ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 本 会 議 会 議 録 の 閲 覧 > 平成21年分の目次 > 平成21年第2回江別市議会会議録(第2号)平成21年6月17日 4ページ

平成21年第2回江別市議会会議録(第2号)平成21年6月17日 4ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

吉本和子君

 通告に従い、順次質問をさせていただきます。
 初めに、市長の基本姿勢に関して、憲法第25条に基づいた市政運営の考え方について伺います。
 特に、老齢加算や母子加算の廃止など、生活保護制度に関連して伺います。
 生活保護とは、憲法第25条に基づきすべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとの理念を具現化した制度であり、生活保護法では、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると、国の責任を明記しています。
 しかし、この間、生活保護制度は政府によって改悪され続けてきました。
 老齢加算は、2003年の生活保護制度の在り方についての中間取りまとめにおいて、単身無職の一般低所得高齢者世帯の消費支出額と比較すると、70歳以上の高齢者について、老齢加算に相当するだけの特別な需要があるとは認められないとされ、2006年に廃止されました。
 また、母子加算については、2006年の生活保護制度の在り方に関する専門委員会で、一般母子家庭の消費水準と比較して、母子加算を加えた被保護世帯の生活扶助基準が高いとして、2009年4月で全廃されました。
 生活保護制度において、憲法第25条が保障する最低限度の生活水準とは、このようないわゆる低所得世帯の消費支出との比較ではなく、一般世帯の生活実態との比較によって検討すべきものではないでしょうか。加算の廃止は実質的な保護基準の引下げであり、健康で文化的な最低限度の生活水準を限りなく引き下げるものとなります。
 2007年に民間医療機関が行った生活保護受給者老齢加算廃止後の生活実態調査報告では、老齢加算の廃止によって切り詰めざるを得なくなった費用は何かという問いに、一番は食費、次に被服履物費、光熱水費となり、その工夫についての問いには、食費では賞味期限切れに近いおかずを買う、安いお米や材料を買う、被服履物費では1年に何も買わない、数年買っていない、お下がりをもらっている、光熱水費ではふろの回数を減らす、灯油代節約のために午後6時には寝るなどと回答しています。さらに、廃止された老齢加算額があれば何に使いますかとの問いには、栄養のある食生活を送りたい、食事の品目を多くしてバランスを良くするなど食費に充てるという回答が半数以上を占めています。
 これらの回答から、老齢加算によって決していい暮らしを望んでいるのではなく、最低限度の生活を維持していくために不可欠なものであったことが示されています。
 このような状況は、母子加算廃止後の母子世帯の生活実態とも共通するものですが、更に深刻なのは、子供たちへの経済的ハンディキャップが、精神的にも深刻な影を落とし、子供たちが自分自身の将来への展望を見いだせなくなってしまう危険性があるということです。貧困の連鎖から抜け出す努力を支える条件を国自らが子供から奪い取ってしまっています。
 そこで、1点目に、憲法第25条の理念に照らし、これらの加算の廃止は認められるものではないと考えますが、どのような認識をお持ちか伺います。
 2点目に、老齢加算及び母子加算廃止後の生活保護世帯に対し、憲法第25条を保障するための市としての支援の在り方についてお考えを伺います。
 言うまでもなく、地方自治体の本旨は住民の福祉の増進にあります。しかし、今、政府が繰り返してきた生活保護制度の改悪は、国が住民の生存そのものを脅かすという事態になりつつあると言わざるを得ません。
 当市における生活保護世帯の状況は、この4月時点では、保護世帯総数が998世帯、高齢者世帯が435世帯、母子世帯が138世帯で、この4月で母子加算が廃止された世帯は83世帯、そのうち就労世帯は61世帯で70%を超えているということです。
 母子世帯の就労は、全国的にも80%を超えていると言われていますが、その平均収入はわずかであり、この間の児童扶養手当削減の下で、働いた収入を加えても生活することができない実態がますます深刻になってきています。生活保護制度の母子加算の廃止、先行して実施された高齢者世帯に対する老齢加算の廃止後の実態を見極め、今こそ、自治体としての本旨を発揮すべきではないでしょうか。
 東川町では、生活保護制度の母子加算全廃を受け、生活保護世帯のひとり親世帯及び高齢者、住民税非課税でひとり親世帯の高校生に対し、月額8,000円の福祉給付金を支給することを決定しました。その提案理由説明では、自治体の本旨について明言されており、町民の方々が苦しい生活状況に置かれているとき、町が町民の福祉、暮らしを守るという自治体の基本的な役割を発揮することが求められている。さらに、社会的弱者である生活保護世帯では、老齢加算及び母子加算が廃止され、そのハンディキャップを補うとともに、その障がいを克服し社会生活に適用するよう激励の意味から福祉給付金を支給し福祉の増進を図るという内容です。正に、地方自治体の本旨を貫き、住民を守り激励するものとなっていると評価するものです。
 当市においてもこの事例に学び、独自の支援策の検討が必要ではと考えるものですが、いかがお考えか伺います。
 3点目に、生活保護制度改悪の大本にある国の社会保障費削減政策の見直しについて、どのような認識をお持ちか伺います。
 政府が推し進めてきた構造改革路線の下、2002年以降に社会保障費予算の削減が繰り返され、生活保護費も老齢加算の廃止で約400億円、母子加算の廃止で約270億円の削減になっているということです。さらに、小泉内閣時代に策定された骨太方針2006には、生活扶助基準や級地の見直しなど生活保護制度の抜本的改悪などが掲げられています。
 2005年4月に、生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会を立ち上げ、生活保護費に係る国庫負担分について、4分の3から3分の2の引下げを検討しましたが、自治体関係者から猛反発を受けてとんざしたという経緯があります。しかし、同時に、生活保護の適正化に係る合意の下で、適正実施という名で全国的に申請拒否などの問題が広がっていることが大きな問題として報じられました。
 最近の新聞報道によれば、全国では、今年3月の生活保護世帯が前月比1万4,478世帯増の119万2,745世帯に上り過去最多を更新したこと、別の報道では、道内の受給者は前年度比3,716人増の14万1,286人と昨年秋から今年2月以降に急増している実態が示されています。
 しかし、問題はここにとどまらず、生活保護を受けていないが生活保護基準以下で生活する人々の生活実態が把握されていないなど、国民の貧困についての政府の認識は甚だ不十分と言わざるを得ません。国の責任で貧困や生活保護の捕そく率などの実態調査を行い、憲法第25条にふさわしい保護基準や運用の改善・拡充こそが急がれる課題です。
 そのためには、この問題の大本にある社会保障費削減政策そのものの見直しこそが大前提だと考えるものですが、いかがでしょうか。
 憲法第25条の下で市政運営を担う市長として、この点について強力に国に対して求める必要があるのではと考えますが、どのような認識をお持ちか伺います。
 2番目に、江別市の平和行政について2項目にわたってお伺いいたします。
 初めに、核兵器廃絶への世界の流れが大きく変化してきたと強く実感することの一つに、アメリカの核政策の転換があります。アメリカのオバマ大統領が4月5日にチェコ共和国のプラハで、核兵器を使ったことのある唯一の核保有国として、アメリカには行動する責任がある。この努力は一国だけでは成功しない。だが、リードすることはできるし、着手することもできる。アメリカは核兵器のない平和で安全な世界を追求すると演説しました。この背景には、歴代の政権で要職を務めたキッシンジャー氏ら4人による核のない世界に向けた呼び掛けがあったとも言われていますが、同じ時期に、イギリスでもこの呼び掛けを支持し、究極的に核兵器のない世界を達成する国際キャンペーンの先頭に立つことを誓うと現首相がインドで宣言しています。
 この動きはスペイン、ドイツ、ノルウェーなどにも広がるとともに、自分の国が率先して核兵器を放棄すべきという意見も上がっています。例えば、イギリスでは元軍人らがイギリスは核抑止力を必要としないとし、ドイツでは元首相らがドイツに残されているアメリカのすべての核弾頭も撤去すべきと訴えています。
 1点目に、このように核兵器のない世界を追求する世界の動きに対し、どのようなお考えをお持ちか伺います。
 その一方で、1945年8月の広島市と長崎市への原爆投下からこれまで、世界に配備されてきた膨大な数の核兵器やそれを支える基地、核兵器を実際に使うために考えられてきた様々な戦略、それらをつくり出してきた国際的な紛争や対立、緊張もそのまま残っています。
 日本政府は、国際政治の場では核兵器廃絶の努力をしているとし、毎年の国連総会に核兵器の全面廃絶に向けた新たな決意と題する決議案を提出しています。しかし、現実は、国民が核の惨禍を体験した唯一の被爆国でありながら核兵器全面禁止の条約やそのための交渉の提起すらしないどころか、他国の提案や決議にはことごとく棄権するという態度を取っています。
 2点目に、このような政府の核兵器廃絶への対応についてはどのようにお考えか伺います。
 3点目に、政府に対し核廃絶へのリーダーシップを取るよう求めることについて、お考えを伺います。
 2000年5月、核保有5か国政府は、自国の核兵器廃絶を明確な約束として受け入れましたが、それ以後9年を経た今も約束実行の道筋は付いていません。今なお、世界には2万6,000発を超える核兵器が維持・整備され、北朝鮮の核実験に見られるように、核拡散の危険も現実のものとなっています。
 こうした状況を打開するために、世界で唯一の被爆国として、来年の核兵器不拡散条約再検討会議において、核兵器廃絶の明確な約束が再確認・履行されるよう、リーダーシップが求められていると考えるものですがいかがかお考えを伺います。
 次に、自治体として非核宣言することについて、お考えを伺います。
 江別市として、核兵器廃絶・平和都市を宣言し、うたい上げることを求めた要望が6月に市長に提出されたと聞いております。この宣言の呼び方については、自治体によって平和都市宣言、非核平和都市宣言など多様ですが、核兵器廃絶を願い宣言を行った自治体は、2009年3月時点で、全国で約8割、全道では全市町村の5割を超える100市町村となっています。
 日本非核宣言自治体協議会は、設立の趣旨を核戦争による人類絶滅の危機から、住民一人ひとりの生命と暮らしを守り、現在及び将来の国民のために世界恒久平和の実現に寄与することが自治体に課せられた重大な使命とし、活動理念に非人道的核兵器の使用が人類と地球の破壊をもたらすことにかんがみ、生命の尊厳を保ち、人間らしく生活できる真の平和実現に寄与するため、日本全国の自治体、さらに全世界のすべての自治体に核兵器廃絶、平和都市宣言を呼び掛けるとしています。核兵器廃絶の流れを確実なものにするためには、地方自治体からも声を上げ、その声を結集していくことが求められています。
 江別市の住民の生命と暮らしを守ることに責任を負う自治体の長として、平和を願う市民の声を市政に反映させるべく決断が迫られているのではないでしょうか。核兵器廃絶・平和都市宣言をすることの意義についてお考えを伺います。
 3番目に、建設行政について、市内経済への幅広い波及効果を重視した公共事業の在り方についてお伺いいたします。
 2001年からの小泉構造改革路線は、国際化・グローバル化の旗の下、公共投資の縮小、非効率産業としての建設業のとうた、市場原理に基づく競争至上主義などによって、地域の中小建設業の力は弱体化し、地域経済をけん引してきた活力を失ってしまったとも言えます。
 今まで、日本の多くの地域にとって、地元の中小建設業を中心とした公共事業は経済的にも大きな比重を占めてきましたが、その反面、公共事業には政治的な色彩も強く、ときには談合など不正取引の場として取り上げられることも多くありました。
 今日、国や地方自治体の財政状況が悪化し、地域の公共事業数が著しく減少する中にあって、公共事業に対する国民、地域住民の目は、自分たちが納めた税金の使われ方という点でも、従来以上に厳しくなってきていると思われます。
 急速に進む景気後退への対策として、国は14兆円もの超大型補正予算を組み、その柱の一つが公共投資・公共事業分野です。その内容は、計画済みの高規格道路や3大都市圏の環状道路の整備、整備新幹線の建設、大規模港湾の整備等、財政難や社会的な批判を背景に凍結されていた従来型の大型公共事業がめじろ押しという状況となっています。
 一方、地方自治体には、地域活性化をまくら言葉にした緊急対策を講じるための補助金制度が創設されたことで、時限付であったり事業内容に一定の条件などがあるものの、それぞれの地域で必要とされる事業が計画実施できる条件が広がったことも事実です。
 この事業をいかに有効に計画実施し、これを契機に、中長期的に安定した雇用の確保と地域経済の活性化、さらには事業によって市民の福祉や暮らしの向上が図られるものにいかに結び付けていくかが重要であり、地域や住民からも強く求められていることでもあります。
 全国的にも江別市にとっても、高齢者人口は増加し、一方で総人口は減少することが避けられない将来の社会にあっては、従来型の大型開発事業ではなく、生活基盤型、福祉関連型、リフォーム型の公共事業こそが必要とされていると考えます。これらの事業は、雇用創出効果という点でも地域経済への波及効果という点でもより優れていると言われているものです。
 厳しい財政状況と景気が回復しない中で、市が発注する公共事業件数は当面低いままで推移することが予測されますが、だからこそ地域の実情を踏まえた事業とし、優先すべき事業について市民的な合意を図ることも必要と考えます。
 従来、公共の名の下で行政から業者へ下ろされてきたとされる公共事業は、関係者である住民の参加について十分であったと言えるでしょうか。
 2009年2月にNPO法人建設政策研究所北海道センターが実施した道内建設業者に対する経営実態調査では、事業内容が住民の意向、要求を踏まえずに決定されていると21%の業者が答えていることからも、その問題が課題となるのではないでしょうか。
 1点目に、本来、公共事業と言われる事業内容については、地域の実情や地域住民の意向が十分反映されるべきものであり、その上で企画段階、計画策定、実施及び完了まで、住民参加を保障することが必要ではないでしょうか。お考えを伺います。
 2点目に、市民生活の安全・安心を支える住宅リフォーム助成制度の検討について伺います。
 2009年4月時点で、住宅リフォーム助成制度を創設している自治体は、19都道府県で83自治体に上っていることが全国商工新聞で報じられています。
 この制度は、地域住民が住宅のリフォームを行った場合に、その経費の一部を自治体が助成することで住宅の改善を容易にするとともに、地元中小業者の振興を図ろうとするものです。その内容は、耐震改修、高齢者住宅対策、介護保険、環境対応などの政策と関連し、数多くの事業が実施されており、建築関係にとどまらず電気工事、家具など幅広い業種に波及効果をもたらしていると言われています。介護保険サービスを利用した住宅改修の際にリフォームをしたり、耐震改修の際にリフォームもというように、関連して新たなニーズが発生するため、独自の助成制度を更に上乗せして住宅改修補助を行っている自治体も増えているとのことです。
 広島県三次市では、補助金額は工事費の10%以内で最高10万円までとのことですが、2004年度は32件で補助金額が300万円、工事費が6,112万円、2006年度には62件で補助金額が600万円、工事費が1億2,880万円と毎年利用者が増加し、当初の20倍以上の経済効果を生み出しているということです。2007年度には3年限りの助成事業だったために打ち切られましたが、地域経済への波及効果が大きく要望も強いことから、2008年度に助成制度を再開したところ、利用は105件に拡大し、2009年度は補助限度額も10万円から20万円に引き上げられたということです。
 当市においては、平成19年10月に、有限責任中間法人江別建設業協会から住宅リフォーム事業創設に対する要望書が提出されておりますが、道内、とりわけ近隣市などの事例を参考に検討することについて、どのようにお考えか伺います。
 3点目に、公共事業の発注・施行に当たってのお考えについてお伺いいたします。
 さきの道内建設業者に対する経営実態調査報告書によると、発注形態については大手ゼネコンへの一括請負方式ではなく、分離分割発注を増加させ、中小零細規模の工事を大幅に拡大すべきという回答が約6割を占めています。 
 この方法は、中小業者により有利な条件で仕事が提供されることになり、結果として中小企業の振興や地域経済の活性化につながることが期待されるものです。
 また、入札制度については、最低制限価格の維持が必要とする回答が約7割を占め、過剰な競争に対する歯止めとなる制度を求める声が多いことが示されています。 
 また、公共工事の入札・発注はガラス張りにし、赤字受注を防ぐため公共事業の労務費単価以下で積算した下請発注を禁止すべきという回答も約3割となっています。
 この10年間、市が発注する公共事業については、事業件数では平成11年度の255件、事業費では平成12年度の122億6,500万円をピークに減少してきているということです。雇用確保と経済対策の面からも、地域の業者数に見合う発注総量を確保する対策が必要となりますが、そのためには、当面急がなくてもいい工事や凍結できる工事などは一時的に休止し、その予算を地域密着型事業に集中的に配分することが今何より重要だと考えます。その上で、多くの市内業者が事業を受注できるように先進事例に学び、必要に応じて1社1工事の導入、分離分割発注の徹底、小規模修繕等契約希望者登録制度を使い勝手のよいものへ改善するなど検討すべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
 4番目に、労働行政における季節労働者の通年雇用への取り組みについてお伺いいたします。
 季節労働者とは、北海道や東北地方など積雪寒冷地という特性から、冬期間のおおむね12月から翌年3月ごろまで3か月から4か月程度の失業を余儀なくされる人々であり、かつて全国や全道の大型開発事業に動員され続けてきた人々でもあります。
 30年にわたって季節労働者の冬期間の雇用と生活を支える命綱として重要な役割を果たしてきた国の季節労働者冬期援護制度が2006年度限りで廃止されました。さらに、雇用保険法の改悪によって、これまで50日分あった特例一時金が本則では30日分、当分の間は40日分とする削減が2007年度から実施されています。この結果、冬期技能講習の給付金が約9万円の削減、雇用保険の特例一時金が2割分の削減で合わせて1人平均15万円程度の収入減少となり、厳冬の数箇月を乗り切る季節労働者にとって、正に死活問題となっています。
 北海道労働局の調査によると、北海道における季節労働者は平成19年度が11万4,698人で、昭和55年度の30万237人をピークに年々減少しておりますが、全国的に見ればその約6割を占め、さらに、道内の季節労働者全体の約6割を占める7万7,370人は建設業関係で働いている人々であることから、今日の建設関連公共事業削減の影響を最も強く受けていると考えられます。また、江別市における季節労働者数については1,695人で、昭和61年度の2,926人と比較して大幅な減少となっています。
 道内季節労働者の実態は、NPO法人建設政策研究所北海道センターが2007年12月に実施したアンケート調査の結果を基に、2009年4月に新聞報道されました。年間就労日数が前年より15日減り、約6割の労働者が年収200万円未満であるほか、国民健康保険加入者のうち保険料滞納者が4分の1に上り、所得の低さから社会保障を受けることができない実態が浮かび上がったというものでした。さらに、調査結果を見ますと、生活保護の受給を希望すると回答した労働者が2割にも及んでいることなど、その実態が明らかになっています。
 1点目に、このような中で、江別市における季節労働者の現状についてはどのような認識をお持ちか伺います。
 2点目に、この間、市が実施してきた季節労働者の就労対策について伺います。
 2007年に、国は通年雇用促進事業と称して、季節労働者の通年雇用化を重点課題とした政策に転換するとの見解を示しております。その内容は、国と地方の連携によって雇用確保や就労促進のための事業を実施するほか、通年雇用奨励金を拡充するなど通年雇用化をより効果的に進めるというものです。
 3点目に、江別市において、通年雇用促進事業を実施する通年雇用促進協議会設置の必要性について、どのようにお考えかお伺いいたします。
 この通年雇用促進事業は、それぞれの地域の実情に応じて策定された事業計画に基づいて、雇用確保や就労促進などの取り組みを実施すると聞いております。しかし、現実には、事業の採択に関する制限などによって、地域の事業計画が策定できないなど実施主体である地域協議会が独自に事業をやりにくいといった声も聞いております。
 4点目に、近隣市町村では、協議会を立ち上げ通年雇用促進事業を実施しているとも聞いているところですが、近隣市町村での協議会の設置状況と活動状況について、どのように把握しておられるのか伺います。
 以上で1回目の質問を終わります。

議長(坂下博幸君)

 一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。

 午後0時04分 休憩
 午後0時59分 再開

副議長(尾田善靖君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。
 吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好昇君)

 吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、私の基本姿勢に関連いたしまして、生活保護制度の認識についてでありますが、生活保護制度は、生活保護法の中で国の責任において最低生活を保障するという基本原理に基づき、市が国の法定受託事務として行っているところでございます。
 現下の厳しい経済情勢や雇用状況を反映し、当市においても、昨年秋ごろから被保護世帯が増加してきており、今後も増加が見込まれるところでございます。
 そこで、このたびの老齢加算及び母子加算の廃止については、国において、生活保護制度のより現実的な制度運用を図る観点から、実態に即した見直しがなされたものと考えております。
 次に、市としての独自支援についてでありますが、最低生活のセーフティ・ネットであります生活保護制度の適正実施に当たりましては、被保護者の生活実態を的確に把握した上で、基本的には国の責任において対処されるべきものと考えております。
 次に、社会保障費削減の流れについてでありますが、少子高齢化社会の中で、医療、年金、介護、さらには子育てなど社会保障関連経費の増大が見込まれ、地方自治体の財政負担も更に厳しくなることが予想されております。
 社会保障制度は、市民生活に密着し根幹を成しておりますことから、その見直しに当たっては、市民生活に影響が生じないように今後とも北海道市長会を通じて、制度の改善について国に強く要請してまいりたいと考えております。
 次に、平和行政に関連しまして、まず、核兵器廃絶の世界的な流れに対する認識などについてでありますが、本年4月5日に、アメリカのオバマ大統領がチェコ共和国の首都プラハにおいて、核兵器のない世界の実現に向け平和と安全保障を追求する決意を表明されました。私は、核兵器を使用したことがある唯一の国であるアメリカの大統領が核兵器廃絶に向けて発言するということは、今後の国際社会におきまして、大きな動きになると考えております。
 しかし、その一方では、北朝鮮が地下核実験を強行するなど、核兵器廃絶の流れと逆行する動きもございます。平和を願う私たちにとりまして、誠に憂慮すべき状況であると考えております。
 今後、政府におきましては、このような国際的な流れを判断し、国連に働き掛けるなど核兵器廃絶に向けた取り組みがなされていくものと認識しております。
 日本は唯一の被爆国であります。是非とも、国際社会におきまして、核兵器のない平和な世界の実現に向けて、リーダーシップを取って活動されることを期待しているところであります。
 次に、非核都市宣言についてでありますが、江別市におきましては、過去の議会において意思決定がなされており、そのことは承知しております。市といたしましては、過去の議会での取扱いに基づきまして、これまでも対応しているものと考えております。しかしながら、今ほどお答えいたしましたとおり、今、世界は核兵器廃絶に向けて大きく動いております。このようなことから、私としましては、市民の皆様や議会での論議を踏まえて総合的に判断してまいりたいと考えております。
 次に、労働行政に関連いたしまして、通年雇用促進協議会の設置と近隣市町村での活動状況等についてでありますが、関連がございますので、併せてお答え申し上げます。 
 初めに、設置状況についてでありますが、石狩管内では札幌市をはじめ5市で協議会が設置されております。 
 活動としては、事業所向けの通年雇用支援セミナーの開催、季節労働者向けの求人開拓、就職相談会、求人情報の提供、資格取得支援事業などが行われておりまして、現在の厳しい経済状況や雇用環境の中ではありますが、通年雇用促進協議会を設置している管内他市においては、季節労働者の通年雇用の成果が出始めているとのことであります。
 このような状況を踏まえまして、市としましては、現在の厳しい雇用環境の中、季節労働者に特化した対応も必要であると考え、市内や近隣市町村の経済団体、労働団体、企業組合など関係者と協議いたしまして、通年雇用促進協議会の設置に向けて検討してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、経済部長ほかをもって答弁いたします。

経済部長(岩井康夫君)

 前段、市長より通年雇用促進協議会設置の必要性等についてご答弁申し上げましたが、私からは季節労働者の現状認識等についてご答弁申し上げます。
 まず、季節労働者の現状についてどのように認識しているかということでありますが、ご質問にもありますように、積雪寒冷地という北海道の特性から、特に、土木・建設業や農業などでは冬場に事業ができず、冬期間に離職を余儀なくされる季節労働者は、石狩管内で約3万人おり、そのうち江別市には約1,700人おられます。人口に占める割合は、管内6市の中では2番目に低い状況となっております。
 季節労働者を取り巻く環境は、昨今の土木・建設業の不況に伴い、働く場そのものが減少していることに加え、国の制度である特例一時金の削減や冬期技能講習会の廃止などにより、大変厳しいものがあると認識しております。
 次に、季節労働者の就労対策についてでありますが、市では、これまでに雇用機会の拡大や雇用構造の改善を図ることを目的に、市内経済団体や大学などで構成する江別市雇用創造促進協議会を平成17年度に立ち上げるとともに、平成19年度からは、厚生労働省の委託事業である地域雇用創造推進事業として、雇用拡大、人材育成、就労促進を三本柱として、環境や農商工連携のビジネスセミナーの開催、地域資源を活用した起業化の検討、合同企業説明会などを行ってきているところであります。一般の労働者のみならず季節労働者にも、厳しい雇用情勢の中で地域における自主的な創意工夫を生かした企業誘致なども含め、幅広く通年雇用化を目指した雇用創出に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

建設部長(久田康由喜君)

 私から建設行政についてご答弁申し上げます。
 まず、公共事業への住民参加についてでありますが、市ではこれまで公共事業を行うに当たり、地域住民との協議会の開催や各種説明会、意見交換会などを開催し、さらには計画への市民アンケート調査などにより、地域の意向の把握に努めてきたところであります。
 また、事業実施に当たっては、事前に地域の要望を伺いながら事業の優先度などを勘案し、地域の理解と協力をいただく中で実施してきたところでございます。
 今後とも、市民協働のまちづくりの一環として、積極的に住民参加の仕組みを取り入れながら、良質な社会資本整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、住宅リフォーム助成制度についてでありますが、道内でも、複数の自治体で人口減少対策や地元経済対策等の目的で、それぞれの地域事情に合わせて制度が実施されていることは承知しているところであります。
 また、最近では、地球環境対策として、太陽光パネル等による省エネや住宅の耐震改修の促進を図ることを目的に、リフォーム時にセットで助成する制度もあり、一定の効果が期待できるものと考えているところです。
 当市における住宅施策といたしましては、今年度に策定した江別市営住宅ストック総合活用計画に基づく市営住宅の建替え等の整備が当面の最優先課題と考えているところであります。
 ご提案の住宅リフォームへの支援につきましては、直接市民に補助を行う場合、市民負担の公平の観点から、対象者や事業の範囲、他の事業との兼ね合い、経済的な効果の検証などの課題も多いことから、他市の状況や国及び道の動向を見ながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、1社1工事の導入、分離分割発注、小規模修繕等契約希望者登録制度などについてでありますが、市が発注する工事につきましては、市内事業者で対応できない特殊な工事を除き、市内事業者を対象として実施しております。 
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき、入札の透明性や公平・公正な競争が発揮される入札が必要であり、公共事業の発注施行を1社1工事に限定することは、難しいものと考えております。
 しかしながら、発注につきましてはこれまでも、例えば小中学校の耐震工事では、校舎と体育館の工事を分割して発注するなど、可能な限り地域における受注機会の拡大に努めてきたところであります。
 また、市が発注する30万円以下の小規模な修繕等につきましては、市内の小規模事業者の受注機会の確保を図るため、小規模修繕等契約希望者登録制度を平成19年10月から実施しているところであり、現在、24業者が登録し、平成19年度では8件、平成20年度では33件の発注実績となっているところであります。
 今後におきましても、市内の小規模事業者の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

吉本和子君

 2回目の質問をさせていただきます。
 平和行政に関して、非核都市宣言について改めて市長のお考えを伺わせていただきます。
 先ほど市長のご答弁にありましたように、非核都市宣言について、江別市議会においては、過去に市民の要請に対してノーの判断を下したという事実がございます。
 しかし、この間、市長も述べられたように核廃絶に向けた国際的な様々な動きや、今日の新聞にも衆議院の本会議で核廃絶についての決議がなされたという報道もありましたので、当時に比べて、今、核廃絶に向けた動きはかなり大きくなっていると私も感じているところです。
 今回、市民の方から要請があった非核都市宣言については、今の市長のご答弁では、過去の議会における意思決定にはこだわらないというようなお考えかと取れたのですが、その辺りについてもう一度市長のお考えを伺いたいというのが一点です。
 また、市民の間での平和行政に対する議論の熟度ということに関して前市長の議会答弁などにもありますけれども、その辺りについて、市長はどのようにお考えになっているのか伺います。今回、非核都市宣言をしてほしいという市民団体の要望もありましたし、過去にも同じような要望が議会及び市に届いていると思いますけれども、議論の熟度という点ではどのような認識を持たれているのかお伺いしたいと思います。
 そのほか要望として若干申し上げておきたいと思います。
 1点目は、生活保護制度の老齢加算及び母子加算の廃止に伴う市の対策について、先ほど伺いましたように、生活保護制度の適正実施は、国の責任で対処されるべきというお考えに基本的には全く異論を挟むものではありませんが、国の制度実施が非常にまずいため、様々な問題が起きているのだと私は考えております。
 ただ、この間、国の問題に対して、自治体独自で様々な対策を取っているところは間違いなくあるわけですけれども、その部分については、やはり市としても何らかの対策を取るということが今の時点では必要ではないかと考えるところです。その点については、先ほどのお話では、基本的には国にお願いするという認識だと伺いましたけれども、是非、老齢加算及び母子加算が廃止された後の生活実態についてもう少し認識していただければというふうに思っております。
 生活保護世帯の実情をよく知っているのは、ケースワーカーの方たちです。生活保護世帯が増えてきているというご報告がありましたけれども、ケースワーカーの皆さんから実態がどうなのかということをきちんと情報収集していただいて、市としての対策が必要ないのかどうなのかという辺りをもう一度ご検討いただきたいと思います。
 2点目の公共事業の在り方については、おおむね理解はいたしましたけれども、これから実施される市営住宅の建替えに当たっては、申し上げましたような対策を是非講じていただきたいと思います。市内経済の活性化や住民の雇用確保にもつながることですし、その点についても十分な配慮をお願いしたいということを申し上げておきます。
 3点目の季節労働者の通年雇用対策については、通年雇用促進協議会を立ち上げる方向で検討されると伺いました。特に、江別市の季節労働者の問題については、私どもがご相談を受ける中では、子育て世帯の方たちが冬期間に仕事がなくなって収入が途絶えるというのは本当に大変なことだと聞いておりますので、関係者の皆さんのご努力に期待して、是非早急な協議会の立上げをお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 以上で2回目の質問を終わります。

市長(三好昇君)

 吉本議員の再質問にお答え申し上げます。
 平和行政に関連しての再質問でございますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、今、世界はアメリカのオバマ大統領の核兵器廃絶の発言により、大きく変化し始めております。このような情勢の中、国際的にもアメリカに連動して動き始めているということは私も認識しております。
 しかしながら、一方では、核兵器に関連して国際的な紛争や対立が生じているということも事実であります。
 私としましては、このような情勢の下に、多くの市民の皆さんは核兵器のない平和な社会の実現を望まれていると信じておりまして、平和行政に対しましては、そのような姿勢で今後も進めていきたいと考えております。
 そこで、先ほどの過去の認識にとらわれるかということでございますが、そういう情勢でございますから、これからは、過去の判断又は基準にとらわれるべきではないと私は考えております。そして、平和行政に対する市民の熟度ということですけれども、先ほども申し上げましたとおり、非核都市宣言などの一連の対応につきましては、議会の論議や市民の皆様の意見を十分に聴いた上で、総合的に判断してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

副議長(尾田善靖君)

 以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 諏訪部容子議員の人事行政についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。

次ページ

前ページ