平成18年第3回江別市議会会議録(第4号)平成18年9月15日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(小玉豊治君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
島田議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
島田議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
初めに、市民参画条例についてでありますが、地方の自主、自立が求められる時代の流れの中で、そこに住む人々の知恵と勇気、アイデアと行動力で地域経営をしていくことが必要となっております。そのためには、地域を構成する一人ひとりの市民やNPO、市民活動団体、企業などがそれぞれの持つ多様な能力をまちづくりに生かせることが重要であり、そうしたことを可能とするためには、江別市としてのまちづくりに関する自治の形を構築することが不可欠であって、こうしたルールを定める自治基本条例の制定は、市民自治を実現する上で大切な要素であると考えております。
そのようなことから、市民の英知を傾けた形で条例を練り上げていただくために、昨年6月から公募市民などによる市民懇話会において、自治基本条例の骨子づくりを進めておりますが、先般、市民懇話会において条例骨子の中間報告がまとまったことから、市五役との意見交換や議員各位との合同勉強会を行い、今月13日からは、市民向けの意見交換会を市内4か所で開催し、幅広い市民からの意見をお聴きしながら、条例骨子を最終的にまとめる見通しとなっております。その後、条例の条文化を進めるために、仮称でありますが、条例策定市民会議を設けまして、学識経験者などによる専門的な立場でのアドバイスを受けながら、最終的に条例案を作成する予定であります。
そこで、自治基本条例と整合性を図りながら、市民参画条例を検討すべきではないかとのご質問でありますが、市民参画条例の目的などにつきましては、一般的に各施策の企画立案から意思決定に至るまでの過程において、住民が自己の意思を反映させることを目的として意見を述べ、また提案を行い、さらに各施策の実施過程において参画を推進するための手続などを定めるものが多く見られます。
全国の自治体においては、これまで自治基本条例の制定前に市民参画条例を制定してきたところもありますが、最近の動きとしては、自治基本条例に市民参画などの基本的な考え方を明らかにし、条例を制定した後に住民の熟度を高めながら、合意形成を図る中で市民参画条例を制定することが主流となっております。
いずれにいたしましても、このたびの市民懇話会の中間報告において、市民参画の推進について触れられておりますが、現在、市民懇話会で自治基本条例の骨子づくりが進められておりますので、今後、そこでの議論なども見極めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、市立保育園の民営化について、これまでの対応と今後の進め方に関するご質問にお答えいたします。
保育園の民営化につきましては、昨年6月から保護者との意見交換会を実施し、保育園など子供を取り巻く環境の変化や江別市が置かれている現状と民営化の必要性について意見交換を行ってきたところでありますが、平成18年4月の民営化は、時間のない中で拙速すぎるとの保護者の声や市としても広く審議会等の意見を聴く必要があると判断し、平成18年4月の民営化は見送ったところであります。
これまでの市の進め方については、反省すべきものは反省する中で、今年1月に改めて保護者との継続的な話合いができるようえべつ保育園連合父母の会に話合いの窓口設置について提案し、合意が得られましたので、5月に第1回目の話合いを開催したところであります。この間、市では社会福祉審議会の答申を踏まえ、みどり保育園公設民営化基本方針を策定し、各保育園での説明会を行ったところであります。基本方針では、引継ぎ期間として委託の前後を含め1年程度確保することや、現在のみどり保育園の保育内容の質を維持、向上できるような保育園運営上の内容を重視した事業者選考基準とするとともに、事業者の職員採用についても、経験年数のバランスを考慮して一定の条件を加えることなど、子供への配慮についての保護者の不安に対する意見、要望等を十分考慮したものとなっております。
こうしたことから市では、基本方針全体の協議を保護者側にお願いしているところでありますが、残念ながら、保護者側はまず民営化の是非について議論をし、それが納得できない限り市としての協議には応じられないという姿勢を崩しておらず、基本方針全体についての協議は受け入れてもらえない状況にあります。
市といたしましては、保育サービスに限らず総合的な子育て支援サービスのより一層の充実を図っていく必要がありますことから、限られた時間を考えますと、民営化に向けた選考組織の立上げなど、スケジュールに基づいた事務手続を進めてまいりたいと考えております。
なお、保護者とは基本方針等の理解を得るために引き続き努力をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、市立病院事業についてでありますが、まず、本年度スタートする経営健全化計画の実効性につきましては、医療の根幹である医師が確保されない限り計画の達成は困難であり、常勤医師確保のため最大限の努力を傾注しておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。また、経営健全化計画につきましては、一般質問初日の星議員の質問にもご答弁いたしましたが、医師確保について一定程度の見通しを得た上で、各部門での健全化の取り組み、さらには医師との連携の在り方について練り直していかなければならないものと認識しております。
次に、医師の待遇につきましては、まずその給与について今後、医師の確保のためのみならず、現在市立病院にあって市民医療にご尽力いただいている医師に市立病院に踏みとどまっていただくためにも、早急にこれを見直してまいりたいと考えております。また、内科系医師にとりまして、過重な勤務の要因の一つであった夜間急病診療所につきましては、これを10月1日から錦町別館に夜間急病センターとして分離・独立することとしているとともに、夜診の二次対応につきましては、内科系医師同様、小児科医師につきましても、厳しい勤務状況にありますことから、この緩和に向けた対応を進めてまいりたいと考えております。さらに、夜間急病センターの分離・独立は、今後の医師確保、さらには定着のための条件整備の一つであると同時に、地域医療を守っていく観点からは、一次医療と二次医療の体制を明確にする中で、将来に向けて持続可能な医療体制を構築するためのステップとしていかなければならないと考えております。
私は、地域医療の確保と経営の健全化のため、こうした可能な方策を実行に移すとともに、まずは複数の常勤医師確保に向け最大限の努力を傾注してまいりたいと思いますので、ご理解賜りたいと存じます。
このほかにつきましては、助役ほかをもってご答弁申し上げます。
助役(中川正志君)
私から、レジ袋の削減効果についてお答えをいたします。
レジ袋の削減に関する市の事業といたしましては、以前からマイバッグ運動に取り組んでいる江別消費者協会と連携し、その活動を支援する一方で、平成16年度に消費者、スーパーなどの販売事業者、さらに市の三者によるごみゼロ推進連絡協議会を立ち上げまして、商品購入時におけるごみの発生抑制に関して意見交換を行うとともにごみ減量ポスターコンクール、マイバッグ運動啓発のぼりの配布などこれらを実施し、また広報誌等を通じて継続的に啓発に努めているところであります。
業界団体の数字を基に市内のレジ袋の使用量を推計いたしますと、年間約3,200万枚、重量にして300トン程度と考えられておりますけれども、市内では、大手スーパーを中心に、マイバッグ持参者に対する特典制度を設けてレジ袋の削減に取り組んでおりまして、ある大手のスーパーでは、特典制度により年間1%ないし2%程度の削減につながっていると、こう聞いております。しかしながら、マイバッグにつきましては、ライフスタイルと密接にかかわっておりますことから、まだまだ浸透度が低く、加えてコンビニエンスストアの利用が増えておりまして、スーパーとは購買行動が異なることから、総体として目に見える形でのレジ袋の削減には至っていない状況にございます。
全国的にも、同様の状況にありますことから、国におきましては容器包装リサイクル法を見直し、それぞれの事業者が個別に削減目標を設定して明年度から施行されることになりました。この改正を受けて、各小売業者は、それぞれの立場でレジ袋の削減に取り組むこととなりますが、既に大手のスーパーチェーンでレジ袋の有料化に踏み切ることを表明したところが出るなど、今後の削減に大きな効果が期待できるものと、こう考えているところでございます。
市といたしましても、法律施行を一つの契機として関係団体と連携して意識の啓発に努め、市民にマイバッグの持参等を呼び掛けて、レジ袋削減の機運を高めていこうと、こう考えておりますので、一つご理解をいただきたいと存じます。
私からは以上であります。
企画政策部長(藤田政典君)
私から、PFI事業についてお答え申し上げます。
PFIは、平成11年7月に民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律が制定され、民間の資金と経営上のノウハウや技術的能力を活用し、これまで公共が担ってきた公共施設等の設計、建設や維持管理、運営を一体的に民間にゆだねるものであります。これによって、社会資本を効率的に整備し、より質の高いサービスの提供とコストの削減が期待されるものでありますが、一方では、事業実施に伴うリスクの民間への一部移転やSPC自らの資金調達がポイントになります。これらを行うには、専門的なノウハウが必要であり、弁護士やコンサルタントを活用することになるため、これに要するコストも大きく一定規模以上の事業でなければ、採算が合わないとも言われております。
議員のご質問にもありました札幌市山口斎場は185億円、稚内市廃棄物最終処分場が26億円、北大環境資源バイオサイエンス研究棟が61億円の契約額となっており、いずれも相当規模の事業となっているものであります。江別市におきましても、平成15年2月に策定したPFI導入指針により、実際上の導入に当たっての問題点や課題等を整理しながら、判断基準や手順を定めております。これに基づき費用対効果が高く良質な公共サービスを提供できること、財政負担の軽減や平準化が図られること、一定の事業規模を有することなどの判断基準により、適切な事業を選択する必要があります。
今後、一定の要件に合致し、対象となるような施設の建築等があれば、それぞれの事例ごとに制度適用の可否などを検討することになりますが、まず前提となりますのは、施設そのものの建設が真に必要な事業であるかどうかということであり、これが最も重要であると考えております。そのようにご理解を賜りたいと存じます。
以上であります。
島田泰美君
ご答弁ありがとうございました。
それでは、三点ほど再質問をします。まず、市立保育園の民営化について質問します。
前段でも述べましたように、市は今日に至る経過の中で、市立保育園の在り方について平成16年6月から、各保育園の保育士や職員の方々と意見交換会を、そして8月から園長会を各6回ずつ行い、またまとめの説明会も行ってきたところです。この一連の中で、平成18年4月から指定管理者制度をこの保育園にも導入していくとの話もあったと思います。いわゆる保育園の民営化です。そして、平成17年度からは、保護者の方々に市立保育園のあり方の検討についての中で、六つの保育園のうち1保育園を民営化したいという説明がありました。この流れの中で、私は少なくとも、まず平成16年度の意見交換会や園長会をこの時期か、若しくはその前に保護者へ民託の説明があってしかるべきであり、保護者への配慮が欠けていたと思います。
市は今後保護者への理解が得られなくても、スケジュールどおり進めていくようですが、計画案や立案の段階で市民や保護者に早く公表し、理解を求めていくことは、これからも絶対不可欠かと思います。どう考えているのか、お聞きいたします。
次に、レジ袋削減効果について再質問します。
レジ袋削減のPRの手法として、現在スーパーのレジの前に小さな旗を立てることなどは余り効果がなく、広報などのほかに新たにスタートした市民活動センターや各種の市民活動団体と連携して、より広範囲に市民に直接伝わる効果的なPRを行っていくことを考えてはどうでしょうか。また、マイバッグ運動に参加する団体を増やすことと、現在既に参加、活動している市民団体との協働を具体的に広げ、進めてはどうでしょうか。例えば自治会に対する補助金の例にあるように頑張っているところ、つまり自腹を切ってでもマイバッグを配布している団体や効果的に実績を上げている団体に、市は重点的かつ多面的に支援を行うことで、マイバッグ運動をより積極的に、また具体的に進めることができると考えられますが、いかがでしょうか、お伺いします。
次に、再度市立病院問題について質問いたします。
今後において何名かの医師の確保はできたとしても、累積赤字はかさむばかりで、ここに至っては相当の決断がなければ、病院の財政再建はあり得ないと私は思います。そこで、建設的な提案を申し上げます。現在、全国的に同じように、市立病院の赤字を抱え、病院経営の健全化に向け取り組んでいる自治体が幾つかあります。特に、注目しているのが、兵庫県芦屋市の市立病院が実施している院内開業という制度であります。この制度は、空いている病院の診察室を一般の民間開業医に貸し出し、開業医は病院に家賃を支払い、独立したスタッフ、会計で診療所を運営することができるシステムであります。また、入院や手術が必要な場合は、病院内の空いている病棟や機器を利用することができ、病院の医師と同等の診療が行えるメリットがあります。いわゆる空いたスペースを開業医にレンタルすることであり、公立病院の一部民営化という発想でもあります。
この市立芦屋病院は、病床数が272床と当市と同じぐらいで、診療科は9科あり、その他不採算科の泌尿器科、歯科をその対象として院内開業方式を導入しています。また、この市立病院も一般会計から当市と同じ額の約9億円が繰り入れられていて、院内開業方式を導入することにより、約5億円の削減を見込んでいます。この方式は、医師不足を解消するための有効な選択肢の一つでもあり、また、開業医師を地域に定着させることにもつながると考えられます。
今、当江別市立病院の累積赤字は年内に50億円にも上ると言われ、このことは市の財政を圧迫し、大きな不採算事業となってきました。また、3年後に市の財政は13億6,000万円の財源不足が発生するとの報告もあり、夕張市の二の舞になりかねません。したがって、今後において、この方式を含め早急に対策を講じてはいかがでしょうか、お考えをお聞きしたいと思います。
以上で2回目の質問を終わります。
市長(小川公人君)
島田議員の再質問にご答弁を申し上げます。
病院の関係でありますが、今後の市立病院の経営の在り方につきましては、これまでも市民の医療ニーズにこたえると同時に、経営の健全化を確保していくこととしており、今後、総合的に経営の在り方を含め、検討していく中で、今、議員からお話のありました院内開業方式ですか、そういったことを含め、多様な議論がなされるものというふうに認識しているものであります。
したがいまして、このことを踏まえ今般、まず庁内に庁議メンバーを中心とする関係部長等からなる庁内会議を発足させたところでありますが、今後さらに、医師、有識者などからなる市立病院の在り方を検討するための組織を設置し、市民への医療サービスの提供と健全化のためのあらゆる可能性を検討していく考えでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
生活環境部長(富川核君)
レジ袋に関してでありますが、この削減に向けた効果的なPRのためには、年齢層や生活様式の違いなどを考慮して、様々な方法によって啓発を重ね、市民の意識改革を促し、マイバッグの持参につなげていくことが必要であると考えております。また現在、マイバッグ配布もメニューに含んだ環境教育プログラムの実施をNPO団体の取り組みを活用し、協働して進めているところであります。
今後にありましても、活動団体やその活動範囲の拡大とともに、それぞれの団体の活動内容等を踏まえながら連携を図り、レジ袋削減に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
健康福祉部長(宮内清君)
私から、保育園の民営化の再質問にお答えを申し上げます。
市立保育園の運営の在り方が全国的な課題となっている中、当市においても課題であったことから、平成16年6月から、所管において検討を始め、市としての基本的な考え方がまとまったことを踏まえ、平成17年6月から保育園の置かれている状況や民営化の必要性など、市としての考え方について共通の理解を得るために保護者との意見交換等を行ってきたものであります。
そこで、保護者への説明をもう少し早い時期に行うべきではなかったかということでありますが、市としましては、内部方針の決定後でないと責任ある説明ができないことを考え、この時期になりましたことをご理解願います。また、市民や保護者への公表についてのご質問でありますが、市としましては、今後におきましても、計画案などを策定しました段階で速やかに公表してまいりたいと考えておりますし、みどり保育園の公設民営化につきましては、子供への影響を十分考慮し、保護者、事業者、市の三者協議の場などで、今後とも基本方針についての意見、要望をいただきながら保護者の理解を求めてまいりたいと考えておりますので、そのようにご理解をお願いします。
以上です。
島田泰美君
それでは最後に、市立病院のみについて簡潔めいりょうに要望いたします。
4日ぐらい前に、一議員として市立病院を少々の時間ですが視察してまいりました。患者さんも少なく閑散としていましたが、私自身現在の先生方や看護師、准看護師、そして職員の方々は今どういった様子なのか、大変気になるところです。現在、現場を預かっている病院長職務代理者におかれましては、大変ご苦労なさっていると思いますが、先生方をはじめスタッフの皆さん方の士気が上がるように、今後とも是非頑張っていただきたいと思います。
それで、病院長職務代理者としても、もしコメントがあればお聞きしたいと思います。なければよろしいです。
以上、要望として終わります。
病院長職務代理者副院長(梶井直文君)
市立病院病院長職務代理者副院長として発言させていただきます。
9月末日をもちまして、常勤の内科系医師が不在になることは、開院以来の非常事態であります。市民の方々に不安や心配、そしてご迷惑をお掛けしていることに深くおわび申し上げます。
病院長不在において職務代理者という立場でありますが、市長を先頭に私も医師派遣要請活動を積極的に行うとともに、現在残っていただいている医師がさらに退職しないよう、また病院職員全員の思いが一丸となるよう努めてまいりたいと考えております。
昨日、宮澤議員が病院を船に例えて激励のお話がありましたが、正に江別市立病院丸は、皆様のおかげで平成10年12月に新しい病院として出発しております。病院職員一同、そのときの感激、こういう病院で働けるという感激と意欲をもう一度思い起こして頑張ろうと、みんな力を一にしているつもりでおります。残念ながら、今の江別市立病院丸は主力エンジンである内科系医師が全員退職されるということで、メインのスクリューが非常に回りが遅くなっております。しかしながら、ほかの科は従来どおり活発に元気に活動しております。左右のスクリューは元気に回っております。船主である市長には、新しい船長となる人材を早く派遣、就任依頼していただくということと、それから、内科のエンジンをまた快調に回すように内科医を確保するために努力していただく。私、それから病院事務長共々内科医の確保に努力していきたいと思っています。
以上です。