平成23年第1回江別市議会会議録(第3号)平成23年3月10日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
宮澤義明君
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、質問をさせていただきます。
江別市は、私が生まれ育った大切なまちです。明治期に屯田兵が入植し、その後、大きな苦労をされましたが発展し、人口も増加してまいりました。しかし、ここ数年、人口減少が進んでおります。私は、議員としてこれまで長い間、この地で多くの人が働き、家族で仲良く安心して暮らすことができるまちになればという思いで一般質問をしてまいりました。今回が、私の最後の一般質問となります。2期目の出馬を表明された三好市長には、改めて江別市に対する熱意や今後のまちづくりの抱負について、市民に話していただければと心から願うものであります。
それでは、初めに、江別市の人口減少社会への対応について質問をさせていただきます。
先日、昨年10月に実施された平成22年国勢調査の速報値が発表されました。北海道は、過去3回の調査結果で明らかになったように、人口減少が急激に進んでいます。これまでの調査と明らかに違うことは、過去最大となる約12万人の人口が減少し、今後も新たな有効策が講じられなければ、人口減少が更に規模を増していくということです。
江別市においても、北海道と同様に3年連続で人口減少が緩やかながらも進んでいます。少子高齢化が進んでいる影響とはいえ、道外の学校に進学し、卒業後は道内に職を求めても就職先が不足していることから戻ることができない学生の外、仕事を求めて本州へ移住する若者や中高年層の方がいることなど理由は様々ですが、企業における経済力の差が人口減少の大きな要因となっています。江別市における過去の人口増加時期は、高度経済成長期、すなわち昭和40年代の道営住宅大麻団地の造成に始まり、その後、豊幌地区の団地造成や東光町、見晴台、上江別各地区の住宅地整備など経済成長に合わせて人口が増加してきました。しかし、日本経済が失われた10年などと語られた時代に、期待していたほど抜本的な経済対策が実施されないままに競争力を失い、その結果、人口減少が国勢調査の結果からも明らかになったわけです。
国勢調査の結果は、江別市にも大きな痛みを伴います。自主財源を生み出す力が弱い江別市は、地方交付税に大きく依存せざるを得ない財政構造となっています。人口の減少は、地方交付税額の減額に直結します。今後、少子高齢化の進行と住民サービスの維持を前提に財源について考えるのであれば、人口減少を最小限に抑える施策の実施が強く求められます。そのためには、市民に住んで良かったと言われるまちづくりを基本に考えるべきであり、住み良いまち、子育てしやすいまち、仕事を選択できるまちを目指し、都市として生き残るために大胆な経済戦略を進めていかなければなりません。
人口が急激に減少している結果を前に、差し迫っている課題は明らかです。市内産業を活性化し、若者が就職できるよう環境整備を進め、企業の育成と誘致に取り組むことが重要であります。また、子育てしやすい環境を整え、一人でも多くの方に江別市に住んでいただき、人口減少を食い止める努力を成功に結び付けることが最大の命題です。言葉で話すことは実に簡単ですが、これらをいかに実現していくのかは実に難題であります。
そこで、1点目の質問です。
先日、市長は、2期目に挑戦することを表明されました。人口減少が始まった江別市において、三好市長は、今定例会初日に平成23年度江別市各会計予算大綱説明において各施策を説明されましたが、改めて2期目へ挑戦する決意と今後の具体的手法について、市民にご説明いただければと考えます。
2点目の質問です。
江別市の現状を考えると、人口減少に歯止めを掛けることは、相当厳しいものと認識するところです。市内経済の活性化と同時に、若い世代の移住促進策を具体的に打ち出す必要があります。例えば、現在進めている幼保一元化や認定こども園を更に充実させ、働きたいと望む方の子供全員を預かることを公約に掲げて実行する。小学校六年生までの医療費無料化を実現するなどです。実現できれば、市長の人気は間違いなく上がり、多くの若い方々が江別市に居住することを選ぶと考えます。三好市長が考えている人口減少歯止め策や人口増加策について、具体的な施策でお示しいただければと考えます。
3点目の質問です。
北海道で企業の集積と人口増加が続くのは、主に札幌市とその周辺地域です。今回の国勢調査でも、札幌市以外で人口が増加している市町村は限られており、その中でも千歳市や恵庭市など道央圏の都市が健闘しています。しかし、20年後、30年後は道央圏も人口が大きく減少する時代がやってまいります。
札幌広域圏組合では、道央圏の各市と連携しながら事業を進めていますが、今後は、圏域内でも人口減少が大きな問題となります。買物対策や公共交通の連携、医療等の基本的な機能の維持など周辺地域の人口減少歯止め策を共に進め、生活が豊かになる道を地域全体で模索していかなければならないと考えます。今後は、具体的な地域対策や人口減少に対応した諸施策を道央圏で十分に話し合うことが必要と考えますがいかがでしょうか。また、今後、このことを札幌広域圏組合議会の議題とし、対処すべきと考えます。今後の取り組みについて、お答え願います。
次の質問は、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想についてです。本日、清水議員からも同じような質問があり、重複する点があるかもしれませんが質問をさせていただきます。
江別市は、道内の高速道路網の中央にあり、農産物や水産物などの物流の拠点に位置しています。空港や港にも短時間で行けるなど地理的要件も備えています。その与えられた条件の下、地域の農産物や漁業資源を生かして食品加工産業を育て、優良地場産品に付加価値を付けて国内外への販路拡大を目指し、最大限努力しなければなりません。ましてや江別市には、食品や健康に関する学部を持つ大学が4校あるほか、食品加工に関する研究施設があるなど多彩な知識と経験を持つ方々が多く活躍しています。平成23年度予算案には、新たに全国に販路を拡大するための事業に係る経費も措置されました。今後は、国外に販路を広げるための予算も視野に入れ、北海道ともより強固に連携しなければなりません。
最近の報道で、日本は、国内総生産(GDP)が中国に抜かれて世界第3位になったとのことです。当然、世界の順位も大切ですが、私たちにとって大切なことは、身近な場所に仕事を生み出し、額に汗して働くことができる地域社会をつくり、家族が一緒に生活できるまちづくりです。
ヨーロッパの地方都市では、地域で収穫された原材料を製品に加工し、国内外に販売することにより、国のGDPに関係なく豊かさを享受している事例などは枚挙にいとまがありません。GDPや現在の経済状況だけに翻弄されるのではなく、10年先、20年先を見据え、着実に地場産業を育て販路を拡大していくことが江別市に今一番求められていることです。特にこれからは、世界経済に占めるアジアの位置はますます重要になります。東アジアに属する日本、私たちの北海道江別市は、東南アジア地域に地理的にもそれほど遠くなく、20年先、30年先を目標に食品加工産業を育て、販路を広げていくことが地域社会を豊かにする道筋です。
江別市のこれまでの実績を見ても、春まき小麦のハルユタカの生産技術が確立され、農商工連携など企業の努力もあり、江別小麦麺の国内販路が拡大し認知されてきました。また、江別市の努力と企業の理解により、カット野菜と冷凍技術で国内トップクラスの企業にRTNパークへ進出していただくことにも成功しました。いよいよこれからが本番であり、知恵比べとなります。
そこで、江別市が属する札幌圏、帯広圏及び函館圏が共に進めている北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想が具体的進展を見せるのかどうかが、これからの北海道や江別市が豊かになるための分岐点です。
4点目の質問です。
今後、この北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想をどのように推進していくのか、三好市長のお考えを市民が理解できるようにご説明いただきたいと考えます。大ざっぱな質問で申し訳ありませんが、これからの重要なことです。具体的にお話しできる部分とできない部分があると理解しますが、ご答弁願います。
次の質問は、地方自治の根幹である議会制度について発言をさせていただきます。
最近、地方自治における首長と議会の政策決定に注目が集まっています。特に、市民から負託を受けている議員で構成している地方議会が行政課題の解決と監視、政策提言において十分機能を果たしていないとの厳しい市民意見もあり、地方議会の存在意義が問われています。
鹿児島県阿久根市や愛知県名古屋市で起きた市長と議会・議員の対立もその一例です。名古屋市では、市長の独断的な減税政策について十分な説明や議論が行われない中で、議会を市民の抵抗勢力に見立てて民意を駆り立て、結論を議会に迫りました。本来の議会の大きな役割は、住民から負託された議員が地方自治や行政サービスが公正に執行されているのかを監視し、市長に政策提案を行うことです。しかし、両市では、首長と議会が全面対決する形となり、市長のリコールや市議会の解散などに至りました。現在、名古屋市では、議会と対立する市長が自派の候補を41名擁立するなど、市議会議員選挙が行われており、阿久根市についても、本年4月に市議会議員選挙が行われることになりました。分かりやすく敵を見立てて、民意を駆り立て、自らの意思を貫く手法は、ポピュリズム(大衆迎合主義)そのものです。これは、過去の軍国主義が台頭する時代に見られた手法であり、国内に大変危険な兆候が芽生え始めていると心配しています。
終戦から65年余りがたち、高度経済成長が終えんし、少子高齢化の波が押し寄せてくるという時代に日本経済の活力が衰え始め、国債という借金だけが大きく膨らみました。その結果、若者等の雇用状況が不安定になるなど多くの家庭で収入が激減しているのが現在の日本の状況です。その上、国民の願いを実現できない国の政治、老後の年金・医療等の不安が増すばかりで、政治に対する国民の不信は頂点に達しつつあります。国政に対する不満や政治家に対する不信がそのまま地方議会や議員にストレートに反映し、地方議会議員は住民のために仕事をしていないと考えている住民も増えています。
報道機関が行った全国世論調査の結果、国会も地方議会も議員が十分仕事をしているとは思えない、期待していたほど議会が機能していないと考えている人の割合が増えているとのことでした。私も地方議会に長く携わった人間として、大変危機感を持っています。
江別市議会では、議会の活性化を目指し、議会基本条例の制定に向け、議会運営委員会の下に議会基本条例検討ワーキンググループをつくり、条例案のたたき台ができました。このように、本市議会でも、市民が求めているニーズを意欲的に把握しながら政策に反映し、希望の持てる地域社会にするために前向きに努力を重ねていると考えています。
私の個人的な意見ですが、今後、江別市議会では、地域の皆様の声を聞くため、議会自らが直接地域住民の所へ出向き、地域の意見を聴くことも検討課題の一つと考えています。また、これまでは、委員会等において議員間で直接討議してきませんでしたが、今後は、直接、議員間で討議を行い、政策について熟議し、内容を高めることが必要と考えております。
民主主義を守るためにも、二元代表制の一翼を担う議会が十分に機能し、市民から期待していただける議会にするための努力が今こそ必要と考えます。今後、江別市においても、住民と議会の代表や学識経験者等が参加し、議会制度について幅広く話し合う場が必要と考えます。その中で、今後は、議員が市民から専門職として活動し調査することを求められているのか、あるいはボランティア的な立場で活動することが求められているのかなどの基本的な話合いも必要と考えます。このような基本的なことを互いに理解した上で、初めて議会を開催する曜日や時間、議員定数、報酬等について議論を深めることができると考えております。
そこで、1点目の質問です。
市民から信頼され、期待される議会となるため、また、そうするためにも、議会制度の在り方や議員が果たさなければならない役割、議員定数、報酬などについて自由に議論できるよう、このたび行われる統一地方選挙後に各分野から様々な年代の方々が集える市民懇談会を設ける考えはないのでしょうか。改選期にこのようなことを申し上げるのは、はばかるべきことかもしれませんが、地方議会や議員に対する不要論が各地で噴出し、議員が十分に勉強して働いていないと感じている国民が増えている状況であるからこそ、江別市でも市民と十分に話し合う場が必要と考え、お聞きしました。二元代表制の意義や民主主義を守るために市長にご発言いただき、機会を設けていただければと考え、お伺いしました。市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
次は、議員報酬についてです。
本年6月から、地方議会議員年金制度が廃止される予定です。市民の中には、大阪市や名古屋市など大都市の議員報酬を見て、現在の江別市議会議員の議員報酬が高いとおっしゃる方もいますが、初当選される議員には、地方議会議員年金制度廃止後の老後の生活保障は国民年金しかありません。財産がある方や議員報酬以外に収入がある方は問題ありませんが、収入が議員報酬しかない若い世代の方は、見識が豊かな方であっても、今後は地方議会議員選挙に出にくくなります。現在の議員報酬の額は、1人で生活することはできても結婚、ましてや子育てするには難しく、老後に国民年金だけを頼りに生活するのは厳しい状況です。このような現状では、今後、社会の各層から議会に優秀な人材を送り込むことは、ますます不可能になると考えます。
2点目の質問です。
先ほども申し上げましたが、地方議会議員年金制度は本年6月で廃止される予定です。長い年月を掛け、議会制度を充実させてきたヨーロッパ諸国の状況を断片的に取り入れ、現在の日本の政治制度、地方議会に無報酬又は低報酬で議員活動を行えということには無理があるのではないかと考えています。民主主義、議会制度が国民から信頼・理解され、社会制度が整備された暁には、無報酬又はボランティアで議会活動をするのは厭いません。しかし、現実に願うことは、市民の願いを実現するために、熱い思いを持つ若い方々が地方議会議員選挙に出馬できる環境を是非守っていただきたいということです。そのためには、理想論ではなく、若者が議員となって自分の生活や議員活動ができるだけの議員報酬とするなどの環境整備が最低限必要であると考えます。市長のお考えをお聞かせください。
3点目の質問です。
都道府県や市町村の首長は、退職手当制度が整備され、任期ごとに退職手当が支払われますが、議員には、そもそも退職手当制度がありません。そのため、若くして議員になり、長く議会活動をされた方でも老後の保障がありません。せめて議員の任期中は、市職員が加入している共済制度に準ずる制度に加入することを江別市独自で認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。あるいは、それに準ずる制度を検討することが可能であれば、お示しいただきたいと考えます。全国都道府県議会議長会や全国市議会議長会などでも、新たな制度を模索する話はありますが、実現のめどは立っていません。しかし、地方議会議員になった方には、議員として活動する責任と自らの生活があります。市長に責任を負わすようなことは到底考えていませんが、多くの議員が今後の議会活動に真摯に取り組めるようにするためにも、何らかの保障が必要と考え、発言をさせていただきました。
私は、今期で6期24年務めた市議会議員を卒業させていただくに当たって、あえて議員報酬の問題を取り上げさせていただきました。現職を続けるならば手前みそな質問になりますが、このままでは議会の年齢構成が偏ると考え、お聞きしています。議員の待遇が現状のままか更に引き下げられるのであれば、全国の地方議会で議員に立候補する方が減少し、必要とされる人材が出られなくなってしまうのではないかと考えています。多くの国民が納得する新しい制度は一朝一夕に簡単にできるわけではありませんが、今後議論していただく中で、日本型の新しい制度が誕生すればよいと考え、質問をさせていただきました。幅広い各層の方々から貴重なご意見をいただき、より良い地方自治が実現できればと心から念願するものであります。
以上で1回目の質問を終わります。
副議長(尾田善靖君)
宮澤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
宮澤議員の一般質問にご答弁申し上げます。
まず、江別市の人口減少社会への対応に関連しまして2期目への決意についてでありますが、私は、平成19年の市長就任以来、江別市立病院の再生や子育て環境の充実、高齢者に優しいまちづくりなどの福祉施策、農商工連携や企業誘致、域内消費の拡大など地域産業の活性化、江別の顔づくり事業や住環境の整備など江別市の将来を見据えた都市基盤づくり等を進め、この4年間を全力で取り組んでまいりました。
こうした取り組みは、市民の皆様や議会の皆様からご理解・ご協力をいただき、それぞれの課題に一定の道筋を付けることができたものと考えております。一方で、江別市立病院の再生、企業誘致、地域産業の活性化など様々な点で、まだ道半ばという感を抱いているところであります。
今、江別市は、かつて経験したことのない少子高齢・人口減少社会に突入しております。先日発表された平成22年国勢調査人口速報集計結果で、当市は、初めて総人口が減少に転じたところですが、江別市の持つ高いポテンシャルをこれまで以上に生かしていくことにより、必ずや多くの皆様にこのまちに住んでいただけるものと確信しております。
そこで私は、今後におきましても、江別市自治基本条例に基づく市民参加・市民協働の下で施策を進めていくことを基本に据え、元気で安心できるまちづくりに向けた江別市立病院の診療体制の確保及び経営健全化をはじめ、子育て世代や高齢者など誰もが住みやすいまちづくり、太陽光発電やカーシェアリングなど環境に配慮したまちづくり、大学との連携により地域の特性を生かした産業の推進、とりわけ北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想などを通じた食の知の拠点づくり、江別の顔づくり事業等のコンパクトなまちづくりなど、残された課題の解決に向けて取り組んでいくことが必要なのではないかと考えております。
次に、人口減少歯止め策についてでありますが、江別市は、札幌市に隣接し、交通の要衝であるという地理的優位性や大学・研究機関などの知的資源、北海道立野幌森林公園等の自然環境など優れた特性をまちづくりに活用していくことが何よりも重要であると考えております。
私は、江別市の持つ様々な優れた素材を十分に生かし切れていないと思っており、これらの特性を生かしてまちの魅力を高めることが、更に多くの人々にこのまちに住んでみたいと思っていただくことにつながるのではなかろうかと考えております。中でも、子育て世代の皆様に住んでいただくことが、定住人口を維持する上で重要な鍵になるものと考えており、そのためには、保育や各種健診など子育て支援策はもとより、働く場の確保、良好な住環境の提供、安全で利便性の高いまちづくりなど総合的な取り組みが必要であり、その具体策を打ち出さねばならない時期に来ていると考えております。また、将来にわたり長期的に若い世代に住み続けていただくためには、高齢者が安心して生活できる姿を見ていただくことも重要であろうと考えております。
次に、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想についてですが、江別市は、江別産小麦のハルユタカにおける農商工連携の実績、食品加工による付加価値を見いだすための研究機関・大学が存在すること、さらには大学と行政が連携した機能性食品臨床検査試験の実績などから、北海道経済連合会の支援を受け、現在、北海道などと本年5月の申請に向けて鋭意作業に取り組んでいるところでございます。
このような経緯から、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想などの取り組みを通じまして、これまでの市、大学、研究機関との連携体制をより一層強め、江別市を食関連の研究機関や企業が集積する食の知の拠点として、積極的に取り組むチャンスが来たものと考えております。このため、同構想では、江別市の研究機関や大学などが持つ食品加工等の技術革新により、地域の食材を活用した食品開発やその食品の健康に関する国際的な機能性評価の仕組みを新たに付け加え産業化することで、地元農業の振興が図られるものと考えております。このような構想を進めることで地域経済の活性化が図られ、そのことが人口対策につながるものと理解しております。
次に、議会制度についてでありますが、地方自治制度は、平成12年4月施行の地方分権一括法から始まる一連の改正が行われ、同制度を定めている地方自治法も順次見直しが行われてきております。その中で、議会制度に関しましても、議員定数の上限や定例会の招集回数制限などに関する規定が撤廃され、各地方自治体の条例で制定するようになるなど地方自治体の自主性を尊重する内容に改められているところであります。このような中、昨年来、一部自治体における首長と議会の関係が話題となり、各種世論調査においても議会の在り方に市民の関心が高まっているところでございます。
そこでまず、議会制度の在り方と市民論議についてでございますが、現在、江別市議会においては、江別市自治基本条例で定められた議会の役割や責務を踏まえ、議会基本条例の制定に向けて協議が進められているものと承知しております。この論議の中で、開かれた議会の実現に向けた検討が進められるものと期待するとともに、その検討結果を尊重してまいりたいと考えております。
次に、市議会議員を志す方々への環境整備についてでございますが、本年1月26日に総務省が示した地方自治法抜本改正についての考え方において、住民自治の確立のためには、住民の多様な層から幅広く議員となり、活動できるようにするための環境整備の必要性について言及されております。今後、総務省の地方行財政検討会議において、住民の政治参加を促進する観点から議員報酬を含めた幅広い論議をする予定でありますことから、これら議論の推移を見守っていくべきではなかろうかと考えております。
次に、議員年金制度の検討についてですが、現行の地方議会議員年金制度は、本年6月に廃止される予定であります。ご質問の制度廃止後における議員の身分保障として地方公務員共済組合へ加入することにつきましては、市の独自制度として行うことは極めて困難なものと考えております。総務省と全国組織の各議長会との間で今後論議されると聞いておりますことから、その中で一定の方向が示されることを期待しているところであります。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、企画政策部長からお答え申し上げます。
企画政策部長(安田俊明君)
私から人口減少社会への対応に関連しまして、道央圏の各市町村との連携についてご答弁申し上げます。
札幌広域圏組合は、経済活動や地域情報の広域化、少子高齢化等の共通する行政課題に対応するため、札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、石狩市、北広島市、当別町、新篠津村の管内8市町村により、平成9年2月に設立されたものであります。これまでにも首都圏において、特産品、観光、移住促進に関する圏域全体のプロモーション活動や構成市町村それぞれの農業の特徴を生かした農業体験バスツアーなど各種ソフト事業を実施し、圏域全体の魅力アップを図っているところであります。
また、札幌広域圏組合を構成する市町村の人口は、道内人口の約40%を占めており、札幌市を中心とする都市機能や交通機能の充実度が高い圏域でありますことから、今後とも構成市町村相互の理解を深めながら、人口問題等の共通課題について積極的に取り組むべく、連携を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
宮澤義明君
ご答弁ありがとうございました。
今回は、経済と議会という二つの大きな枠で質問をさせていただきました。今回が私の最後の一般質問になりますので、あえて議会制度や議員報酬について取り上げさせていただきました。
過去からの状況を見ても、人が住むところには必ず仕事があり、仕事ができることによって家族を養い、更に人が集まってくるということは確かであります。
国では、TPPへの参加など様々な問題がありますが、江別市も、これからは全世界へ販路の拡大を目指すということを考えると、中国、東南アジア諸国、アフリカなどを視野に入れ、食を活用した経済戦略こそが、私たちが豊かに暮らしていくための一つの大きな要素になるのではないかという思いから、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想についてお伺いいたしました。
市長には、是非とも頑張って江別市に新しい流れをつくっていただきたいと思います。短兵急には経済的な自立や食品の販路が確立できるわけではありませんが、これが江別市や北海道が豊かになる大きな要素になると思っておりますので、是非とも頑張っていただきたいと思っております。
次に、今回あえて議会制度等について取り上げたのは、私たちも実際に、地域の方々から、大都市の議員報酬を見て地方議会議員の議員報酬が高いと言われることがあり、市民になかなかご理解いただけない部分が多いと感じたからです。現実問題として、議員報酬以外に収入源となる仕事を持たずに議員となった場合、本年6月に地方議会議員年金制度が廃止されれば、将来の生活保証はありません。健康なうちは問題ありませんが、病気になれば生活ができなくなる状況も考えられます。そういう面では、議員といえども、今後は何らかの保障が必要なのではないかと思います。
現在、総務省や全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会などでいろいろと議論されていますが、こういうものを先に切っても、その後の対策は何も講じられていません。そのような中で、都道府県議会議員や市町村議会議員の将来に何の保障があるのかと考えても、やはり何もないわけです。これを市長に何とかしてほしいというのは無理な話であり、答弁すること自体難しいと思っておりますが、そのようなことを議論できる場所は意外とあるようでありません。先ほど、市民懇談会を設けてほしいと言いましたが、議会は議員定数や議員報酬などについて条例改正案を提案できるので、そうであれば全て議会で決めればいいのではないかと言われます。市民も大変な状況の中で頑張っています。市民に議会活動や自分たちの生活などを知ってもらう機会がなかなかありませんので、是非市長に音頭を取ってもらい、市民と議会を含め多くの方々で議論できる場が江別市に必要なのではないかという思いからお伺いしました。これは、今後、ここにいる各議員の外、市長をはじめとした理事者などの職員の皆様がそれぞれ一生懸命に考え、新しい方向を模索していかなければならないと思っております。また、傍聴していただいた方にも、そのことを是非ご理解いただきたいと思っております。これは要望なので、これ以上長く言うつもりはありません。
最後に、市長を含めた理事者、職員の皆様には健康に留意され、市民のために最大限努力していただきたいと思います。また、4月には選挙がございますので、議場におられる議員の皆様も健康に留意され、再びこの場でしっかりと議論し、市民のために働いていただけることを願い、私の最後の一般質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
副議長(尾田善靖君)
以上をもって、宮澤議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
岡英彦議員のこれからの市政の方向性についての質問を許します。通告時間30分。