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平成22年第4回江別市議会会議録(第6号)平成22年12月13日 3ページ

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6 議事次第の続き

請願第1号及び陳情第17号

議長(坂下博幸君)

 日程第7及び第8 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて及び陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、以上2件を一括議題といたします。
 生活福祉常任委員長の報告を求めます。

生活福祉常任委員長(鈴木真由美君)

 ただいま上程されました請願1件及び陳情1件につきまして、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
 委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
 初めに、請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて、申し上げます。
 委員会では、関係部局から、容器包装リサイクル法の概要、市における容器包装リサイクル法関連の事業費、市内の大型店でのレジ袋有料化実施状況についての説明を受け、慎重に審査を進めてまいりました。
 主な質疑の概要でありますが、市としてリサイクルによる環境負荷の低減と市民負担についてどのように考えているのかとの質疑に対して、リサイクルの進め方に関しては、市民の中にもいろいろな考えがあるが、事業を実施する際には、国の基準等に従う中で、市の財政状況や市民負担など様々な要素を考慮しながら進めていきたいと答弁されております。
 また、市内におけるレジ袋有料化の状況についての質疑があり、答弁では、平成18年に同法が改正された際に、法律に盛り込まれずに自主的な取り組みを行うこととされたため、市と大型店舗等が協定を結んで実施しているものであるが、自主的に取り組む店舗も増えていることから、今後もさらなる啓発に努めたいと述べられております。
 以上の質疑を経て結審に至っておりますが、次に、討論の概要を申し上げます。
 初めに、採択すべき立場の委員からは、現行の容器包装リサイクル法の規定では、最も費用の掛かる分別収集や選別費用は自治体が税金を投じて行うこととなっているため、リサイクルは進んだものの、ごみの減量にはつながっていない。容器包装ごみのリサイクルに掛かる費用を生産者が製品価格に内部化し、ごみとして排出する消費者が負担する仕組みをつくることが、事業者に対してごみ処理やリサイクルを考えたものづくりを促すことになると考えることから、採択すべきと述べられております。
 同じく採択すべき立場の別の委員からは、現在、市で実施している容器包装リサイクル法関連事業において、資源物売払い収入や分別適合物処理収益分担金などの歳入額に比べて10倍近くの費用を市民の負担により賄っている。容器包装リサイクル法では、容器類の分別排出は消費者、収集保管は自治体、リサイクルは事業者の責任となっているが、拡大生産者責任の考え方から、事業者の負担が明確になるように同法を改正する必要があると考えることから、採択すべきと述べられております。
 一方、不採択とすべき立場の委員からは、分別収集や選別保管に係る費用を製品価格に内部化すべきとの請願事項について、事業者の規模によってはリサイクル費用を製品価格に上乗せせざるを得なくなることから、中小零細企業の競争力が損なわれることや価格が上昇し消費者の不利益につながることも懸念されるため、不採択とすべきと述べられております。
 以上の討論を経て採決を行いました結果、請願第1号については、多数をもって、採択すべきものと決しております。
 次に、陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、申し上げます。
 委員会では、関係部局から、消費者物価指数に基づく年金額の決定方法、65歳以上の無年金者の数、国民年金の平均支給額についての説明を受け、慎重に審査を進めてまいりました。
 主な質疑の概要でありますが、平成23年度に支給される年金額の見込みについての質疑に対して、現在の年金額は、物価スライド特例水準により支給されているため、消費者物価指数が上昇した場合には据置きとなるが、0.3%以上下がった場合には、その分だけ支給額が下がると答弁されております。
 また、年金額を決定する際に、年金受給者の生活状況を加味することは可能なのかとの質疑があり、答弁では、年金額は、物価水準等の動向に合わせて法律に基づき決定されることとなっているため、年金受給者の生活状況が年金額に反映されることはないと述べられております。
 以上の質疑を経て結審に至っておりますが、次に、討論の概要を申し上げます。
 まず、採択すべき立場の委員からは、年金額の決定に当たり、物価指数の中でも、特に生活必需品等基礎的支出と言われる品目を重視するなど高齢者の生活実態に合った制度に見直す必要があると考える。公的年金を老後の生活の柱として考えている多くの高齢者の声にこたえるために、国において高齢者の生活実態を調査し、生活に見合った年金額への引上げを検討すべきと考えることから、採択すべきと述べられております。
 一方、不採択とすべき立場の委員からは、世代間扶養の仕組みで成り立つ公的年金制度では、高齢化率の上昇に伴い、高齢者を支える現役世代の負担感が増している。景気の悪化に伴い、現役世代の所得が低下する傾向にある中で、公的年金の額を据え置くことは、現役世代とのバランスを欠くことになり、理解を得ることは難しいと考えることから、不採択とすべきと述べられております。
 同じく不採択とすべき立場の別の委員からは、今後、団塊の世代の受給権者が増加していくことや平均寿命が延びることに伴う給付期間の長期化などにより、収支のさらなる悪化が見込まれる。将来にわたって持続可能な制度とするための財源確保など総合的に検討する必要があると考えることから、不採択とすべきと述べられております。
 以上の討論を経て採決を行いました結果、陳情第17号については、多数をもって、不採択とすべきものと決しております。
 委員会の審査経過と結果につきましては、以上のとおりでありますので、よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。

議長(坂下博幸君)

 これより生活福祉常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で生活福祉常任委員長報告を終結いたします。
 これより請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

野村尚志君

 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることにつきまして、不採択とすべき立場で討論に参加いたします。
 容器包装リサイクル法は、1995年4月に、容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及びこれにより得られた分別基準適合物の再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図ることで、生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的に制定されました。日本経済の発展に伴い廃棄物の発生量が増大したため、国内における循環型社会の形成を推進すべく、容器包装廃棄物の排出抑制、分別収集、リサイクル等に関して定めたものであります。
 2006年に一部改正されましたが、見直しの基本的方向として、一つに、容器包装廃棄物の3Rの推進、二つに、リサイクルに要する社会全体のコストの効率化、三つに、国、自治体、事業者、国民等すべての関係者の連携を図るというものでした。改正法では、一つに、レジ袋等の容器包装を多く用いる小売業者に対し、レジ袋の有償化やマイバッグの配布等の取り組みを求めるなど、事業者に対する排出抑制を促進するための措置の導入、二つに、事業者が市町村の再商品化の合理化に寄与する程度を勘案して、市町村に資金をきょ出する仕組みの創設、三つに、罰則の強化による事業者間の公平性の確保、四つに、円滑なリサイクルに向けた国の方針の明確化等が規定されました。
 本請願については、その趣旨は理解するものであります。しかしながら、現在、分別収集・選別保管の費用を製品価格に内部化させると、リサイクル義務を負う事業者のうち大手メーカー以外の中小零細の製造・販売・輸入業者等は、製造単価内で費用を吸収することができないため、製品価格の上昇につながることが予想されます。ひいては、消費者の不利益につながるとともに、中小零細企業の競争力が損なわれるほか、商品の便乗値上げも憂慮するところであります。
 よって、本請願については、不採択とすべきと考えるものであります。
 以上でございます。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

高橋典子君

 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて、採択すべき立場で討論いたします。
 我が国においては、平成12年に循環型社会形成推進基本法が制定され、今後は、資源循環の視点から廃棄物をとらえ、資源・循環問題を基本とした総合的な視点に立って行政を進めていくものと期待されました。その他の関連法も制定されているところですが、実効性の面で大きな課題が残されたままとなっています。
 特に、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律、いわゆる容器包装リサイクル法は、容器包装廃棄物の減量・リサイクル等を目的に制定されましたが、容器類の分別排出は消費者、分別回収・保管は自治体、リサイクルは事業者の責任となっているため、同法が施行されてから自治体の資源回収に掛かるコストが増大し、大きな財政負担となっています。
 また、ペットボトルについては、法の成立と同時に、それまで生産・使用に制限を加えていた行政指導が外され、その直後から市場にペットボトルがはんらんしたとも言われています。この間、古くから利用されてきた一升瓶やサイダー瓶等のリターナブル瓶が減少するという状況も生まれており、むしろリサイクル関連法が、大量生産・大量消費・大量廃棄を促進したという指摘すらあります。
 平成18年には、容器包装リサイクル法が改正されましたが、これは、事業者の責任と負担を消費者と自治体に転嫁し、自治体の費用負担の増大という問題点を拡大・深刻化させるものとして批判があったところです。
 当市における状況を見ても、所管委員会において説明されたように、リサイクル関連費用は多大なものとなっています。こうした問題を解決するためには、製造事業者等の責任を明確にする拡大生産者責任の考え方を徹底させることが必要と考えます。拡大生産者責任とは、生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方であり、具体的には、生産者が使用済み製品を回収し、リサイクルや廃棄物として処理し、その費用を負担するものです。この方式により、リサイクルや廃棄物処理がしやすい製品の開発が進み、リサイクルや廃棄物処理に掛かる費用が少なくなることが期待されます。また、重要なことは、廃棄物の発生抑制や製品の再使用により、資源の浪費を抑制していくことであります。
 請願事項の1として、分別収集・選別保管の費用を製品の価格に内部化するとありますが、このことについても、価格に転嫁することにより消費者のみに負担させることで終わらないよう拡大生産者責任を徹底するほか、製造事業者の取り組みにつなげられるよう制度全体の仕組みづくりが必要であることを付言したいと思います。
 以上のことを踏まえ、本請願については、大本のところで理解できるものであり、本件は江別市議会に対し国へ意見書の提出を求める請願であることから、議会として誠実に対応すべきと考え、採択すべき立場での討論といたします。
 以上です。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

岡英彦君

 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて、趣旨採択とすべき立場で討論いたします。
 持続可能な社会への転換を図るため、発生抑制や再使用を促進していかなければならないという請願の趣旨は、十分に理解するものです。しかしながら、今回、請願事項に挙げられている3項目すべてが含まれた意見書を国に提出するのかどうかという点で、残念ながら、委員会の審査を伺った範囲では、私には判断できるだけの材料が出てきていないと考えるところです。特に、議論となっているリサイクル費用の製品価格への内部化については、データに基づいて、賛成・反対それぞれのしっかりとした論拠についてもう少し議論する必要があると考えます。
 したがいまして、現段階では、請願の趣旨は十分に理解できるものの、すべての請願事項を採択すべきと言えるまでの議論ができていないと考え、趣旨採択とすべき立場での討論といたします。
 以上です。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

宮澤義明君

 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて、討論に参加いたします。
 容器包装リサイクル法は、1995年に、容器包装廃棄物の排出抑制及びその分別収集・再商品化を促進し、再生資源の利活用を通じて生活環境の保全と国民経済の健全な発展に寄与することを目的に制定されました。その後、2007年に一部が改正され、現在に至っております。
 法改正の主な骨子は、3Rの推進、リサイクルに要する社会全体でのコストの効率化、国、自治体、事業者、国民等の関係者の連携などについてであります。改正された法律の具体的内容は、1点目として、レジ袋等の包装容器を多く用いる小売業者に対し、レジ袋の有償化やマイバッグの配布等の取り組みを求めるなど事業者に対する排出抑制を促進するための措置の導入、2点目に、事業者が市町村の再商品化の合理化に寄与する程度を勘案して、市町村に資金をきょ出する仕組みの創設のほか、罰則強化による事業者間の公平性の確保や円滑なリサイクルに向けた国の方針の明確化などが規定されました。
 容器包装リサイクル法の趣旨については理解するところであり、今後も積極的に推進していかなければなりません。地球の持続や温暖化防止の視点からも、資源の乱用は慎まなければならず、環境負荷の低減に向けて全国民が自覚し、努力する必要があります。しかし、昨今の日本の経済状況は、デフレ、円高、政府の政策遂行能力の欠如もあり、国内産業の経営環境は一段と厳しさを増しています。ここ数年で、約1万社もの企業が生産拠点を海外に求め、100万人規模で雇用の場が失われている状況です。北海道でも、現時点では、高校生の就職内定率が26.5%とおよそ4人に1人の割合でしか就職が決まっていないということで、大きな社会問題となっています。また、大学生についても、今年の10月1日時点で17万人以上の卒業予定者の就職が内定しておらず、昨年度からの就職浪人を加えると、約25万人もの学生が求職活動をしている現状です。さらに、物価が下がり続けるデフレ経済の中で、中小零細企業は、売上げ・利益率共に厳しい状況が続き、企業体力が失われております。
 請願では、分別収集・選別保管の費用を製品の価格に内部化することを求めております。大企業は、体力や生産能力があるため、商品の製造や販売が可能かもしれませんが、国内の中小零細企業にとっては、企業の存続や雇用の継続すら危ぶまれる大変大きな問題です。現時点で法改正を求めることは、今でさえ厳しい経営環境なのですから、更に追い討ちをかけ、中小零細業者に対する競争社会からのリタイア宣告と同様と考えるものです。
 請願の趣旨は、正にそのとおりだと思います。求める内容は、現政権の政治や経済政策のように理想が高いことは理解しますが、現実には、経済・福祉・外交すべてが後退しているのと同様に、理想と現実のギャップを懸念するところです。
 私たちの会派は、本請願について、政治経済が安定することにより、高校生、大学生及び中高年層の雇用状況が改善し、社会に受け入れられる環境をつくってからでも遅くはないと考えています。今しばらくは、経済の自立・回復を促す政策を政府に積極的に進める努力をしていただき、経済と雇用の回復を図ることで、仕事を求める多くの高校生、大学生及び中高年層の期待にこたえる雇用環境を創出することが、現在求められていることではないかと考えます。
 よって、請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについては、その趣旨はよく理解するところですが、昨今のデフレ基調の経済状況において、直ちに法改正に向かうことには無理があることから、不採択とすべき立場での討論とさせていただきます。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

岡村繁美君

 請願第1号 容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書の採択を求めることについて、委員長報告のとおり、採択すべき立場で討論に参加いたします。
 国会では、本請願について約100万筆もの署名が提出され、国会では、法改正に伴う審査の結果、衆参両院で30項目に及ぶ付帯決議が採択され、当市議会における所管委員会での審査結果は、委員長報告に示されたとおりであります。また、ただいまの討論では、趣旨採択とすべきと主張される方もおり、どのような結論になるかは別にしても、こうした状況は結果として意見が対立していることにはなりますが、一致点を見いだすためのあと一歩のところに来ているととらえることができると思っています。
 水道の蛇口を開けっぱなしにしていると、バケツの水が床にあふれ出し、幾らふき取っても蛇口を閉めない限り問題が解決しないというように、原因となる元から断つことが問題を解決するための一番良い方法であることは、だれしもが同意できると思います。しかし、いかにそれが正論であったとしても、具体的な約束事として一致させることがどれほど難しいか、討論を聞きながら、改めて認識したところであります。
 容器包装リサイクル法は、市町村が分別した容器包装廃棄物の引取りと再商品化・リサイクルを製造販売業者に義務付けた法律で、川下対応に終始してきた我が国の廃棄物処理に係る政策の転換期に位置する法律として1995年に制定されました。また、2000年には、循環型社会形成推進基本法が制定され、川上から川下へ優先順位の基本原則が示され、2006年の容器包装リサイクル法改正に大きな注目と期待が集まりましたが、改正法では、再使用という言葉が書かれていないことをはじめ、優先順位に沿った内容にならなかったことで、課題が改めて浮き彫りになったと言えます。
 その大きな課題と越えなければならない壁として、経済発展と拡大生産者責任の問題があります。以下、理想と現実のギャップを埋めるためにも、この課題を中心に触れてみたいと思います。
 最初に、拡大生産者責任に対する誤解をふっしょくすることが重要と考えます。製造業者が悪いから責任を負わせるというイメージにより、企業に懲罰的な意味合いで費用負担をさせればよいという考え方からなかなか脱却できないことから、産業界や政界の中で、いまだ拡大生産者責任という考え方に対する抵抗が強く残っています。
 次に、目指すべき経済のイメージとして、いかに環境負荷を和らげながら経済を発展させていくのかということです。そのポイントの第一に、製造・生産してから川下に行けば行くほど環境負荷と費用が掛かりますので、無駄なものを造らないことが重要であります。第二に、いったん造ったものは、人間のために使い尽くすことです。最終段階では処理が必要ですが、そこに至るまでに何回人間の役に立てるのかが重要となり、これらのルールによって、少ない自然エネルギーでより多くの経済的付加価値を得ることを今後目指す必要があると考えます。そのような新しい経済の形を実現するためのかぎは、そういう方向性に合致した活動や取り組みをする企業がもうかるようにすることであると考えます。実現するためには、規制や行政指導ではなく、個々の企業と消費者レベルで実現することが必要と考えますし、その力は成熟しつつあると信じています。
 現在の経済ルールは、このような企業がもうかる形になっておりません。環境負荷が掛かる製品を造っても、その処理費用を市町村が税金で負担するルールとなっていることから、企業も、ペットボトルでビールを売ってみるなど消費者受けする使い捨ての研究・開発にお金を掛けてしまい、望ましい方向に企業が動こうとするルールになっておりません。そのためのキーワードが、拡大生産者責任の考え方であると考えています。
 拡大生産者責任は、現在、市町村が税金で処理している部分について、生産者に負担を移すための取り組みであり、生産者が製品の設計段階で廃棄物処理費用をあらかじめ分かっていれば、無駄なものを造って市場に送り込むことはしないでしょうし、何回も使える製品を造ろうとするはずです。ポイントは、製品を設計する立場である生産者が廃棄物処理費用を減らすことを真剣に考えるようなルールに変えていくことであり、企業は、自らもうけるために発生抑制や再使用を進めていくはずです。
 また、企業の不満として、再商品化に係る費用負担の問題があります。市町村の分別収集が進めば再商品化費用総額が増加し、結果的に個々の企業の負担が増えることから、自らの努力によって負担をコントロールできず、なかなかやる気が起きないと思います。したがって、総額を割り戻す方法ではなく、各企業の容器生産、あるいは使用量に応じて負担額を決定し、個々の具体的な企業努力が負担額にすぐに反映されるようなルールにすることが必要です。
 以上のことから、拡大生産者責任に対する誤解をふっしょくし、基本的な考え方としては、第一義的に、事業者負担を求め、市場を通して最終ユーザーが負担することによって、環境面からも適切な生産・消費水準を達成していこうとするものですが、我が国においては、このような考え方がなかなか定着してきませんでした。その理由には、市場競争が激しいため価格転嫁が難しく、価格に転嫁すると、他社にシェアを奪われてしまう懸念があるということが挙げられますが、容器包装リサイクル法の制定が先駆けとなり、いわゆる家電リサイクル法や自動車リサイクル法などが制定され、ごみ有料化等を含め、それに応じた負担が課せられるという仕組みは、3Rの優先順に向けて動き出しており、頑張ったものが評価されるルール化の歩みは、確実に進んでいると感じております。また、再使用を進める品ぞろえにすると企業がもうかり、逆に、使い捨ての容器を使うと負担が増えるといったルール化についても、併せて努力していくことが重要と考えます。
 最後に、本請願の審査やそれぞれの討論を聞かせていただき、改めて容器包装リサイクル法は、廃棄物処理政策の新しい道筋を付けるための壮大な社会実験であると感じました。このことは、環境意識の醸成と努力の到達点であり、今、市場経済の中に廃棄物の発生抑制や環境負荷低減の仕組みを組み込んでいくことは、先進諸国の共通課題となっており、各国でも様々な手段を駆使して新たな社会システムの開発に取り組んでいます。その経過や成果を十分に分析し、必要なものは手直しするという柔軟な考え方が重要と考えます。
 私は、環境負荷を掛けないという目的を達成するために、容器包装システムとして一番良い手段を実現するための目標を明らかにし、障害となっている課題をプラスに変えていくことは、英知を結集すれば可能と考えます。そのために努力をしていくことが重要であるとの考えから、請願の趣旨に基づいた法改正が行われれば、1970年代後半から広がった分別収集、1990年代から整備された、いわゆる廃棄物処理法や再資源利用促進法に加え、更に飛躍的な前進や多大な波及効果を期待できるものであります。
 そのためにも、江別市議会としてその意思を発信することが重要と考えることから、それぞれの討論を乗り越え、多くの皆様のご理解とそれを踏まえた判断に大きく期待し、採択すべき立場での討論といたします。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより請願第1号を起立により採決いたします。
 請願第1号は、委員長報告のとおり、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立12名であります。
 念のためお諮りいたします。
 請願第1号は、趣旨採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立1名であります。
 次に、請願第1号は、不採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立12名であります。
 以上の結果、採択、趣旨採択、不採択のいずれも過半数に達しませんでした。
 よって、請願第1号は、議決に至りませんでした。
 次に、陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

森好勇君

 陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、採択すべき立場で簡潔に討論いたします。
 構造改革によるこの間の高齢者への負担増は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する日本国憲法第25条の精神からも限界を超えています。国民年金受給者の平均年金月額は約5万4,000円であり、生活保護基準に満たない低年金生活世帯が現存しています。
 総務省の平成16年全国消費実態調査によると、高齢者の1か月の平均生活費は、単身世帯が約15万円、夫婦世帯が約24万円となっています。年金収入は変わりませんが、住民税の老年者控除や公的年金等控除が廃止され、課税所得が増加しました。このことにより、非課税から課税になった人もいます。さらに、国民健康保険税や介護保険料にも連動し、二重の負担増につながった人もいます。現在75歳の方は、1935年生まれで、自由も民主主義もない時代に育ち、戦後の成長期を食料難の中で過ごし、日本経済の復興のために汗を流した人たちであります。現在の日本をつくった主人公が、高齢者と言っても過言ではありません。
 そのことからも、国には、高齢者が安心して豊かに生きていける社会生活の基盤をつくる責任があります。社会保障の充実とともに安心できる生活保障として、無年金・低年金者に対し、家計応援対策として生活支援金制度を創設すべきです。今でさえ生活費を節約し、病気にならないよう健康に留意しながら暮らしています。消費者物価指数の動向以前に、高齢者の生活実態に合った年金の引上げが必要であることは、めいりょうであります。
 陳情事項の1には、無年金・低年金者に生活支援金を支給することが記載されておりますが、政府は、2007年の日本の相対的貧困率が15.7%であると発表しています。生活保護基準以下の所得の世帯が705万世帯に上り、本年6月時点では、生活保護受給者が190万7,176人、受給世帯数が137万7,930世帯と過去最高の数値になっており、高齢者世帯も59万5,830世帯と半数近くを占めています。生活保護受給捕そく率は20%弱であり、生活保護を必要としている高齢者世帯は相当数が受給していません。私のおおまかな試算では、江別市にも、生活保護基準以下の生活を強いられている高齢者世帯が2,000世帯前後あると推測できます。このことからも、国において、早急に無年金・低年金者への生活支援金制度を創設すべきであります。
 陳情事項2及び3については、この間、年金の引下げが行われた上に、住民税や所得税などの税制改悪により、収入が増えないにもかかわらず所得が増える仕組みに変えられ、各種制度の自己負担が増加してきました。そのような状況からも、年金の引上げは必要であると思います。
 よって、陳情第17号は、高齢者の切実な要求であり、政府に対して声を上げるべきとする陳情の趣旨に賛同することから、採択すべき立場からの討論といたします。
 以上でございます。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

宮川正子君

 陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、討論に参加いたします。
 日本は、65歳以上の高齢者人口が2050年に向けて毎年約60万人ずつ増え、2050年には、団塊世代が75歳以上になるため、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が、現在の約23%から約40%に達するとのことです。その上に急速に少子化が進んでいることからも、年金費用が膨らみ、それを賄う現役勤労者世代が増えなければ、負担率を急激に上昇させない限り、必要な財源を生み出せないことは明らかです。
 しかし、給付をただ抑制するだけでは、国民生活を守ることができません。もし保険料を引き上げずに年金制度を続けていくのであれば、現在高齢者が受給している年金額を3割から4割も減らさなければなりません。逆に、現在、高齢者が受給している年金水準を将来にわたって維持しようとすれば、現行の年金制度のままでは、若い世代の厚生年金保険料率が26%、国民年金保険料が2万8,900円と、現在の約2倍になってしまいます。いずれも取り得る道ではなく、持続可能で安心できる制度の確立が急務です。
 そこで現在、高齢者の年金水準をある程度抑えるとともに、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げて、保険料負担を最高18.3%に抑えることとしています。厚生年金や国民年金の年金額は、自動物価スライド制が取られ、物価の変動に応じて年金額を改定することになっています。消費者物価指数が下落すると、年金額がマイナス改定になることには疑問があるかもしれませんが、物価が下がっているということにご理解をお願いしたいと思います。また、年金制度を支えている現役世代の賃金も下がっているため、現役世代とのバランスも考えなければならないのです。以上のことから、消費者物価指数が下がったときは、年金額が変動することもやむを得ないと考えます。
 なお、2000年度から2002年度に掛けて物価が下落したにもかかわらず、年金額を据え置くという特例措置が講じられており、高齢者の生活に大きな影響を与えないよう配慮されています。高齢者の年金額を高くすると、若い世代の負担が重くなり、若い世代の理解が得られなくなります。逆に、若い世代の保険料負担を少なくすると、高齢者の年金額が少なくなり、高齢者の理解が得られなくなるため、共に互いのことを考えることが大事だと思います。
 また、公明党は、無年金・低年金者のために、事後納付期間の延長や受給資格期間の短縮、加算年金制度の創設を2004年以来一貫して訴えてきました。2010年3月に、事後納付期間を現行の2年から10年に延長する国民年金法改正案が閣議決定されました。厚生労働省は、このことにより、65歳未満の無年金見込み者のうち最大で約40万人が救済され、年金額が増える人は1,600万人に達すると推計しています。さらに、高齢の無年金・低年金者を救済するために、受給資格期間を現行の25年から10年に短縮し、受給者を拡大するほか、低年金者に対し、基礎年金を25%上乗せする加算年金制度の創設を訴えています。給付には、新たな財源が必要となることから、年金制度だけではなく、社会保障費全体で保険料をどのように配分するのか、消費税を含めた税制改革論議が必要と考えます。
 今回の陳情にある生活支援金については、財源の見通しと制度設計が不明確であり、頼れる人がいない、蓄えが底を突くというときにこそ、生活保護などセーフティ・ネットが発動されるべきと考えることから、陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、不採択とすべき立場での討論といたします。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。

諏訪部容子君

 陳情第17号 高齢者の生活実態に見合う年金引き上げに関する意見書の提出を求めることについて、委員長報告のとおり、不採択とすべき立場で討論いたします。
 日本の年金制度は、基本的に、現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運営されています。公的年金制度の財源は、保険料収入及び積立金の運用収益を基本としていますが、少子化はとどまるところを知らず、団塊世代の高齢化により、受給者が増加し収支が悪化してきたことから、平成21年度には、基礎年金の給付に必要な費用の国庫負担比率が3分の1から2分の1へ引き上げられました。
 平成20年度の国民年金の収支決算によると、保険料収入約1兆7,470億円に対し、国庫負担が約1兆8,558億円、運用収入が約1,093億円、積立金取崩しが約1,737億円、その他が約424億円、基礎年金交付金が約1兆4,863億円となっています。国民年金財政の保険料収入は収入全体の3分の1程度であり、保険料収入が収入全体の約6割である厚生年金やその他の年金と比較して、かなり財政基盤が弱いと言えます。また、支出は、国民年金給付費が約1兆5,779億円、基礎年金拠出金が約4兆1,218億円、その他が約1,346億円で、結果として収入合計の約5兆4,144億円から支出合計の約5兆8,344億円を引くと、約4,200億円の赤字となり、この赤字は積立金で補てんされていますが、毎年積立金を取り崩している状況です。
 平成21年3月末時点の年金加入者約6,940万人のうち、免除・猶予・未納者は約1,000万人に及び、納付率は下がる一方です。出生率の低下や被雇用者人口の減少もあり、保険料納付者数等の推移や各種の推計などからも、制度を維持するための財源確保が何よりも重要と考えます。
 陳情事項1にある生活支援金の支給については、他の制度との整合性や財源問題において課題が多いものと考えます。特に国民皆年金制度の趣旨にのっとることが基本であるほか、年金受給者の約3割は、不足している生活費を個人年金、貯蓄、私的扶養などで補っているとの調査結果についても分析する必要があります。
 陳情事項2については、平成16年度の年金制度の改正により、年金額の改定は、物価変動のほかに被保険者数の減少や平均寿命の延びを反映するマクロ経済スライドが導入され、併せて保険料の急激な上昇を抑えるために保険料水準固定方式が導入されたところです。被保険者数の減少や平均寿命の延びなどのマイナス分を算入するマクロ経済スライドそのものには、疑問の余地がないとは言えませんが、前段の年金財源をどのように確保するかが現下の最大の課題であることから、消費者物価指数に係る現行の財源システムの中で進めるという制度設計は、やむを得ないものと考えます。
 また、陳情事項3の高齢者の生活実態に見合う年金の引上げについては、高齢者に限らず、年金制度のあるべき姿と最低生活基準の在り方はもとより、働く世代の保険料負担と受給者増加による財源不足を今後どのように考えるのかは、国において真剣に議論するべきであり、年金の引上げのみを要求することは、意に沿えないものです。
 以上、高齢者の厳しい生活実態は理解するところですが、他に財源を求めず、これらのことだけを要求することには意に沿えないことを申し上げ、陳情第17号については、委員長報告のとおり、不採択とすべき立場での討論といたします。

議長(坂下博幸君)

 ほかに討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより陳情第17号を起立により採決いたします。
 陳情第17号は、委員長報告のとおり、不採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立多数であります。
 よって、不採択とすることに決しました。

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