以上の方が自立した生活をするための施設で、単身者用30室、夫婦用5室があり、定員は40名で、10月1日現在、単身者用で28室、夫婦用は5室とも入居している状況であります。
また、在宅介護支援センターは社会福祉法人へ運営を委託しており、ソーシャルワーカー3名が配置され、24時間介護相談の受付も行っております。
次に、三山老人デイサービスセンターは、船橋市では初めて児童数の減少に伴う余裕教室の有効利用を図った施設で、平成10年6月に開設しております。総事業費1億3,700万円で、主な施設として、地域の高齢者の方々が交流する場となる高齢者ふれあいの部屋、食堂、浴室、作業・日常動作訓練室や相談室などがあり、自宅で暮らす65歳以上の方に日帰りで入浴、食事、日常動作訓練などのサービスを行っています。
船橋市では用地取得費の節減に大変メリットがあったとのことで、市の財政状況や、建物自体がもともと小学校であることから、駐車スペースの確保や財産区分も明確化しやすく、施設整備の地域的なバランスなども考慮する中で整備されたとのことであります。
運営自体は社会福祉法人に委託しており、施設の利用状況としては、デイサービスの利用登録者は90名程度で、1日平均で13名程度、ふれあいの部屋は1日当たり10名程度の利用があり、定期的に小学生と高齢者との交流事業も実施しております。
以上が調査市の概要でありますが、少子高齢社会を迎える時代において、これからの当市における今後の少子化対策、高齢者福祉施策を考える上で、示唆に富み、参考となる行政調査でありましたことを申し上げ、以上、閉会中の所管事務調査報告といたします。
議長(五十嵐 忠男 君)
これより厚生常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、厚生常任委員長報告を終結いたします。
次に、環境経済常任委員長の報告を求めます。