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平成25年第1回江別市議会会議録(第3号)平成25年3月8日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

石田武史君

 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして質問いたします。
 私は、今回、障がい者の就労についてお伺いします。
 大麻にある北海道立札幌盲学校は、今後、札幌市に移転することになっておりますが、その跡地利用に関しては、特別支援学校高等部を誘致することで市や地域が協力して取り組みを進めており、私も、一日も早い開校を望むものであります。
 ところで、そのような障がい者の子供を持つ保護者として、常に考え悩んでおられることは何でしょうか。そのような学校が身近に少ないこともありますが、その他に、将来、子供たちが自立して生活していけるのだろうか、就職先があるのだろうかという不安があるのではないでしょうか。現実の問題としても、障がい者には、安定した就職が難しい状況があるからです。しかも残念なことに、まだまだ就労支援施設や授産施設といった場所が少ないことは周知のとおりであり、その解消も喫緊の課題となっています。
 平成23年第3回定例会における野村議員の一般質問に対する市長の答弁では、就労訓練、就労支援や雇用の場の確保といった、地域で自立した生活を送るために必要なグループホームの確保など、卒業後の包括的な支援体制の整備について、今後、環境を整えていきたいとのことでありました。
 先日、障がい者の農業参加による地域の活性化を考えるシンポジウムが酪農学園大学でありました。その場では、江別市近郊の農家が直面している働き手不足の問題や高齢化などの問題が提起され、それに対して、全国で障がい者と共に農業を実践している方々が事例を紹介されました。そのような問題解決に対して、障がい者が可能性を持っているのではないかというような話合いもなされました。
 また、テレビでは、美唄市の企業、アンネルベッドが紹介されておりました。そこでは、多くの知的障がい者や身体障がい者が雇用され、全国のホテルや病院のベッド、電車の座席が作製されているそうです。丁寧に仕事をする障がい者たちの姿を見たJR北海道の社長は、大変感銘を受けられ、同社のベッドがJRホテルで使われることになったそうです。
 ここで、以前に私が一般質問で紹介した井上ひさしさんのボローニャ紀行から、再び一文をご紹介したいと思います。
 ボローニャ市の郊外には、コーパップスという社会的協同組合があり、それは、生産活動を通して障がい者の職業訓練を行う半農半学の教育農園だそうです。そこは、市から50ヘクタールの土地を借りていますが、きちんと市場価格で賃料を払っているそうです。補助金もあれば寄附もある、その上、農地の使用料金がただというのでは子供たちの成長のためにならない。稼ぎの範囲内でみんながちゃんと生きていけるようにしたいというわけなのだそうです。農園では、知的障害のある子供たちが果物や野菜や花を作っているのですが、市場に卸すことはなく、市民にじかに販売しているのだそうです。農薬や化学肥料をできる限り抑えるようにしているため、人気があり、市民がよく買ってくださるそうです。また、この教育農園では、幾つかの社会的協同組合と手を組んで、市の芝生と樹木の管理などもしており、自分たちにもできる仕事を見付けて生計を立て、その仕事を通して自分たちの町を美しくしているとのことです。さらに、近くのレストランでは、子供たちが機械を使わずに手作業でパスタを作っており、料理を作るそれぞれの行程で、子供たちが自信と誇りを持って作業をしているそうです。そして、ボローニャの市民は、お客となって生産物を買ったり、料理を食べたりすることで障がいを持つ子供たちの事業を支え、応援しているのだそうですとあります。
 私は、江別市においてこそ、農業関連分野において、障がいのある方たちが安心して働ける場所をつくるべきではないかと考えております。
 正に当市の農家が直面している高齢化や労働力不足の解消につながる上、農場にレストランや直売所を併設することによって、観光客の集客も望めます。障がい者にとっても、お客様に認められることが自信になり、就労意欲も湧くのではないでしょうか。
 先ほどのアンネルベッドでは、自分たちで納品作業を行うようですが、納品の際に、自分たちの作ったベッドが、立派なホテルで使われることを知って、自分たちの製品に誇りを持つようになったそうです。また、ボローニャの例では、障害を持つ子供は、計算だけは計算機を使うよりも早くできるので、計算係として働くことができ、その子は、毎日お客さんが来るのを楽しみにしているそうです。
 いかがでしょうか。このような障がい者と市民との関わりこそが、正に市長が目的とする、お互いが優しさや豊かさを実感でき、人が輝く共生のまちなのではないでしょうか。
 以上述べましたが、江別市として、このような事業に関して前向きに取り組まれ、将来に向かっての研究や計画を直ちに進め、一日も早く現実のものとすべきだと思いますが、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
 以上で、私の最初の質問を終わります。

議長(尾田善靖君)

 石田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

 石田議員の一般質問にお答え申し上げます。
 特別支援学校高等部誘致についてでありますが、北海道立札幌盲学校が札幌市に移転し、平成27年3月で閉校予定とのことから、その跡地に特別支援学校高等部を誘致すべく、平成23年11月に大麻・文京台のまちづくり協議会、江別手をつなぐ育成会、市内の経済団体、福祉関係団体等によりまして、江別市への道立高等養護学校誘致期成会が設立され、江別市議会や江別市が北海道議会及び北海道知事に対し、要望書や4万筆を超える署名を添えた請願書を提出するなど、市民総意で誘致に向けた活動を進めているところであります。
 北海道議会へ提出された請願書につきましては、文教常任委員会で継続審議になっていると伺っております。
 また、江別市の特性を生かした、卒業生の就労につながる学科編成について、期成会の中で保護者をはじめ関係団体とも協議し、平成25年度中に北海道教育委員会へ要望等を行う予定としているところでございます。
 誘致に当たりましては、卒業生の受皿づくりや支援体制など、地域全体でどのような取り組みができるか検討していく必要がありますが、中でも障がい者の生活の場と就労の場の確保が重要です。生活の場につきましては、住宅のバリアフリー化やグループホームなどが必要となりますが、そのためには障がい者のニーズ把握、運営面での管理や入居料の問題などもあることから、家族や施設の方々と調整していかなければならないものと考えております。また、就労の場につきましては、通年雇用を基本とした働く場の確保が課題となり、障がい者の特性についての理解を深めてもらい、雇用先と障がい者をうまくマッチングすることが必要となります。
 そこで、江別市の特性を生かした農業分野において、障がい者の就労先を確保することにより、農家の労働力不足も解消され、障がい者の一般就労にもつながるのではないかという提案が酪農学園大学の教授からなされたところであります。現在、大学連携調査研究事業として、その取り組みを進めているところでもあります。さらに、その研究成果を実現するため、江別市も参加する江別市における障がい者の農業参加による地域活性化を考える会を発足させることとしているところであります。
 なお、障がい者の就労支援につきましては、農業分野だけでは、通年雇用が難しいという課題が残ることから、サービス業、製造業などあらゆる分野にわたりまして、地域全体で取り組んでいく必要があるものと認識しております。
 いずれにいたしましても、障がい者が安心して働き、生活していける環境整備のため、今後とも誘致期成会をはじめ関係団体と協力の上、誘致に向けて最善の努力をしてまいりたいと考えております。

石田武史君

 ご答弁ありがとうございました。
 市長から、江別市も参加するそのような会が発足されると伺いまして、非常に勇気付けられたところです。
 私からは、一言要望を述べさせていただきたいと思います。
 ただいまも述べましたように、そのような障がい者や保護者にとっても、また農家にとっても、正に喫緊の問題でありまして、一刻も早く希望が見えることを待ち望んでいるものです。
 私が以前調査で訪れた北欧のあるまちでは、障がい者たちが製材所において、指導員の下、電動のこぎりやチェーンソーを使い、危険とも思えるようなまきや公園等の木製ベンチの製作などを行っておりました。上質なものを作るので、市民の人気も高いとのことでした。
 冬期間においても、障がい者の特性を上手に活用すれば、可能な作業は多いと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上で、私の質問を終わります。

議長(尾田善靖君)

 以上をもって、石田議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 齊藤佐知子議員の防災対策について外2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

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