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平成21年第1回江別市議会会議録(第3号)平成21年3月12日 4ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

議長(星秀雄君)

 以上をもって、相馬議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 岡英彦議員の地域経済政策についてほか2件についての質問を許します。 通告時間25分。

岡英彦君

 それでは通告に従い質問をいたします。
 これまでの過去の一般質問や昨日の一般質問とも重なる部分が多々あるのですけれども、ご了承いただければと思います。
 まず、最初の質問といたしまして、地域経済政策についてお伺いいたします。
 この質問につきましては、私は、主に経済部が担当している企業誘致の取り組みや農商工連携の実践、地域内の産学官のネットワークづくり、地域の特産品を生かした事業化の推進といった個々の取り組みについては、おおむね評価しているところですので、個々の取り組みについての質問ではなく、市長の地域経済政策についての大きな考え方をお伺いしたいというものでございます。
 まず、地域経済の発展の基本的な考え方についてですけれども、一昔前までは、外部から企業を誘致することは、特に工業製品を生産するような大企業の工場を誘致すれば、地域から外部に移出する産業を持つことになり地域経済が発展すると考えられていたかと思います。
 とある県が多額の補助金を用意して電子機器関連の工場を誘致したり、北海道が行っている自動車産業誘致などは、正にこのような経済政策の典型的な例と言えるかと思います。
 こういった企業誘致に成功すれば、確かに雇用の増加など量的な面での地域経済の拡大というのは起こります。しかしながら、このような工場は、地域の外から入ってきた部品をそこで組み立てまして、それをまた地域の外に出すというような、その企業の企業内分業の一部を担うにしか過ぎない部分が多いものです。そのため、意思決定を担うような本社部門は外部に依存することになりまして、地域の工場が生み出す利益も多くは自分たちの外にある本社の方に流出してしまい、地域内での経済循環というものが発展しにくく、地域から新たな価値を生み出し発展を持続する仕組みというのはなかなか生まれないということがございます。
 このようないわゆる外発型の発展に対しまして、今日では、人的資源を含めた地域の様々な資源を基に、主体的、内発的に競争力のある産業を生み出す内発型の地域経済の発展というものが重視されている時代になっております。
 例え外部から企業を誘致するにしても、地域の資源を活用し発展させるために、戦略的に外部の技術や知識を取り入れられるような地域内での仕組みづくりを見据えることが重要であると考えられております。
 中でも、その地域の中に、ある分野の産業が集積することによって、それに関連する様々な企業が生まれ、地域内経済循環を発生させることにより、地域経済が発展するという産業集積や産業クラスターというモデルが注目されているのはご存じのとおりかと思います。
 このような産業クラスターのモデルは、世界的な規模の話になりますけれども、例えば、IT・ハイテク産業のメッカと言われるアメリカ・カリフォルニア州のサンノゼを中心としたシリコンバレー、北欧のハイテクシティと呼ばれるフィンランドのオウル、EUの食分野の研究開発拠点でフードバレーとも呼ばれますオランダのワーヘニンゲンといった地域が世界的なモデルとして注目されております。
 これらの産業クラスターは、地域ごとにそれぞれの特色があるのですけれども、共通して言えることは、地域の中に特定の産業分野に強い大学、研究機関、企業が集積し、地域内で人的なネットワークを形成しており、それらが連携して新たな価値が創造されていくことで地域の経済が発展しているということであります。
 もちろんここに挙げた例と比較しますと、国の制度も地域の置かれている環境も全く異なりますから、世界的なモデル地域の例を単純に模写できるとは思っておりませんし、すべきだとも思いませんが、江別市におきましても、農と食に関連する大学と研究機関を擁しており、その分野で地域をリードする企業というのも存在しております。また、産学官のネットワークづくりの試みも行われており、産業クラスターと共通する部分が非常に多くあることは確かかと思われます。
 また、市長は最近、食品製造業の誘致、産学官連携による新商品開発といったことを強く発言されているところです。
 私としても、農と食の分野における産業クラスター化を目指す方向性が、江別市の地域経済政策としては最も適切な方向性であると考えています。
 以上を踏まえた上で、江別市の地域経済政策としての産業クラスターについて、どのような考えをお持ちなのかお答えいただきたいと思います。
 次に、地域の農畜産物の高付加価値化による事業化について、既に、江別小麦を使った商品開発、大豆プロジェクト、農業生産者の方々による加工品開発など、様々な取り組みが進められているところです。
 市長もこれらの方向性を更に強化しようということを打ち出されておりますが、さらなる活性化のために行政として、今すぐできるできないということは少し置いておきまして、どのようなものが必要とされているかについてある程度自由にお考えをお聞かせいただければと思います。
 私といたしましては、地域資源の発掘や技術の評価というのは、ある程度できていると思っているのですけれども、これらを商品化して売れるまでに持っていくマーケティングを含んだ仕組みづくりというものが、今後は必要となってくるかと考えていますがいかがお考えでしょうか。
 次に、情報発信力の強化についてお伺いいたします。
 江別市は、江別小麦のブランド化の取り組みにより、全国レベルでの表彰も受け、農商工連携の分野では視察が絶えない状況となっており、この分野では知る人ぞ知る存在になってきていることは確かだと思います。
 しかしながら、一般的には、市長もいろいろなところでご指摘のとおり、本州方面では江別市と言ってもまだまだだれも知らないのが現実でございます。江別と書いても、こうべつと読まれてしまうということもございました。
 特に、企業関係者の間で知らない人でも聞いたことはあるくらいの存在になっていくことが必要であると思うのですけれども、そのようにするためにも農と食を中心とした産業クラスターによる地域経済の発展という方向性を強く打ち出していくことが必要だと考えております。
 私といたしましては、シリコンバレーになぞらえまして、えべつフードバレー構想と大々的に打ち出して宣伝してもよいのではないかと考えております。
 先ほど、少しお話しさせていただきましたオランダのワーヘニンゲンというところは、EUにおける食に関する研究機関や企業が集積し、産業クラスターが形成されている地域です。元々、様々な食品関連企業が伝統的に存在した地域なのですけれども、2000年にフードバレーということで地域をブランド化してから、さらに様々な企業の集積が進んでいるということでございます。
 北海道内でも、このオランダのフードバレーに倣って、食に関する産業集積を進めようという動きが、特に、帯広市を中心とした十勝地方などで出てきていると伺っております。
 また、既に静岡県富士宮市がフードバレーと名のってまちづくりを進めております。富士宮市には、日本三大焼きそばの一つと言われるものがございまして、いわゆるB級グルメとして、最近のご当地グルメのはしりみたいなものです。同市は、富士山のすそ野に位置し、酪農なども盛んで、水も非常に奇麗なところなので、農と食を中心としたフードバレーというふうに名のって売り出しているところでございます。
 食に限らず、健康やライフ・サイエンスを含んだ分野で考えますと、私は、特に北海道内においては、江別市こそがフードバレーと名のるにふさわしい資源を持った都市だと考えております。
 フードバレーという名称は、例えばということでとらえていただいていいのですけれども、このように食の分野で地域を丸ごとブランド化していくような考え方も重要だと思いますので、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
 次の項目にまいりまして、財政運営についてお伺いいたします。
 主に貯金である財政調整基金を使った財政運営についてご質問いたします。
 質問の趣旨は、財政調整基金に依存しないよう財政規律を保たなくてはいけ ないのではないかということです。ただ、次の質問項目にも絡むところなのですが、現在の経済情勢においては、やむなく職を失い、新たな職がなかなか見付からないという方に対して、行政として直接的に雇用を支える部分に使うと覚悟を決めて市独自の対策を打ち出すのであれば、一種の内部留保と言える財政調整基金を取り崩すことは致し方ないと考えていることをこの質問項目全体の保留事項と言いますか、そういった観点であることを最初に申し上げておきます。
 その上で、平成19年度決算における単年度の収支は約3億6,000万円の赤字になっております。貯金である財政調整基金の取崩しまで含めると、赤字額は約5億6,000万円に膨らみます。
 行政の黒字というのはお金が余ったということでありまして、毎年黒字が良いかと言うとそのようなことはなくて、毎年黒字と言うのは、税金を取り過ぎているか、必要な行政サービスを行っていないのではないかということになるので、企業と違って毎年黒字になることが必ずしも良いというわけではないのでありまして、一年ごとに黒字と赤字がとんとんとなるのが理想的でございます。
 したがって、平成19年度の単年度の赤字だけを見て、それが悪いということを言いたいわけではありません。 
 しかしながら、平成19年度から平成21年度の状況を予算ベースで見ますと、徐々に貯金である財政調整基金を取り崩さないと予算が組めなくなってきており、現時点の見込みでも平成20年度は財政調整基金を取り崩さなければいけない状態と理解しています。平成21年度については、まだ何とも言えませんが、基金残高見込みベースでは、財政調整基金を取り崩す方向であるという資料が提出されております。
 一昨年にも同趣旨の一般質問をさせていただいているのですけれども、その際には、来年度以降の対応について、引き続き行政改革大綱や集中改革プラン等に基づく職員数の削減や各種事務事業の見直し及び精査、行政評価に基づいた資源の集中等により全体としてのコスト縮減を図るほか、市税を含めた自主財源の収納の強化や充実、国や道の補助金等の精査及び確保、さらには、市債や各種基金の活用等によりこれらの収支不足を解消し、市財政の健全化に努めてまいりたいと考えておりますとお答えいただいております。
 ですが、結局、平成19年度決算、平成20年度決算見込み、平成21年度予算案とこの3年の推移を見ますと、財政調整基金からの繰入れがそれぞれ5億9,000万円、2億7,000万円、3億8,750万円と財政調整基金に頼らないと年々予算編成が苦しくなっている状況です。
 しかも、平成20年度決算見込みと平成21年度予算案については、予定していた江別の顔づくり事業の区画整理事業部分は先送りをしてこのような状況でございます。
 厳しい財政状況であるということは理解をしているところですけれども、平成20年度補正予算及び平成21年度予算案のいずれにおいても、最初に申し上げた市の独自財源を使った経済対策、雇用対策という意味では大きなものというのはないのが現状でございます。
 したがいまして、やはり現段階では、財政規律を守るために最大限の努力をする必要があると考えております。
 そこで、質問といたしまして、まず、確認のために平成20年度の収支見込みについてですが、現時点では財政調整基金を取り崩し、実質単年度の収支ではそれほど大きな額にはならないものの赤字になると理解しているので、この認識で正しいかどうかお答えください。
 また、今後の見通しにおいても歳入不足が予測されており、結局は財政調整基金を取り崩して対応するしかないと認識されているのかお伺いいたします。
 その上で、これまで述べてきたように、平成19年度から財政調整基金を取り崩しての財政運営が続く状態になると考えられます。このような財政運営に対する基本的な考え方について、市長就任から今年で3年目を迎えますが、過去の決算と今後の見通しが見えてきているところかと思いますので、その認識についてこれまでと変わらない認識であるのかどうかを含めてお答えいただきたいと思います。
 最後に、雇用対策についてお伺いいたします。
 昨日から、それぞれの議員が様々な一般質問をされているところではございますけれども、北海道内の1月の有効求人倍率は、前年同月より0.12ポイント低い0.39倍で、1月の有効求人倍率としては、2000年以降9年ぶりに0.4倍を下回っております。新規求人数の減少幅と新規求職者数の増加幅は、いずれも旧北海道拓殖銀行が破たんした1998年1月以来最大を記録し、解雇や倒産などによる離職者も大幅に増え、北海道労働局は雇用の基調判断を厳しい状況にあると下方修正しております。
 江別市に関して言いますと、札幌圏の数字が一番現実に合っていると認識できるかなと思いますが、1月の月間有効求人数が前年同月比17.1%減少する一方、月間有効求職者数は前年同月比12.3%増加し、有効求人倍率は前年同月より0.13ポイント低い0.36倍となっております。新規求職件数は1万2,730人で前年同月を22.1%上回り、うち事業主都合により離職した人は3,649人と、前年同月を50%近くも上回っております。
 このような情勢の中で、特に、市町村レベルの自治体として、どのような雇用対策を実施しなければならないかというものを、まず一般的な考えとしてお答えいただきたいということと、その上で、江別市の現状としてどうしなければならないかをお答えいただきたいと思います。
 次に、昨日の一般質問とも重なりますけれども、国レベルの経済対策として第2次補正予算で対応されておりますふるさと雇用再生特別基金、緊急雇用創出事業に対応した事業を市といたしまして、いつ、どのような規模で行い、それに伴う雇用の確保はどの程度と推計されるのか、大変重要なところだと思いますので改めてお答えいただきたいと思います。
 また、私は、江別市レベルの都市としての対策ということで考えますと、市独自の雇用対策としては、臨時職員を採用することで雇用を下支えするのが、直接的な対応としては最も適切ではないかと考えているところでございます。
 そのために、一時的に臨時職員を採用することも必要かと思いますが、いかがお考えかお答えいただきたいと思います。また、正規職員を含めましたワークシェアリングも視野に入れなければいけないと考えますが、この点についてもいかがお考えかお答えいただきたいと思います。
 以上で1回目の質問を終わります。

議長(星秀雄君)

 一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。

 午後0時00分 休憩
 午後0時59分 再開

副議長(鈴木真由美君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。
 岡議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好昇君)

 岡議員の一般質問にお答え申し上げます。
 地域経済政策に関連しまして、まず、産業クラスターについてでありますが、江別市は、都市型農業への取り組みといった優位性があるほか、市内の既存企業やこれらの後押しをする関係機関、団体、さらには大学や研究機関など食と農に関連した取り組みが進めやすい環境が整っていると考えております。
 また、江別市は、岡議員も発言されておりましたが、農業の充実や地域の様々な資源を基にしました内発型の経済活動の発展が期待できる素地、基礎が十分あると考えております。
 農商工等の連携モデルとして高い評価を受けている江別小麦の一連の取り組みのような連携、協働の形態を更に進めていくことが必要で、また、その可能性を持っている地域であると考えております。 
 そのため、先ごろ調印いたしました江別市、市内4大学、江別商工会議所の6者による包括連携・協力に関する協定の趣旨や目的に沿いまして、一昨日でありますが、食品産業分野におけるサポート体制づくりの一環としまして、酪農学園大学、北海道立食品加工研究センター、江別市の3者による食品産業の振興と集積促進に係る連携・協力に関する協定の調印を行ったところであります。
 こうしたことから、江別市全体として、いわゆる産業クラスターのような状態に近づいていく可能性は大いにあるものと考えておりまして、今後におきましては、このようなサポート体制を生かしていくことで、地域経済が活性化することになるものと考えております。
 次に、高付加価値化による事業化についてでありますが、農畜産物などの地域素材の特色を生かし、付加価値を高める江別市の加工品づくりにつきましては、これまでも市内関係企業をはじめ、生産者を主体とした農業生産法人や江別市まちとむらの交流推進協議会のほか、多くの関係者の方々により進められております。
 また、江別市としまして、農産物直売所や貸し農園、イベントの開催などへの支援を通じまして、より付加価値を向上させるため、消費者との距離を縮めることに取り組んできたところでございます。
 こうした個別具体の取り組みを更に充実させていくためには、品目の多様性や生産と供給の安定性など、地域のブランド力を備え、マーケットのニーズに対応できる仕組みづくりをどう進めるかが必要であるほか、域内資源の魅力を生かすために、都市型農業の優位性や市内既存企業の潜在力の活用、北海道立食品加工研究センター、酪農学園大学との協定を生かした取り組みを着実に進めていく必要があるものと考えております。
 市といたしましては、今回の食品産業の振興と集積促進に向けた連携・協力体制を契機といたしまして、今後は、生産技術の向上やその効率化を図る手法の検討、生産から販売管理までの流れを域内でシステム化するなど、農畜産物の付加価値を高めてまいりたいと考えております。
 次に、情報発信力についてでありますが、江別市の強みや魅力を内外に発信し、知名度を高めていくことは、大変重要なことと考えております。
 また、食と農に関連しました情報発信の取り組みにつきましては、それこそ農商工連携の下、市だけで進めるのではなくて江別市全体でどのようにアピールしていくかも含めて明確な考え方や方向性を示し、積極的にPRしていく必要があるものと考えております。
 今後におきましては、先ほど申し上げました3者の協定によるサポート体制づくりや域内資源を生かす取り組みを進めるとともに、これらの事業を確実、着実に、そして江別市の優位性を示して、進めていくに当たってどのような情報発信がよろしいのか十分に検討してまいりたいと考えております。
 なお、岡議員が例として挙げられたオランダのワーヘニンゲン市のフードバレーでございますが、大学を中心に政府と食品業界が共同で発足させた食品栄養学先端研究所をはじめ、産学官の研究開発機関が集積する世界有数の食と農に関連しますクラスターでございまして、世界的にも非常にレベルの高い水準の取り組みであると認識しているところでございます。
 私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもって答弁申し上げます。

総務部長(北口彰君)

 私から財政運営についてほか1件のご質問にご答弁申し上げます。
 まず、平成20年度の収支見込みや実質単年度収支につきましては、本定例会の初日に補正予算の議決をいただきましたが、今後の歳入や歳出の状況によりますことから、正確には出納閉鎖の5月末を待たなければならないものと考えております。
 特に、実質単年度収支では、最終的に財政調整基金を幾ら取り崩して幾ら積み立てるか。また、本年度は、高金利地方債の繰上償還も実施しておりますことから、最終的には決算確定を待たねばならないものと考えております。
 財政調整基金を取り崩しての財政運営についてでありますが、特に財政調整基金は、市財政への寄与を目的に設置されているものであり、平成19年度では、JR江別駅周辺の活性化や学校、市営住宅、道路整備等に充当するとともに、本年度においても学校、市営住宅等の整備や江別市立病院への繰出しの財源として活用することとしております。
 財政調整基金につきましては、その設置目的にのっとり、現下の厳しい社会経済状況に対応するためにも、市の各種事業の財源としていくほか、法で定められた積立て等を適切に行い、今後とも有効に活用してまいりたいと考えております。
 次に、臨時職員の採用についてでありますが、江別市といたしましては、さきに実施した来年度の事務・業務補助員の採用試験におきまして、約100名の採用又は登録を行っております。その他、定額給付金等の支給に係る事務補助員15名程度の採用に加えまして、短期の雇用・就業機会を創出することを目的として国が実施します緊急雇用創出事業などの制度を最大限に活用しながら、より多くの雇用を創出してまいりたいと考えております。
 次に、正職員も含めましたワークシェアリングについての考え方でありますが、江別市は、平成14年度から平成17年度まで、厳しい雇用情勢への対応としまして、就職が内定していない若年者への就業訓練や中高年層の雇用・生活支援を目的としたいわゆる緊急避難型のワークシェアリングを実施し、臨時職員を採用しておりました。
 平成18年度以降におきましては、そうした趣旨を含みながら、年度ごとの事務・業務補助員の採用試験を行う中で、年齢要件の上限を定めない形態で臨時職員の採用を行っております。
 市といたしましては、今後におきましても、市内の雇用状況などに配慮した臨時職員の採用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

経済部長(岩井康夫君)

 私から雇用対策についてご答弁申し上げます。
 まず、悪化している雇用情勢の中で、市町村レベルでの一般的な考え方としての雇用対策につきましては、昨年1月に北海道から公表された市町村の雇用対策の取り組み状況調査結果では、季節労働者対策、新規学卒者対策、離職者・失業者対策が上位となっておりますが、市町村が行っている雇用対策は、その大半が国や道の施策と連携したもので、市町村独自で事業を実施するのは困難な状況にあります。
 これまでの江別市の取り組みにつきましては、企業や大学、研究機関の誘致やそれを前提とした工業団地の整備など外発的な雇用創出策を行ってきた経緯がありますが、近年は、雇用創造促進協議会を立ち上げ、地域雇用創造推進事業や地域雇用創造実現事業を行うなど、地域資源を生かした独自産業の起業化と雇用創出を図ることなど内発型の地域経済発展のための取り組みを行ってきているところでございます。
 また、この4月から入居開始となるえべつみらいビルへの進出企業2社の雇用につきましては、将来的には500名程度が見込まれており、雇用対策面からも大いに期待されているところであります。
 今後とも、引き続きこうした事業を実施するとともに、国や道との連携を更に強化し、市の雇用対策を進めてまいりたいと考えております。
 次に、国の第2次補正予算による緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生特別交付金事業の関係につきましては、昨日の森好議員及び宮川議員のご質問にお答えいたしましたとおりであります。なお、緊急雇用創出事業の規模や雇用確保につきましては、森好議員の再質問にお答えしましたように、事前の事務段階における打合せでは、計11事業、事業費総額ではおよそ3,300万円、新規雇用者は50人余りと見込んでおりますのでご理解を賜りたいと思います。

岡英彦君

 ご答弁ありがとうございました。
 再質問させていただきたいと思います。
 まず、地域経済政策についてですけれども、ご答弁の内容と一昨日の酪農学園大学、北海道立食品加工研究センター、江別市の3者での協定を見ても、江別市が食の分野での産業集積を目指した経済政策を考えているということが改めて明確になったかと思います。
 業界によると思うのですけれども、農商工連携という言い方よりも食の産業クラスターの方が、以前に私などがいた企業関係者には分かりやすいところがあるかと思いますので、今後、私も本州方面で江別市を宣伝する際には、食分野の産業クラスターを目指しているということを強く宣伝していきたいなと思うところでございます。
 先ほどのご答弁をお伺いしますと、現実にはまだまだ産業クラスターというレベルには達していないとご認識されているということで、もちろん世界レベルの地域と比べるとそのとおりかと思うところでございます。
 そこで関連いたしまして、北海道庁でのご経験も長い市長に是非お伺いしたいのですが、単に江別市単独でという話ではなく、北海道の経済全体を考えますと、北海道内のどこかの地域に北海道の農業を基盤とした食品分野の産業クラスターをつくっていくという政策が私は絶対に必要だと考えております。
 道内でその候補となる地域は、帯広市を中心とした十勝地方か、我々江別市を中心とした地域以外にないと考えているところですけれども、市長としてはその辺りをどのようにお考えか、北海道庁での経験から北海道全体としての大きな視点でお答えいただきたいと思います。
 次に、フードバレー構想についてですが、ご答弁の行間を読み取らせていただきますと、表紙よりもむしろ中身の取り組みが大事で、そちらをどう宣伝していくかを考えなければいけないということかと思います。
 私もフードバレー構想と言っても、いきなりオランダのワーヘニンゲンのフードバレーを目指そうという意味ではなく、あちらは国策によって数百億円が投資されていて、日本で言うと茨城県つくば市のような感じかと思いますので、そうしなければならないということではなく、プロモーションとしてフードバレーのような名前を付けて宣伝するのはどうかとお話をさせていただきました。
 どうも私などは、プロモーションばかりに目が行きがちで、大ぶろしきを広げがちなのですけれども、それよりも中身を理解いただくような宣伝が大事だというお話かと思いますので、それはそれで理解するところでございます。
 フードバレーについては、まだ日本語で読める資料は少ないのですが、恐らく、今後、特に北海道内においては、様々なところで耳にする機会が増えてくるかと思います。先ほども食と農に関連した情報発信を積極的にPRしていくというご答弁でしたので、是非、情報発信を強化する意味合いでフードバレーなどの名称についてもご検討いただきたいと思います。
 次に、財政運営については、私の質問の仕方が悪いのかもしれませんが、財政調整基金の取崩しについてこれまでと特に変わらない答弁内容で誠に残念でございます。
 このような認識で平成21年度の予算案や今後の毎年度の予算案を作られていくということであれば、少し不安であるということを申し上げておきます。単年度だけを見ますと、それほどおかしな数字ではないのではないかと思うところはあるのですけれども、私は小さな赤字でもそれが続いていくような状態をきぐしております。
 改めて質問させていただきます。市長は今年で就任3年目ですが、今後の情勢によっては、市長の任期中に財政調整基金を取り崩して赤字を出し続けることになる可能性もあるかと思います。このような状況においても、先ほどのような形式的な答弁程度のご認識しか持っておられないのか否か、もう一度お答えいただきたいと思います。
 次に、雇用対策についてですけれども、ご答弁いただいた内容は、現時点で国や道と連携したもので臨時職員の採用についてもそういった対応をされている点については、理解をするところでございます。少し話がずれるかもしれませんけれど、私は正規職員を増やせとは一言も言っていないのでご注意いただきたいと思います。不況になると公務員の志望が増えるため、来年度などはまた倍率が高くなるかもしれませんけれども、私としては安定した仕事ということで公務員を志望されてはたまらないと思うところでございます。
 さて、雇用対策については、問題は今後でございます。経済情勢は月単位で変化しているような状況で、1月から3月のGDPや例年求人数が落ちる4月以降の雇用情勢というのは、現時点では、正直全く読めないものでございまして、次回の定例会までにどのような状態になっているかというのもなかなか分からない状況でございます。
 既に、国の方でも追加経済対策を検討中ということでもありますので、それに乗った対策を進めなくてはいけないと思いますし、市独自の対応も不可欠だと思います。
 先ほどのご答弁で、市内の雇用情勢に配慮した臨時職員の採用に努めるとの前向きなご答弁をいただきましたので、この点をしっかりとご認識いただきたいということと、あえて質問はしませんが、経済部と総務部 が分かれて仕事をするのではなく、雇用対策という意味では、オール江別でしっかりと総合的な対策を検討して、素早く実施していただくことを要望いたします。
 質問としては二点入っているかと思いますが以上です。

市長(三好昇君)

 岡議員の再質問にお答え申し上げます。
 まず、1点目は全道的に見て江別市がどうかという話ではなかろうかと思います。
 食料自給率が200%を超える北海道でございますので、どこから見ても食料基地になり得るというふうに考えております。ただ、この北海道には農地の種類も含めていろいろな基盤がございまして、そこで対応できる作物やそうでないものもございます。また、この北海道の広さでございますから、移動距離の問題もあると思います。
 そこで、江別市の特徴という話でございますけれども、江別市は、皆さんご存じのとおり消費地札幌市に隣接しております。また、四つの大学があり、その中でも食品加工、農業に関連して、知的・人的な供給基地となる地域の大学として、酪農学園大学があります。さらには、北海道で唯一の食品にかかわる研究施設であります北海道立食品加工研究センターがございます。これは、ほかの地域には全くないものだと思っております。
 そして、この近隣の関係機関が互いの顔が見えるという優位性があると思います。どこのだれが作ったものか分からないものを作るのではなくて、この地域の非常に狭い範ちゅうで進めることによって、どなたが作ったのか、どなたがかかわったのかが見える製品ができる素晴らしい環境にあると思っております。
 そういうものをまとめることによりまして、この地域がクラスターを形成し、集合体になり得る可能性を十分に持っているということでありますので、品目又は製品によっては別の利点が出るかもしれませんが、そういう地理的な優位性を更に生かしていくことによって、江別市は、まだまだクラスター形成が可能で発展する地域であると考えております。
 したがいまして、北海道のほかの地域にはない特色を持ったものが、この江別市では可能となるのではなかろうかと考えております。
 もう一点は、名称の話と言いますか、PRの話でございましたけれども、私は基本的には、俗に言う名称が踊る、さらには言葉だけが踊るというのは、もうそういう時代は過ぎていると思っております。
 内容が伴ってきちんと説明ができて、ある意味では玄人の方から評価される企業誘致を行わなければいけないと思っていまして、私はそういうものに江別市は十分なり得ると思っております。
 それは先ほど申し上げました江別の優位性にも影響していると思いますけれども、そういう地域を目指したいと考えておりまして、結果として、この産業クラスター又はフードバレーというところに進むのであれば、なおさら素晴らしいものになるものと考えております。
 私からは以上でございます。

総務部長(北口彰君)

 私から財政調整基金の取崩しの関係につきまして再質問にお答え申し上げます。
 先ほどもご答弁申し上げましたように、財政調整基金には設置目的がございますので、それにのっとった形でそれぞれの時代に応じたと言いますか、そのときの市の政策を進めるに当たって必要な場合には、財源として考えていかなければいけないということを考えております。
 また、一方で、法で定められた積立ても適切に行っていくということで、今後も進めていかなければいけないと思っております。いずれにいたしましても、財政調整基金の活用に当たっては、行政改革を進めながら、コストの縮減を図るとともに、市財政の健全化を図りながら財政運営を進めるということが大事なことと考えております。
 以上でございます。

岡英彦君

 ご答弁ありがとうございました。
 最後に、コメントだけお話しさせていただきたいと思います。
 地域経済政策についてですけれども、正に今市長からお話しいただいたような内容というのは、産業集積なり産業クラスターを構成する各々の要素というものになっておりまして、非常にそういった方向が見えてきたなと思うところでございます。
 私としても、行政だけでやる話ではないと思いますけれども、江別市のこういった取り組みというのは、北海道をリードするような取り組みになるくらいの意気込みを持って、進めていかなければいけないと考えているところでございます。
 次に、財政調整基金の話についてですけれども、今ご答弁いただいたような内容は、これまでもお話をいただいておりまして、それは理解しているところでございます。一度申し上げておきたいのは、一昨年の12月に給与条例改正に係る総務文教常任委員会での質疑の中で、前総務部長から、江別市立病院の決算等の状況を踏まえた今後の財政見通しによっては、人件費などの経費を含めて、一定の聖域なき削減等に議論が及ぶのではないかといった趣旨のご答弁もいただいております。
 私が申し上げているのは、既に、今後の財政見通しというものは大変厳しいものがあるというふうに思っておりまして、こういった部分に関しましても、いつになったらこのような話を含めたご答弁をいただけるかということを考えているところでございます。今回ご答弁は要りませんが、平成20年度決算が出たり、今後の見通しが出てきたらご質問をさせていただきたいと思いますので、その際は、これまでのような通り一遍のお答えではなく、よくよく庁内でご議論いただいた内容をお答えいただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 以上です。

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