平成18年第3回江別市議会会議録(第5号)平成18年9月26日 6ページ
6 議事次第の続き
議案第57号
議長(岡村繁美君)
日程第18 議案第57号 江別市廃棄物の処理及び資源化・再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
環境経済常任委員長の報告を求めます。
環境経済常任委員長(清水直幸君)
ただいま上程されました、議案第57号 江別市廃棄物の処理及び資源化・再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定について、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
条例改正の趣旨は、一般廃棄物と併せて産業廃棄物として処理してきた、公衆浴場から生じる燃え殻や食品製造業から排出される動植物性残さ等の受入れを廃止しようとするものであります。
主な質疑の概要を申し上げますと、受入れ廃止に至る経過についての質疑では、現在、市が限定的に受け入れている産業廃棄物の大半は、資源化できる動植物性残さである。いわゆる食品リサイクル法の趣旨に照らしても、市が焼却処理をするより再生利用する方が望ましいことから、今後は民間事業者に処理をお願いするとの答弁がありました。
また、市と民間事業者において処理する料金は変わらないのかとの質疑があり、答弁では、動植物性残さの処理に係る料金自体には大きな差はないが、収集運搬を許可業者に委託する場合、搬送距離によって委託料に違いが生じるとのことであります。
以上の質疑を踏まえ採決を行った結果、議案第57号は全員一致をもって原案のとおり可決すべきものと決したものであります。
委員会の審査経過と結果につきましては以上のとおりでありますので、よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。
議長(岡村繁美君)
これより環境経済常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で環境経済常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第57号 江別市廃棄物の処理及び資源化・再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第57号を採決いたします。
議案第57号は、委員長報告のとおり原案のとおり、決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
議案第58号
議長(岡村繁美君)
日程第19 議案第58号 江別市野幌駅周辺土地区画整理事業施行条例の制定についてを議題といたします。
建設常任委員長の報告を求めます。
建設常任委員長(矢澤睦子君)
ただいま上程されました議案第58号 江別市野幌駅周辺土地区画整理事業施行条例の制定について、審査の経過及び結果をご報告申し上げます。
委員会の開催日はお手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
このたびの条例制定につきましては、市が土地区画整理事業を施行しようとする場合、土地区画整理法に基づき事業の施行に必要な施行規程として事業の名称、範囲ほか必要な事項を条例で定めるものであります。
初めに、主な質疑の概要を申し上げますと、土地区画整理審議会の委員構成等についての質疑があり、委員の任期は5年で、委員定数10名のうち8名を土地所有者及び借地権者とし、それぞれ地権者の人数割合により選出され、残りの2名を学識経験委員とするものであるとの答弁がありました。
次に、今後、地権者や関係者と協議を進めていく上で関係者の利便性を考慮するほか、信頼や協力を得るためには現地事務所の設置が必要ではないかとの質疑に対し、現状では適当な場所や建物が見付からず、建物の賃借料をはじめ、維持管理に必要な各種費用が掛かるため、地権者に対してもこれまでも積極的に現地に出向き理解を得ていることから、引き続き今後の推移を見ながら検討してまいりたいとの見解を示されております。
また、市施行と組合施行の土地区画整理事業を比較した場合、市施行事業は事業費に占める人件費の割合が高いのではないかとの質疑があり、答弁では、事業費の中には工事費や人件費が含まれており、国の指導マニュアルに基づき人件費を計上するものであると述べられております。
次に、討論では、賛成の立場の委員からは、市の総合計画に基づき進められてきた江別の顔づくり事業を実施する上で必要な条例制定であり、事業の施行に当たっては地元住民の権利や資産にかかわる事業なので、対話と理解が不可欠である。市民が将来のまちの環境を考えることで、江別の顔となるまちが誕生することを確信し賛成する。
また、賛成の立場の別の委員からは、長年の計画が都市計画決定され、いよいよ事業の実施に向かって進んでいく中で、地権者と十分なコミュニケーションを取るために現地事務所の設置を要望するほか、併せて清算金の徴収・交付の年数を少しでも短縮し事業費の削減に鋭意努力されることとし、賛成すると述べられています。
以上のような質疑、討論を経て採決を行った結果、議案第58号は全員一致をもって原案のとおり可決すべきものと決したものであります。
委員会の審査経過と結果につきましては以上のとおりでありますので、よろしくご審議、ご決定くださいますようお願い申し上げます。
議長(岡村繁美君)
これより建設常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で建設常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第58号 江別市野幌駅周辺土地区画整理事業施行条例の制定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
森好 勇君
議案第58号 江別市野幌駅周辺土地区画整理事業施行条例の制定について、反対の立場で討論をします。
都市計画決定に基づく区画整理事業を進めるための条例制定ですが、議決機関としての議会に直接的な判断、賛否を明らかにする唯一の機会です。事業計画案は議決の対象になっていませんので、それらを含んでの討論をいたします。
事業計画そのものは自治体の理事者が立案し、知事の認可を受けて本格的な事業執行ということになります。都市計画も法の建前では市町村が立てますが、実質的には国土交通省の手に握られていると言われています。区画整理の事業計画はその都市計画に従わなければなりません。要するに、中央と地方の官僚機構指導の下に事業が行われていることです。
土地区画整理は都市計画の下位に位置し、幹線道路、広場、公共施設などの土地確保のため地権者から土地を減歩という形で提供してもらうことです。その理由として、土地区画整理法の第1条には、健全な市街地の造成を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とするとしています。
江別市の場合は、南北市街地の一体化と中心市街地としてのまちづくりを実現、駅前広場や都市計画道路等の公共施設の整備改善、拠点街区等の形成を図るとし、整備効果として、一つに土地の利用価値が高まる、二つに鉄道やバスの利便性が高まる、三つに都心の玄関口にふさわしい町並み形成が図られるとしています。
今回の施行条例は区画整理の実施要綱であり、その内容は直接住民の利害に影響します。特に、土地評価のやり方については重要です。この評価によってそれぞれの減歩率が異なり、地権者によっては清算で、徴収又は交付がされる区画整理の核心をなすものです。
土地評価の目的は、(1)換地の設計、(2)清算金算出、(3)減価補償金算出、(4)保留地の地積を決めることで、一般的には路線価式評価法が取られ、評定算式として街路係数、接近係数、宅地係数の三つの係数を加えたものが路線価で、これを点数で表し、後で単価を決めるというものです。
先ほど、土地評価の目的の一つに減価補償金算出があると申しましたが、区域全体で宅地の資産価値の総額が前より減った場合、減価補償金で先買いをし減歩率を下げることにつながります。今回の事業では7,000平方メートルを先買いし、平均減歩率を13%としています。
不思議に思うことは、土地の評価が決まっていない段階で先買い面積を決めていることに矛盾があります。要するに、施行前宅地面積と施行後の6.3ヘクタールの資産価値が同程度と試算をするには、先買い7,000平方メートルが必要だったわけです。いわゆる、減歩から逆算して土地評価を決めていることになっています。
次に、区画整理事業は道路事業とも言われますが、今回の計画は広場も含め、性格からして受益者の範囲も広がり、施行区域の地権者等に限定できない公共施設であります。そのことからして、区域内の住民にのみ負担して公共用地を確保することには論理的に無理があります。地権者等関係者によっては、平静な生活環境を希望している住民にとって道路新設、拡幅は騒音、排気ガス、交通公害等をもたらし、この事業が迷惑施設となる場合もあります。
次に、市長は事業費については身の丈に合ったものにするため施行面積を縮小し、市の負担を当初計画の半分近くの113億円まで縮減することで身の丈に合った事業費であるとしています。しかし、今後の江別市の財政状況は明るい見通しはなく、地方交付税の削減、扶助費、繰出金の増すうで来年度以降、毎年歳入不足が生じ、平成20年度以降は10億円以上の収支差額を予測しています。
そのことからも、開発型予算に回す財政的余裕はないと思います。健全な財政運営をする点で市債発行を抑制することが重要であり、長期的観点で公債費比率を下げることが求められています。顔づくり事業のような投資的経費で行えば、従来の行政サービスの継続はできかねることにつながります。市長は、将来を見据えて価値ある事業と考えているようですが、50年、100年先より現実の市民生活を優先させた施策を住民は望んでいます。
また、15万人都市プランは破たんし、平成30年代には人口の減少、少子高齢化が一層進むとされています。子育て支援、高齢者福祉などにこそ予算を優先しなければならない時代すう勢であると思います。憲法、地方自治法に基づく住民サービスをする上でも、借金を上乗せする財政運営は好ましくありません。
最後でありますが、江別の顔づくり事業に基づく土地区画整理事業については、少子高齢化、人口減など社会環境の変化に対応したまちづくりを求め、真の協働でもっと時間を掛けて議論すべきです。高度成長期のハードと言われる道路拡張や箱物優先でなく、高齢者、子供たちが歩いて暮らせる人中心のまちづくりへの転換で、だれもが住んで良かった、だれもが住みたくなる江別のまちづくりを願うものです。江別の財政分析からも、区画整理事業だけでも江別市負担の57億円は今後の財政運営を一層困難にすることになります。医療、介護、福祉、暮らしなどの施策充実こそ市民が期待している課題であることを指摘して反対討論といたします。
以上です。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
星 秀雄君
議案第58号 上程になっております江別市野幌駅周辺土地区画整理事業施行条例の制定について、委員長報告のとおり賛成の立場で討論に参加します。
長い間の市民の悲願であり、また江別市の顔として野幌駅周辺の立体交差事業、街路整備事業、土地区画整理事業の三点セットを長年調査・研究し、議会で審議を重ね、市民の理解を得たものと思います。事業実施に当たり、係る条例の制定を必要とするものであります。
このことは、地権者並びに行政との間に十二分にも対話と理解を深めていくことが不可欠であり、住民が住んで良かったという環境づくりと、江別市の顔となるようなまちづくりをされることで確信を持った事業計画そのものであると思います。
多額の費用負担は市民に発生するかもしれませんが、その縮減にはスムーズに、できるだけ事業期間を圧縮することと、特に清算金の徴収、交付の年数を少しでも短縮し事業費の削減を図り、次代を担う子供や孫に素晴らしい遺産を残していくように、事業完成に向けて鋭意努力されるよう申し上げまして、賛成の立場の討論といたします。
以上です。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第58号を起立により採決いたします。
議案第58号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。