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平成12年第4回江別市議会会議録(第2号)平成12年12月12日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

議長(赤坂 伸一 君)

 以上をもって、鈴木真由美議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 稲垣議員の予算について、ほか2件についての質問を許します。通告時間30分。

稲垣 良平 君

 議長からご承諾いただきましたので、以下質問をさせていただきます。
 年末を迎えまして、江別市でも来年度の予算編成方針が策定され、編成作業がスタートしております。その編成方針を見ますと、来年度の一般財源ベースでの収支見通しにおいて、現行のまま推移するならば、収支において8億円強の不足を来す、そういう厳しい財政見通しになっております。これに対応するために行政改革の推進を前提に、臨時的経費及び経常経費について、12年度当初比5%減の要求基準枠を設定して、補助金についても原則5%削減の方針の下に取りまとめようとしています。
 編成方針に明記してありますように、江別市の財政構造は、地方交付税や起債に依存する割合、特に地方交付税に依存する割合の高いものとなっており、近年肥大化した地方交付税特別会計への対応が迫られ、今後地方交付税の財源が制約される見通しから、依存財源割合の高い自治体の財政運営は厳しい局面を迎えると指摘されており、江別市においても、一層徹底した効率的な財政運営が求められているものであります。
 さて、その財政運営について、私はさきのような状況に対応するための中期的な財政計画を策定する必要性について、昨年の第2回定例会、そして本年の第1回定例会で質問をいたしましたが、市長はこれに対して、中期財政計画を本年度中に策定する旨答弁されております。つきましては、年度内の中期財政計画の策定に向けて、現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。
 次に、厳しい財政運営が求められる中で、各部局は限られた予算の制約を受けながら教育に、福祉に、消防に、都市インフラの整備に、各分野で工夫をしながら基礎的な市民サービスの向上のために業務を遂行しようとしていることは承知しています。そして、自主財源を確保するために税務徴収にも汗を流しておられる。しかし、一方で、どうしても事業の内容、進め方に疑問を持たざるを得ない、そういうものがありますので、以下質問させていただきます。
 まず、れんが工場跡地の取得についてお伺いをします。
 東野幌のれんが工場跡地の取得については、10月12日に地権者との売買契約を完了して、17日に登記し、10月27日の常任委員会にその結果が報告されています。すなわち、取得金額が2億3,300万円、面積が4,614平方メートルの財産取得であります。確かに、昨年の第3回定例会で質問に答えて市長は、れんが工場跡地の取得と建物施設の活用についての意向を示され、本年1定の予算特別委員会において、土地開発基金に関連して若干の説明をされた経過があります。しかしその後十分な説明もなく、取得の手続だけが進められてきた、そういう感を強く持っております。
 まず、現在生きている基本計画を推進するための11年度から13年度までの3年間の実施計画で、関連項目を見てみますと、歴史と伝統文化の保存のための予定事業費は総額約5億600万円であり、その中に含まれる歴史的れんが建物保存活用事業については、事業費は約4,600万円と示されています。しかし、現実には、実施計画で予定されていた4,600万円を大幅に上回る、土地だけで2億3,000万円余が合理的な説明もなく投じられているという実情であります。実施計画と予算措置の間で多少の差異を生じることは致し方がないとしても、今回のような極めて大規模な格差については、適切を欠くものだと言わざるを得ないと思います。ついては、れんが工場跡地の購入に関連して、実施計画と予算措置の差について説明を伺いたいと思います。
 次に、今回の土地取得に当たって、その手続について私は何点かの疑問を持っております。すなわち、極めて厳しい財政運営が求められる状況下にあって、2億円を超える財産取得をすることは、当然のこととして慎重な議論、審議が必要であった。それが不足したまま手続だけが進められるということは妥当なのかという疑問であります。
 確かに、土地取得は土地開発基金を原資としておりまして、基金の運用として土地を取得するものでありますから、一般会計に影響を与えるものではありません。しかし、土地開発基金の運用であってもその原資は一般財源からの積み立てであり、市が財産取得をするということには違いはないわけで、そのことから、土地開発基金による財産の取得であっても、重要な案件については議会の審議、議決が求められているということであります。
 江別市においても、政令に従い、議会の議決に付すべき条例を定めていますが、条例において、工事又は製造の請負については予定価格が1億5,000万円以上、また今回のような財産の取得については予定価格2,000万円以上と規定されています。今回の財産取得については2億3,000万円であって、取得額においては条例で定める金額の10倍を超える大規模な財産取得であります。ただ、取得する面積が、付議すべきもう一つの要件である1件当たり5,000平方メートル以上を若干下回る面積であったために、議決を得るべき案件から外れたということであります。
 しかし、金額から見た場合に、市財政に重要な影響を及ぼす規模の財産取得であるということには違いがないわけであります。ましてや建物施設を取得していることから、その改造や整備に土地取得費を超える費用が必要になる可能性、そしてその後、維持管理に経常的な財政支出が必要になるなど、派生する多くの問題を抱えた財産取得であります。このようなことから、今回の取得については、当然のこととして慎重な議論、手続が必要だったと考えるわけであります。つきましては、市長は市財政に影響を与えるこのような財産の取得について、どのように考えているのか見解を伺いたいと思います。
 次に、取得した財産の価値についてお伺いをいたします。
 今回取得した財産は土地であります。しかし、実質的には上物、すなわち建物施設の産業的、文化的価値に焦点を当てて財産を購入したわけであります。市財政に大きな影響を及ぼすそのリスクを冒してまで取得するからには、当然にその産業的、文化的な価値について、市民が納得できる客観的な、専門的な判断に基づいて行わなければなりません。仮にも、特定の団体等から頼まれたというような安易なことであっては認められるわけではありません。つきましては、どのような客観的、専門的な評価に基づいて評価が行われたのかお伺いをいたします。
 最後に、驚くことに、具体的な活用計画が未定のままで今回の財産取得はなされたということでありますが、先ほどから申し上げているように、れんが建物の改修整備には多大な費用が、そして維持管理にも経常的な費用が予測されます。それらの費用の在り方というのは、活用計画の在り方が大きく関与することになります。活用計画は当然市財政が許す限られた予算の範囲内とすることを前提に検討・作成されなければなりません。
 ついては、活用計画の検討・作成について、考え方をお伺いします。
 次に、江別駅前周辺地区の再開発について伺います。
 江別市は、江別駅前周辺地区の再開発を法定再開発事業の適用を受けて行うべく進めています。
 現在、江別市がこの事業で中心的に進めようとしているのは、清算事業団から購入した土地を使って活性化拠点施設を建設しようとするものでありますが、この計画は今や正に正念場にあります。
 事業実現の最も重要なかぎである事業手法、すなわち、予定していた、行政にとっても地域にとってもリスクの少ない公有地信託という手法が、この業務を受託する金融機関がなくなってしまったことによって、抜本的な再検討を求められる事態になっていると思うからであります。
 そもそも、信託事業は実績配当が原則であって、委託者は土地信託に期待した配当が受け取れないというリスク、そして信託土地が塩漬けになるかもしれないというリスク、そういうものがあることは自明であります。しかし、建物施設等の建設費用の調達や建設事業、テナント募集や業務管理はすべて受託者である信託金融機関の負担になる。そういうことから、受託金融機関にとっては事業の長期にわたる採算性と安全性の確認がすべての判断基準であります。事業の長期にわたる採算性と安全性の確認が、受託をするのかしないのかの判断基準である受託金融機関がなくなり、公有地信託が選択肢から消えたということであります。
 ここで、今我々に問われているのは、市が極めて厳しい財政状況にあり、その改善見通しについては、江別市自体のぜい弱な財政構造や、国・地方を問わず行財政改革が強く求められている社会経済情勢に加えて、今後ハイスピードで進む高齢化対策など、基礎的な行政需要が高くなることが確実な現状において、なお、現在の計画を大きな財政リスクを伴う手法によって継続する必要があるかどうかということであります。そして、江別市行政の方向性について審議する我々に対して、積極的な議論と冷静な判断が求められていると私は思います。
 このことを考える上で、そもそも江別駅前再開発、いわんや清算事業団用地での拠点施設整備計画とは何だったのかということを検証しなければならないと私は思います。そういう視点で以下考えを伺います。
 江別駅前開発については、昭和59年にも今回と似た再開発について地元から要望が出されて、商業・業務ビルの建設に、今回と同様に江別市も積極的に動いた経過があります。その際、地元及び関係団体等と設立した第3セクター江別都市整備公社から、関係者の総意として出された市に対する要望意見には、行政には公的施設や道路整備などの環境整備を要望して、商業、業務ビル建設については、商店街の負担により行うことになっておりました。
 しかしながら、商業、業務ビル建設については、キーテナントとしての大型量販店の誘致運動が進められて、その可能性は高まったけれども、地元商店街等の反対から計画がまとまらず、その進出は実現せず、結果としてビル建設計画もとんざしたということになっています。
 一方、江別市は、地元からの要望に沿って、水道庁舎の建設、イベント道路、さらにはコミュニティセンター、岩田醸造跡地への集合住宅の建設など段階的に実施して、商業活性化に寄与すべく、その環境整備に取り組んできています。すなわち、昭和62年3定議会で、当時の市長は質問に答えて「条丁目に投入した行政投資は水道庁舎も含めると41億5,000万円」と答えています。
 私は当然のこととして、商業振興を中心に投じられた財政投資の便益、それは広く市民の消費生活を中心に、社会経済の向上に還元されなくてはならないと考えています。結果として、商業ビル建設構想はとんざし、一方、その後も現在まで各種の施策が投じられている。ついては、これまで当該地区に投じられた財政支出は、江別市民の消費生活の向上、ひいては江別市の商業振興、社会経済の向上にどのように具体的に寄与したのか伺います。
 次に、現在の計画についてお伺いします。
 現在の計画の基本になっているのは、清算事業団用地を取得する前年、平成8年に策定された江別駅周辺地区整備構想報告書であります。この計画は、現在の計画の指針としてなっているものであります。
 この整備構想には、どのようになっているか。すなわち、このようになっています。江別駅周辺地区整備としては、駅前広場整備、駐車場、駐輪場及びバスターミナルの機能を高めて、利便性、快適性、潤い性の高い交通拠点形成を目指すものとする、と基本的な方向を示しています。そして追加して、さらに清算事業団用地の活用により、都市的な魅力ある活性化拠点整備を行い、結論として地区の求心力と活性化を高めるものとする、としております。すなわち、この考え方は、江別駅を利用する広域的な地域の人々の交通利便性、快適性を高めるために、交通拠点整備を上位の計画として位置付けて、そのことを通じて、地域人口の増加や江別駅地域への人々の流動性を高めて、そこから生じる商業需要に対応するために活性化拠点整備を行う、そういうものであります。
 また、この整備構想には、主要施設の整備について、公共と民間等の役割分担を明確に示しています。すなわち、道路網整備、駅周辺地区の整備等については公共が整備する事業として明確にしている。一方、活性化拠点整備については、民間等による整備が期待される事業として整理をされています。私はこのシナリオが正しいと思います。
 しかしながら、平成9年2月に清算事業団用地を取得して以降、江別市が作成した報告書、計画における考え方は、基本的に大きく変化してきています。つまり、本来、行政に期待されていた交通拠点の整備は横に置かれて、本来は民間等が担うべき分野とされていた活性化拠点整備というビジネスの分野に行政がどっぷりと漬かり込んでいる。要するに、計画の基本構造というものが全く曲がってきているというのが実情であります。
 さて、公有地信託という手法の選択肢が消えた今、常任委員会への報告によりますと、事業の実現性については民間の場合は早急に事業に入ってもらう見通しは困難だが、公社の場合には、札幌振興公社における最近の実施例もあり、実施可能ではないかとして、市はこの計画を第3セクター江別振興公社を事業主体として実施する方向で検討しているとのことであります。
 確かに、札幌振興公社は平成11年2月に、地下鉄東西線の琴似から宮の沢まで延長開業されたのを機に、終点の宮の沢駅のターミナルに商業ビルを建設しております。土地は市有地でビルは5階建てであります。地下鉄駅、それから隣接するバスターミナルと一体化したものとなっています。そしてこのビルには、大規模な西友ストアがキーテナントとして入居しています。すなわち、札幌振興公社の例は、地下鉄延長開業に伴う地域の新たな交通体系の変化、人の流れの大きな変化から生じる商業需要に対応するために計画され、入居するキーテナントが必要とする規模の商業ビルを建設している。
 このように、札幌振興公社における最近の実施例もあり、実施可能ではないかと考えているとする市の考え方というのは、事業の採算性、安全性が全く担保されていないという、江別の実情を無視した私は空論でしかないと思います。つきましては、札幌振興公社の取り組みを事例として、江別振興公社が全く条件の異なる下で事業主体になることが適当と考えているのかどうか、お伺いをいたします。
 次に、本年3月に策定された江別駅前地区基本計画報告書には、活性化拠点施設として予定しているホテル、商業施設について、その需要予測を示しています。私はその内容というものは極めて根拠に乏しく、基本計画に成り得る体をなしていないと考えますので、以下質問をいたします。
 ホテルの需要予測を行うために、江別市から半径20キロメートルの商圏を設定して、札幌市厚別区、岩見沢市、北広島市も含めて、対象人口46万7,000人としております。しかし、この数値をベースにした顧客の獲得割合の設定、そしてそこから導き出される顧客数は全く示されていない。また、宿泊収容力の過不足を判断する上で最も重要視される宿泊収容力当たりの延べ宿泊人数、これは報告書にも示されていますが、近郊都市の中で江別市が最も低い状況にある。すなわち、ここから導き出される答えというのは、新たな宿泊施設の必要性は、近隣他都市と比べて最も低い、そういうことを示しています。にもかかわらずホテルが必要であると結論付けて、何の根拠も示さずにホテルの規模を設定している。私は極めて論理性に欠けるを思います。つきましては、ホテルの需要についてはどのように把握されているのか伺います。
 次に、商業施設の需要予測について伺います。
 報告書では、需要予測の項目を掲げながら、需要予測に足る調査分析は全くなされていません。商圏を半径2キロメートルとして地区ごとの顧客獲得占拠率を設定して顧客数を算定して、家計消費支出をそれに掛けて売上高を23億円と推定しています。しかし、その顧客獲得占拠率は何を根拠にしたのか全く示されていない。要するに23億円の売上高とするためのものでしかないというふうに受け止められます。
 また、そこに入居する各業種の営業が成立する可能性については全く調査が及んでいない。ついては、商業施設の需要予測がどのように行われているのか、実現性があるのか伺いたいと思います。
 以上のような不可解な需要予測を基に事業計画が検討され、算出された事業費は約50億円。収支計画における収入については補助金10億円を除く40億円については、入居者による増床負担金によるということになっています。ついては、テナント不足で、この増床負担金が不足した場合、そして完成後にテナントからのテナント料が不足した場合、だれが負担することになるのか。江別市の財政負担との関連をさせての答弁を伺います。
 最後に、江別駅前の再開発活性化拠点施設の整備については、これまでも行政が行う商業振興の域を超えて施策が実施されているにもかかわらず、市民の消費生活はもとより、市の商業振興、社会経済の向上に大きく寄与しているとは思えません。そして、現在の活性化拠点施設の建設計画もまた、行政が行うべき範囲を超えているものであり、実施計画の大前提としていた公有地信託が、事業の長期にわたる採算性、安全性を判断基準とする金融機関の撤退により採用できなくなった今、これに代わる手法は余りにもリスクが高いこと。さらに、今後財政が一層困難さを増すことが確実と見込まれる厳しい現状、そして、経済の低迷から商業環境は従来に増して厳しいものになると思われます。
 小売商業の振興に関して良い取り組み事例があります。
 元江別商店街は、会員全員の出資により株式会社元町開発公社を設立して、新たな商業ゾーンの形成、商業機能の改善を目指して、商業施設の建設に今取り組んでいます。隣接する団地の完成、人口の増加を見込んで、地域の生活者ニーズに自らの力を結集してこたえようとする、地道で力強い取り組みであります。この元江別商店街の例に見られるように、自主自立の覚悟と実行でしか商業、地域の活性化は将来を切り開くことはできないということであります。
 つきましては、これらのことから、江別駅前活性化拠点整備については、本来行政が求められていた交通拠点整備に的を絞り込む抜本的な見直しを行い、財政が許す範囲で努力するという方向に転換すべきと考えますが、市長の考え方を伺います。
 以上で、第1回目の質問とさせていただきます。

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