平成21年第4回江別市議会会議録(第4号)平成21年12月9日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
宮川正子君
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問いたします。
初めに、介護保険ボランティアポイント制度導入についてお伺いいたします。
先日、介護保険ボランティアポイント制度に取り組んでいる鹿児島県霧島市を会派で視察してきました。
この制度は、平成19年5月から、介護保険制度における地域支援事業として市町村の裁量で行うことが可能となりました。東京都稲城市の介護支援ボランティア制度と言えば、ご存じの方も多いと思いますが、平成18年度に、稲城市が高齢者による介護支援ボランティア活動について介護保険で評価する仕組みを創設するため、国に構造改革特区要望を提出したことを契機に、介護保険制度を活用したボランティア活動支援の仕組みが検討され、地域支援事業交付金を活用した取り組みが可能となったものです。
まず、稲城市が全国で初めて平成19年9月に実施し、その後、東京都千代田区、世田谷区、品川区などでスタートし、今年度は、神奈川県横浜市や東京都町田市でも導入するとのことで、今後の予定を含めると30近い市町村に取り組みが広がっています。
この介護保険ボランティアポイント制度導入については、平成19年第3回定例会で、是非、江別市も導入してはいかがかと一般質問をさせていただきました。
今回、会派の視察に当たり、実施している自治体を調べたところ、ボランティアや生きがいづくりのために活動した高齢者にポイントを付与するという取り組みは、介護保険制度に連動させて実施している以外に、様々な工夫をして行っている自治体も多くありますが、その中で注目したのが霧島市の取り組みでした。
霧島市では、介護保険ボランティアポイント制度を今年の4月からスタートしています。事業内容は、介護保険を利用していない高齢者に対して、保険給付に代わる保険料納付のメリットを設けるほか、元気な高齢者のボランティア活動への参加を促進し、地域内の高齢者の助け合い活動や世代間交流等を活性化することにより、高齢者の生きがいづくりや介護予防を推進するとしています。ボランティア活動は、介護保険施設での配膳、行事の手伝い、登下校の交通指導、子育てサークルの手伝いなどで、子育てに関するボランティアもポイントとしているところが霧島市の特徴的な点です。
担当者のお話では、子育て支援を含めることで、子供と高齢者、母親と高齢者という地域の人間関係がつくられるとのことでした。高齢者の中には、社会奉仕の意欲はあるものの自分に合った活動が見付けられないため、参加を見合わせている人もいるかもしれません。なるべく多くの高齢者が参加しやすいようにボランティア活動の種類を広げ、ボランティア受入れ施設を増やすことが、地域における人間関係を更に広げるとのことです。平成20年には、市内の介護事業所、保育園、学校など203か所にボランティアの受入れ希望調査を実施し、現在は123か所の受入れ施設があるとのことです。
参加者は、ボランティア登録用紙を提出後、研修を受け、手帳を受け取ります。ポイント付与基準は、1日2時間を上限に1時間で100ポイントを付与し、500ポイント以上たまれば100ポイントを100円に換算することができ、年間で最大5,000円を受け取ることができます。また、ポイントは、手帳にスタンプで押印されます。ポイントの管理は、他の業者に依頼しているところが多いのですが、霧島市では手帳で管理し、年度を越えてポイントを使うことができないため、単年度で精算するとのことです。
霧島市は、65歳以上の方が約2万8,000人いるとのことで、当初、300人程度のボランティア登録を目標としたそうですが、11月1日現在で311人となり、目標をすぐに達成したとのことでした。また、市内のホテルや飲食店など48の協賛店で、手帳を提示すれば、割引などの特典が受けられるようになったとのことです。
いただいた資料に、ボランティアとして子育て支援に参加している高齢者の写真が掲載された新聞がありました。その写真には、3人の高齢者が子育て中の母親と一緒に子供の手形や足形を取っている様子が写っていましたが、大変ほのぼのとしていてどの方もとてもいい顔でした。
霧島市には、大きな企業があることから異動が多く、若い母親たちが見ず知らずの土地で身近に知り合いがいない中で子育てをしなければならないとのことですが、ボランティアに参加している高齢者が子供を見てくれたり、育児の相談ができる上、母親同士で話をすることができ、子育て中の母親たちに大変好評とのことです。
平成19年に一般質問で取り上げた際の答弁では、協議、検討してまいりたいとのことでしたが、その後の取り組み状況のほか、子育て支援などボランティア活動の種類を霧島市のように広げて、是非、江別市においても、介護保険ボランティアポイント制度を実施すべきと考えますので、市長のお考えをお聞きいたします。
次に、保育園入所基準の拡充についてお伺いいたします。
先日、次のような相談を受けました。その方は、今、朝刊と夕刊の新聞配達をしており、短時間の勤務のため、お子さんを一時保育に預けているとのことです。本当は、通常の保育園に入園させたいとのことでしたが、仕事を1日4時間以上していることが入園の条件で、その方は、入園基準を満たさないと言われたとのことです。また、一時保育に預けている子供は、5歳くらいになると、幼稚園に入園するケースが多くなるとのことですが、経済的な理由で幼稚園に入園させることができず、大変悩まれていました。
また、その方は、上のお子さんが幼稚園に通っていたときに家計が苦しくなり、幼稚園を辞めざるを得なくなり、園長に相談したところ、年長で幼稚園を辞めるのはかわいそうなので、何とか仕事が見付かるまでということで少しの間、学費を無料にしてくれたそうです。しかし、最終的には、下のお子さんが保育園に入れなかったため、働くところを見付けられず、幼稚園を辞めたとのことです。就学する前には、子供が幼稚園や保育園に通っていないのはかわいそうだと思い、保育園の園開放に参加したそうですが、その際に、園から、どのような理由で園開放に参加したのか聞かれたため、経済的に大変で幼稚園に行けず、友達をつくるために参加したと答えたとのことでした。そのときは、親として、子供をどこへも通わせてあげられないという思いから、精神的におかしくなり、人に会うのも嫌で、子供に八つ当たりすることもあったとのことでした。ほかの母親などから、子供がどこに通っているのかと聞かれても、どこにも通わせていないと答えなければならないことや、今は、就学前の教育を受けずに小学校に入学する子供がほとんどいない中で、親子共々つらい思いをしたとのことでした。そのため、同じ経験を二度としたくないという思いから、下のお子さんは、パートをして一時保育に預けたとのことです。
現在、通常保育に子供を預けるためには、勤務時間の決まりがあり、保育園は仕事を長時間していることが入園の条件ですので、パートなど短時間就労をしている方のお子さんは、入園が難しい状況です。経済的に大変厳しい短時間就労の世帯にとっては、保育料の負担が高額となり、保育サービスの選択ができず、事態が好転しないケースが多いのです。
そこで、短時間就労であっても、生活を維持し子育てをするために欠かすことのできないものと認められる世帯については、その保育需要に対応してはいかがでしょうか。
お子さんを一時保育に預けている場合は、親子で楽しめる運動会、遠足、発表会などに参加することができず、子供が寂しい思いをしていることをお伺いし、胸が痛みました。
先日、世界の幼児教育という本を読みました。その本には、世界各国が、幼児期からの人材育成こそ国民や国家の行く末を左右する国家命題であるとの認識の下、幼児教育を国家戦略として重視し取り組んでいることが記載されていました。
日本でも、今後の幼児教育の振興方策に関する研究会の報告では、幼児期の教育は成人後まで影響を及ぼすとされております。また、文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会幼児教育部会の答申では、子供が育つ環境が低下してきているため、幼児教育は地域の教育や家庭教育と連携しながら充実させていかなければ子供はうまく育たなくなっているという危機意識を強く打ち出したものになっており、重点施策の中に、すべての幼児に対する幼児教育の機会の提供を訴えています。
働く女性へのサポートと地域の子育て支援の中核的役割を果たす今後の保育園の役割を考えた場合、入所基準をもっと弾力的にし、保育を必要とする子供たちを積極的に受け入れていくべきだと思います。
以上のことから、質問の1点目として、短時間就労であっても、世帯収入が低く、母親が働かざるを得ず保育の必要性が高いと判断される世帯の場合、入園申込み基準を拡充して保育園の入園を可能とすることで、生活支援及び児童福祉の増進を図ってはいかがでしょうか。子供が入園できることで、母親のスキル・アップも図ることができ、就労支援にもつながると思います。また、就学前の教育を受けることにもなりますので、是非、対応していただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞きいたします。
2点目として、以前の一般質問でも取り上げましたが、経済状況が大変厳しい中、母親も仕事をしなければ生活できないにもかかわらず、求職中は子供を保育園に入園させることができません。神奈川県横浜市では、就職活動期間中であっても3か月間は保育サービスを受けることができます。このように、江別市においても、求職中に保育サービスが受けられるように早急に環境整備をしていただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞きいたします。
続きまして、特別支援教育についてお伺いいたします。
先日、購入した世界各国の障がい児に対する福祉や教育の取り組みに関する本に、様々な親の体験談が掲載されていました。
例えば、カナダに入国した方は、入国してすぐに小児療養センターで医師の診察を受けると、医師がその日の診察内容をレポートにまとめてくれ、次の診察の際には、保育園や学校から親がもらうレポートカードを持参するように言われたとのことで、一人の障がい児とその親が、医師、保育園、学校、福祉サイドと連携しながら、支援を受ける体験談が載っていました。親は、子供の現状を面談とレポートで詳しく知ることができ、親も共に考え、決定していくことが求められていました。
日本では、2006年6月に、学校教育法等の一部を改正する法律が成立し、特別支援教育の推進が図られました。
平成21年度の江別市の教育には、特別支援教育について、これまでの特殊教育の対象だけではなく、発達障がい等も含めて障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものと書かれています。
江別市でも、既に、学校や関係機関と連携しながら支援を進めていると思いますが、障がいがあるお子さんをお持ちの保護者から、幼稚園から小学校の接続のほか、クラスが替わるときなどの連携がスムーズにいっているのかどうか、その都度心配になるとご相談を受けました。環境が変わる場合、当然、子供は大きなストレスを抱えるため、そのうちに二次障がいが出る可能性もあり、縦の連携が重要だと思います。
このような問題を受け、新居浜市教育委員会では、今年度から、市内に住むすべての障がい児をゼロ歳から就労まで一貫して支援する体制づくりを進め、今まで問題点として指摘されていた進学などにより支援が途切れてしまうという課題に対応するため、発達支援課を設けたとのことです。
担当課の方にお話をお聞きすると、当初は、3歳からの支援を考えていたとのことですが、例えば、ダウン症のお子さんについては、生まれた段階で分かるので、保護者から、ゼロ歳から支援してほしいという要望があり、ゼロ歳から支援することにしたとのことです。
運用については、一番のサポーターである保護者の同意を得て、個別支援計画であるサポートファイルにっこ・にこを一緒に作成していきます。障がいや発達課題のある子供を支援する関係機関は、教育、福祉、医療、労働など多岐にわたり、子供の成長とともに変化していくため、各機関が情報を共有することで、将来を見据えて同じ方向を目指した支援ができるほか、進学や就労の際には、支援の方向性やこれまでのかかわりから得られる情報などを引き継ぐことができ、安心して新しい環境でスタートできるとのことです。
また、学校では、通常学級に在籍する特別な支援が必要な子供のために、支援員の配置などを行っていますが、先生一人で対応することが困難であるため、学校現場のサポートも含め、教育委員会に発達支援課を設けて、現在は6名体制で支援を行っているとのことでした。さらに、発達障がいのある子供の早期発見や早期支援のために、関係機関の連携とライフ・ステージに応じた総合的な支援の在り方を検討するため、新居浜市発達支援協議会を設置したとのことでした。
以上のことから、1点目として、江別市においても、ゼロ歳から就労まで一貫した支援を行うため、新居浜市のように専門的な課を設けてはいかがでしょうか。
また、2点目として、江別市でも、サポートファイルにっこ・にこのように、保護者を含め、ゼロ歳から就労までの個別支援計画を作成してはいかがでしょうか。また、現在の個別支援計画に対する市の取り組みについてお伺いいたします。
続きまして、江別市勤労者生活資金貸付制度についてお伺いいたします。
市の独自事業として実施している当該制度は、市内の同一事業所に1年以上勤務し、今後も継続してその事業所に就業しようとする勤労者、又は市内に1年以上居住し、同一事業所で1年以上就業している勤労者を対象に、100万円を上限として一般生活資金を融資しています。
私は、市で行っている生活資金に関する貸付制度は何かありませんかと市民から聞かれた際に、経済部の方にお聞きし、この制度をお知らせすることがありますが、当該事業は、市民の生活を守るために、必要なものと認識しています。
2008年秋以降の金融危機や経済危機とそれに伴う雇用危機は、百年に一度の危機と言われております。短期間で非正規雇用労働者が大量に解雇され、住宅さえも失ってしまうことは、衝撃的なものでした。次の仕事を探す間もなく失業した方は、瞬く間に生活困難に陥ってしまいます。テレビでは、多くの失業者が生活保護の手続をする様子が流れていました。日本の雇用制度が変わりつつある中、雇用制度と連動した多様な公的生活支援も必要であると思います。
山梨県甲府市は、勤労者向けの生活安定資金貸付制度の対象範囲を離職者にも拡大しています。この制度は、市が利子の半分と信用保証料の全額を補助し、最大100万円まで貸し付けるというもので、景気の悪化により雇用情勢が厳しさを増す中、離職者の生活支援を強化するとしています。新たに対象となるのは、倒産や解雇など事業主の都合で離職した方で、返済期間は5年以内とし、信用保証料の負担がなく、利率については、2010年3月末までの適用分で医療資金が0.85%、一般生活資金が0.95%とのことです。一方、江別市においては、教育資金を除く利率が2.81%、教育資金が年2.39%、さらに保証料利率0.6%が上乗せになります。
以上のことから、1点目として、雇用情勢が大変厳しい中、江別市においても、資金の貸付け範囲を離職者にも拡大することはできないのでしょうか。お伺いいたします。
2点目として、利率の引下げや返済期間の延長など、もっと借りやすい制度にしていただけないでしょうか。市長のお考えをお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
議長(坂下博幸君)
宮川議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
宮川議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、介護保険に関連しましてボランティアポイント制度導入についてお答え申し上げます。
平成19年第3回定例会で、本制度を江別市で導入してはいかがかという一般質問を受けまして、その後、先進事例を含めて検討してまいりましたが、江別市におきましては、ボランティア受入れにおける業務調整やポイントの付与、払出し等に係る管理体制のほか、介護保険事業所等による受入れ施設などの課題が明らかになったところでございます。
特に、介護保険サービスとボランティア活動の関係におきましては、既存の介護施設との調整や理解を得ることに時間が掛かるなど、直ちに実施することは困難な状況が判明したところでございます。しかしながら、第4期介護保険事業計画期間内におきましては、ボランティア活動による地域貢献や社会参加のほか、介護予防への取り組みといたしまして、地域包括支援センターを軸に、事業者、自治会、地域住民、行政との連携によりまして、ボランティア活動を地域などへ展開していくこととしており、現在、そのためのモデル地区の設定や実施内容について、大学や自治会と協議中でございます。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問に対しましては、経済部長ほかをもって答弁申し上げます。
経済部長(岩井康夫君)
私から江別市勤労者生活資金貸付制度についてご答弁申し上げます。
江別市勤労者生活資金貸付制度は、市内勤労者の生活安定を図ることを目的に、100万円を上限として医療、教育、冠婚葬祭など生活に必要と認められる資金を金融機関と協調して融資しているものでありますが、現在、離職者については対象としていないところでございます。
また、離職者から相談があった場合には、利率が0.6%、保証料がゼロという離職者も対象となる北海道の勤労者福祉資金融資制度や、現下の厳しい雇用情勢に対応し、この10月1日から貸付け内容などが見直され、離職者も含め支援内容が充実された社会福祉法人北海道社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度などの活用について紹介しているところであります。
しかし、市といたしましても、厳しい雇用情勢に対応するため、今後は、離職者も対象とする方向で金融機関と協議してまいりたいと考えております。
2点目の借りやすい制度にすることにつきましては、現在、金融機関へ原資を預託し運用していただいておりますが、利率の引下げや返済期間の延長など、より借りやすい制度となるように金融機関と相談し検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
健康福祉部長(斎藤嘉孝君)
私から保育行政についてご答弁申し上げます。
1点目の短時間就労に対する保育園入所申込み基準の拡充についてでありますが、保育園の入所基準は、児童福祉法の規定で、保育の実施に関する条例準則に基づき条例で定めており、条例準則では、児童の保護者の労働による保育園の入所について、居宅外及び居宅内で児童と離れて日常の家事以外の労働をすることを常態としていることとされています。
江別市では、居宅外労働における入所基準を1日4時間以上かつ月16日以上の勤務とし、保育園の入所については、世帯の収入状況ではなく、就労時間の長さ等保育の必要性の高い方から順に入所を決定しているところであります。
次に、求職活動中における保育園の入所についてでありますが、育児中の求職者が安心して求職活動ができるよう入所基準を改正するためには、入所受入れ児童数の拡大を図るための環境整備や、既に就労している保護者との優先順位の調整が必要となりますことから、現段階では、基準の緩和は難しいものと考えております。
なお、保護者の労働、職業訓練、就学等により平均週3日程度家庭で保育できない場合や、求職活動などで一時的に保育を必要とする場合は、年齢や保育園は限定されますが、従前より一時保育の対象として実施しております。
いずれにいたしましても、市といたしましては、平成22年4月に開園予定の認定こども園など、待機児童の解消を最優先課題として対応しておりますが、今後の保育需要の動向を見据えながら、定員増や一時保育の拡充など、多様な保育サービスの充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
教育長(月田健二君)
私から特別支援教育についてご答弁申し上げます。
初めに、愛媛県新居浜市のように、ゼロ歳から就労まで一貫して支援をする課を設けてはいかがかということでありますが、新居浜市では、平成20年度から文部科学省の発達障害早期総合支援モデル事業の地域指定を受けて、教育委員会内に発達支援課を設置したとのことであります。ここでは、教育、医療、保健、労働など関係機関で構成する特別支援教育連携協議会を兼ねた発達支援協議会の事務局として、障がいを早期に発見し、必要な支援を目指しているとのことであります。
一方、江別市における障がい児の発達支援の取り組みとしましては、昭和52年に、心身障がい児通園施設あゆみ園を開設し、就学前の乳児や幼児の療育指導を行ってまいりました。同園は、平成15年に、幼児のことばの教室と統合して、子ども発達支援センターとなりました。
その間、平成4年には、江別市地域療育推進協議会を設置して療育支援体制の整備を図り、保健センターなどと定期的に開催する療育支援検討会などを通じて、早期発見、早期対応に取り組み、特別支援学校や特別支援学級と連携し、大きな役割を果たしてきたところであります。
平成19年4月の改正学校教育法の施行に伴う文部科学省初等中等教育局長通知に基づき、小中学校における特別支援教育の充実を図るため、平成19年9月には、教育、福祉、保健、医療など関係機関により構成する特別支援教育連携協議会を教育委員会に設置しました。この連携協議会の中に、特別支援教育専門家チームを設け、学校からの要請に応じて、障がいの有無に係る判断や望ましい教育的対応について巡回相談をしております。さらに、教育委員会や学校の特別支援教育コーディネーターと担任らによる教育支援を必要とする児童生徒についての協議も行っているところであります。
このように、既にゼロ歳から学齢児までの地域的な支援体制が早期に確立され、機能しておりますので、教育委員会といたしましては、今後とも保健センターや子ども発達支援センターと連携、協力しながら、障がいのある子供に対する一貫した教育支援を充実させてまいりたいと考えております。
次に、ゼロ歳から就労まで、保護者を含めた個別支援計画を作成してはどうかということについてでありますが、子ども発達支援センターにおいては、平成18年4月の障害者自立支援法施行後から、子供一人ひとりの発達の状況に応じた個別支援計画を保護者と一緒に作成し、必要な療育支援を行っているところであります。
この就学前の個別支援計画は、個人情報の保護のため、保護者の同意を得てという条件付ではありますが、その内容が小学校にも提供され、学校では、平成19年4月の文部科学省通知に基づき、保護者と協力しながら、子供が抱える課題や長期目標を定める個別の教育支援計画を作成し、関係機関との相談や支援に活用しております。
当然、子供の成長や発達に伴い、課題や長期目標も変わってまいりますので、個別の教育支援計画は、年に一度は保護者と相談しながら内容を見直しておりますし、義務教育後の教育機関まで引き継がれております。
そのようなことから、今後とも保護者の方々の理解を得ながら、特別支援教育を必要とする子供たち一人ひとりのニーズに対応した個別の教育支援計画を作成してまいりたいと考えているところであります。
以上であります。
宮川正子君
ご答弁ありがとうございました。
2回目の質問をさせていただきます。
初めに、要望です。
江別市勤労者生活資金貸付制度については、離職者も貸付けの対象とし、利率の引下げや返済期間の延長を検討するとのことで、前向きなご答弁をいただきありがとうございます。現在は、雇用情勢が大変厳しいときですので、早急にご検討くださいますようよろしくお願いいたします。
次に、質問です。
初めに、介護保険ボランティアポイント制度についてです。
江別市で同制度を導入することは、既存の施設の理解や調整に時間が掛かり、直ちに実施することは困難とのことですが、この制度は、介護予防や高齢者の生きがいをつくり出す機能はもちろんのこと、活動へ参加することで自身が介護保険を利用する際に理解が容易になるほか、介護現場を体験することで介護の仕方や問題の理解を深めることにつながるという効果も期待されます。これからは、高齢者の多様な社会参加を引き出していくことが必要だと思いますので、導入に向けて再度お聞きいたします。
次に、保育園の入所基準の緩和についてです。
内閣府は、2007年に、今後の人口、特に労働人口の将来推計を行い、その結果、このままでは2030年前後以降、労働人口が毎年60万人以上減り続けることが想定されるため、早急に手を打つ必要があることを明らかにしました。労働人口が急減すると経済が成り立たなくなるので、労働力不足を補うためには、女性の就業率を上げることが最善の方法とし、2008年に、政府は、幼児を育てている女性の就業率を現在の20%から向こう10年間で38%まで上げるために、保育を受けられる子供を更に100万人増やすとしています。現行の保育園は、現に親が働いていて保育に欠けることが入所の条件となっていますが、入所基準を緩和し、子供を預かってもらえれば働くという人も含め、保育の対象とするという考えから出された数字であるとのことです。
子供の預け先が見付からないため、仕事をあきらめる母親が依然として多く、潜在的な待機児童もかなりいると思われます。入所基準を緩和するためには、まず、待機児童の解消を最優先に対応していくというご答弁でしたが、国と同じように、預かってもらえれば働くという人も含めた待機児童解消策なのか、再度お伺いいたします。
続きまして、特別支援教育についてです。
先ほどご答弁にありましたように、様々な取り組みをしていることは理解いたしましたが、関係機関の連携をコーディネートするための総合相談窓口のようなものがやはり必要だと思います。
そこで、1点目として、一貫した支援をコーディネートする仕組みはどのようになっているのかお伺いいたします。
また、2点目として、ご答弁では就労に触れていませんでしたが、就労支援は必要だと思います。新居浜市では、発達支援協議会に商工労政課の方が入られて協議されていることから、江別市においても、就労を見据えた支援を進める上で、そのような取り組みをされてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
市長(三好昇君)
宮川議員の再質問にお答え申し上げます。
私から介護保険ボランティアポイント制度の導入についてお答え申し上げます。
介護保険ボランティアポイント制度は、高齢者の社会参加や地域貢献を促すとともに、自らが生きがいを持つことや健康づくりを推進する事業として非常に重要であると認識してございます。将来に向けまして、本事業の導入を進めるためには、ポイント管理に係る体制の確立から、ボランティア受入れ施設となります介護事業所の問題など課題が山積しておりまして、江別においてふさわしい制度とはどういうものかということを調整・研究する必要があるのではなかろうかと思っております。
先ほども申し上げましたが、現在、大学や自治会と協議中のモデル事業を実施する予定でございますので、その事業を踏まえまして、次期介護保険事業計画策定時に、介護保険ボランティアポイント制度の導入につきまして協議・検討をしてまいりたいと考えております。
健康福祉部長(斎藤嘉孝君)
私から保育園の入所基準の緩和に係る再質問にご答弁申し上げます。
待機児童の解消につきましては、現段階では、現行の入所基準による就労中の方に係る待機児童の解消を最優先に考えておりまして、今後、認定こども園の開園等による定員増を予定しております。
入所基準の緩和につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、今後の保育需要や国の動向を見据えながら判断してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
教育長(月田健二君)
私から宮川議員の再質問にご答弁申し上げます。
総合相談窓口についてでありますが、教育委員会では、平成18年度から特別支援教育コーディネーターを配置しており、学校や保護者からの相談を受け、必要に応じて、障がい児一人ひとりの状況に最も適した支援先、すなわち、保健センターや子ども発達支援センターのほか、児童相談所、医療機関、特別支援学校などを紹介してまいりました。新居浜市の発達支援課における総合相談窓口機能につきましても、江別市と同様のものと考えております。
なお、江別市教育委員会では、今年9月に、特別支援教育連携協議会の意見も踏まえ、障がい児の発達や教育について、様々な相談窓口を掲載したミニリーフレットを作成し、保護者が気軽に相談できるように啓発を図っております。
次に、江別市でも就労支援のため、特別支援教育連携協議会に労働行政担当職員を加えてはどうかということでありますが、障がいや発達障がいのある児童につきましては、高校や大学などの高等教育を受けた後、就労の時期を迎えますが、現実的には難しい状況にあります。
現在の特別支援教育の枠組みの中で行えることは、保護者へ様々な情報を提供することやお子さんの就労に向けて、最も適した就学指導を行うことなど、極めて限られておりますが、今後、特別支援教育連携協議会に労働行政担当職員を加えることについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(坂下博幸君)
以上をもって、宮川議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
午後0時07分 休憩
午後1時15分 再開