平成13年第3回江別市議会会議録(第3号)平成13年9月13日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(塚本紀男君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
稲垣議員の小泉改革についてほか2件についての質問を許します。通告時間25分。
稲垣良平君
ただいま議長から発言の許可を得ましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
私は、行政改革担当が発行しております行革ニュースe-style、こういう取り組みは高く評価できる、詳細に問題の所在、あるいは考え方をやり取りしながら物事を進めていく、こういう手法は極めて評価できると思っております。それによりますと、7月2日、日本能率協会から講師を招いて行政診断の説明会を開催した際に市長は、国の進める構造改革を地方は受けざるを得なく、江別市は今から構造改革に備えなくてはならないとあいさつされた旨が伝えられております。
私はご承知のようにここに議席を得ましてから市長に社会経済情勢の大きな歴史的な変化からあらゆる仕組み制度を見直すことが必要であるとそういう見直しを求めてまいりました。それは、一つには現在の総合計画の見直し、そして新しい時代にふさわしい新たな計画の策定であります。そして、中長期の財政計画の策定と単年度予算との連携、行政評価を基礎にし、明確な目標と具体的な手法を掲げた行政改革の行政改革大綱の策定と実施、さらにはあらゆる情報の水平共有化を進める情報化計画の策定と実施などであります。これらの事項に関連して、これらに取り組む姿勢を市長に対してただしてまいりました。その過程では市長はこれらに取り組まざるを得ないという見識は示されたものの、あいまいな点を残したということは否めないと思います。
さて、現時点ではどうか、これらへの取り組みというものが今や避けて通れない地域経営の環境にある、そういうことが理解され、私はやっと動き出したという感を持っております。
このような動きになったのは当然のこととして、理事者の大きな意識変化、これが一つの要因でありますが、これらの課題の重要さに気付いていた職員が能動的に動き出したからだとも聞いております。現在の取り組みというのは今やもう後戻りはできないものであり、それらの各項目というのは相互に深く関連しておって、一体的にスピードアップをして取り組まなければその成果というものは希薄にならざるを得ない、こういうことから、市長を初め理事者等におかれましては、これを担う職員等が積極的に活動できるように指導、サポートする対応をしていただきたいと思います。
さて、市長が受け入れざるを得ないとされた小泉内閣の聖域なき構造改革は、骨太の方針として7つの改革プログラムが掲げられております。これらすべての改革プログラムは地方自治体の運営にも直接、間接に影響いたしますが、特に地方自立・活性化プログラムにおいては、地方自治体の行財政の効率化を前提に地方税の役割を拡充して自らの財源確保努力を誘導しようとしており、江別市の財政においては依存度が高い地方交付税制度についてもその特別会計の実質的破たんから削減を含めた見直しが見込まれております。また、財政改革プログラムに関連しては、公共事業費の10%削減が予定されており、その影響も予想されます。
一方、生活維新プログラムでは、地域社会のバリアフリー化や女性の社会進出を進める保育所や放課後児童対策など社会生活の基盤の充実やチャレンジャー支援のプログラムではIT化の推進などが重点として取り上げられております。
私は、これらの改革は国の財政や社会経済情勢の閉そく状況を打ち破るためには避けて通れないものと考えております。そして、我々この江別という地域を預かる行政、議会というものはむしろ積極的に地域経営体質の強化に向けてこれらの改革を自らのものとしてチャレンジする対応が重要と考えております。そのためには、現在緒についた江別市の取り組みを徹底するとともに、これらの改革プログラムの動向を把握して私どもの取り組みに的確に反映する必要があると考えます。ついては、市長は国が進めようとしている改革プログラムに対応して、江別市の改革をどのような考えで進めようとしているのか、基本的な考え方を簡潔に伺いたいと思います。
また、現在進められている7つの改革プログラムの検討は、極めて大規模で広範囲であり、その検討方向を把握して共有化して自治体としての対応を検討するためには庁内に調整会議のようなものを設置して情報を総合化することが必要であると考えます。市長の考えをお伺いをいたします。
次に、角山地区の道路整備についてお伺いをします。
全市民の行政に対する施策要望の経年変化すなわちどんな要望事項があるか、そしてその要望事項の度合い、強い弱い、そういう変化というものは昭和55年から実施されている、3年度ごとに実施されている市民生活環境意識調査によって把握することができます。この調査の中で道路整備の項目を見てみますと、市民の道路整備に対する要望、これは昭和61年調査では要望率が34%、平成2年調査では32.7%と施策要望項目の中で極めて要望率が高いということがございました。当然のこととしてこういう高い要望率にこたえて道路整備は逐次推進され、要望率は大幅にその後低下をしており、平成11年最近年の調査では13%程度になっております。このことから、市民生活等に必要な道路整備については、行政的に一定の成果を上げているものと推察されます。市の路線網図を見ても市街化区域は言うに及ばず市街化調整区域においても認定された市道の網が全市的に行き届いております。
そのような中で、私は過日異常な体験をいたしました。角山地区に行ったときのことでございます。私にとって角山地区は縁もゆかりもないところでありますけれども、産廃施設の集中している地区、そして産廃施設の立地も含めてこれまでのいろいろな経過から問題を引きずっており、その改善が求められている地区として関心を持つに至っております。
産廃施設の現状を見るために視察に訪れました道庁の担当課を案内して地区内に入りました。施設を間近で見るために幹線道路から支線道路に入りますと道路の状況がどうもおかしいと感じました。路面をよく見てみますと鉄筋がむき出しになったコンクリート殻が敷き詰めてあります。路肩を造成している様子もありません。私はいつ車がパンクするかもしれないと心配でした。道の担当課の責任者もこれは産廃を敷き詰めた道路ですねと言っておりましたが、私もまさしくそのとおりだと感じました。と同時に、この道路はどのような経過で造られたのか、行政はどのようなかかわりを持ってきたのかという疑問を持ちました。
江別市全体では先ほど申し上げましたように道路整備が進み、農村部、市街化調整区域でも市道が耕地に沿って整備されている中で、この地区だけがなぜこのような実態にあるのかということを疑問に思ったわけであります。
改めて路線網図を見てみますと、国道275号以北の角山地区では認定されている道路はわずかであり、かつその市道は産廃施設の立地状況に照らしますと、産廃の運搬用に作られているのではないかとさえ思われるものであります。
一方、幹線市道から農振農用地区域にある耕地に行くための道路は全く整備はなされておりません。他地区における農振農用地区域の市道整備の状況とは大きく掛け離れている状況にあります。
では、認定道路ではない私がさきに述べたような産廃を敷き詰めたような道路がどのようにしてできたのか、角山地区には平成9年に地区内の道路整備を促進するために角山道路整備促進期成会が設けられております。この期成会が設けられました理由は種々語られていますが、いずれにしても地区内の道路整備の促進を行政に要望しても実現できる見通しを持てなかった、地元の人の言葉を借りれば受け止めてもらえなかった、相手にされなかったということであります。これに対応するために角山地区の住民は自らが道路を整備することとして期成会を作ったわけです。そして、道路整備を大きな経済的な負担をしないで実現するためにコンクリートなどの建設廃材の再生を行っている産廃事業者を期成会のメンバーに加えてそれを路盤材として敷き詰めるという手法を取ったということであります。
私は当時住民の人たちがやむを得ずこのような手段を取ったということに関しては致し方なかった面が多いと考えます。また、行政にとっては道路整備は大きな財政投資を伴う事業であり、要望があればすぐにこたえるということが困難な状況から期成会の取り組みについて異を唱える状況になかったという点についても致し方ない部分が多かったと思います。
いずれにしても、このような経過でさきに私が指摘したような驚くような道路、市道として認定されない道路が角山地区全域で作られていったわけであります。
私は、このような手法が採用されたことで次のような問題が生じていると思っております。一つには角山地区の農振農用地区域の道路は、他地区の農振農用地区域の道路整備と比べて整備水準が結果的に大きく劣るものになっていること、これは路肩を作らずに再生産廃を敷き詰めた道路になっていることや、地域では水処理が大きな課題であるにもかかわらず側溝は測量に基づく有効なこう配確保や必要な横断管が布設されているとは思えない現状からそう判断できます。さらに、環境意識が高まる中で路盤材についてもしかるべき材質が確保されなければならない現状の中で、産廃の埋め込みとさえ見える施工というのは環境保全の面で問題が生じる可能性もあります。二つ目には、地域に立地操業している産廃事業者が期成会に入り、再生路盤材、そうは思えないものが多く使われているわけですけれども、いずれにしてもそういう材を格安で、あるいは無料で敷き詰めることによってたとえ産廃業者の産廃事業そのものに問題があっても住民は事業者に苦情が言い得ない、言いづらくなる、そういう関係となったと思えることであります。このことによって結果的に産廃事業者は産廃事業の展開に担保を得る状況になってしまっているのではないか、そういうことがきぐされるということであります。
さて、先ほど申し上げましたように期成会の設立、道路整備の経過、これに対する行政の対応については当時としてはやむを得ない面があったことは承知しておりますが、地域で行われた道路整備の現状と他地域との明確な差、そして環境の保全、劣化の防止の必要性から見て、当該地区の道路整備については現状においてはその現状把握、そして今後の整備に対する展望計画が必要と考えます。つきましては、当該地区の道路整備の現状についての認識を伺うと同時に、私が指摘するように角山地区の道路整備は他地区と手法が大きく異なり、整備水準にも問題があるとすれば今後どのように対応するかお考えを伺います。
次に、土地開発公社への貸付金について伺います。
本年度の当初予算総額は435億8,500万円で、昨年度12年度予算比1.2%の増加となっております。このことは江別市の広報にも掲載されております。市民は多分この厳しい経済環境の中でよく前年を上回る予算編成ができたものだというふうに思ったのではないでしょうか。
この1.2%伸びている予算を支える歳入を見ますと、全体的にマイナスとなっている歳入項目が目立つ中でひときわ目立つのが諸収入60億1,700万円であり、その伸びは12.1%、歳入に占める割合は13.8%にもなっております。この諸収入のうち最も額の大きいのは貸付金元利収入で42億8,000万円となっております。これらは農業振興資金、工業振興資金、あるいは融雪施設資金などであり、それらは事業者が事業を展開するための必要な資金として投資され、あるいは融雪施設を設置するために活用されています。そしてそれらは償還計画に基づいて借受者から計画的に償還されています。しかし一方、この中に含まれる最も大きなものは土地開発公社への貸付金の償還金で26億8,000万円であります。この貸付金については、土地開発公社に年度初めに貸して年度末に回収するというものです。そしてこの貸付金は、公社が保有する土地に係るこれまでの累積された金融機関からの借入利息や人件費相当で、昨年度は19億5,600万円、今年度はこれに加えて保有期間が10年以上の土地の元金分についても金融機関からの借り入れに換えて無利子貸付として6億7,600万円が上乗せされてトータルで26億8,000万円になっています。この6億7,600万円が上置きされ、予算措置が増額され、そのことによって見掛け上、形の上では歳出歳入増えて予算規模が拡大して増加してあたかも順調に歳入が増加している、そういう感を与える、誤った財政認識を市民に与える結果になっているのではないかと思います。
このような現状になっているのは根本的にはいわばこれらの不良債権を結果として玉突き、あるいは先送り、そういう単年度の貸付と償還を繰り返すことでしか対応できない現在の財政のぜい弱性にありますが、財政のぜい弱性についての論は別に譲るとして、その原因となっている土地開発公社の売却用土地の販売が進まないというこのことが大きな原因として挙げられ、これを迅速に対策を打つ必要があります。この対策については全国的な問題となっており、昨年春に旧建設省と自治省から通達がなされて地方公共団体は保有期間が10年を超えたものについて10年を超えた年度の次の年度中に当該土地の用途及び処分方法を再検討することとし、いわば処分の方針策定その実施を求めているわけであります。
さきに述べましたように江別市は保有期間が10年以上の土地について元利金6億8,000万円を銀行借入れに換えて市からの無利子の貸付けを行うことによって簿価の上昇を抑制する措置を取っています。私に言わせればこの措置については対策の順番が違うのではないかということを申し上げたい、すなわち10年以上保有されている土地についてまず当該土地の処分、土地の用途、そして処分方針を早急に明確にする、公表する、その方針の中で今回措置された元金部分の対応についても位置付けされるべきだと考えております。ついては、早急に必要となっている土地開発公社の処分すべき土地についてその方針、計画についてまだできたとは伺っておりません。どのような現状になっているのか、そして今後の方針について考えを伺います。
以上で第1回目の質問とさせていただきます。