平成12年第4回江別市議会会議録(第2号)平成12年12月12日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(赤坂 伸一 君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
高橋議員の介護保険事業について、ほか2件についての質問を許します。通告時間30分。
高橋 典子 君
では、通告に従いまして順次質問いたします。明確なご答弁をよろしくお願いいたします。
まず、初めに介護保険事業にかかわる問題から質問いたします。
介護保険制度が本年4月にスタートしてから約8か月が経過しております。私たち日本共産党は、この制度が所得の多い少ないにかかわらず、必要とする方のだれもが安心して介護が受けられ、文字どおり高齢者の介護が社会的に保障される制度へと改善されるよう、国会でも地方議会でも取り組んできたところです。特に10月から徴収の開始された1号被保険者の保険料の負担については、高齢者、低所得者の生活を脅かす問題であり、全国各地で独自に減免制度を設ける自治体が出てきているのは、それに対応したものと言えます。
当初、厚生省は、保険制度としての信頼感を失わせる減免は適当ではないとの見解を示し、ペナルティーを科すとのことも伝えられておりました。ところが、先月24日になって市町村が低所得者の保険料を独自に減免したことにより、介護保険特別会計に不足を生じた場合、各都道府県の財政安定化基金から貸し付けることを認める通知を出し、保険料の減免措置に事実上罰則を科さないこととしたとの報道がありました。このことは、直接住民に接し、生活の実態を知る市町村が、それぞれの判断で自主的に行った対応に対して、国が後を追う格好になったと言えるのではないでしょうか。
そこで、それでは、この江別ではどうかということになります。当市においては、独自に1号被保険者全体を対象に保険料の端数を切り捨て、それによって基準額を3,000円としたとのことではありますが、低所得者を対象とした施策はとられておりません。市長は、第3回定例会において、同僚の鈴木豊実議員の質問に答える中で、地方分権の進行において他の自治体と横並びというのではなく、江別は江別として考えなければならないとの趣旨のお考えを示されております。それでは、市長は江別の状況をどうとらえておられるのか、各種の税や料金の収納率から見ても楽観的な考えは持てないのではないでしょうか。
現在、保険料の月々の負担額は来年9月まで半額となっており、何とかしのいでいても、10月からは大変な状況になるのではないか、これが率直な見方です。厚生省が今回、このような対応をとらざるを得なくなったということも踏まえて、今のうちに保険料の減免について検討する必要があるのではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
次に、介護サービスの利用について伺います。厚生省が全国から抽出して行ったサービス利用状況調査によりますと、介護保険導入前の3月と比べ17.7%の人は利用が減っており、また利用率については平均で支給限度額の43.2%にとどまっているとのことです。この一因として、利用料負担の重さからサービスの利用を差し控えざるを得ない現状が指摘されています。市内でケアマネジャーをされている方から伺ったところでは、支払い可能な料金を基にしてプランを立てざるを得ないとのことであり、やはり同様の傾向があるのではないかと思われます。
先日の厚生常任委員会では、保険給付費予算に対する実績について報告されておりますが、支給限度額に対する利用率については把握されておられるのでしょうか。また、介護認定を受けた方2,526人のうち、約300人もの方がサービスを利用されていないとのことです。そもそも介護認定は要介護者の日常生活を支えるのに必要なサービス量から算定されているものでありますから、そのサービスを利用されないということは、生活に何らかの支障が出ているのではないかと心配するところです。市では、これらの方たちについて、どんな状況であるのか、どんな理由でサービスを利用しないのか把握する必要があるのではないでしょうか。どのようにお考えか伺います。
次に、特別養護老人ホームへの入所待機者について伺います。私たち日本共産党江別市委員会では、先月市内の事業者に対してアンケート調査を行い、お話を伺う機会がありました。その調査項目の中で、特養ホームの入所待機者について伺ったところ、市内合計で121人という結果になっております。また、待機期間はそれぞれ1年から2年、2年から3年という回答が寄せられております。この数字についてどう思われるでしょうか。また、市の計画のベッド数では需要に対して足りないのではないでしょうか。市長のお考えを伺います。
次に、労働行政について、特に季節労働者の実態について伺います。
経済企画庁が今月4日発表した国民所得統計速報によりますと、7から9月期の国内総生産GDPは、前期に比べ0.2%の増、3期連続のプラス成長と報道されております。しかし、これは民間企業の設備投資が前期に比べ大きくプラスとなったことが影響しているとのことです。
その一方で、GDPの6割近くを占める個人消費は、前期比で横ばい、前年同月比ではマイナスとなっており、企業のリストラで家計所得が伸び悩んだことが影響していると言われております。しかも、最近の物価の下落傾向もあり、統計で使用された実質値での伸び率は、実際の動向よりも高めに出るとされており、より実感に近いと言われる名目値ではマイナスの数字が示されています。
また、民間住宅投資では、7から9月期で0.5%のプラスとなっているものの、4から6月期ではマイナス5.4%という結果です。また、他の統計について見ても、総務庁の家計調査でも個人消費の低迷が続いており、日本銀行がまとめた生活意識に関するアンケート調査でも、仕事や収入への不安、年金や社会保険給付への将来不安、雇用状況の厳しさなどから、財布のひもを引き締めている様子がうかがえます。
いずれの調査においても、GDPの6割を占める個人消費が振るわず、景気回復については厳しい見方がされております。こういった状況は、この江別においても当然のことながら市民の生活に色濃く影を落しているように見受けられます。
私が身近に接する方たちの中にも、正規雇用の方でさえ収入が減ったり失業の不安を抱えているといった話が出てくることがあります。また、建設関係の下請で働く季節労働者の方はさらに深刻です。今年の春ごろなかなか仕事が入らないと困惑されておりました。夏も近くなってやっと仕事が入るようになったと話されておりましたが、その後もまた厳しい状況のようです。先日、別のところで伺ったお話によりますと、やはり今年は景気の厳しさなどが影響し、季節労働者の方たちの夏場の雇用が十分に確保されず、雇用保険の受給資格が得られない方が出てくるのではないかとのことです。もしそうであれば、このような方は冬期援護制度を利用することもできないということになります。夏場の賃金も満足に入らず、冬にも収入が入らず、失業保険ももらえない。まさに踏んだりけったりという表現が当てはまるような状況で、どうやって生活していくのか、このような心配が今出てきています。
当市では季節労働者の多くが夏の間就労する形となっており、これから冬場を迎え、生活のめどが立たないというのでは大変です。市では、季節労働者の実態についてどのように把握されているのか、まずお伺いしたいと思います。
また、今シーズンの大変厳しい状況の下で、季節労働者の冬期間の生活保障は、今までどおりの制度や対策の範囲内では対応し切れないのではないかと言われております。市長としてどのような姿勢で臨まれるのか、お考えを伺いたいと思います。
次に、除雪の問題に関して伺います。
除雪については、昨年の第2回定例会で質問しており、また、今年度の第3回定例会において、他の議員も取り上げておられる問題ですが、毎年繰り返される問題でもあり、また、市民からの不満も多い問題でもあります。具体的な提案も含めて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、バス停留所の除雪について伺います。先月15日から身体障害者や高齢者が交通機関を利用しやすくするための交通バリアフリー法が施行されました。このことにより、交通事業者はバリアフリー化基準への適合などが義務付けられるほか、国、市町村、事業者が一体となって進める既存施設のバリアフリー化も、この基準によることとなります。
ただ、これら施設のバリアフリー化は当然進めていかなければなりませんが、高齢者や障害者の社会参加を保障するには、これらの施設と施設、施設と住宅地など、点から線へとさらに広げていく考え方が必要となります。江別のような積雪寒冷地においては、すべてを一度に進めていくのは難しい問題かもしれません。でも、冬期間のバリアフリーは交通弱者と言われる方たちに限った問題ではなく、市民全体にとって切実であり、市としての姿勢が問われる問題です。
この冬は、例年になく早い時期からの本格的な降雪で、既に市内は冬真っただ中といった景色になっております。車道の除雪によって生じた雪の塊は路肩に徐々に高く積まれてきています。私自身よくバスを利用しますが、乗り降りの際この雪の山には閉口します。柔らかい新雪であれば足でよけたり、踏み固めるなどすることもできます。けれど、車道から寄せられた雪は固く重いため、どのようにすることもできず、危険な思いをしながら雪山を乗り越えなければなりません。時にはあらかじめ車道に出てバスを待たれる方がいたり、バス停を外れて雪のない所にバスが停車するなど、他の車の走行のことも考えると大変危険な様子を目にすることもあります。
市長は、これまで、バス会社自身が利用客サービスの観点から行うものと答弁されておりますが、市内の実態を見ると放置しておける問題ではありません。札幌市や千歳市、岩見沢市でも同様とのことですが、他市がどうであるかということでなく、江別市長として、市民の安全を守る視点で、何らかの対応策が考えられないものなのかお伺いします。
次に、歩道の除雪について伺います。
除排雪事業計画概要書によりますと、歩道除雪延長は141.91キロメートル、市内の幹線道路のかなりの部分が歩道除雪されているものと思われます。けれども中には、例えば6丁目通りや7丁目通りなどのように、片側の歩道しか除雪されていない道路もあります。道路幅員の関係上やむを得ないと伺っておりますが、沿線住民にとっては、車道を歩くか横断歩道でない所を横断して、反対車線側の歩道まで行かなければなりません。道路の拡幅自体は容易にできるものではありませんが、歩行者の安全を守るため、何らかの対策を講じることが必要ではないでしょうか。市民から私の元に寄せられた声の中では、不特定の方が利用するバス停から、最寄りの横断歩道までの除雪はできないかというものが、そういう声がありました。私自身、出掛けた先でバスを降りたところ、歩道が歩ける状態ではなく、困った経験があります。特にあけぼの団地から大麻西町に向かう路線で、野幌7丁目のバス停は近くに大型店があり、日中常時利用者のいるバス停です。車の往来も頻繁にあり、危険です。降雪の少ないときには、近くの信号機のある交差点まで人が踏み固めた道ができますが、悪天候のときにはそうもいかず、車道を歩かざるを得なくなります。市内にはほかにも同様の所があるかとは思いますが、差し当たり利用者の多い場所について対応できないものか伺います。
次に、玄関先の置き雪の問題について伺います。
当市においては、高齢者世帯や重度の身体障害をお持ちの方を対象とした福祉除雪制度があり、今シーズンは500件に迫る利用があると伺っております。ただ、置き雪の問題は、高齢者だけでなく、対象から外れる若い世帯にとっても頭の痛い問題となっています。
福祉除雪を請け負っている業者に伺ったところ、福祉除雪を行うほかに、その対象外となる一般世帯に対しては1シーズン、1間口に付き2万5,000円に消費税を加算した料金で間口除雪を行っているとのことです。市内で約740軒が契約しているとのことですが、この2件の業者では、人員や所有する除雪機の台数から、このくらいの軒数がほぼ限界とのことです。この業者以外にも独自に除雪サービスを行っている業者もあるようですが、ある程度の費用を支払っても間口除雪をしてもらいたいと考える人はもっといるのではないでしょうか。
こうした潜在した需要に対し、例えば季節労働者の冬期間の仕事を確保する事業として創設することはできないものでしょうか。先ほど述べたバス停の除雪についても同様の工夫ができないでしょうか。広い意味での福祉の向上、経済対策としてお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、市営住宅の供給についてお伺いいたします。
ある資料によりますと、日本の公営住宅は全国で約200万戸と言われ、全住宅戸数に占める割合は約5%にすぎません。一方、イギリスやドイツなど、ヨーロッパではいずれの国も公営住宅の占める割合が25%を超えているということです。運用の仕方はそれぞれ異なるでしょうが、公営住宅に対する政策そのものが日本ではごく限られた範囲でしか考えられておらず、このことが日本の住宅の狭さや、通勤の不便さ、高い家賃など、住環境の劣悪な状態を招いているのではないでしょうか。
公営住宅法では、国及び自治体は、安い家賃で良質な住宅を低所得者に提供するものとしており、また地方自治体は常にその地域の住宅事情に留意して、低所得者の住宅不足を緩和するために必要なときには公営住宅の供給を行わなければならないと定められています。しかしながら、現実には、慢性的に住宅不足であり、住宅困窮を訴える世帯は全国で1,000万世帯を超えるとのことです。
江別市においては、先ごろ行われた中央団地C棟の募集に対して市民から多くの申し込みがあり、住み替え枠を除いた応募倍率は1LDKで3.31倍、2LDKで7.40倍、3LDKについては9.25倍にも上ったと伺っております。私たちのところにも公営住宅の入居に関して相談が寄せられることがありますが、江別市内の道営住宅についても、このところの不況を反映して大変高い倍率となっており、何度応募しても当たらないという状況です。今回のC棟の応募倍率を見ても、公営住宅はまだまだ必要とされていると言えます。当市においては、今後老朽化した市営住宅の改築が計画されておりますが、戸数の確保についてはどのようにお考えか伺います。
また、今議会に、市営住宅条例の改正が上程されているように、公営住宅法及び施行令の改正により、介護を必要とされる方も入居が可能になったことから、高齢者や障害を持つ方の入居が増えていくことも考えられます。建物のバリアフリー化が必要なだけでなく、こういった方たちの生活の質や身体機能の維持向上や社会参加を促すためにも、また入居されている方の就労を保障するためにも、日常の買い物や交通機関など利便性の高い場所への市営住宅の建設が望ましいと考えるところですが、市長はどのようにお考えでしょうか。現在、作成中の住宅マスタープランにどのように盛り込んでいかれるおつもりかお聞かせいただきたいと思います。
以上で、第1回目の質問とさせていただきます。ご答弁よろしくお願いいたします。