平成12年第2回江別市議会会議録(第2号)平成12年6月14日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(赤坂 伸一 君)
以上をもって森好議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
坂下議員の介護保険についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。
坂下 博幸 君
ただいま議長の発言の許可を得ましたので、通告に従い順次質問してまいります。
介護保険についてお伺いいたします。
介護保険は地方自治体が主体となることから、行政の力量を試される制度ととらえることができると考えます。同保険制度の基本は同じであっても、市町村により全国一律から自治体ごとに市民サービスに違いが出るのも当然であり、常に市民サービス向上に心を砕く姿勢がなくてはなりません。常に先を見越した利用改善が必要であります。そこで、何点かの質問をいたします。
1点目として、在宅介護についてお伺いいたします。
厚生省は昨年8月に、介護報酬の仮単価を公表し、在宅サービスの不足を解消するため在宅介護の仮単価を高めに設定し、民間企業の参入を促し、社会全体で支え合う体制を整えました。しかし、札幌市や他市と比べ江別市においてはどちらかといえば今までの措置的対応の延長上から抜け出すことができず、民間在宅サービス業者の参入を抑制するスタンスに見えてくるのであります。
3年前の総務庁の高齢者の健康に関する意識調査によると、要介護状況となった場合、介護を受けたい場所はとの質問に、自宅、子供の家、家族の家と、54.8%が在宅介護を望んだとのことであります。在宅介護サービスの利用希望としてはホームヘルパーが比較的多く、介護保険の対応からも在宅介護サービスの利用希望を満たすべくマンパワーの確保は、民間事業者を含め重要な事柄であります。介護保険スタート後は、公社と民間事業者は、業者として同じ立場で見られ、公社が持つ事業内容と民間事業内容との重複する事業内容もあり、今後は公社の役割をどのようにとらえていくかは、在宅介護サービスの将来を展望し、考えていかなければなりません。
介護保険制度は民間事業者を念頭に置いたものであり、様々な規定があり、健全に発展することを考え、在宅支援事業者、ケアマネジャーの責務も規定されるわけであります。指定サービス事業者を営む場合、事業の人員、設備、運営基準も定められており、ご存じのとおり、一つとして、利用者や家族に文書を渡し、説明、同意を得る。二つとして、正当な理由なく訪問看護を拒んではいけない。三つ目として、提供が困難な場合は、他の事業者、施設を紹介。四つ目として、要介護認定の申請援助。五つ目として、在宅介護支援事業者、医療、福祉サービス提供者と密接な連携等々の規定があります。
当会派は、24時間の在宅介護について基盤整備を進めるべきであると、議会でも質問してきているところですが、なかなか進まない状況でした。本年から試験的にスタートしたようであります。しかしながら、民間事業者ではとっくに24時間の在宅介護の体制があり、訪問入浴も稼働している状況であり、なぜにこの時期にと思うばかりであります。先ほどご紹介しました3番目に、提供が困難な場合は他の事業者、施設を紹介とありますが、公社が抱え込む余り民間事業者のノウハウ、在宅介護事業者を利用していないのはなぜでしょうか。市民に対しての適切なサービスを提供し、事業者の選択ができる体制にとはなっていないのではないでしょうか。市民は介護保険を通し、事業者を選べることもできるはずです。この件に対して、市長のお考えをお聞かせください。
2点目として、公社の介護センターのケアマネジャーの役割について。
1点目と関連しますが、公社の介護センターの在宅介護が、私の確認する限りでは93%以上のシェアがあり、市の調査では83%とのことでありますが、在宅介護民間事業者の中には、撤退を含めお考えのようであります。私は、公平な競争原理の中で、民間事業者が努力不足で撤退することに関しては、致し方ないと考えるものですが、仮にし意的に事業を抱え込むような状況があって、競争原理が働かないとするならば改善が必要であると考えます。厚生省は在宅サービスの不足を解消するために民間企業の参入を促した経緯もあり、公正な競争原理の中での運用は、市民サービスの向上にもつながると考えます。なぜにこのような状況なのかと言いますれば、最近まで訪問調査を公社に委託し、公社のケアマネジャーがプランを作成と公社職員がサービスを行うという一連の中で、一極集中的状況になったものと考えられます。
新聞記事に、ケアマネジャーの役割明確にと関西学院大学の渡部律子教授がこのようにお話をされております。「事業者所属だと、時に相反する事業者と利用者の利益をどう調和させるかで悩むことがある」とのお話であります。私は、公社のケアマネジャーさんも悩んでおられるのではと推測するものであります。また、このようなこともお話されております。「利用者のニーズを掌握して生活の質を高めることが役割なのに、現実には限度額内でサービスを組み合わせることや給付管理の事務的作業が中心となったりする」ともお話されております。
そこで、私は、利用者に合ったサービスに心掛けるためにも、ケアマネジャーさんを公社から独立した体制で考えるべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
関連することでもあり、お聞きしたいのですが、旧市立病院外来棟跡に介護支援センターとの構想で改修工事を進めておりますが、今後在宅介護は公社がすべて行うという姿勢の表われなのかと考えざるを得ない状況ですが、すべて抱え込むと考えてよろしいのでしょうか。また、同センターを民間委託するお考えはありませんか、お考えをお聞かせください。
3点目として、自立や要支援と判定された場合の受皿対策について。
政府は、1999年度を最終年度とする新ゴールドプランを策定しました。ケアハウスに関すれば、目標値10万人分を示しましたが、8万3,400人の対応しかできず、唯一目標を達成できなかったものであります。ケアハウスに関すれば、施設処遇というよりは、極力個人の自立を尊重した在宅の生活を目指す観点から、当市においても需要が多い施設でもあり、自宅での生活に不安を抱く高齢者にとっては、大変望まれている施設でもあります。しかしながら、目標150床で2004年に達成したいとのお話でありますが、残り50床のめどは現時点ではないようであり、現在100床の整備状況では、望まれている施設でありながら絶対数が足りない状況であります。
また、受皿として高齢者生活福祉センターがありますが、この施設の有効性は大いにあると考えますが、この施設利用定員は10人程度の施設であることを考えれば、高齢化が加速する現状にはまだ追いついていかないのではないかと考えますが、せっかくの機会でもあり、介護保険計画にもあるとのお話であり、どの時点で施設建設を考えられるのかお伺いいたします。
当市の新高齢者福祉計画並びに介護保険事業計画のための実態調査報告によりますと、一般調査65歳以上の調査項目の中に、介護される場合の希望居住先と介護方法で、全体の2,397人が老人ホームや病院などに入所したいとの結果であります。家族形態が大きく変化する状況下で、2025年ごろが高齢者人口のピークを迎えることを想定すると、ケアハウスの利用状況を見聞きするところ、どこも満床で待機待ちが大半であり、早急な対応が必要と考えます。仮に目標の150床が達成できたとしても、足りるものではないと考えております。そこで、民間の力を借りて、高齢者世話付き住宅、シルバーハウジングの建設促進を考えてはいかがでしょうか。
最近、札幌市においてシルバーハウジングが見られます。利用状況は高齢者の生活不安を解消する意味で、おおむね満室の状況であるとのことであり、施設見学もさせていただきましたが、大変家族的であり、夜間の救急対応など大変努力されております。
私は、将来の施設利用を展望すれば、さらに増加が予想されます。当市のケアハウスの入所に関すれば、1年から1年半の待機待ちが現状であり、その対策の一つとして、シルバーハウジングを積極的に考えていただけるような環境を作るべきと考えます。
民間活力を導入し、将来の施設利用を考えている方の不安解消にもなると考えますことから、例えば同施設に対し、バリアフリー対策としてのエレベーター、手すり、夜間通報システム等の設備助成を考えることで、同施設の促進が図られるのではないでしょうか。自立や要支援と判定された場合においても、施設利用を希望される方の受皿対策は可能と考えるものであります。
また、当市に在する福祉施設にシルバーハウジングを併設すれば、食堂、おふろ等が共有できるなど、施設利用料が減額が可能であり、バリエーションが可能なことも有益であり、検討に値すると考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
15万都市の課題について。
15万都市を目指し、どちらかといえば宅地を造り出す環境整備が主流であったと考えます。経済情勢を含み様々な要因から、他市から定住者を呼び込むような一時の勢いはなくなりつつあり、15万都市に向けての人口増の対応として、基本的考えを堅持しつつも、新たな人口増の模索が必要になってきていると考えます。市長はどのようにして15万人の人口規模にする施策があるのかお伺いしたいと考えます。
その一つの対応として、女性が子育てしやすい環境を親身になって作り上げることも大事ではないでしょうか。超少子化が続く社会にあって、社会全体で育てていく考えが当市に根ざすことで、出生率の上昇をと期待するものであります。
お子さんを生み育てやすい環境整備、例えば女性が出産し復職するケースは、労働省女子雇用管理基本調査によれば、育児休業期間終了後の復職率は87%であるそうですが、仕事のやりくり上、育児休業はなかなか取りづらく、結果退職せざるを得ないこともあるそうであります。また、ある調査では、3割の経営者が育児休業は出世の妨げととらえていることからも、経営者の意識変革も必要でありますが、北海道の経済環境が許さないとの考えもあるそうです。
そうしたことも踏まえ、0歳児から3歳児の保育枠を広げる努力と、例えば現在より柔軟な延長保育、駅前型の24時間保育などを考えることで、女性の育児をしながらの社会参加が拡大し、一定の結果が得られるのではないかと私は考えます。後期基本計画の柱でもあります15万人の達成の施策を具体的に市長の示唆を受けたいと考えます。
病院の対応についてお伺いいたします。
1点目として、夜間診療の対応についてです。
夜間診療は病状の緊急性から、市民の生命を守るという重要な使命があります。その意識の下努力され、市民の皆様も大きな期待を寄せ、頼りにしていると言って良いと思います。夜間診療に関しては、議会においても様々の指摘がありました。その都度同病院では適切な対応に心掛けるとのお話であり、その対応に信頼を寄せておりました。残念なことでありますが、このたび市民の方から夜間診療に関する苦情を受けさせていただきました。内容は、早朝からの激痛で救急車にて夜間診療指定の江別市立病院に搬送されたそうでありますが、病院に着いたのが午前6時前と言っておりましたが、肝心の先生がいらっしゃらない。激痛に耐えお待ちしたとのことであります。
なぜこのような対応になったのかと事務局にお伺いして、確認させていただきましたところ、午後7時から午前7時までの間が夜間診療時間帯であるが、夜間診療のドクターは午後8時から午前6時までの勤務で午前6時から午前7時までは、病院の宿直のドクターが救急患者の対応を行うとのことでありました。しかしながら、その対応も遅れたそうであります。
議会で様々な指摘を受け、努力されてきたと受け止めておりますが、原因を確認する必要があると考えます。夜間診療の人的配置に問題があったのか、システム作りに無理があったのか、何に問題があったのか、二度と同じ苦情なるものがない体制作りをすべきと考えますが、院長先生のお考えをお聞かせください。
2点目として、利用しやすさのための改善についてお伺いします。
江別市立病院に市民の期待するものは、安心して治療を任すことができることと併せ、利用しやすさにあるのではないかと考えます。市民の皆様から同病院に対し、利用しづらいとのお声をいただきましたので、せっかくの機会でもありますので、どこまでも市民病院たるべく努力をしていただきたいと考え、市民の皆様からお伺いした病院に対する声を申し上げます。
羅列いたしますが、「障害者の駐車場の看板等が冬季間雪で埋もれ、一般車両が駐車しており、障害者の車両が利用できない状況もあり、もっと入り口近くに駐車場が設置できないか」これも冬季間ではありますが、「院外処方せんを高齢者が車道を横断して受け取ることの困難性があり、病院内の処方せん対応」、「入院患者の確認で窓口に伺うと、忙しい中にお聞きすることで、対応の中には不快を感じた」等がありました。このようなお話は事務局にも多く寄せられることと思いますが、その声をどのように処理し、どのように病院に反映されるのかが大切と考えます。
病院利用者に対し、利用しやすさへの改善への努力は、エンドレスでなければなりません。利用しやすさのための絶え間ざる改善について、院長先生のお考えをお聞かせください。
行政改革についてお伺いいたします。
市長は、市政執行方針の中で、「今自治体は行政の質が問われる時代を迎えており、積極的な行政改革の下、地域経営の転換が求められております」とおっしゃっており、このような基本姿勢に立って、平成12年度予算編成をしたとのことであります。しかしながら、積極的な行政改革と地域経営への転換との言葉が質疑の中では表れ切ってはいないのではとの感を持つものであります。
地域経営の考えを提唱したのは、松下幸之助氏であったように記憶しております。同氏の私塾である政経塾より、柳井市長に当選された河内山市長の行政改革に関する発言に、「一生懸命作ってあっても、この日程で これをやるという作業工程が書かれていない。検討するとあっても期間が決められていなければ計画ではな い。」と発言されており、また、「実行される確率は限りなくゼロに近い」とも発言されております。理事者質疑の中においても、民間活力を利用したあかしや保育園の運営経過に関して、行政の質を落とすことなく大幅な経費の削減がなされたとの報告がありました。しかしながら、今後の民間活力の有効利用に関すれば、市民、ボランティア団体、企業など、協働領域の拡大を示されたにもかかわらず、取り組む姿勢が余りにも少ないと言わざるを得なく、河内山市長の言葉を借りれば、行政改革のあるべき姿が見えづらいし、協働の意味は、申すまでもなく同じ目的のために協力して働く意でありますが、目的、目標が市民に対して見えづらい現状は、行政改革を進めないに等しいと考えるものであります。
予算を計上する際、補助金等を受け公債を発行せざるを得ない状況は理解できるものでありますが、過去の議会において、公債費比率に関して様々な警鐘があり、その都度重く受け止められていたと感じておりましたが、警戒水域を超え、前年よりさらに増えた公債費比率17.1%、今議会の補正予算の公債発行を加え考えますれば、行政改革の行程が示されない現状は、その受け止め方は余りにも軽いものと考えます。
また、地域経営の要素を松下氏は、将来に対する夢とかビジョン、ビジョンに至る道筋の具体化、それらを前提にし、今日何をなすべきか、明日何をすべきかが明確であることを示され、青年を育成され、次の日本を託されました。市長が示された地域経営と同意と受け止めさせていただきたいものだと切に願うものであります。
地方分権がスタートし、自治体の市民サービスの格差が出ることが予想され、財源確保は自治体の大きな課題であります。一歩も二歩も踏み込んだ地域経営への転換が求められると考えます。今後においては、市民が住みやすさ等で自治体を選択できる時代になるとも予想されるからであります。私は、給食センター、保育園等に民間活力の導入をと訴えてまいりましたことは、地域経営の視点から自治体には欠かせないと考えてきたからであります。
今後さらに財政硬直化が予想されるだけに、現状を受け止め、スピードある行政改革が具体的な計画と併せ必要と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
以上で、私の第1回目の質問とさせていただきます。明快なるご答弁をお願いいたします。