平成23年第4回江別市議会会議録(第1号)平成23年12月7日 5ページ
6 議事次第の続き
陳情第11号及び陳情第14号ないし陳情第17号
岡英彦君
陳情第15号 福島県ほぼ全域に及ぶ放射能汚染地域からの避難者支援のさらなる強化と計画的避難区域の拡大を求めることについて、不採択とすべき立場で討論に参加いたします。
改めまして、東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今回の事故による避難者支援につきまして、今後において必要な支援と思われることに長期間、短期間にかかわらず積極的に実行することは自治体にとって至極当たり前のことであり、我々も積極的にその任を果たしていきたいと考えております。
しかしながら、計画的避難区域の拡大については、国が基準を明確にすべきことであり、また、地元住民の意向を最大限配慮すべきと考えます。
住民の健康を守るため、食品や子供たちに必要な公園・グラウンドなどの放射能汚染に伴う検査体制の強化をしっかりと行い、除染をできる限り進め、住民のニーズに応じた多様な選択肢を用意して長期にわたる避難生活への支援を最優先に行うこととし、国において継続的に安全性の確保をしっかりと見極めながら慎重に対応することを望みます。
以上を申し上げ、陳情第15号は、やむを得ず不採択とすべき立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
吉本和子君
陳情第15号 福島県ほぼ全域に及ぶ放射能汚染地域からの避難者支援のさらなる強化と計画的避難区域の拡大を求めることについて、採択すべき立場からの討論を行います。
陳情者が陳情理由で原子力発電所事故という特殊なものと述べているように、放射性物質が外部に放出されると、その被害が空間的に大地や大気、海洋へとどこまでも広がる危険があるということは、大気中に放出されたセシウム137が西日本や北海道まで拡散しているとの解析結果からも明らかです。
また、陳情理由の長期にわたる内部被ばく被害の拡大とあるように、放射能汚染の影響は、特に幼い子供たちへ深刻な健康被害を及ぼします。陳情者も例に出している25年前に起こったチェルノブイリ原子力発電所事故の影響は現在も進行中であり、世界保健機関は、事故によるがん死亡者数を9,000人と推計しています。このように放射線被ばくは、陳情者も述べているように、何世代後まで将来にわたって人間の命と健康を脅かし続ける危険があると言えます。
さらに、今回の原子力発電所事故により、計画的避難区域を含む避難指示が12市町村に出され、10万人にも及ぶ住民が避難生活を余議なくされ、地域社会の存続が危ぶまれる危機に見舞われています。
そのことからも、放射能汚染地域からの避難者支援と計画的避難区域の拡大については、放射能被害の拡大を食い止め、同時に、子供たちをはじめ、地域住民の健康被害を抑えることを最優先にしつつ、住民の生活保障と地域社会の維持を図ることも含めて、国において適切な措置を取ることが必要と考えます。
以上申し上げ、陳情第15号について、採択すべき立場からの討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第15号を起立により採決いたします。
陳情第15号は、委員長報告のとおり、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、採択することに決しました。
次に、陳情第16号 放射能がれきの北海道への持ち込み拒否等に関することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
高間専逸君
陳情第16号 放射能がれきの北海道への持ち込み拒否等に関することについて、不採択の立場で討論に参加します。
被災地では、がれき処理が復興を妨げる要因となっており、がれきの広域処理が求められております。
本陳情を不採択とすべき理由としては、既に北海道、あるいは江別市においても放射能がれきの受入れに慎重な姿勢を示しており、陳情の趣旨は既に達せられていると考えるためであります。
また、岩手県、宮城県の災害がれきを災害地以外で処分する広域処理については、環境省の調査で、復興の鍵となる災害廃棄物の受入れが困難な状態になっていることが明らかになっています。津波や地震で発生した災害廃棄物を原子力発電所の事故で汚染された放射性廃棄物と混同していること、また、広域処理の対象となるがれきについては、事前に放射線量を測定し、埋立てや焼却処分しても安全なレベルのものに限られているにもかかわらず、がれき搬入に過剰な反応が示されたことで復興の遅れをもたらしているだけではなく、被災者の心を傷つけているという現状でもあり、あえて改めて表明する必要があるのか疑問です。宮城県石巻市の担当者は、今後も多くのがれきが発生するが、置き場がなく、県外での処理をお願いしなければ復興が進まないと訴えています。
被災地の復興の前提となるがれき処理を急ぐためには、国の責任において自治体や住民に対し、安全性に関する丁寧な説明を行うべきであり、各自治体に混乱を生じさせている現状には怒りさえ感じるものです。なすべきことは、受入れの拒否を表明することではなく、国にきちんとした対応を早急に求め、被災地の復興支援に寄与することであると考えるものであります。
このことから、陳情第16号については、不採択とすべきものとします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
森好勇君
陳情第16号 放射能がれきの北海道への持ち込み拒否等に関することについて、採択の立場で討論いたします。
東日本大震災、原子力発電所災害から間もなく9か月になります。被災地では、復興に向けて懸命の努力が続けられています。放射能汚染の被害は日々拡大し、10万人もの人々に先の見えない避難生活を強いています。福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質は、放射性セシウムで広島型原子爆弾の約168個分などばくだいなものです。
被災した県では、恒久的な除染が行われていますが、除染で出た廃棄物の仮置き場が設置できないことや、除染費用の財政負担が大きな障害になっています。本年8月12日に成立した通称がれき処理法についても、自治体に対しては広域的協力の要請等となっています。また、日本共産党は反対しましたが、通称汚染がれき処理法が8月26日に成立しています。本法案は、放射能汚染レベルの低い廃棄物を一般廃棄物とみなして処理できるようにしたことから、汚染廃棄物を一般廃棄物として広域的に処理できるため、地域住民の健康や生活環境への不安を拡大するものとなっています。
政府は、放射能汚染の実態を全面的・系統的に調査するとともに、開かれた形で国民・住民の討論を行い、専門家の知見も総結集して最終処分の方法や場所を科学的に検討し、住民合意の下で進めるべきであります。現段階では、そうした措置が行われていないことから、陳情者の意見を尊重したく、採択すべき立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第16号を起立により採決いたします。
陳情第16号は、委員長報告のとおり、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、採択することに決しました。
次に、陳情第17号 北海道電力泊原子力発電所への緊急対策についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
岡英彦君
陳情第17号 北海道電力泊原子力発電所への緊急対策について、不採択とすべきとの立場で討論に参加します。
安全対策が必要という陳情の趣旨は、誰もが理解するものであり、何ら反対するものではありません。
しかしながら、泊原子力発電所の停止や再稼働につきましては、どのような評価で安全性が保たれるのか、代替のエネルギーをどのように求めていくのかなどについて、正に、これから様々な観点から議論が行われようとしている段階であると認識しています。
また、環境への負荷や厳冬期を迎える北海道での電力不足への対応については、十分な情報が提供されているとは言えず、大きな不安があります。
よって、国民合意の下、新たなエネルギー政策を早急に構築し、様々な角度から十分な検討がなされた上で、発電所の停止や再稼働について安全対策と情報公開を十分に行い、国において対応されることを強く希望します。
以上を申し上げ、陳情第17号について、安全対策が必要な点は十分に理解しているところですが、陳情項目が多岐にわたり、原子力発電所の今後については国民的議論が不足しており、現時点での採択は難しいと考えることから、不採択との討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
干場芳子君
陳情第17号 北海道電力泊原子力発電所への緊急対策について、採択すべき立場で討論いたします。
福島第一原子力発電所の事故は、広島市や長崎市に投下された原子爆弾の数万倍の放射線を放出し、発電所内や周辺に容易に近づけないばかりか、田畑や森林、海、川、大気への放射能汚染により、その恵みや営みも奪われ、原子力史上最悪の事態に至っています。これまで政府や歴代の政権、電力会社は、防災指針において原子力発電は多重防護対策が組み込まれているから安全であるとの安全神話を流布してきました。
しかし、今回の事故で、地震や津波への万全の備えを怠ってきた人災であることが明白となりました。地震多発国である日本は、常に災害の危険にさらされており、一刻も早く原子力発電からの転換を図るためには、電力消費の節減や省エネの推進とともに、電力買取り制度を緩和してLNGや、小水力、太陽光、風力、バイオガスなどの自然エネルギーを促進していくべきです。事故後の原子力プラントでは、現在も強い放射線が放出され、調査することさえ困難な状況にあり、解体・廃炉に10年近くを要するとのことです。報道等によれば、廃炉に掛かる費用は膨大であり、20兆円も要するとの試算がなされています。
さらに、原子力発電のばくだいなエネルギーコストと補償問題等は、一企業では対応できないことから、国や原子力損害賠償支援機構の補償と支援を受けることとなり、税金と電力料金に上乗せしていることからも、決して安価であるとは言えません。
また、泊発電所3号機のプルサーマル計画や増設を巡っては、北海道電力株式会社によるやらせも重大な問題です。
このたびの地震・津波による電源喪失と福島第一原子力発電所事故の事実から、泊発電所の周辺では、現状でも防潮堤や防災対策などが極めて不十分です。新たに指摘されている活断層のエリアや調査も十分とは言えず、一たび事故が起きれば、道民の生命、財産及び生活を守れる保証はありません。福島の原子力発電所事故や有識者検討会議の提言を踏まえ、現在稼動中の原発に対して厳しい安全基準を策定すべきです。
さらに、第三者の専門家による安全性のチェックをすべきであり、泊発電所3号機の中止はもとより、定期点検中である泊発電所1号機及び2号機についても、安全性が確保されない限り再稼動すべきではありません。放射能汚染は、天候や風向き、風速など気象条件により、その範囲が遠く東京都や岩手県まで拡大し、想定を超え拡散していることから、泊発電所から60キロメートル圏内にある札幌市や80キロメートル圏内にある江別市も含む広域の防災対策が不可欠です。
本年12月6日の北海道議会予算特別委員会では、防災計画を見直し、30キロメートル圏内を目安としてUPZを拡大する方針が示されましたが、チェルノブイリ原子力発電所事故では80キロメートル圏内も避難区域とされてきたことから、十分とは言えず、道民の不安は募るばかりです。本年9月27日に、当市議会としても防災指針の見直しを求める意見書を国に提出しましたが、範囲を拡大し、北海道としての広域的な原子力地域防災計画を確立すべきであり、安全対策の具体的対応とスケジュール及び広範囲な避難計画を作成すべきことは言うまでもありません。
以上のことから、陳情第17号は、採択すべき立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
森好勇君
陳情第17号 北海道電力泊原子力発電所への緊急対策について、採択の立場から討論いたします。
福島第一原子力発電所事故は、他の事故に見られない異質な危険があるということを明らかにしました。放射能被害は空間的に広がり、放射線被ばくは将来にわたって人間の命と健康を脅かし続けます。何より、今の原子力発電技術は、ばくだいな放射能を閉じ込めておく保障や放射性廃棄物の処理方法も見通しが立たないなど未完成で危険なものです。世界有数の地震・津波国の日本に集中立地する危険性は言うまでもありません。
しかし、歴代の日本政府と電力業界は、安全神話にしがみ付き、日本共産党の繰り返しの警告を無視してきました。日本共産党は5年から10年以内を目標に原子力発電からの撤退を提案しています。また、原子力発電からの撤退と並行して、豊かな可能性のある自然エネルギーの本格的な導入と低エネルギー社会に向けた取り組みを進めることを求めています。
泊発電所の安全対策については、一つに、1号機及び2号機は、稼働から20年以上がたち老朽化・経年劣化が懸念されており、本格的な総点検と道民へその結果を公表すべきであり、また、原子力発電所の安全性を評価するストレステストは推進機関から独立した権限を持つ、専門家の規制機関が実施主体になるべきです。福島の原子力発電所事故の検証が進んでおらず、安全性が曖昧のまま1号機及び2号機の再稼働に踏み切るべきではありません。
二つに、危険なプルサーマル発電計画は中止することです。
三つに、過酷事故に対応できる地域防災計画へと抜本的な見直しを進めることです。これらの計画を進めるために、北海道が独自に安全検証委員会を作り、安全基準に基づく検証結果を道民に公表することが必要です。
四つに、道民、特に放射性物質への感受性が高い子供の健康を守る対策が求められています。放射線・放射性物質による人体への影響、特に子供の被ばくに対して最大限の対策を講じることです。
五つに、食品検査体制の強化は、農林漁業が基幹産業である北海道にとっては、地域経済に大きな影響を与えるだけに抜本的な検査体制の強化が必要です。食品による子供の内部被ばくを防ぐために学校給食食材の検査体制の充実と安全な地元食材による給食の一層の拡大、水道水の放射性物質の検査を行うことなど緊急な安全対策が求められています。
江別市は、泊発電所から80キロメートル圏内に位置しており、福島第一原子力発電所事故の教訓を生かした対応が求められており、市民・住民の安全を守るために安全対策を求める意見書を北海道に提出すべきとの陳情者に賛同し、採択の立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第17号を起立により採決いたします。
陳情第17号は、委員長報告のとおり、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、採択することに決しました。
陳情第8号
議長(尾田善靖君)
日程第17 陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについてを議題といたします。
生活福祉常任委員長の報告を求めます。
生活福祉常任委員長(岡村繁美君)
ただいま上程されました陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについて、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
本件は、さきの第3回定例会において、更に慎重に審査を進める必要があることから継続審査の決定をいただいたものであり、委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
委員会においては、過去に提出された同趣旨の請願・陳情の審査経過を踏まえ、精神障がい者の交通費割引に関する国等の対応状況など関係資料の説明を受け、慎重に審査を進めてまいりました。
初めに、主な質疑の概要でありますが、3障がいのうち精神障がい者が交通費の割引対象外となっている理由に関する質疑があり、答弁では、交通事業者の多くは、国土交通省が定める標準運送約款に基づき運賃割引を実施しており、約款に定める割引対象に精神障がい者が含まれていない点が大きいと考えているが、現在国において、バスだけではなくタクシーや貸切りバスも含め、精神障がい者が割引対象となるよう約款の見直しが検討されていると述べられております。
また、障害者タクシー利用料金助成事業の利用状況を踏まえ、不用額を新たな交通費割引制度につなげる考えはないかとの質疑では、平成22年度は、対象者77名に対し47名が利用し、利用率は60.2%であった。予算執行上不用額は生じているものの、新たな制度の創設については、制度自体の必要性や財源を含め、総合的に判断していきたいと答弁されております。
さらに、精神障がい者の交通費割引に係る現状への認識と今後の市の対応についての質疑に対し、3障がい一元化という障害者自立支援法の趣旨の下、その取扱いに差があることは解消していかなければならないものと認識している。一方、財政面などからも、自治体レベルで交通事業者に助成することは難しく、国や北海道への働き掛けなど効果的な手法を検討しながら、精神障がい者への交通費助成が早急に実現されるよう取り組んでいきたいと述べられております。
以上の質疑を経て結審に至っておりますが、次に、討論の概要を申し上げます。
初めに、趣旨採択とすべき立場の委員からは、障がい者福祉を含めた社会保障制度において、国民は公平・公正なサービスを受けられることが原則であり、助成内容の不均衡は国が早急に是正すべきである。陳情の願意は理解できるものの、市の厳しい財政状況に鑑み、精神障がい者への交通費助成は、交通事業者の協力を得てその実現に努力すべきであり、施策の優先度などを総合的に検討する必要があることから、趣旨採択とすべきと述べられております。
また、同じく趣旨採択とすべき立場の別の委員からは、障害者自立支援法の施行後、精神障がい者に対する制度は徐々に拡充されてきており、現在、国において精神障がい者を交通費の割引対象とするよう標準運送約款の改正について前向きに検討されているところである。まずは国において、制度そのものの改善が図られるべきと考えることから、趣旨採択とすべきと述べられております。
一方、採択すべき立場の委員からは、障害者基本法において3障がいが同じ位置付けであるにもかかわらず、交通機関の各種割引制度で精神障がい者が対象外となっていることは明らかに不公平である。これまで、長年にわたり同趣旨の陳情等が提出されているが、市の事業者等への働き掛けは十分なものとは言えず、より一層の努力を市に求めていくためにも、採択すべきと述べられております。
また、同じく採択すべき立場の別の委員からは、道内各市の交通費助成状況を見ても、自治体間で格差が生じており、全国どこでも一定水準のサービスを保障する制度の整備は、国の責任においてなされるべきことは言うまでもない。国では、標準運送約款の見直しが議論されているが、国等の対応をただ待つのではなく、実施されるまでの措置として市が割引制度を実施することこそが自治体の役割であり、そのことが国に制度の整備を促すことにもつながることから、採択すべきと述べられております。
以上の討論を経て採決を行った結果、陳情第8号については、多数をもって趣旨採択とすべきものと決したものであります。
なお、当委員会の総意といたしまして、公共交通機関における全国統一の運賃割引制度については、精神障がい者に対する支援の内容に差があることから、早期の解消が課題となっている。よって、市は、国が適切な措置を講じるよう働き掛けを強めるとともに、交通費の助成制度を研究・検討されるよう意見を申し添えさせていただきます。
委員会の審査経過と結果につきましては、以上のとおりでありますので、よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。
議長(尾田善靖君)
これより生活福祉常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で生活福祉常任委員長報告を終結いたします。
これより陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋典子君
陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについて、採択すべきとの立場から討論いたします。
本陳情に関しては、平成13年より幾度となく同趣旨の陳情等が提出されており、精神障がい者の置かれている状況について当市議会として把握してきたところであります。
精神障がい者の所得状況が大変厳しい状況であることは、委員会審査の中でも確認されています。精神障がい者が地域で暮らし続ける上で、定期的な受診と服薬の継続のための通院は欠かせないものでありますが、通院費用や社会復帰施設等への通所費用などは精神障がい者にとって負担が重く支援が必要であり、現状の制度では決して十分とは言えないとの主張は理解できるものです。
我が国の障がい者福祉制度において、精神障がい者は、既に障害者基本法改正で法の中に位置付けられ、障害者自立支援法では身体・知的・精神の3障がい一元化がうたわれているにもかかわらず、助成事業において、陳情者が求め続けている交通費運賃割引は対象外のままです。
現状において、精神障がい者に対する施策が他の障がい者に対して行われている事業と比べ差があることは、本来、国の責任において早急に改善されなければならない問題です。
同時に、委員会に提出された資料には、道内の自治体で独自の支援を行っているところもあり、他の障がいと同様に運賃の割引が実施されるまでの措置として支援を行うなど、住民に直接関わる基礎的な地方自治体だからこその取り組みが求められると考えるものです。
先ほどの委員長報告にもあったとおり、全国統一の運賃割引制度について、精神障がい者に対する支援の内容に差があることは早期の解決が求められる課題であり、また、市としても交通費の助成制度を研究・検討することが必要であるというのは、当然、理解できるところであり、本陳情を議会として採択し、行政に対応を求めていくべきと考えます。
以上、述べましたように、精神障がい者の交通費助成の問題は、国の動きを待つだけではなく、江別市の姿勢が問われるものとして取り組むべきであることを申し上げ、本陳情についての討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
齊藤佐知子君
陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについて、趣旨採択の立場で討論いたします。
精神障がい者に係る助成事業には、NHKの放送受信料減免や、公共交通機関を利用して施設等に通所している場合に交通費の2分の1を助成する北海道の心身障害者自立促進交通費助成事業があります。江別市としては、平成21年度より障害者タクシー利用料金助成事業において精神障害者保健福祉手帳1級所持者に対してタクシーチケットの交付を行っており、平成22年度に交付されたタクシーチケットの利用率は60.2%と、平成21年度よりも利用率が上昇しております。
また、江別市の精神障害者保健福祉手帳所持者数は、本年7月現在で510名となっており、年々増加傾向にあるところです。
平成18年4月に障害者自立支援法が施行され、3障がいに対する施策が一元化されてから、精神障がい者に対する制度は、徐々に拡充してきた状況にあります。
現在、バス事業者は、国土交通省が定めた標準運送約款に基づいて交通費の割引を行っていますが、標準運送約款は精神障がい者が記載されていないため交通費の割引対象外となっています。委員会審査では現在、国において、精神障がい者も割引の対象にすべきとのことで標準運送約款の改正について検討されているところであり、当初は、改正対象がバスのみでしたがタクシーや貸切りバスについても合わせて検討されることになったことや、東日本大震災の影響もあり、なかなか進まない状況にあったものの、今後は前向きに検討されるとの報告がありました。
江別市では、現実的に新たな財政負担は難しい状況ではありますが、これまで以上に事業者に対して要請活動を行っていきたいとの委員会での答弁を支持するものであります。
以上のことから、当会派といたしましては、委員会での議論経過を踏まえて、まずは国として制度そのものの改善を図るべきと考えることから、趣旨採択の討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
山本由美子君
陳情第8号 より一層の精神障害者の交通費助成を求めることについて、委員長報告に不採択の立場で討論いたします。
障がい者の自立と社会、経済、文化等のあらゆる分野への参加を促進することを目的とした障害者基本法において、精神障がい者と身体障がい者、そして知的障がい者の位置付けは異なっておりません。しかし、交通機関における各種割引制度においては、精神障がい者が対象とされていないものがあるため不公平と感じるところであります。
また、委員会での質疑において、これまで市の事業者に対する働き掛けの頻度が多くなかったということが部局からの答弁で認められました。昨年の北海道議会において、この陳情と同趣旨の請願が全会一致で採択されたことにより、北海道として各事業者への働き掛けを強めている事実があります。
市独自に交通費助成を拡大するとしても、一定の範囲とすることで、財政的にも持続可能と考えられることから、事業者の割引制度が実施されるまでの間、通院に限るとの上限を定めて助成を行うことは、十分可能な対応と考えます。
本陳情は、長年にわたり、議会に対して提出されているものでありますが、江別市として国の動きを待つだけでなく、積極的に解決する姿勢を示していくことが必要ということは、共通認識になってきていると考えます。
よって、陳情第8号について、採択すべき立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
山本議員に確認いたします。先ほどの討論中、委員長報告に不採択との表現がありましたが、陳情を採択するという意味でよろしいでしょうか。
山本由美子君
陳情第8号を採択するということです。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
赤坂伸一君
陳情第8号について、委員長報告のとおり趣旨採択とすべき立場で討論いたします。
精神障がい者が置かれている状況については、本陳情趣旨並びにこれまで提出された本陳情と同様の陳情や請願等で理解し、当市議会としても国や北海道に意見書を提出してきたほか、国会でも請願が採択され、全国市長会等も国に要望してきたところです。
平成18年度から施行された障害者自立支援法で3障がい一元化がうたわれ、国会においても精神障がい者のための施策の均衡を求める付帯決議がされましたが、いまだに不均衡は解消されておりません。
特に、本来、障がい者福祉を含めた社会保障制度は、国民が公平・公正なサービスを受けられることが原則であり、精神障がい者の自立を支援する観点から、第一に、国が早急に是正改善を講じるべきであり、国に対して不均衡状態を解消するための努力を急がせるべきであります。
江別市においては、法の趣旨と議会審議を踏まえて、通所施設利用者への交通費助成の実施とともに、これまでの議会の要請、そして、理事者の対応を含めまして、平成21年度から障害者タクシー利用料金助成事業の助成対象の拡大など一定の前進が図られてきたところです。今後は、平成22年度の利用率が60.2%である障害者タクシー利用料金助成事業の検証とともに、施策の優先度や貢献度、財政実態などを総合的に検討・吟味する必要があり、さらに、交通事業者の協力を得て交通費助成の実現に努力すべきであります。
今回の付帯意見が添えられた委員長報告に賛成し、趣旨採択とすべき立場での討論とします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第8号を起立により採決いたします。
陳情第8号は、委員長報告のとおり、趣旨採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、趣旨採択とすることに決しました。