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平成24年第1回江別市議会会議録(第4号)平成24年3月12日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

内山祥弘君

 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。
 初めに、1項目目の環境政策について、とりわけ環境教育について伺います。
 昨年3月11日の東日本大震災の発生から昨日で1年が経過しました。震災で亡くなられた方々、また、先日の市内の公園事故で亡くなられた男の子のご冥福をお祈りいたします。
 私は、地震発生時に屋外におりましたが、短い周期の揺れがなく長周期で長時間の揺れを感じたとき、即座に、これはある程度遠い地域で大変なことが起きていると直感しました。これは、地震の基礎知識があれば分かることです。しかし、その後の状況は私の予想どおりでもありましたし、また、それ以上でもありました。
 この東日本大震災の巨大地震と大津波、そして、それに付随して起こった原子力発電所の放射性物質の拡散事故は、私たち日本人の自然環境やエネルギー観を大きく変えつつあります。
 一時期、想定外という言葉がよく使われました。地球の歴史の研究者にとっては必ずしも想定外ではないのかもしれませんが、多くの一般の人々にとって想定外であるこのような事象は、自然界においては何でもかんでもというわけではないにせよ、起こり得るということであります。また、エネルギー観で言えば、夢のエネルギーであった原子力発電、その夢が散り去ってしまったことであります。そして、より重要なことは、私たち人間の活動はときとして私たちの生存の基盤である環境に深刻な影響をもたらすということであります。
 私たちの暮らし・命は、環境との関わりあい、関係性の上に成り立っているということであります。
 言葉にすれば当たり前のことですが、私たち人類は、同じ過ちを何度も繰り返し、環境を壊してきました。改めて、歴史から人類の英知を学んでいかなければならないのではないでしょうか。
 ここで、明治期の政治家であり、足尾鉱毒問題を告発した田中正造の言葉を紹介します。いわく、真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし。
 では、真の文明とは何でしょう。
 真の文明というのだから、あるべき文明のことでありましょう。また、文明というのだから、単に昔に帰れというわけではないでしょう。それでは、文明とは単に技術のみをもって成立するものでしょうか。
 そうではありません。文明とは、社会規範が伴って初めて成り立つものであります。それゆえ、真の文明とは、技術が高度化し、かつ社会規範が成熟化した社会のことであると考えます。
 そのような社会は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さないというのです。この言葉は、私たちのあるべき社会、目指すべき社会、それは環境と共生し、地域が生かされ、平和な社会であるということを指し示しているのだと私は考えます。ちょうど100年前の言葉だそうですが、今、正に生かさなければならない言葉ではないでしょうか。
 この考え方は、2002年に開催された地球環境問題に関する国際会議である持続可能な開発に関する世界首脳会議、ヨハネスブルグ・サミットにおいて日本より提案し、同年の国連総会において採択され、2005年からスタートした国連持続可能な開発のための教育、通称ESDの10年の考え方に大いに共通する部分があります。
 ここでまず、持続可能な開発とは、Sustainable Developmentの訳で、将来世代を含む世界中の人々が環境のもたらす恵みを享受し続け、また、平和の内に安心して暮らせる社会を実現するために、環境と経済、社会がバランス良く共生し持続的に発展できるような社会を目指すという考え方のことです。
 それゆえ、持続可能な開発のための教育、ESDとは、そのような持続可能な社会の実現のため、私たち一人ひとりが将来の世代や世界の人々、また、環境との関係性の中で生きていることを認識し、より良い社会づくりに参画するための力を育む教育のことであります。ESD、それは単に知識を伝達するだけの教育ではなく、具体的な課題や問題を解決するために考え、話し合い、行動する力を育む教育のことであり、子供だけではなく、あらゆる世代、立場の人々がその学び手や担い手になって、持続可能な社会に関する多様なテーマを総合的に扱う教育のことであります。
 現在、各国の環境教育の取り組みは、この国連ESDの10年の下において展開されております。
 我が国においても、以上のようなESDの考え方に基づき、2003年に環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律、通称環境教育推進法が制定されました。本法律及びそれに基づく基本方針では、国民、民間団体、事業者、行政等の各主体が適切な役割分担の下、自発的な意思を尊重しつつ、家庭、学校、地域、職場等の様々な場において参加や協力による連携に努めながら持続可能な社会の構築を目指し、環境教育や環境保全活動が行われるものとされています。
 また、昨年6月には本法律が改正され、法律名も、環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律と改正され、今年の10月から施行されるところであります。
 改正法においては、環境を巡る動きを踏まえ、人間性豊かな人づくりにつながる環境教育をなお一層充実させる必要があるとともに、環境を軸とした成長を進める上で、環境保全活動や民間団体、企業、行政等の協働がますます重要になっていることから、幅広い実践的人材づくりに向けた具体的な規定の充実がなされたところであります。
 一方、本市におきましても、次年度の市政執行方針において、市長は昨年の大震災を契機に、環境に配慮したまちづくりはこれまで以上に重要なものとなっております。これからは市民一人ひとりが低炭素型社会と省エネルギー社会へとライフスタイルを見直していく意識を持ち、行動することが求められていますと述べられております。
 それでは、以上のことを踏まえ質問いたします。
 まず、1点目に、平成26年度に向けて江別市環境管理計画後期推進計画が策定されますが、改めて、本市の環境政策における環境教育の考え方、位置付けについて伺います。
 2点目に、これまでの環境教育の取り組みの主な内容や評価、課題について伺います。
 3点目に、改正環境教育推進法においては、地方自治体による環境教育の推進枠組みの具体化として、環境教育・協働取り組みの推進に関する行動計画の作成が努力義務とされております。
 これまでも本市では、各行政分野や市民団体、企業等により、環境教育の取り組みが推進されてきたと認識しておりますが、今後、持続可能な社会に関する様々なテーマに総合的に対応できるよう、それらの取り組みを改めて体系化し整理するとともに、各主体の連携と協力をより一層推進するために、改正法の行動計画等の体系的な環境教育の仕組みづくりが必要と考えますが、そのお考えについて伺います。
 4点目に、環境教育を市全体で推進していくための場づくり、人材づくりといたしまして、まず、場づくりとしては、環境についての情報や市民団体等の取り組みの発信や環境イベント、講座等のお知らせなどを通じて、環境教育を推進する環境ブースのような場を整備することについてどのようにお考えか。また、人材づくりとしては、環境市民講座などの環境講座をより一層充実させ、そのような中から新たに地域で環境教育を担う人材を育成していくような環境人材の育成の仕組みづくりについてどのようにお考えか伺います。
 最後に、5点目として、本市における自然環境、農地、また、大学等の地域特性を生かした市独自の体験型の環境教育の取り組みについて、今後、新たに取り組んでいくお考えがあるのか伺います。
 次に、2項目として、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区について質問いたします。
 北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区は、昨年9月30日に、江別市をはじめ、札幌市、函館市、帯広市、十勝管内全18町村、北海道及び北海道経済連合会が連名で特区の指定申請をし、その後、国の評価や審議、また、与党民主党のヒアリングなどを経て、昨年の12月22日に野田佳彦内閣総理大臣により国の指定を受けたところであります。
 初めに、国際戦略総合特別区域とは、昨年6月に成立、8月に施行された総合特別区域法に基づく制度であり、総合特区制度には、国際戦略総合特別区域の他に地域活性化総合特別区域があります。
 この総合特区制度の趣旨は、平成22年6月に閣議決定された新成長戦略を実現するため、また、政策課題解決の突破口として地域の資源や知恵を地域の自立と活性化に向けて最大限活用するとともに、実現性の高い区域に国と地域の政策資源を集中し、規制の特例措置等の総合的な支援を講じるものであります。
 そして、その中でも、とりわけ国際戦略総合特区は、成長分野を中心に、国際レベルでの競争優位性を持ち得る地域を厳選し、我が国の経済成長をけん引することが期待される産業等の集積・拠点化を目指すものであります。
 さきの第1次指定では、全国で7地域が指定され、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の他には、愛知県、岐阜県、名古屋市などによる航空宇宙産業クラスターの形成を目指したアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区や、福岡県、福岡市、北九州市による環境を軸とした産業の競争力の強化を目指したグリーンアジア国際戦略総合特区などがあります。
 ちなみに、地域活性化総合特区とは、地域資源を最大限活用した新しいビジネスモデルなどにより地域活性化を目指すものであり、全国で26地域が指定され、道内では、札幌市の札幌コンテンツ特区や下川町の森林総合産業特区が指定されております。
 このように、国際戦略総合特区は、国の新成長戦略の下に位置付けられ、国の規制緩和等による国際競争力強化に向けた総合的な支援を受けられる一方、国家戦略の一翼を担うという重責も負うことになるのであり、受け身ではなく課題解決に向けた地域からの積極的な提案が求められ、特区の要件にもあるとおり、地域の本気度を示す責任ある関与が求められることは言うまでもありません。
 北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区についてでありますが、国内の食料自給率の向上や成長著しい東アジアの食市場の獲得を政策課題に、北海道の豊かな農水産物をベースとした農水産品や加工品の高付加価値化を目的にして、農水産物の生産体制を強化するとともに、食と健康に関する産業及び研究開発等の機能を集積・拡充し、東アジアにおける食産業の研究開発・輸出拠点化を目指すものであります。
 また、道内において関係する大学や研究機関等が集積し、これまでも既に先駆的な取り組みがなされてきた札幌・江別地区、函館地区、帯広・十勝地区の3地区が特別区域として設定され、産学官の一層の連携と3地区連携の相乗効果を図ろうとするものであります。
 計画されている主な事業といたしましては、特区プロジェクト全体の運営管理、連携コーディネートなどを担うマネジメント機関であるHFCプロジェクトマネジメント事業、食の安全性・有用性の研究、評価を行う食品安全性・有用性研究評価のプラットフォームの整備、高付加価値商品の試作や量産化実証、テストマーケティングまで行う食品試作・実証のプラットフォームの整備、食品開発に関するプロジェクトマネジャーなどを育成する(仮称)国際食開発カレッジの創設、食の海外販路拡大への支援を行う輸出支援ネットワーク化事業などがあります。
 そして、本フード特区の経済効果としては、先日の星議員の一般質問でも述べられていましたが、農水産品及び食品の売上げの増加目標額を平成24年から平成28年までの累計で1,300億円とし、この目標の達成により全国の生産誘発額で4,600億円、雇用創出で延べ6万1,000人相当の経済効果をもたらすと推計されております。
 次に、本フード特区と江別市との関わりについてでありますが、本市においては、食品加工等に関する研究・技術支援を行う地方独立行政法人北海道立総合研究機構食品加工研究センター、その他の各種研究機関、そして酪農学園大学や北海道情報大学をはじめとする農・食・健康・情報などを研究・教育する四つの大学があります。
 その一つとして、北海道情報大学では、本市との連携と協力の下、食の有用性評価・研究に関する地域住民参加型のヒト介入試験システム、江別モデルが平成21年度より行われております。
 また、食関連企業や農業者などとの農商工連携や産学官連携による取り組みとして、江別麦の会及び江別経済ネットワークによる小麦・ハルユタカの初冬まき栽培技術の確立、江別小麦めんの開発プロジェクト等は、産業クラスターの先駆的な取り組みとして全国的にも高く評価されているところであります。
 このような食と健康に関係する大学や研究機関、企業の集積及び先駆的な取り組みが評価され、また、与党民主党の強力な後押しもあり、江別市を含む本フード特区が指定されたものと推察します。
 以上のように、本市を含む本フード特区は、食の分野に関する国家的な国際戦略の拠点に位置付けられたわけであり、それゆえ国家的課題解決の責任を担うとともに、本市及び北海道が持つポテンシャルを大いに発揮できるチャンスでもあります。
 本事業に対して懐疑的な見方をする人もいるようでありますが、過去を振り返りますと、北海道が産業面で国家戦略として位置付けられたのは石炭産業以来であり、本フード特区は、北海道開発に伴う公共事業が収束しつつあり、経済の低迷、雇用の減少、過疎、少子高齢化、人口減少に悩む北海道の重要な転換点となる千載一遇のチャンスであると考えます。
 批判するだけなら簡単でありますが、これを逃して、北海道はこれから何で生きていくつもりなのでしょうか。国の財政状況から見ても、公共事業に期待することはできません。それでは観光でしょうか。しかし、観光も北海道の豊かな食の基盤がなければ成り立ちません。
 それゆえ、1項目目の質問で述べたように、環境への配慮と共生を前提としてではありますが、特区への総合的な支援を活用しつつ、オール北海道で官民の知恵と資源を結集して、この特区の推進を通して経済及び地域の活性化、ひいては、自立的な北海道経済の形成を目指さなければならないものと考えます。
 また、石炭産業以来という意味では、この江別市においても少なからぬ縁を感じないではありませんが、北海道の現在の悩みは江別市の悩みでもあるところであります。それゆえ、本市においても本特区の指定をチャンスとして、オール江別の官民の知恵と資源を結集して、江別市独自・江別発の取り組みを発信し続け、本特区において確固たる位置を確立し、それによって、まちづくり及び経済の活性化、ひいては、市民の心豊かで活力のある生活に是非ともつなげていかなければならないと考えます。
 しかし、現段階においては致し方ないことではありますが、市民の方々にお聞きすると、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区という名称はかろうじて知っているものの、その内容についてはほとんど知らないというのが現状であります。
 したがいまして、本市にとってのメリット、経済効果はどのようなものかということをすぐにでも聞きたいところではありますが、まずはその前に本特区の内容について、特に本市に関わる部分を中心に伺ってまいりたいと思います。
 それでは、質問といたしまして、まずは、全体構想について、1点目にフード特区の3地域における取り組みの概要とその運営の在り方、また、その中で江別市の占める位置付けについて改めて伺います。
 2点目に、本市に関わる規制・制度の特例措置及び税制等の支援措置の内容と対象範囲について伺います。例えば、現在提案されている特例措置等において、市内の企業など各産業や大学・研究機関のどのような内容がどのような範囲で適用対象となるのか、また、それらは特区計画の事業ごとの認定になるのかなど、どのようにして受けられるのかについて伺います。
 3点目に、本フード特区の事業として、本市に関わるものとしてはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの概要と、現状での取り組み及び今後の見通しについて伺います。
 次に、市の役割及び取り組みについてですが、4点目に、市としての役割としてはどのようなものがあるのか。また、市内の企業等や大学・研究機関、特区の運営を担うマネジメント機関、国と地方の協議の場である地域協議会に対してどのように関わっていくのか伺います。
 次に、推進体制についてですが、5点目に、本特区の推進に向けた市の組織体制について伺います。
 6点目に、本特区事業を市の活性化にどのようにつなげていく考えなのか伺います。
 次に、市民との協働についてです。本特区事業は今後も新たな特例措置等の提案ができるということでありますが、産学官の連携に基づく江別市独自の取り組みをより一層推進していくためにも、市内の多様な主体から成る協議会等の体制づくりについてのお考えを伺います。
 最後の質問といたしまして、本フード特区事業は、平成26年度から始まる次期総合計画の柱の一つになるとも考えられることから、まずは、本フード特区について市民への周知と理解が必要であると考えますが、今後の市民に向けた周知や関連イベント等の開催について、どのようにお考えか伺います。
 以上、1回目の質問といたします。

議長(尾田善靖君)

 内山議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好昇君)

 内山議員の一般質問にお答え申し上げます。
 私から北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区に関連して、お答えしたいと思います。
 北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の全体構想についてでありますが、この特区は、農水産物の生産体制を強化するとともに、食に関する研究開発・製品化支援機能を集積・拡充し、これを活用して本道の豊富な農水産資源及び加工品の安全性と付加価値の向上、市場ニーズに対応した商品開発の促進と販路拡大を図ることを目的としております。
 特区において、札幌・江別エリアは食品の有用性評価、食品加工の拠点、函館地区は水産品、帯広・十勝地区は農産品の付加価値向上の拠点として位置付けられ、特に江別については、市内に所在する大学や研究機関が食に係る研究・技術支援を行うことができる地域として評価され、特区の指定に至ったものであります。
 特区の推進に当たっては、指定自治体としてその運営に主体的に取り組んでいく必要があることから、今月設立される特区推進機関へ参画するなど積極的に関与してまいりたいと考えております。
 次に、本市に関する特例措置や支援措置についてでありますが、特区では、補助金の弾力運用など54項目の規制の特例措置を提案しており、国との協議が整った場合、江別市内の企業や研究機関も含め、特区全体を対象として適用されることになります。また、税制等の支援措置については、特区計画として、国に認められたそれぞれの事業が対象となるものであります。
 次に、江別市に関わる特区の事業についてでありますが、北海道情報大学が実施している食品の有用性を評価する食品臨床試験を特区の事業に位置付けているほか、今後市内で取り組まれる食の付加価値向上に向けた研究や商品開発などが特区の関連事業として積極的に展開されていくものと考えられます。
 次に、特区に係る市の役割等についてでありますが、市といたしましては、規制の特例措置に係る国との協議や特区制度で措置されている税制や金融の支援措置に係る特区計画の作成、市外からの企業誘致や国の制度活用に係る支援などの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、市内には、食分野の研究を行う大学、技術指導等を行う支援機関、実際に生産や商品開発等を行う企業等が所在しており、特区の推進に当たっては、それぞれが、食の高付加価値化に取り組む不可欠な担い手であると考えております。
 市といたしましては、各実施主体がより一層国の支援制度を活用されるよう関係機関と連携して取り組みの支援を行っていくとともに、食品の臨床試験に関しましては、その体制の充実を図るため必要な予算の提案をしているところです。
 次に、各機関との関わりについてでありますが、特区の推進に当たり、申請者である北海道と区域の市町村、北海道経済連合会が食の高付加価値化や輸出拡大に向け協力して取り組むほか、国への提案等を協議する地域協議会、さらには特区推進機関などが適切に役割を分担しながら、特区構想の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、特区推進に向けた市の組織体制についてでありますが、特区の指定自治体の役割として、規制の特例措置の提案や支援制度の対応などの業務があることに加え、市内で展開される食の付加価値向上に向けた取り組みの支援を図るため、必要な体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、市の活性化にどのようにつなげていくかについてでありますが、市といたしましては、特区の支援制度の活用や取り組みの推進が、市の進めている食のまちづくりに結び付き、市内の食関連産業の一層の振興やコープさっぽろのような企業誘致、雇用の創出につなげられるよう、より一層の制度の周知と活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 また、市内の体制づくりについてでありますが、食関連産業の振興に向けて産学官や企業間の連携が一層推進され、様々な議論の中から新たな取り組みが創出されることが大変重要でありますことから、今後とも、江別経済ネットワークの場を活用するなどして、市内の産業界での取り組みの活発化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、市民に対する情報発信等についてでありますが、これまでも、ホームページの外、広報への記事掲載や団体機関紙への寄稿に加え、特区のメリット等に関する説明会を開催してきたところであります。
 今後も、市民の皆様からの呼び掛け等に応じ個別説明会を行うなど特区の周知を広く図ってまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、生活環境部長をもって答弁いたします。

生活環境部長(柴垣文春君)

 私から環境政策についてご答弁申し上げます。
 まず、環境政策における環境教育の位置付け、考え方についてでありますが、環境基本条例第3条に規定しております環境への負荷が少なく持続的に発展することができる社会を構築することを目指し、市、事業者及び市民が自らの活動と環境への関わりを認識し、環境への十分な配慮を行うことを目的に、江別市環境管理計画中期推進計画で環境教育・環境学習を推進することとしております。
 こうした目的は、今後策定する江別市環境管理計画後期推進計画でも、基本的な考え方を変える予定はありませんが、位置付けに関しましては、環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律で、環境教育・協働取り組み推進の行動計画の作成が自治体の努力義務とされていることから、今後、検討してまいりたいと考えております。
 次に、環境教育のこれまでの取り組みや評価、課題についてでありますが、子供向けの環境教育では、地球温暖化や太陽光発電についての授業、さらには、買物を通してごみの減量を体験する買物ゲームなどを総合学習のカリキュラムに取り入れていただきました。また、夏休みや冬休み期間を利用した環境学習では、野幌森林公園や石狩川など身近な自然を体験する水辺の自然塾や弁天丸で学ぶ石狩川、あるいは、太陽光発電などの仕組みを学ぶ自然エネルギー実験室などを開催してまいりました。
 大人向け事業としては、市民環境講座や出前講座、省エネナビやワットモニターの貸出し、また、総合的な環境イベントとしてえべつ環境広場など多様な事業を実施してまいりました。
 こうした取り組みに対する評価ですが、施策達成度の成果指標では、年々成果が向上している状況にあります。
 今後、この成果を更に向上させるため、市民と協働した施策展開を図る方策を構築することが課題であると考えております。
 次に、行政各分野や市民、企業との連携・協力をより一層推進する体系的な環境教育の仕組みづくりの必要性についてでありますが、環境教育の体系化や協働取り組みの推進については、先ほど申し上げました環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律に基づき、江別市環境管理計画後期推進計画の策定の中で、今後、検討を重ねてまいりたいと考えております。
 次に、市全体として環境教育、意識啓発を推進するための場づくり、人材づくりについてでありますが、環境ブースのような場を整備することは、運営体制や場の管理など様々な課題があり、難しいと考えておりますが、環境に関する情報発信は重要なことと考えておりますので、えべつ地球温暖化対策地域協議会が開設しているえべつ環境情報広場のホームページを環境課のホームページとリンクするなどして、情報の共有化を図ってまいります。
 また、環境教育を担う人づくりにつきましては、新年度予算において、市内NPO法人の協力の下で、地域で環境教育を担う人材を養成し、児童会や環境広場などで出前講座を新たに実施する経費を計上しており、人材育成等の取り組みに着手する予定であります。
 次に、自然環境や大学等の地域特性を生かした市独自の環境教育の取り組みについてでありますが、先ほど申し上げました市内民間企業の支援や協力をいただいた水辺の自然塾や自然エネルギー実験室、太陽光発電に関する出前授業、さらには、NPO法人の協力を得た弁天丸で学ぶ石狩川などの外、農地を利用したものとしては農業体験ツアーを、大学と連携した事業としては酪農学園大学による巨大空中写真を利用した環境教育などを実施しており、今後も地域特性を生かした事業の充実を図ってまいります。
 私からは以上でございます。

内山祥弘君

 ご答弁ありがとうございます。
 再質問といたしまして、環境教育に関しての要望と、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区に関して一点の質問をさせていただきます。
 まずは、環境教育に関しまして、環境教育・協働取り組み推進の行動計画等の各主体の連携・協力をより一層推進する体系的な環境教育の仕組みづくりにつきましては、市民と協働した施策展開を図る方策を構築することが課題と認識され、江別市環境管理計画後期推進計画に向けて、今後、検討していきたいとのことでありました。いろいろ大変な面もあるかと思いますが、国等の支援も受けつつ、とりわけ、多様な主体の意見が反映される形で、今後、前向きに検討されることを期待いたします。
 ちなみに、これは個人的な意見でありますが、自然環境と共生するという意味では、防災教育の観点も取り入れられないかと考えています。なぜなら、私の経験から、防災は、まず自然を知る、地球を知るというところから始まるのではないかと思うからです。地震も津波も火山噴火も大雪も台風も、全ては地球の大きな動きの中から生じる現象であります。科学的に言えば、それらの現象は、地球の誕生以来の熱拡散、熱放出に伴うプレートテクトニクス、大気や海洋の循環の一現象であると考えられています。
 もちろん、地球の現象を知ったからと言って、それらが起こらなかったり、確実に予測できるわけではありませんが、防災教育において一つの大きな意味を与えるものと考えます。また、地球の現象の連関を知ることは、環境問題の解決にも役立ちます。
 いずれにしましても、難しく考えたりするばかりではなく、楽しく体験したり、自ら興味を持って取り組めるような環境との共生に向けた防災教育や環境教育の取り組みが、本市においてより一層推進されることを期待いたします。
 最後に、本市における環境との共生に関する偉大な先人、野幌の森を守った関谷孫左衛門さんの精神から、今改めて学ぶべきということを付け加え、環境教育に関する要望といたします。
 次に、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区についての再質問をさせていただきます。
 ご答弁によりまして、フード特区の全体像や当市の役割・取り組みについて、おぼろげながら見えてきたところではないかと思います。
 しかしながら、現在、本特区より提案されております全54件の特例措置等につきましても、国の関係行政機関などが参加する国と地方との協議会の協議が整って初めて形となるものであるとのことでありますし、また、先日、新聞報道がありましたが、特区の運営組織となるマネジメント機関である一般社団法人北海道食産業総合振興機構は、今月中旬に設立する方針とのことであり、具体的な事業はまだこれからということでありますから、現段階において、具体的な姿が見えてこない部分があることは致し方ないことと理解いたします。それゆえ、今後、具体的な動きが出てきたときには、逐次、議会への報告と、企業や市民等への周知に努められるものと思っております。
 また、特区の取り組みの姿の全ては明らかにできないとしても、地域の本気度を示す責任ある関与が求められる中、特区に取り組む市としての姿勢、決意は明らかにすべきものと考えます。
 市政執行方針の中でも、フード特区に関して、北海道、日本のけん引役として、ここ江別から具体の取り組みをどう進めていくかが勝負になります。是非ともこのチャンスを生かし、江別の経済発展につなげてまいりたいと考えておりますとの力強い言葉がありました。
 そこで、質問といたしまして、確かに特区の取り組みと推進に当たっては、民間の自由な発想や連携が最大限生かされるものでなければならないことはもちろんでありますが、江別のけん引役でありリーダーである市長のリーダーシップの発揮が何より必要であると考えます。
 したがいまして、特区の推進に向け、改めまして、万全の体制づくりも含めて市長の決意をお伺い申し上げます。
 以上、再質問を終わります。

市長(三好昇君)

 内山議員の再質問にお答え申し上げます。
 特区推進に向けた私の決意ということでございますが、これまでも、特区申請に関連しまして政府に対する説明、北海道への対応、さらには、参画する市町村との連携協定など様々な分野で先頭に立って進めてまいりました。特に、特区の国のヒアリング、さらには、それに伴う企業誘致につきましても、先頭に立って行ってきたつもりでございます。
 今回の特区の指定は、江別市が食産業の振興に向けかじを切ったことに対する大きな支え、一つの根拠になるものと思っております。また、市の目標であります食のまちづくりに向けまして、食の生産拡大と高付加価値化を図り、輸出・輸入代替等を増大させていくに当たりまして、その取り組みを進める土俵をいただいたと思っております。この土俵を大事にしまして、スタートを切ってまいりたいと考えています。
 今後は、それに伴います企業誘致のさらなる推進、生産の拡大、商品開発、市場の促進などを図り、そして何よりも、地元の皆さん、地元の企業の皆さんに頑張っていただけるよう情報を提供し、そのための対応をすることが重要であろうと思っています。
 今後におきましても、様々な課題が出てくると思います。先ほど申し上げたような組織の問題もありますし、予算の問題もあります。そのような様々な課題に柔軟に対応し、その時々の要望や社会情勢に合わせた対応をしてまいりたいと考えています。そのためには、今後におきましても、議会の皆様方のさらなるご理解とご支援を賜りながら、市を挙げて、先頭に立って努力してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

議長(尾田善靖君)

 以上をもって、内山議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 三角芳明議員の農業振興について外1件についての質問を許します。通告時間20分。

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