平成18年第3回江別市議会会議録(第4号)平成18年9月15日 7ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(小玉豊治君)
以上をもって、島田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
伊藤豪議員の市立病院問題についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。
伊藤豪君
第1点として、市立病院問題について伺います。
市立病院の健全な運営を願って、今日まで質問を続けてまいりましたが、その願いとは裏腹に非常事態、危機的な状況に立ち至ってしまった病院を前にして、何かむなしい気持ちに陥りますが、頑張って質問をいたします。
内科医に一斉に辞められた江別市立病院、大量の医師に逃げられた江別市、こんな内容の本当に恥ずかしい記事が新聞の一面を飾り、連日のように続報が載っています。もちろん、医師不足の社会的状況もありますが、江別市の場合は、大学病院から研修医が引き揚げられたわけではなく、どう見ても医師たちに見捨てられ、逃げられたのであります。市立病院に入院、通院されておられた患者さんや市民の皆さんのご不自由、ご不便は申すまでもなく、患者さんの中に病状を悪化させた方はおられないのだろうかと心配であります。
江別市の市民というだけで、何か恥ずかしい思いをしていますし、市会議員として、今後他の市に行政調査に顔を上げて行けない、そんな気持ちであります。風評被害どころの話ではありません。もちろんのこと、市民の皆さんから、市会議員は何をやっているんだと多くの詰問をいただきました。日ごろ市民を代表してなどと胸を張っておきながら、行政の執行にこんなばかな状況を許すのは、市会議員の怠慢だとも言われております。なぜこんな事態になったのだと皆さんから問われ、私どもも市長をはじめとする理事者にあれこれと質問をしてきたわけですが、いまだに確とした十二分に胸にすとんと落ちるといった回答をいただけません。
そこで、私は私なりに過去の質問を通じて知り得たこと、仲間の議員と意見を交わして確認したことなどからその原因と責任について、市民の皆さんに筋の通った話として理解いただけるよう考えてみました。そこから浮かび上がってきたことは、市立病院が様々な問題を抱えていたこと、その問題に気が付きながらも、市長などの理事者、新聞の表現を借りれば、市長の側近である歴代の病院事務長が問題の解決を怠り、先送りしていた状況であります。これも報道によりますが、市長は病院の問題は人任せにしていたとも語っております。無責任の極みでありますが、その言葉で、なるほど市立病院が放漫経営というか、散漫経営というか、慢性的赤字体質に陥っていった真の原因を見る思いがいたしました。
日ごろ市立病院は赤字なんですよと、市民に説明しますと、外来の診察はあんなに込んで待たされるのにどうしてですかと反問されます。私自身、どうしてなんですかねと、首をひねるほかなかったのですが、今なら放漫経営のせいですよと確信を持って答えられます。
今日まで市立病院は、開業医養成所と陰口を言われるぐらい、多数の勤務医が患者もろとも市内に独立、開業されておられます。内部から患者名簿の提供さえ一時期あったと言われています。近所で開業されたのでは、市立病院経営の重荷になるから困るといった理事者からの働き掛けは皆無だったと思われます。理事者の答弁は、医師には職業と住居の自由があり、しかも人口の増えつつある江別市は、まだ医院新設の余地はありますと、市立病院経営とはよそごとの発言であります。確かに、北大第一内科に頼めば、すぐに補充してくれるし、病院の建物は新しいから患者は集まるしといった環境ものんびり経営の赤字体質を助長したように思います。
こうして市立病院は急性期の患者を対象とする際立った特色もない、ごく普通の一般的な病院として赤字をたれ流しながら今日まで来ました。そして、病院と医師と行政との間には、経営について何の一体感も、連帯感もなく、両者のきずなの全く弱い病院であり、その中心に小川市長の人任せ運営状況があったということになります。
赤字の累積に少しの危機意識を持って、平成16年度、コンサルタントに約1,100万円で依頼して経営診断書を作られました。その経営診断書は、次のように述べています。先ほど齊藤議員も指摘したところでありますけれども、同じところを読み上げます。民間医療機関は、生き残るために血を流すような経営努力を重ねている中で、自治体病院のみが公共性の発揮という名目で危機意識もなく赤字経営が容認され、しかも職員は給与や多額の退職金が保障されるといったことが、世間に納得してもらえるような時代では、既になくなっていると江別市立病院のことを指摘しております。地方公営企業法の全部適用への移行を中心とする諸対策を挙げ、さらに札幌市より死亡率の高い三大疾病、がん、心臓疾患、脳血管疾患への対応こそ、行政の見逃してはいけない現実であると、市立病院の立ち向かうべき方向を指し示しているのであります。
しかし、この的確で鋭い指摘は見事に無視されました。先ほど島田議員も触れた経営健全化5か年計画は、経営の目標の設定が市立病院はどんな医療を目指すかではなくて、単なる赤字克服の実践プログラムに引き下げられ、しかも実行の強力な武器となるはずの地方公営企業法の全部適用を目標とするどころか、一言も触れられていません。
現在、内科医総辞職の原因は、夜間急病診療所による過重労働説が理事者から強く打ち出されています。しかし、私は、どんな病院経営を目指すかの目標も示されず、合理化を強力に進める体制もつくれずに、赤字を埋めるためにさらに医師の働き、過重労働に期待するかのような経営健全化5か年計画が内科医が市立病院勤務を辞退する大きな要因となったと思うのであります。
経営診断書が示したように、三大疾病の治療に特色を持ち、病診連携のネットワークの中心にある市立病院であるならば、勤務医の皆さんにとって技術の向上にも貢献し得る魅力ある職場になり得たし、厳しい勤務にも耐えていただけたのではないかと思います。いわゆる最高学府で学び、他に抜きん出た資格をお持ちの医師たちが、勤務が過酷である、あるいは人事に不満がある、そんな事柄で7人もの医師たちが次々とお辞めになるものかと、私は思うのであります。患者を放棄するのかと社会的非難さえ受けかねません。そんな状況の中で、内科医の皆さんの行動は、空虚な経営健全化計画、そんな計画しか作れなかった最高責任者に対する失望感、さらには先ほど申し上げたきずなの弱さが市立病院からの離任を促したと考えます。
確かに過酷な労働条件ではあったと思いますが、その条件を言わば百も承知で、プロとして勤務を果たされた先生方であります。医師としての理想を追うことができなかった市立病院の経営責任者こそ責められるべきと思います。
以上は、私の推論でありますから、答弁をいただこうとは思いません。しかし、覆水盆に返らずと申します。小川市長が市立病院という容器からこぼした水は、果たして元に戻るのでしょうか。
それでは、質問に入ります。
第1点、今日までの経過を委員会審査や報道で見る限り、市長は市民に対して説明責任を十分に果たしたようには見えません。私の推論は別にして改めて内科の医師たちが職を辞した原因がどこにあると市長は考えているのか、確認をしたい。そして、その事態を招いた責任はだれにあるのか伺います。市長によれば、その責任は宮本前院長にあるかのように聞こえる発言を厚生常任委員会で繰り返しておられたので、改めて伺います。時間を掛けてゆっくりと話してください。
第2点、私は以前、市長は病院の中に入り病院長を助けつつ、医師をはじめ職員たちとしっかりと対話をしてはいかがかと伺いました。それなりのことはしているとのご答弁でしたが、改めて伺います。
では、医療職の先生方と対話をしたとき、市長はどのような病院のどのような経営の理念を語っておられたのかを伺いたいのであります。市民に愛される、市民に役立つ病院になることを願って、市長が医師たちと熱く語っていたならば、医師たちが、かくもたやすく病院を見限って離れていくとは思われないのであります。私は、年寄りでありますから、なにわ節的かもしれません。けれども、市長が語られた愛する市立病院への熱い思いを伺いたいのであります。よろしくお願いします。
第3点、夜間急病診療所の分離に関して伺います。
かつて医師から、夜間急病診療所の二次医療の対応は大変きついので、何とかならないかと申出があったと聞きました。そのとき、夜間急病診療所運営委員会は、現状のまま続けると結論を出したとのことですが、その理由はどういうものであったのか伺います。
9月8日の厚生常任委員会で市長は、夜診について宮本前院長から特別の申出はなかったと強調されていましたが、以前に医師たちから話があったとすれば、前院長から話があったも同然と考えます。市長は何のために、宮本前院長の名前を出されたのか、そのことで責任を回避されようとしたのなら、宮本前院長の名誉にもかかわる重大な発言と考えますが、いかがでしょうか。
今回、6,000万円余を掛けて夜間急病診療所を分離・独立することになりましたが、当然、市民への医療水準は低下します。むしろ現状のまま二次医療への対応を強化し、固定医などの補強を行うことが正しい対応ではなかったかとの疑問が浮かびますが、いかがでしょうか。医師を大事にする余り、市民をなおざりにしてはいないかと思うのであります。
第4点、常勤の内科医の確保の見通しについて伺います。
実現するのかどうなのか、必ず実現するべく努力しているとおっしゃるが、根拠のない楽観論にすぎないのではないかとも聞こえます。目標とするめど、期限はいつか、10月末か11月末か、年末なのか、来年の3月31日か、それとも市長の任期までか伺います。
医師確保を困難にしているもう一つの要因は、病院長の不在であります。
社長のいない会社には、普通勤めないものであります。病院長問題はどんな見通しか、伺います。そして病院長も決められず、常勤の内科医も不足している市立病院は、今後どうなるのか伺います。常勤の内科医を確保しますという約束も果たさずに、市立病院の在り方について広く市民各層に呼び掛け、検討の場を設けるとはどのような意味なのか、ほかの質問への答弁にもありましたが、真意を図りかねています。
第5点、今年からスタートした市立病院経営健全化5か年計画は、初年度から破たんし、累積赤字は幾らになるのか見当も付かない有様です。50億円を超えるのではないかと見る者もおります。小川市長は、次の任期も続けられるのかどうか不明ですが、もし退任された場合、その後に江別市は赤字再建団体に転落するのではないかと真剣に心配する市民もおられます。一般会計と合算して、貯金を差し引き約44億円の負債が生じた場合、夕張市のように赤字再建団体となるそうですが、江別市の場合はどうか、その見通しについて伺います。
第二のテーマとして、市民サービスの精神について伺います。
小泉内閣が終わりを告げようとしています。小泉内閣の功績の一つに挙げられるものに、地方分権の方向付けとともに、官から民へというか、民ができることは民間に任せようという風潮を生み出したことが挙げられます。このような官から民への流れを社会が支持する理由は、官による仕事の能率の悪さとともに、サービスの悪さがあります。例えば、国有鉄道がJR株式会社に変わった結果、サービスの在り方は確かに変わったと思います。電車や列車に乗ると、本日はJRをご利用いただきありがとうございますとアナウンスが流れます。多少最初はこそばゆい気がしましたが、悪い気はいたしません。民間のサービスは、お客様は神様ですほどではないにしても、お客様あっての企業と考え、決して企業あってのお客様とは考えません。ですから、社員や従業員に、お客様には心からありがとうございますとあいさつをさせます。
よくよく考えれば、江別市役所にしても、市民の税金で成り立っているのですから、市民あっての市役所であり、市民は感謝の対象となるお客様と考えることができると思います。つまり江別市役所は、市民に感謝しつつ奉仕する市民サービス株式会社と置き換えて考えるべきではないかと思うのであります。
なぜこんな分かり切ったことを私がくどくどと述べ、質問することにしたかと言うと、最近、江別市の課題となっている顔づくり事業や先ほど島田議員が問題とされましたみどり保育園民営化問題などで、だれのために市役所は事業を展開しているのかについて疑問を抱かせる事象を見掛けるからであります。それは、十分な情報公開がなかったり、行き届いた心遣いがなく、役所に都合の悪い情報が伝えられなかったりといった市民サイドの不満を見聞きするとき、市の職員には市民のために働いているとの基本的認識が欠けているのではないかと、つい考えてしまうのであります。
そこで、第1点として伺いますが、市民サービスの考え方について市はどのように職員を教育しているのか、その状況を教えてください。もし余りそのようなことはやっていないということであれば、またやっているとしても、もっと積極的に職員の意識の改革に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
第2点として、市役所の中で職員と擦れ違っても、顔見知りの職員はともかく知らない職員はにこりともせず、知らん顔であります。おはようございます、こんにちは、こちらから声を掛けても、余り反応は良くありません。来庁した市民に、笑顔であいさつする習慣を育ててはいかがでしょうか。そのために、おはようございます、こんにちは、ありがとうございます、ご用件は何でしょうか、どうぞお申し付けください、またおいでください、ご苦労さまでしたなどのあいさつマニュアル集を作って実行すること。できれば開庁前の2分間、課ごとに課長の指導で声を出して唱えることなどで、習慣付けをしてはどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。
第3点、庁内放送も活用して市民サービスをアピールしてはどうかとも考えます。
開庁時、昼休みの始めと終わり、閉庁時などに、例えば市民の皆様、市役所にご来庁ありがとうございます。ただいまから交代で職員は昼休みを取らせていただきます。ご不便をお掛けしないようにしておりますが、ご用の節は近くの職員に遠慮なく声を掛けてくださいなどのアナウンスがあれば、それだけで和やかな気分に市民もなりますし、職員のサービス精神のかん養にもなると思いますが、いかがでしょうか、ご一考ください。
第4点、市役所OBの方々を庁内案内の有償ボランティアとして活用することも良いのではないかと思います。定年で退職されたOBの方々は、一般市民となっていかに役所勤務は優遇されていたかを実感すると、あるOBの方から伺いました。現在の窓口案内を廃止し、職員OBの方々に交代で1日数時間ずつ古巣で腕章を付けて、庁内案内の有償ボランティアとして活躍してもらうと。それらの方々は、民間の経験を生かし、市民サービスの具現化の案内人になっていただけるのではないかと考えます。ご見解をいただきます。
第三のテーマとして子育て特区構想について伺います。
なぜか近ごろは、何か市政がぎすぎすした感じがしてなりません。明るく江別市の未来を開く構想はないものかと考えて、この問題を提言することといたしました。今、顔づくり事業が展開されていますが、私は江別の将来の顔は建物や街路といったハードなものづくり事業が必ずしも代表するとは思っておりません。むしろソフトな事業の展開により、江別市を全道に、そして全国に印象付けることも大事なのではないかと思います。その点で、特区と名のって子育てに特化した政策展開とまちづくりを江別市政の目玉とすることは、少子化時代にふさわしく、そして全市を挙げて取り組める事業にもなり得るとも思います。
江別市は、子供を生み、育てるのに素晴らしい環境を持っているから、子供が成長するまでは江別市に住もうと、若い人々が思ってくれるようなまちづくりを大勢の市民が知恵を出し合って考えてはいかがかと思います。札幌などへの通勤もしやすい反面、大都市と違って顔の見える地産地消の食べ物にも恵まれ、自然も豊富だから、子育て特区構想の条件は十分にあります。
最近、江別市は保育園の公設民営化をいつの間にやら既定路線のように進めています。どのような考えなのか、今一つよく分かりません。市営の数園は、子育て特区内のモデル保育園として全市の保育園のネットワークセンターの役割を果たせないかとも思います。ただし、そこに働く職員は素晴らしい働きぶりでもモデルであってほしいと思います。
中学校区ごとに複数の小学校、そして保育園とグループ化を図り、幼児から中学校までの地域で見守る一貫教育などの工夫、もちろん幼保園は親の就労にかかわらず入園できることとなるでしょう。さらには、あかしや保育園の幼老共同事業をモデルとして、全市的に高齢者と幼保園児との触れ合いを進めることも可能でしょう。子育て特区構想は、若者の人口増をもたらし、市内に活気を呼び込みますし、どうやらまだゆとりのある周辺地域の宅地造成事業にも好影響をもたらすでしょう。江別市の新しい心の顔づくり事業として広く市民の声を集めながら、子育て特区構想に取り組むことを検討してはいかがかと提案します。理事者のお考えを伺います。
第四のテーマであります。江別駅周辺再開発事業について伺います。
第1点、長年の懸案であった江別駅周辺の再開発事業も、江別市街地近代化促進市民会議の幹事の皆さんの努力、あるいは町村代議士のご支援と、これらをつなぐ江別市経済部の働きによっていよいよ着工も間近となったようです。しかし、最終段階にきて足踏み状態のように見えます。そのため地域住民の中には、何回も市にはだまされたから、建物が出来上がるまでは信用はできないとか、最近では、市立病院問題の影響で、駅前再開発は中止になるのではないかなどのうわさも飛んでいます。市立病院問題とは関係なく、江別駅前の事業は進むものと理解していますが、どうか、市長の明快な答弁を求めます。また、江別では、雇用者が集まらない心配があるとの企業の憂慮もあると聞いていますが、なぜ足踏み状態のように見えるかなどについて、現時点の状況について理事者から説明と報告を求めます。
第2点、江別駅前市街は、シャッター街から駐車場街へと変化してしまいました。条丁目地区の市民は、最寄り品や買い回り品の購入にすら不便している状況ですが、駅前に進出予定の企業からも働く人々のためのまちにあるべき、例えばアフター・ファイブなどの施設が不足しているとの指摘があるやに聞いています。その点について、商業者、商店街の対応と問題点、その解決の見通しはどうかについて伺います。また、業務棟部分には、コンビニエンスストアや飲食街も予定されていると聞きますが、地元企業の進出など、どのように考えているのか、理事者の答弁を求めます。
第3点、報道によれば、札幌市内に多くのコールセンターが進出しているようであります。江別駅前は都心から電車で20分前後とはいえ、利便性などで札幌都心に比べれば不利は免れません。今回の進出企業に間違いなく根付いてもらうために、それなりの条件を提示し、確実なものにするための施策を必要とすると思います。江別の将来の発展という長い目で見て悔いのない手を打つべきと思いますが、どのように考えているのかお示しをいただきます。
今日まで、江別市の企業誘致は、工業団地への工場の誘致として進められてきました。しかし、IT産業の興隆によって企業や工場のイメージも大きく様変わりした現在、今後は江別市内の商工業地区の活用のためにも、今回の江別駅前地区への企業の誘致は大事な試金石となると思います。積極的なご答弁を期待いたします。
くじ運が悪くて、質問の一番最後になってしまいました。そのために多くの方が既に質問したことを繰り返すことになりましたけれども、失礼をお許しいただきたいと思います。
以上でございます。
副議長(小玉豊治君)
伊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
伊藤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、市立病院問題についてのご質問にご答弁を申し上げます。
内科医の辞任について、1点目の職を辞した理由がどこにあるかというお尋ねでありますが、さきの厚生常任委員会でもご答弁申し上げましたが、これが理由だと限定できるものではなく、その背景には様々な要因がきっかけとなって、今回の状況が生まれたものと考えられます。
その内容としては、全国共通の医療環境を巡る構造的な問題として、一つ目に、医療過誤訴訟などの医療リスクの問題、二つ目には、臨床研修医制度による大学医局自体の医師不足の問題、三つ目には、開業ブームなどであります。また、江別的な背景としては、夜間急病診療所の病院併設が夜間拘束や二次救急対応などの過重労働につながり、医師の負担となったものと考えております。
2点目のこの事態を招いた責任の所在についてでありますが、結果として常勤内科医不在の事態を招いたことの責任は私自身にあるものであり、今は当面の医師確保が、私に課せられた責任の取り方であると考えております。
次に、病院経営の理念について、医師各位にどのような経営の理念を語られたかとのお尋ねでありますが、昨年、今後の市立病院の経営についての基本の考え方として、経営健全化計画の推進について医局会で、医師各位にお願いし、この計画の実現が市立病院の基本方針にある経営の健全化につながり、ひいては病院理念の達成を目指すことになる旨、説明したところであります。
次に、夜間急病診療所について、1点目の夜間急病診療所運営委員会での結論に関してのお尋ねでありますが、夜診の分離・独立についても、夜診運営にかかわる議論の一つとして課題となっておりました。昨年度の運営委員会においても、市立病院医師である委員からも提起されておりましたが、固定医師の確保の問題、二次救急の受け入れ態勢などの課題などもあり、その段階では結論を見るに至らなかったものであります。
2点目の9月8日開催の厚生常任委員会での宮本前院長に対する私の発言に対するお尋ねでありますが、先ほど今回の事態を招いた責任は、私にあることを申し上げたところであります。委員会質疑の中で触れたことは、私自身の責任回避と取られたのであれば、全くそのような趣旨の発言ではないことを申し上げたいと存じます。
3点目の夜診の対応について、現状のままとのお考えでありますが、先ほど私は内科医不在の要因の一つとして夜診の病院併設も挙げられると申し上げました。したがいまして、一次救急医療と二次救急医療とを分けることが今後の持続可能な医療の提供につながるものと考えているものであります。
次に、医師確保について、1点目の常勤内科医確保の目標とする目途についてでありますが、齊藤議員の一般質問にもお答えいたしましたように、私を先頭に助役、病院長職務代理者、病院事務長が北大、札幌医大に医師派遣の要請活動をしております。現在、両大学の医局でそれぞれ検討いただいている状況にあり、具体的に何月までに何人ぐらいというようにすぐには言えませんが、今はできるだけ早く複数の常勤医師を確保することに全力投球をしていることについて、ご理解をいただきたいと存じます。
2点目の病院長人事につきましては、目途を付けなければならない時期と判断しておりまして、できるだけ早く解決したいと考えております。
3点目の内科医の不足している市立病院は今後どうなるのかというお尋ねでありますが、内科医確保は経営状況に直結する深刻な問題として受け止めておりまして、まずは、複数の常勤医確保に全力を尽くしてまいりたいと考えます。
4点目の市立病院の在り方についての検討の場につきましては、今回の常勤内科医辞職の事態を元に医師の充足・確保が非常に難しい環境の中で、市民医療を確保するための市立病院の在り方を今一度考えていく場とするものでありますので、ご理解いただきたいと存じます。
次に、赤字再建団体についてのお尋ねでありますが、自治体の赤字団体への臨界点は、標準財政規模に対する実質収支の比率が20%を超える赤字の場合を言うものでありまして、普通会計の太宗を占める一般会計予算編成において、通常のルールに基づき収支の健全性を維持していく中で考えていくものと思われます。
このほかにつきましては、助役ほかをもってご答弁を申し上げます。
助役(中川正志君)
私から、市職員のサービスについてのご質問にお答え申し上げます。
やや以前の話になりますけれども、行政は最大のサービス業であるという著書をお書きになった市長がおられました。当市におきましても、江別市民は最大のお客様であるとの認識の下、日々市民サービスを進めているところでございます。
このような中で、お客様である市民に満足いただける持てなし精神のかん養でありますとか、接遇についてのレベルアップにつきましては、従前より特に意を用いて当たるよう職員に指示してきたところでありまして、平成17年度に改定いたしました行革大綱におきましても、推進項目の一つとして、窓口サービスの向上を掲げているところでございます。
これら実践のための職員教育に関しましては、接遇スキルの習得といった個々具体的な職員研修だけにとどまらず、部下のサービス意識向上や接遇におけるリーダーシップといった管理監督者のマネジメントレベルでの研修も実施するとともに、事務改善運動の実施の際には、窓口接遇を含めた活動を行っておりますことから、今後ともこれら政策の取り組みを継続してまいりたいと、こう考えております。また、ご質問にございましたあいさつ励行、またマニュアル作成などにつきましては、一部では既に取り組みを行っているところでございますが、全庁的な推進となるよう取り組んでまいりたいと、こう考えております。
なお、庁内放送並びに職員OBの案内ボランティア活用に関しましては、サービス向上のための貴重なご提言ととらえまして、今後、研究してまいりたいと考えております。
次に、江別駅前再開発事業の関係でありますが、今議会初日の駅周辺再開発調査特別委員長が報告いたしましたとおり、民間の事業者であります特別目的会社(SPC)として商業・業務棟のコールセンター企業の正式な社内決定が遅れているため、事業の着手も遅れておりますが、今後、福祉棟を先行して着手すべく調整を行っております。それによりますと、福祉棟の着工は、11月上旬の予定で、商業・業務棟は12月上旬の予定とのことであります。完成につきましては、それぞれ明年9月末、10月末を予定しており、今日までSPCと市双方で実現に向けて、種々の課題をクリアしながら、着工目前に至っているところであります。
こうした状況を踏まえまして、江別駅前の商業環境整備につきまして、このたびの民間主導でのSPC事業でコンビニ、レストラン等のテナントを計画しておりまして、そのことが地区の活性化の起爆剤となり、既存商店街にも波及し、長く疲弊してきました駅周辺地域が活性化してくれることと地元企業の方々がテナントとして多数参入されることを期待しているところであります。このため、市といたしましても、制度資金融資等での支援をしてまいりたいと、こう考えております。
次に、企業誘致でありますけれども、今回誘致しております駅前のコールセンターに対しましては、相当数の雇用が見込まれ、地区の活性化にも大きく寄与するものと、こう考えております。
最近では、情報化の急速な進展によりまして、町なかにこうしたコールセンターをはじめサーバー業、画像処理業、サービス業などのような、過去にはなかなか誘致が難しいと思われた産業支援サービス業などの業種も想定されてまいりました。これらの誘致を図るためには、雇用に対する新たな優遇策も必要となっておりますことから、昨日の宮澤議員のご答弁の中でも申し上げておりますが、市といたしましても、コールセンターをはじめとする産業支援サービス業に対して札幌市と同程度の制度を設けたいと考えております。そのほか今回のコールセンターにつきましては、運営面で社員の雇用、研修等につきましても、市内4大学との連携を図る中で支援をしてまいりたいと、こう考えております。
私からは以上であります。
健康福祉部長(宮内清君)
私から、子育て特区構想についてお答えを申し上げます。
江別を特色あるまちとするために、子育てに重点化した政策、施策の展開を図ることは、今日の少子化の中にあって、次代を担う子供たちの環境づくり上、非常に重要なことであり、大切なことと考えております。
ご質問の子育て特区構想は、市民の多様なニーズにこたえるために、既成の枠にとらわれることなく、様々な事業を有機的に組み合わせるなど、多様な展開を図ることが重要とのご提言をいただいたものと受け止めております。
そこで、今日の国の保育政策においても、時代の要請を受け、大きく変わろうとしており、従来の保育に欠ける子供を預かるといった考えから、子供全体に対象を広げ、育児支援として多様なニーズにこたえるような方向が検討されているところであります。その中て、幼稚園、保育園につきましては、本年6月、国において就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が制定され、幼稚園と保育園等における小学校就学前の子供に対する教育及び保育並びに保護者に対する子育て支援を総合的に提供する認定こども園が創設され、認定基準に関する条例を都道府県が制定することとなっており、北海道においても、近々条例を制定すると聞いております。このことから、当市といたしましても、今後、道条例に基づき保護者のニーズ把握や市内の幼稚園、保育園との連携を図りながら、就学前児童の子育て支援施策を推進していく必要があると考えているところであります。
当市においては、これまでも第5次総合計画の子育て環境の充実という施策に基づき関係機関、ボランティアなどの理解、協力をいただいて、多種多様な子育て支援に取り組んできているところでもあり、独自に支援ボランティアの育成や昨日もご答弁申し上げました子育てサポーター制度等を実施してまいりましたが、これからも重点的に進めていかなければならないものと考えているところであります。
いずれにいたしましても、今後も既成概念にとらわれることなく、市民の期待に沿った満足度の高い江別らしい仕組みと事業展開について研究してまいりたいと思います。
以上であります。