平成18年第4回江別市議会会議録(第3号)平成18年12月14日 7ページ
6 議事次第に続き
一般質問の続き
副議長(小玉豊治君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
伊藤豪議員の市立病院問題の責任を問うことについての質問を許します。通告時間30分。
伊藤 豪君
ふだんの政策や行政についての質問と違って、大変気の重い質問でございますけれども、頑張ってやろうと思います。
たまたま今日は12月14日であります。赤穂浪士討ち入りの日でございます。赤穂浪士の力を借りてやらせていただこうと思います。私ども自由市民政策会議は、7名しかおりません。いつも7名で力を合わせてやっておりますけれども、自由市民政策会議は始終7名でございます。
それでは、全力を挙げて質問いたしますので、しっかりとお答えをよろしくお願いを申し上げます。
今日、日本全国の病院は、医師不足問題という激流に洗われています。
医学の進歩に伴い、医術の専門化が進むと同時に、誤診など様々な弊害も現れるようになりました。そのために政府は、医療大学卒業の医師に、更に2年間の新医師臨床研修制度の履修を課しました。1年間に医学部を卒業して医師の国家資格を得る約7,500名の医師が、総合病院などで指導医の下、複数診療科の実例を学ぶことにより、深い専門性とともに、広い視野を持ち、患者に対して一層人間性豊かな医師として病気の治療に当たることができるであろうと期待されている制度であります。江別市立病院にも、数名の研修医が来られ頑張っておられました。
しかし、この制度は、全国の病院の医師不足を生む要因ともなりました。また、患者意識の高まりとでも申しましょうか、医療過誤を巡る訴訟も多数発生するようになり、それらの対象となりやすい産婦人科や小児科などを選択する医師が少なく、少子化の傾向とあいまって、これらの科目では更に困難を増しているようであります。
また、各大学の医学部においては、主任教授をリーダーとする若い医師群によって医局制度という研究と先進的治療のためのシステムがありますが、その維持もままならないと聞きます。
これらの医師不足をテーマとする様々な報道の中に、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、さらにはインターネットの情報網の中に、医師が一斉に退職して苦境に陥った病院の例として、必ずのように江別市が出てきます。江別市は医師に逃げられた都市として、全国に名前をとどろかせました。しかし、必ずしも正確な引用ではないと私は思います。内科医が全員退職した例示としては報道のとおりとしても、なぜ突然そうなったかの原因についてはほとんど触れられていません。報道としては余り意味のないことだからでしょう。しかし、江別市としては一番の問題点だと思います。
江別市立病院は、昨年まで、医師不足に若干悩みながらも、比較的安定経営の中にありました。新医師臨床研修制度による医師の不足問題や北海道の産婦人科の集約問題という医療業界の激流のふちにありながらも、その飛まつを浴びる程度の話でした。道都札幌市のベッドタウンという恵まれた地の利を享受しながらも、慢性的な赤字の市立病院の体質を5か年計画によってどうやって健全化するかという課題に今年度から取り組み始めたところでした。
給食センターなどの外部委託化による合理化計画は、取り組みが遅過ぎるのではないかなどと議会としても注文を付け始めたところであり、また、市内の診療所と市立病院の連携はうまくいくのかなどと質疑が行われていたのであります。計画では、5年後に黒字になる予定でした。
その市立病院を一挙に激動の渦に投げ込み、大量の医師不足、患者の激減、年度末には14億円を超える赤字を計上するという事態を引き起こすことになったのはなぜか。その真の原因は何か、本当のきっかけはどこにあるのか、いまだに明らかにされておりません。小川市長が説明責任を果たしていないのはこの点であります。
12人の内科医が次々と辞職、転勤、開業といなくなり、一人も残らない状況となって、患者には他の医療機関を紹介するという前代未聞の総合病院となりました。経営健全化5か年計画はどこかに吹っ飛んでしまいました。これは、決してただ単に医師不足の社会状況に江別市立病院が巻き込まれたからではありません。もし、きっかけがなくて、昨年どおりの経営が行われていれば、多少の赤字を出しつつも、12名の内科医のほぼ同数が江別市立病院で働いておられたことと考えますし、私ども議会も経営健全化計画の達成具合について穏やかに議論を重ねていたことでしょう。
今回の事件は、市民、患者に多大な迷惑を掛けるだけでなく、さらに病院と江別市の財政に多額の負担をつくり出し、そのことによって市民の税金を浪費することになりました。それも本年度末で約14億円を超えるわけでありますが、来年も再来年も続くでしょう。累積赤字は本年度末で50億円に達します。今話題になっているばんえい競馬の赤字は約40億円です。
こんな重大な問題なのに、小川市長は、そのきっかけについては、なぜか人事の問題には言及できないとして、口をつぐんだままで今日まできました。なぜ市立病院勤務の内科医は次々と全員辞職されたのか。なぜ地域の医療が崩壊し、なぜ市立病院が病棟を次々と閉鎖し、巨額の赤字が市民の負担となっていくのか。一連のドミノ倒しの最初のドミノを押したのはだれか。このドミノさえ倒れなければ、このような巨額の赤字と市立病院の経営再建という難事業が江別市民の肩にずしりとのし掛かることはなかったでしょう。市民の求める行政についての基本的な疑問に小川市長がお答えにならないとすれば、私どもは、市民に代わって、この疑問の答えを見付け出すことが職責を果たすことになると考えます。
市議会厚生常任委員会においても、宮澤議員、立石議員をはじめ多くの議員から質問が重ねられました。また、様々な関係者から漏れ伝わる話や、新聞などの報道を確かめる形での質疑も交わされました。その中から一つのストーリーが浮かび上がってきています。21年間病院に勤務されていた外科の副院長から、今年の3月ごろ、院内の管理者会議及び医局会議等の席上で、次期病院長としての内示があり、やがて病院長として皆さんにご協力をいただくことになるという発言があったそうであり、その話が院内に大きな波紋となって広がったという話であります。厚生常任委員会では副院長の名前まで出され、小川市長は個人名を挙げるのはまずいとは答弁しましたが、話の本筋については否定されておられません。
また、新聞記事によれば、既に他の医院に勤務されておられる宮本前院長は、次期病院長人事については相談はなかったと語っておられます。つまり、病院の設置責任者として病院長の人事権を持つ小川市長は、宮本前院長や北大病院第一内科の西村教授などへ何の断りもなく、根回しもなく、独断で人事権を行使して、外科の副院長を次期病院長として内示を出したということであります。
もう少し詳しくその背景を探りますと、江別市立病院は、約40年前から北大病院第一内科から医療の中核となる人材を送っていただいてきました。個々の医師の実情についても掌握している立場から、歴代の病院長についても配慮をしていただいてきたと聞いています。
今回も、宮本前院長が在籍9年に及び、そろそろご勇退という気持ちに配慮して、既に次期病院長候補と目される医師を院内に迎えていたそうであります。その方が宮本前院長に代わって、今年あるいは来年、江別市立病院の病院長の座にお座りいただいていたならば、市立病院は厳しい環境の中ながら穏やかに経営を続けていられたと思います。
しかし、突然これらの予定調和とも言うべき流れが断ち切られました。小川市長によって別の医師が次期病院長として内示をされたことが原因とされています。しかも、長年お世話になった北大第一内科はもちろんのこと、宮本前院長や次期病院長候補に予定されていた内科医師にも一切の事前の了解や根回し的な話もない出来事であったとのことです。
この件がきっかけとなって、12名の内科医師の辞職へ発展していきました。何の相談もなかった宮本前院長や次期候補の医師をはじめ、北大第一内科系の医師たちは、出身の第一内科へ顔向けならない、そして辱められたとさえ思われたのではないかと私は推察します。
そして、医師不足に悩む北大第一内科の医局にしても、江別市立病院がお世話にならないと言うなら大歓迎、その分の医師を他の病院にお世話できると考えたとしても不思議ではありません。
12名の医師の辞職後、事の重大さに驚き、慌てて新しく医師を求めたときに、初めて江別市立病院は今日の医師不足の社会状況に直面したのです。やっと3名の医師に来ていただくことになりました。
もとより江別市の市立病院の病院長の人事権は、法律上、病院設置責任者の江別市長にあります。例え長年お世話になった北大第一内科や宮本前院長に断りもなく、あるいはその考えに反して、小川市長がその権限を行使しても違法性は全くありません。しかし、余りにも悪いタイミングで、しかも、より悪い方向にその権限を行使したと言わざるを得ません。医師がちまたにあふれている医師過剰時代ならいざ知らず、日本中が医師不足に悩んでいる時期に、なぜ北大第一内科との関係を断ち切ろうとされたのかと思います。
そんなつもりはなかったと市長は言われるかもしれません。それならば、この決断、この選択をしたら結果はどうなるか考えもしないで小川市長は行政の執行に当たっておられるのか、疑問を持ちます。
第一の質問でありますが、小川市長は、平成18年3月の時期に、外科の副院長に次期病院長としての内示を出されるか、それに似た行動を取られましたか、確かめたいと思います。あるいはまた、内示はしなかったけれども、ご本人が勝手に内示をされたと誤解をして会議などで発言をしたということでしょうか。その事実関係だけをはっきりと話してください。答弁を求めます。
しかし、もしこれ以上人事を含めて原因について詳細を明らかにされないとしたら、事実を隠して責任の回避を図ってこられたと断ぜざるを得ません。
さきに進みます。
私どもは、小川市長が説明を回避しておられるので、不明な部分を含んだまま質問をしておりますが、不思議なのは、今申し上げた内示があったとすると、なぜ発令がなされなかったかの点であります。一つ考えられることは、内科医の次々の辞職の状況が明らかになり、小川市長が内示したのは間違いだったと考えて、内示を取り消されたのかということであります。あるいは内示を受けたご本人が、状況を見て病院長への就任を断ったのか、どちらでしょうか。どちらにしても、7か月に及ぶ病院長不在の異常な状況をつくり出しました。病院長もいない病院が内科医を求めてあちらこちらにお願いをして回る状況も、不思議な光景です。
このたび、梶井先生に病院長職に就いていただき、心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、小川市長の市立病院の経営や今後の方向性について、市長としてどんな情熱、思いを持っておられるのか、3月議会、6月議会、9月議会と毎回毎回お尋ねしてきました。余り芳しいご答弁をいただいたことはありません。
今回、事件の状況を考える中で、どうやら小川市長は北大第一内科の江別市への配慮を拘束と感じて、その関係を断ちたいと考えられたようであります。本当は病院長の人事権は江別市長にあるのに、余り相談もせずに、次々と病院長候補を北大第一内科は送り込んでくる。これでは市長としてメンツも立たない、市立病院や江別の医療について自分の理想を実現できない。この際、人事権を使って北大第一内科とのつながりを断ち、風穴を開けて江別市の将来の医療体制を発展させるのだとお考えになったのかもしれません。しかし、その英断は逆に働きました。大失敗でした。市立病院を崩壊させ、地域の医療体制に大きな穴を開けることになりました。小川市長の人事権の行使、次期病院長の内示に反発して、次々と内科医が辞任する事態を招くことになったと思われます。
ここで、第二の質問です。病院長職の内示に始まる市立病院問題の責任のすべては、仮にどんな経緯があろうとも、小川市長にあると思いますが、どのように受け止めておられますか。それとも、市長の人事権に反発して辞職された内科医師の皆さんに責任ありと考えておられますか。ご答弁を求めます。
以上は、初めにお断りしたとおり、混乱が始まった原因について市長が説明責任を果たさず、しかも、人事について話すことは誤解を招くことになると訳の分からない言い訳をしておられるので、私の推測は間違っているのかもしれません。間違っていたら遠慮なく指摘をされて結構でございます。
最近、気になることは、医師不足の状況の報道が多々なされることの中で、江別市立病院の昨年度までの劣悪な状況の改善策として、急きょ取られた対策の夜間急病診療所の分離・独立、今回提案された医師給与の改善策などが、江別市立病院問題のすべてであるかのような雰囲気がつくり出されていることです。
比較的安定経営を続けていた病院が、なぜ突然、内科医の総辞職、そしてばくだいな赤字を生むことになったのか、この一大失政の原因の究明、責任の所在の明確化をおろそかにして江別市政は前進しないと考えます。病気の源をしっかりと見極め、そこを治療すること、場合によっては外科的手術も必要となるでしょう。
9月議会の最終日、予告もなく突然、市長は、ご自身の給与の5割削減と、助役の補佐の責任を問うということで、助役の給与の3割削減の条例改正を提案され、可決されました。患者や市民に迷惑を掛け、市政を混乱させたということですが、なぜ迷惑を掛け、なぜ混乱させたのかの原因は明らかでなく、説明責任を果たしていないことに変わりはありません。また、市長に間違った判断をさせたのは、4年前まで病院事務長だった助役だけの責任なのか、現場に責任はないのか、不審に思います。
次の質問に移ります。
最近、江別市立病院あり方検討委員会をつくったと厚生常任委員会に報告があり、27日に会合が開かれたと報道されました。
小川市長は最近まで、責任を問われるたびに、元のように市立病院の医師を確保することが責任の取り方であり、相手のあることだが、10月をめどに頑張りたいと答弁しておられました。
聞くところによると、市立病院あり方検討委員会は、名前のとおり、市立病院の今後の在り方について検討するところだとのことですが、それでは小川市長は、医師を確保して市立病院を元に戻す方針を放棄して、縮小か、公設民営か、身売りか、廃院か知りませんが、いつの間にか方向転換をされて、なし崩し的に問題をすり替えつつあり、課題と責任を市立病院あり方検討委員会に丸投げしたと私どもは受け止めておりますが、間違っておりましょうか。
病院を元に戻せるなら市立病院あり方検討委員会は不必要なはずですが、いかがでしょうか。何のために市立病院あり方検討委員会を設置したのでしょう。最初にこの事件を引き起こした原因について明言せず、市立病院あり方検討委員会をつくり、次第次第に問題点をずらしていき、責任を回避しようとしているとしか思われません。恐らく今後は、例えば市議会の病院対策特別委員会などで、江別市立病院についての質問には、ただいま市立病院あり方検討委員会において、有識者の皆様によってご検討をいただいている最中であり、その結論を待っているところでありますとお答えになることでしょう。責任回避のアリバイづくりではありませんか。
第三の質問ですが、小川市長が約束していた医師の確保は3名にとどまり、市立病院は元に戻せないと判断したと理解しますが、そのとおりですか。市長から経緯の説明がないため、十分な理解のないまま、10月までに元に戻すとの市長の言明を私はばか正直に受け止めておりました。半年ほどの診療休止ならやむを得ないかとも考えていましたが、しかし長期にわたり、しかも、ほぼ元に戻らないと市長ご自身が考えているとしたら、状況は更に深刻であります。
10月までに元に戻すという言明の公約違反はもとよりのこと、改めて市民に対して責任を明らかにするとともに、この責任をどう取られるのか伺います。
仮に病院を元に戻す方策が得られたとしても、12名の医師を確保できる道が開けたとしても、患者の数を元に戻すことは容易ではありません。患者の皆さんは、命の問題ですから必死であります。少しでも評判の良い病院を頼ります。患者の数と収益を元に戻すのに何年掛かることでしょうか、私には想像もできません。市立病院の巨大な赤字は、来年度も再来年度も続くでしょう。
最近、気になることを聞きました。本庁舎の市職員の中に、病院問題は私たちに関係ないと考えている向きもあるとのことです。そんなことはありません。もし、市立病院あり方検討委員会が方向として市立病院の公設民営化を打ち出したとしたら、病院事業会計の廃止に伴い、その赤字は一般会計で抱え込むことになります。財政赤字解消のために、夕張市ばかりでなく、歌志内市は職員給与25%カット、上砂川町は同じく20%カットの健全化案を打ち出されてきました。市職員の方々も、病院問題や現在の市政の在り方をどうか我が事としてもっと深く考えていただきたいとお願いを申し上げます。
病院問題の第四の質問であります。
ある市民の方から、小川市長はなぜ辞職しないのかと尋ねられました。市立病院を崩壊同然に陥れ、患者や市民に多大な迷惑を掛け、巨額の赤字をつくり出し、今後の市政に暗い影を長く落とすことになる。江別市の行政史上も例を見ない失政、仮に3期間の市長の退職手当約6,000万円を全部返していただいても焼け石に水のような状況。もちろん、そんな非情な要求を市民はしないと思いますが。それなのに、なぜ小川市長は責任を取って辞職する道を取らないのかという市民の疑問です。私はこの疑問をそのまま小川市長への病院問題最後の質問といたします。お答えください。
市議会多数の与党に支えられ、確かに任期は来年4月30日まであります。そして、是々非々党の私どもの自由市民政策会議という会派は少数で無力で非力です。残念ながら、辞職勧告決議案を提案しても、恐らく否決されるでありましょう。また、市長のリコール制度というのもありますが、有権者9万人の3分の1の賛成署名を1か月以内に集めるというのはハードルが高過ぎます。そんなことをしている間に、また、そんなことをしなくても、来年の春には任期切れで辞めるんだからとの声もあります。
江別市史上まれな一大失政を引き起こしながら、しかもその引き金を自ら引き、言わば火を着けておきながら、今度は消火活動の指揮を取っておられる。不思議なことだと思います。
この際、責任を自覚されるなら、潔く身を引かれ、新しい市長に後始末、つまり市立病院の今後を託すのが道ではないかということであります。12万4,000人の江別市民の中には、失礼ながら、小川市長よりも若くて優秀で意欲に燃えた人材が多数いると信じています。どうか市民を信頼してください。
しかし、市長は、この難関はご自分しか越えられないと思い込んでおられるのかもしれません。そのために、任期まで続けられた上、4期目も続けて出馬されて、病院問題の解決に当たりたいと考えておられるのかとも思います。なぜなら、幾ら優秀な市立病院あり方検討委員会の方々の案にしても、来年3月までにこの問題に答えを出し解決をすることは困難ではないかと思うからであります。解決までに2年ないし4年ぐらい掛かると思えば、小川市長の4選出馬もあり得るかなと愚考いたします。
なぜ辞職をされないで頑張られるのか、その思いを聞かせていただいて、今後の市政に生かしたいと思います。
たくさんの疑問がありましたために、どれが質問事項であるか大変迷われるのではないかと思いますので、簡単に要約をいたしますが、第一の質問は、次期病院長職について内示を出されたその事実関係についてであります。
第二は、責任のすべては仮にどんな経緯があろうとも小川市長にあると思うがどうかということであります。
第三は、10月までに元に戻すという言明の公約違反、もとよりのことですが、市民に対してこれらの問題で責任を明らかにするとともに、この責任をどうとらえるかということであります。
第四は、なぜ退職されないのか。例を見ない失政を行われたのに、なぜ辞職をされないのかという点であります。
以上でございます。
副議長(小玉豊治君)
伊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
伊藤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
病院長人事に関してのご質問でありますが、人事案件にかかわることでありますので、事の性質上、答弁には限界がありますことをまず冒頭、申し上げておきたいと存じます。
病院長人事については、宮本前院長の後任として、院内からの登用を念頭に人選をし、内示を行ったことは事実でありますが、任命するに至らず、当分の間、病院長職務代理者を充てることにしたものであります。
後任人事についての内示に至るまで、そしてその後のことについては、誤解と憶測を招くだけでありますので差し控えたいと存じますので、ご理解いただきたいと存じます。
次に、責任についてどう受け止めているかとのことでありますが、4月当初から病院長空席の中で病院経営を余儀なくされ、また、内科系医師全員が退職するに至ったことは、人事権者として、その責任の所在は私にあると基本的に認識をいたしております。
それから、10月までに医師確保に目途が付かなかったことの責任についてのお尋ねでありますが、当初から私は医師確保を最優先に考えており、北海道大学医学部及び札幌医科大学の各医局に派遣要請に奔走する一方で、こうして病院長不在期間が長期に及ぶことは、来年度予算編成を控えていることなど病院経営上、回避すべきとの判断から、梶井病院長を11月10日付けで任命したところであります。
こうした中、市立病院の独自の対応により、11月から1名の内科医を採用したほか、北海道保健福祉部のご支援を得て、懸案でした複数の内科医師が、今後、東京の民間医療組織から派遣されることになっております。私は10月を目標に医師確保をしたいと申し上げていたことからすれば、時期は遅れましたが、何とか最小ではありますが診療体制を確保できることになるものと考えております。
また、この間にあっては、医師の過重な勤務環境を改善するために、議会のご承認をいただき、10月から夜間急病センターを分離・開設しましたし、医師処遇改善の一環として給与見直しを今議会にご提案しているところであります。このことは今後の医師確保に結び付くものと確信をいたしております。
先ほどの坂下議員の一般質問にもご答弁申し上げましたが、先月27日に市立病院あり方検討委員会を発足させ、年度内を目途に、市立病院の役割や果たすべき機能、さらに地域医療を確保するための方策等、一定の方向についての答申を得たいと考えております。
伊藤議員は責任回避ではと、こういうことでありますが、全くそのようには考えておりません。
次に、私の任期のことに触れての責任についてのお尋ねでありますが、伊藤議員ご指摘のとおり、近年にない最大の難局であると認識しておりまして、さきの議会で、責任の一端として私と助役は給料の減額を申し出、承認をいただいたものであります。
市立病院の再建に向けては、市民の切実な要望にこたえるためにも、これまでの取り組みをたゆまなく続け、医師を確保するために全力で行動することが私に課せられた最大の責任であると考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
伊藤 豪君
病院長職の内示をしたのはご本人であって、それは事実だということを初めてお認めになったんですけれども、私どもはそういう説明が今までずっとないままきましたから、例えば9月議会で私は、経営健全化5か年計画がお医者さん方が退職をされたご不満の原因なのかというふうなことを質問いたしました。全く的外れな質問であったわけで、今思えば本当に赤面の至りであります。しかし、恐らく答弁をされながら市長は腹の中で笑っておられたのではないかなと、今、誠に悔しい思いをしているわけであります。なぜ今まで、この病院長職の内示が原因で引き金となってこういう事態になったということをお認めにならなかったのか。尋ねなかったから悪いというご答弁はちょっとなじみませんけれども、隠し続ける形になったのはなぜか、一つこの点をご答弁をいただきたい。
例えば、元看護師の方々が大勢の署名を集めて市長のところへ、病院を元に戻していただきたいと、陳情に伺ったというふうに新聞にも報道されておられましたけれども、どういう思いで市長はそのときおられたのか。いや、あれは私が内示を出したのが原因でこうなりました、申し訳ありません、そういう話を恐らくされなかったと思うんですけれども、その元看護師方のお気持ちを思うと、今まで市長が黙っておられたというのは誠に残念なことだと思います。
なぜ任命に至らずに7か月も病院長が空白になったのか、この辺も疑問に思うところですけれども、内示は間違いだったと認められますかどうなのか。なぜ遅れたのかということと、内示は間違いだったと確認されますかどうか、この点を再答弁をお願いしたいと思います。
それから、病院問題の責任のすべてはあるということでしたけれども、病院長の不在と内科医総辞職ということについての責任は触れられましたけれども、そのほかの患者の転院とか、病棟の閉鎖とか、巨額の赤字とか、流れとして、早く産婦人科が引きはがされたと言うと失礼かもしれませんが閉鎖になったこと等、そしてまた来年の春には四十数名の看護師が大量に退職をされるということは、仮に先ほども申し上げましたが12名の医師が戻ってきても、病棟が再開されないということにもつながるわけであります。これらについては責任はすべて市長にある。わざわざもう一度念を押すまでもないと思いますので、答弁は要りません。
それから、3名で最小の診療体制を得て、元に戻すことになったというふうなお話ですけれども、ちょっと認識というか、考え方が甘過ぎるのではないかと思うんです。元に戻らないという認識がおありなのかどうなのか。平成17年の3月期のその状況に戻らないという認識がおありなのかどうか、そこの点を伺っておきたいと思います。
市立病院あり方検討委員会に今いろいろとお願いをしているようですけれども、厳しいことを言わせていただきますと、この北大第一内科、大変にお医者さんの世界というのは職人かたぎで、何かそういう厳しい世界なんだということをおっしゃる方がいて、その方の話では、今、社交辞令として江別市立病院について考えますよと。こうおっしゃってくれてはいるけれども、実際はそういうことはもう今後ないだろうと。やはり極端な言い方ですけれども、責任者の首を持って行かなければ元に戻ることはないのではないかと、こんなふうな話をする医療関係者もおられます。そういうことを考えると、この元に戻らないという認識で、ここを市長がしっかりと考えているのかどうなのか。そこを承りたいと思います。
それから、最後のなぜ辞任をされないのか、これについては明確なお話がなかったように思います。いまだに医師確保が最大の責任であると、これだけがすべてであるかのようなご答弁でございましたけれども、私がこの際問いたいのは、市長としての最大の仕事というか、市長という立場にある方の最大の眼目は何かということなんです。私は、市民と信頼のきずなを築いていくこと、そこに一番の市長という立場、リーダーとしての立場の課題というか、果たし続けなければいけないテーマがあると思うんですけれども、今、その点では市民と市長の間の信頼のきずながこれほど弱まった時期はない。安倍内閣も何か支持率が落ちたと言って新聞紙上で騒いでおりますけれども、江別市政ではそれ以上にもっと深刻な状況ではないかと思うんです。市民だけでなく職員の信頼さえも揺らいでいるのではないか。市民との信頼関係、これについてどう考えておられるのか、辞職はされないということのようですから、せめてそのことについてご答弁をいただきたいと思います。
市長(小川公人君)
伊藤議員の再質問にご答弁を申し上げます。
まず、内示の件でありますけれども、過去においても内示についての否定はしてきておりませんでしたけれども、とにかく端的に申し上げて、いろいろと本人に結び付くことが派生してきます。では、なぜ、なぜというふうに次々と派生してくることになります。過去においても人事に関しては、仮にいろいろ聞かれても、なぜ登用したかと、こういうことではもちろんアバウトにその人材の能力を評価して登用しましたとは言っても、これこれしかじか、いきさつまで申し上げてきたことはありませんし、またこれからも特別なことでなければそういうことはないだろう。人格にも個人的なことにもつながってくるということで、せんさくにもつながるということで控えてきたところでありますので、その点はそのようにご理解をいただきたいと思います。
それで、それが間違いだったのかどうかとこういうことで、間違いだったとかそうでないとかという問題ではなく、そういう判断をしましたけれども、結果としてそういう結果を得るに至らなかったということで、病院長職務代理者という形でお願いをしてきたというのが現実であります。
それから、元に戻す戻さないという話ですけれども、これだけは申し上げたいと思いますが、私は一度もこのことで元に戻すという、そういう言質、言葉で申し上げたことは一度もございません。特にいろんな質疑の中で、12名という内科医をそこまで元どおりにということはよほどでないと難しいということは、むしろ申し上げてきたかもしれません。しかし、とにかく内科医の確保ということが他の診療科も含めて非常に重要ということで、当面は1人でも2人でもとにかく内科医の複数医確保のために奔走するということを申し上げてきておりますので、その点はそのようにご理解をいただきたいと存じます。
それから、なぜ自ら辞職をしないのかと、こういうご質問でありますけれども、私は基本的にこういった職に恋々としてしがみつくつもりは毛頭ありません。事の判断で私は私なりに、今回の一連の件で、どうあろうとも市民にいろんな形で迷惑をお掛けしたということでの一つの責任の取り方、自己制裁ということで、先般、給与の削減についてご提起をさせていただきました。しかし、今この難局の中で自らここで辞職するということは、むしろ仕事を直前でほうり出して投げ出すことに等しいのではないか。
今回の議会の冒頭に特別委員会が設置されたわけであります。伊藤議員が委員長になられているわけでありますが、今回それぞれの会派の代表の高間議員、堀内議員、丸岡議員、宮澤議員、森好議員、そして立石議員と、いわゆる会派の代表の方が全員名を連ねて、立石議員が代表発議で特別委員会の設置の決議案を提案理由説明されて、その趣旨についてもいろいろと言われておりますけれども、地域医療を守るためにも経営体制の立て直しが急務である。いろいろと背景的には医師偏在、医師確保の難しさはあるけれども、そういった中で、これまで厚生常任委員会でも議論してきたけれども、今後、医師確保の課題、経営改善、市民が望む医療機関としての在り方、こういったことを短期集中的に対処することが望まれるんだと。そういうことで、当面する諸課題の解決に向け総合的に調査をするんだという決意を申し上げられてスタートしている。
この委員会がスタートされたその直後に、むしろ私が投げ出すということになっては、私は戦前の生まれですけれども、軍事的用語は余り使いたくありませんが、いかにも敵前逃亡のように仕事をほうり出すようなことは、本当にむしろそれはひんしゅくを買うのではないかと。私はそういうふうに受け止めておりまして、どんなに困難であっても、全議員の皆さんの今後の方向を何とか探ろうということからすれば、むしろ私も頑張って、何とかこの任期の中で一つの活路を見いだしたいということで全力を尽くすことが、今、当面私に課せられた責任であろうと、このように思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
最後に、職員の信頼ということでありますが、少なくともこういう事態を招いてきたということでは、職員も不安に思い、いろんな疑問点もあるのかもしれません。そういったことでは、一つひとつ確かめたわけではありませんけれども、今後そういう職員の不信が広がらないように、また庁内あるいは全庁的に全力を尽くして努力をしたいと思っておりますので、ご理解いただきたいと存じます。
市民と私との関係ということでありますけれども、私は過去の議会あるいは委員会でいろいろと説明責任ということでどうなんだということを問われたことがあります。そこで私は、今、当面は医師確保にとにかく労力を割きたいということで、そこに重心を置く中で、改めて市民に一つのこの病院問題で、そういう場を数多く設定して説明していくというその時間をなかなか確保できない。いろんな機会に申し訳ないけれども便乗させていただく中で、機会あるごとにこのことについては触れていきたいと、こういうふうに申し上げてきました。そういうことでは、このことだけを目的とした数多くの市民説明会を開催してきておりませんから、十分行き届かない部分でのまた不信感が横たわっているかもしれませんが、いずれにしても、不安に思っておられることは事実でありますから、信頼ということについては、そういった面で少し皆さん方のご批判ということは横たわっているのではないかと思っておりますので、全力を尽くしてまたその解消のために努力をしたいと思っております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
伊藤 豪君
今後、市民への説明を続けられるということですけれども、最初に申し上げたように、その原因のところが今まで不明できたわけですよね。市長自らが私の内示が、そこの時点が間違ってというか、錯誤というか、その時点からスタートしてこの病院問題がこういうことになったんだと、巨大な赤字を生むことになったんだと。そこを市民への説明のときに、はっきり自分の責任を認めてですね、説明されるんなら入っていただきたいと思うんです。今まで私どもでさえその原因が訳も分からずに、先ほど申し上げたように、こういう重大な問題について隠しておられたんじゃないか。それは人事のことだから、いろいろな誤解を招くからどうのこうのとおっしゃいますけれども、事はただ人事や個人のプライバシーの話ではないわけですよ。この大変な一大失政は私が引き起こしましたと、そういうことをしっかりと認識をされてというか、市民とお会いになったときに、あるいはいろんなところでごあいさつをされるときに、そのことを今度はしっかりと言ってください。と要望します、一つは。
それから、もう一つは、今辞めたら仕事をほうり出すことになるのではないか。責任をほうり出すことになるのではないかというふうな答弁でしたけれども、ご承知のとおり、市立病院あり方検討委員会という専門家を中心とする委員会ができたんです。それから、病院対策特別委員会も議会の中にできました。どんなふうな連携、どんなふうなつながりになるのか分かりませんけれども、市立病院を何とか立て直していこうと、そういう方向で私たちは働かなければいけない立場にあります。しかし、そういう問題で、その仕事をつくってくださったのは市長なんです。市立病院あり方検討委員会で、専門家チームがこういう方向へいったらどうだこうだというような議論があり、それを恐らく受ける形になりますけれども、病院対策特別委員会でもまた議論をする形になる。別の方が市長であっても何ら差し支えはないんです。自作自演の小川市長でなくても差し支えない。私はこのように認識して、今回質問をさせていただきました。
病院対策特別委員会を私は余りつくる必要はないんじゃないか、厚生常任委員会で十分じゃないかと思っていたんですけれども、議会全体の合意の中でこれをつくるということになり、たまたま委員長に選任されましたけれども、何か船のかじを取ってくれと言われてかじを取ってみたら、水の入ってくる船なんですね。もう元の港には戻れないよと、何でこの水が入ってくるんだと。何か船長が帆柱を取り替えたくて根っこに一撃を加えたようだ。そんな船でしかも、どこの港に着いていいのか、行き先が定まっていない。これは大変なことだと思いますよ。一つそこの責任問題についてもう一度お考えを求めたいと思います。
市長(小川公人君)
責任問題を改めて問うという再々質問でありますけれども、率直に私は今ここで踏みとどまって、議会の皆さんも超党派的に全議員と言って過言でないそれぞれの意向を受けた決議の中で設置された委員会で、最大限今後の対応、方向について、また求められることについてお話をするために踏みとどまって、仕事の一つの見通しと言いますか、きっかけとなる取り組みについてご提起していくことが最大の責任の取り方であろうと、このように思っておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。
以上です。
副議長(小玉豊治君)
以上をもって、伊藤議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
吉本和子議員の市長の基本姿勢についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。