平成13年第3回江別市議会会議録(第3号)平成13年9月13日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(塚本紀男君)
立石議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
立石議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、市内企業の育成についてでありますが、ご承知のとおり昨今の経済情勢は非常に厳しいものがあり、加えて国の構造改革に伴う公共事業の削減など中小企業を取り巻く環境はますます厳しいものとなっております。このことは当市においても同じ状況下にあるものと考えております。
市におきましては、地域経済の振興や雇用機会の確保は重要な施策の一つでありますことから、従前より地元企業への受注機会の確保に意を用いてきているところであります。
まず、地元企業の直接影響を与える数値でありますが、平成12年度の受注状況を見ますと、大規模工事であります仮称江別市新ごみ処理施設建設工事これはちょっと除外をいたしまして、公営企業会計を含めた工事等における地元企業の受注割合は85.4%で、その額は74億6,000万円であります。物品・役務につきましては、市長部局の数値でありますけれども、地元企業の受注割合は46.2%で、その額は12億4,000万円であります。
毎年中小企業基本法の精神を受けて閣議決定されます中小企業者に関する国等の契約方針が示されてまいりますが、その中に地元中小企業者等の活用が言われておりますことから、厳しい状況の中、企業の経営力や技術力の強化など企業努力も大事でありますし、市におきましても市内において調達できないものは別といたしまして、引き続き地元企業の入札参加など受注機会の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、指名競争入札制度についてのご質問でありますが、現在入札方式といたしまして、条件付一般競争入札、公募型指名競争入札、従来型指名競争入札を実施しておりますが、大半は従来型指名競争入札で行っているところであります。この従来型指名競争入札は、発注者が資力や実績、あるいは技術力のある業者を選定することから、不誠実な業者を排除できること、参加者の範囲が特定されることから手続が効率的であるなどのメリットがあります。それから、一方、選定に当たってそれが一部のものに偏重するおそれがあるとも言われております。
現在市におきましては、江別市建設工事被指名者選定基準に照らして選定しており、その入札結果を公表いたしているところであります。
いずれにいたしましても、今後より一層の透明性や公平性の確保の観点から、公共工事適正化促進法に基づき、指名選定基準の公表や入札・契約の過程など公表してまいりたいと考えております。
次に、受注希望型指名競争入札でありますが、さきの第1回の定例会における稲垣議員の一般質問にもお答え申し上げておりますように、現在工事等契約システム検討委員会におきまして新しい入札方式により入札参加機会の増大や低入札価格調査制度の導入など、より競争性が働く入札制度の改善に向けて検討を重ねているところであります。
次に、企業の庁舎内への立ち入りについてでありますが、現在企業の営業活動に対しまして執務室におけるカウンターの設置や掲示による立ち入りの制限などを行っているところでありますが、企業における専門分野のPRなど適切な営業活動まで制限は難しいところであります。今後企業のIT化への対応状況の問題もありますが、企業が市に来る回数を減らすべく市のホームページに年間発注予定工事情報や入札結果など入札情報サービスの掲載を検討してまいりたいと考えております。
次に、物品購入に係るご質問でありますが、指名選定に当たっては競争入札参加資格者が産業分類に基づき申請した一般機械器具販売業など218もの営業分類品目や取り扱い品目、あるいは納入実績などを考慮するとともに、さきに述べましたように市内で調達できるものは地元企業の受注機会の確保を基本に行っているところであります。
ご案内のように一つの物品を購入するにいたしましても、多数の登録企業より選定しなければならないなど難しさがあるのも事実であります。現在庁内への情報提供は、競争入札参加資格者の営業分類品目などを紙ベースにより行っておりますが、今後より情報の共有化を進めるべく予定しております庁内LANに掲載することを検討してまいりたいと考えております。また、企業より提出いただいた申請時の書類では専門分野や得意分野が分からない業種もございますことから、企業努力にも期待をいたしているところであります。
次に、インターチェンジ周辺開発についてでありますが、市内2か所のインターチェンジは産業発展等に重要な要素であると認識いたしているところでありますが、ご指摘のとおりまだ機能を生かしきれていないのが現状であります。
現在東インター地区につきましては、工業系の土地利用として、物流拠点整備の計画を進める上で江別市道路網基本計画を見直し、同インターや道央圏連絡道路に関連する道路網の在り方を検討しているところであります。
また、西インターにつきましては、住居系の土地利用を目指しているところでありますが、昨今の宅地需要の低迷からその利用が進んでおりませんが、総合的な土地利用を踏まえて有効な手法を検討してまいりたいと存じますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、職住バランスの取れたまちづくりのためのインターの利活用でありますが、まちづくりを進めていく上で職住近接は市といたしましても重要な要素と考えておりますし、このことから現在まで住居地区との近接地区において工業団地の整備やRTN地区開発を進め企業誘致を図ってきており、今後ともバランスある市の発展を目指してまいる考えであります。
いずれにいたしましても、今後両インターの有効活用を図るため、土地利用の現状を検証し、その在り方を検討してまいりたいと存じます。
次に、インターチェンジ周辺を含めたまち全体の景観の在り方についてでありますが、ご指摘のとおりインターチェンジは自動車交通において他の幹線道路と同様に当市の玄関口とも言えるものであります。このことから、先ほど春日議員のご質問にもお答えをいたしておりますが、全体の都市景観の在り方を検討し、景観形成を行う指針となるガイドプランの策定に努力をしてまいりたいと存じます。
次に、市街化調整区域での構築物等の扱いについてでありますが、議員ご承知のとおり市街化調整区域は市街化を抑制する区域であり、建築物の建築は厳しく制限されております。ただし、法で定められた農業関係者用や、あるいは公益施設の建築は認められる場合があり、ガス供給施設につきましては、この公益施設として市街化調整区域内での建築が認められる施設であり、その他の施設につきましては、建築用途等が制限されることをご理解いただきたいと存じます。
現在西インター周辺には景観を阻害するような建築物が建てられておりますが、これらにつきましては移転、撤去等の是正指導を行っておりますことをご理解いただきたいと存じます。
このほかにつきましては、病院長からご答弁申し上げます。
病院長(宮本宏君)
市立病院の経営につきましては、平成11年から18年までの病院経営健全化計画を策定し、その計画に沿って医療の質の向上を図るとともに、収益の確保と費用の削減に努めてまいりました。その結果、2年間の経営状況は所管委員会にもお諮りし、議会から様々なご指導をいただく中で、計画に沿って推移してまいりました。
今日医療を取り巻く環境は、国の総医療費抑制策に伴う医療保険制度や診療報酬体系の抜本的改革がなされつつある中で、地域住民の総意により設置された自治体病院も経営の困難さゆえにその存立の意義や運営の在り方が多くの場で議論されているところであります。
申すまでもなく、自治体病院は地方公営企業法によって公共性と企業性をともに発揮して地域住民の医療・福祉に寄与するものと定められており、公的な部分については一般会計で負担し、その他の部分については独立採算で運営することが定められております。しかし、公共性と企業性という相反する理念遂行の困難さゆえにやむなく赤字経営を余儀なくされているところが多いのであります。
その大きな要因として、一つは現行の診療報酬体系にあります。原価計算によらないシステムのために診療報酬改定率が給与改定率より低く設定されていることから、病院収入の伸び率以上に人件費が年々増えていくことが経営悪化の原因となっているのは事実であります。
第二に、地域の状況からどうしても不採算になる医療があります。例えば小児医療、救急医療、精神医療、災害時医療などは病院経営と体制面でも非常に困難なところがあり、民間病院では廃止するという病院が増えております。しかし、自治体病院はその地域の医療を確保向上させる上でこれらの分野の医療も担わなければならないと考えます。
第三に、これは当市立病院の構造的問題でありますが、全病床数に対する精神科病床数の割合が約30%を占めておりますが、これはいわゆる黒字病院と言われる自治体病院と比較しましても、非常に高い比率であります。
さらに、外来患者数1日約1,570人に対して一般病床数278床というのは非常に少ないのでありまして、急病患者や紹介患者の受け入れにも支障を来しているところであり、この外来患者数と入院患者病床数のバランスの悪さも効率的な経営を困難にする要因でもあります。
このような中、今後の市立病院の経営を含めた運営の考え方としましてはいろいろな課題がありますが、特に次のような視点を中心として取り組むつもりであります。
その第1点は、より質の高い医療サービスを提供することを基本としていくのであります。医療の場で最も問われるのが医療の質であり、特に次の4つの要素、1、高い診療技術、2、人間的な触れ合い、3、心をいやす療養環境、そして4、安全性が重要であります。このことから、医療の質を高めるために本年度中に日本医療機能評価機構による審査を受けるとともに、患者さんが満足する病院、医療サービスの質の改善に努力していくつもりであります。
次に、医師の確保が重要課題であり、特に循環器科、外科、整形外科、産婦人科、眼科などの増員と固定化が必要と考えております。また、夜間急病診療部門の医師不足も深刻であり、小児救急医療の充実も含めて江別医師会と一緒に対策を考える必要があろうと思っております。
また、住民にとって満足できる医療を推し進めるには、地域完結型医療が望ましいと思われます。市立病院は地域基幹病院として診療及び病院情報を積極的に開示・提供し、地域医療機関と情報を共有化するために地域医療機関の間の医療情報システムを構築していくことが必要であると考えております。
また、近年増加著しいがん患者に対する緩和医療の充実、さらに一般病院における精神科医療の在り方、例えば急性期疾患と慢性期疾患に対する取り組み方を考える必要があります。
以上、主な課題についての概略を述べましたが、自治体病院は経営を含めた病院運営のすべての情報を地域住民に公開することによって理解と信頼を得ることが不可欠であると考えております。そして、地域住民の要望にこたえ、患者主体の医療にてい身することに医療人としての誇りと生きがいを感ずる取り組みこそが自治体病院のあるべき姿であると信ずるところであります。今後ともご指導賜りますようお願いいたします。
以上です。
副議長(塚本紀男君)
以上をもって立石議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩をいたします。
午前11時56分 休憩
午後1時08分 再開