平成18年第1回江別市議会会議録(第5号)平成18年3月28日 8ページ
6 議事次第の続き
決議案第1号の続き
吉本 和子 君
決議案第1号 江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議に対し、反対の立場で討論を行います。
この間、市民の中から、顔づくり事業に対し反対の声や疑問の声が上がってきています。これは、市に対する公開討論会の申入れ、また道知事や道の都市計画審議会に対して事業の中止を求める要望書の提出、さらに市議会議員に対しても決議を行わないよう求める要望書が提出されるなど、これら市民団体の運動が議会においても広く知られるところになっています。
しかし、決議では、今日に至るまで時間を掛け数多くの市民説明会、地域意見交換会、土地区画整理事業及び道路計画説明会などを積み重ねてきており、総体的に市民合意が得られているものと判断するとあります。平成17年3月に市が発行した都心地区整備基本計画にも記載されているように、全市的な市民説明会については平成10年度1回、平成16年度2回、そして平成17年度1回という開催状況です。それ以外に開かれた説明会は、地権者や野幌駅を中心とする関係住民が対象となったものです。さらに言えば、平成16年度に行われた市民説明会に参加した275名のうち、アンケートに回答した181名を地域別区分で見れば、野幌地区の方65%に対し、江別地区18%、大麻地区11%と、大きな地域格差があります。このような実態から見ても、この顔づくり事業が全市民的な問題となっていないこと、ましてや市民理解が得られたと判断するには余りにも拙速と言わざるを得ません。
予算特別委員会の質疑でも明らかなように、全市民的に関心が高まったのは平成17年5月以降、正に都心地区整備基本計画概要版の冊子が広く市民の目に触れ、手元に渡り、初めて顔づくり事業の全ぼうが全市民的に知らされるところになったからと考えます。
江別の顔づくり事業は、その名のとおり江別市全体の事業であり、決して野幌地域の事業ではありません。だからこそ、全市民的な情報公開や議論がもっともっと必要であり、到底今までの説明会で理解を得られていると判断することは困難であり、今出されている市民からの疑問や反対の声を議会としてもしんしに受け止めるべきであると考えます。
また、決議は北海道知事及び北海道議会議長あてに、本事業の早期実現が図られるよう強く要望するとあります。しかし、都市計画審議会が現在審議中であるこの案件に対し、本来、公正、中立の立場に立つ審議に間接的であれ影響を及ぼすことがないのかと、市民に疑念を持たせるようなことは、この時期だからこそ慎まなければなりません。議会としては、都市計画審議会の慎重な審議を尊重し、その答申を待つべきであると考えます。
都市計画、まちづくりの分野において、住民参加を掲げない自治体はないと言っても過言ではありません。さらに近年は、住民参加から自治体と市民による協働、パートナーシップへと、住民をまちづくりの主体の一役として位置付けようとするスローガンを掲げる自治体も増えてきています。江別市もまた、市民協働は自治の原点であり、市民の力は都市経営に欠かすことができないと明確に述べています。その立場に立てば、現行の市政に協力的な人々や団体の意見だけではなく、相反する意見も聴き、議論を重ねることが重要であり、むしろこのような市民運動を引き上げることによってこそ対等なパートナーとして、市民と行政による協働が実現していくものと考えます。
その中で、市民を代表する機関である議会が決議を行うということは、市民の総意として周囲から理解されます。今、一定の市民の方々が、この顔づくり事業に対し疑問を持ち、徹底した市民的議論を求めていることが明らかになっている以上、議会として決議をすべきではありません。
以上申し上げ、江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議について、反対の討論といたします。
以上です。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
赤坂 伸一 君
決議案第1号 江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議について、賛成の立場で討論をいたします。
思いが一杯ありますので少々長くなりますが、お許しをいただきたいと思います。
今ほど、一般会計の予算が可決されたところであり、平成18年度は顔づくり事業について、道が進める鉄道高架事業に対し事業負担金も盛られ、また公社用地の先行取得などが進められておりますが、都市計画決定の重要な年となるわけであります。今ほど、反対の立場から、全市民的な理解が得られないことを理由とするのは、ためにする議論とも思われます。今の時期を外して、国や道の支援はなかなか難しい、このように考えるものであります。
そこで、この事業は、南北閉そく状況の解消、交通アクセスの緩和とバリアフリー化、周辺の近代化、経済の活性化、少子高齢化時代の快適空間の醸成など、計り知れない効果が期待できると思われます。
特に、地元では、昭和62年に現在の期成会の前身となるまちづくり推進期成会が、自治会など5団体で結成され、20年に達しようとし、今日まで連綿とした運動が展開されてきたところであります。当時は、鉄道高架事業は夢の政策課題と言われてきましたが、地元の熱心な活動により、夢が長期の課題となり、今や実現へ大きく近づき始め、期待も大きいものがあります。
一方、この間、議会にありましては、自主的な組織として、過半数を大きく超える議員より鉄道高架議員連盟が組織され、研修会、先進地視察や地元との意見交換会などを実践してきた経過があり、形態と位置付けは異なりますが、現在の特別委員会の下地や背景ともなったと思われます。
さらに、市は、道・札幌市など先進地での経験者を招へいし、体制の強化を図り、調査と推進体制を構築してきたところであり、これを踏まえ、今日まで市民と地元対象の各種説明会、個別説明会など開催してきたところであります。
提案の中にもありましたが、これまで地域の熱い願いと活動を背景に、平成7年新総計後期基本計画に位置付けられ、議会論議を経て、今日まで11年間、鉄道高架の必要性が論議され、また推進されてきたところであります。
これを踏まえて、国・道・JRなど関係機関と協議が進められ、平成15年12月には国の着工準備採択を受け、近年では特別委員会での論議、地域での説明会、都市計画審議会等での事前説明なども行われてきており、毎年度、調査費等の予算が計上され、議会として審査とチェック機能を果たし、それが結果に反映されてきております。平成8年度から平成16年度までの調査費の総額は約3億5,000万円余となっていることが、このことを示すものであります。
平成17年度の基本計画にも示されておりますが、特に個別事業では、一つに、地域住民や議会の要請を受けまして、6丁目アンダーパスの歩道、あるいは自転車道への変更がなされ、二つに、都市計画道路について、道路交通のアクセスからも所要の幅員を確保する、こういうことが極めて重要であり、また区画整理事業についても、減価補償の範囲内での減歩率緩和のための公共用地を確保するなど、最大限の配慮がされてきているわけであります。まだ個別に減歩率が高いのは、土地の形状や私道などによるもので、やむを得ないものがあります。さらに、仮称市民の暮らし会館については、目的、事業費、事業手法など、引き続き議会の審議、地域の方々と協議を進めること、あるいは求めることは言うまでもありません。
さらに、財政面では、およそ376億円の事業のうち113億円の負担とのことであります。起債が60億円、15年での償還としても、先般の答弁でもありましたが、毎年度3億7,000万円、そして平成36年度、平成37年度ごろにはピーク時を迎える。その間、既発債の償還が毎年1億円ずつ、あるいは1億円ないし2億円ずつ減る。およそピーク時には総額25億円の償還額が見込まれる、こういうことであります。
一方、ごみ処理施設建設に、私どもは109億円の建設費を投入してまいりました。起債が約70億円であります。この償還はおよそ毎年度6億3,000万円程度となりますが、言わばまちづくりのこの償還前に、この償還が終わり、非常にいいタイミングを演出してまいります。
この事業の推進、言わばまちづくり事業の推進には、その意味で、一般財源と基金の効果的な活用により十分に対応できるものであります。
以上、身の丈に合った事業と財政運営に心掛けてきたことがうかがわれますが、この間、議会での予算、決算、特別委員会での審査、一般質問を通じて、財政の見通しなどをチェックされ、論議されてきております。これが責任ある市民への説明の一つと考えるものであります。
さらに、福祉施策の充実は大変大事なことでありますが、少子高齢化を迎えるとき、何もしないでいると単純に経常収支比率が上がる、改善されないばかりか、上がる傾向にあります。駅周辺やまちの不便と衰退を黙って見ていて良いのでしょうか。福祉施策は毎年累増することは明らかであり、現状の制度維持のためにも、拡大再生産による税財源の確保が重要であります。顔づくり事業による近代化の推進により、経済効果が発揮され、人が集まり、商店街が活性化し、企業進出や雇用の場の創出の足掛かりが期待でき、ひいては、例えば固定資産税、市民税、法人税など税収増加に結び付き、福祉施策の維持、継続が展開できるものと私は確信するものです。
よって、ここに江別市民の意思を示し、北海道、道議会に対し、事業の早期実現が図られるよう、財政支援も含め要望するものです。
また、決議案の結果によって、理事者、部局の皆さんにおいては、地権者や地域の方々に対し、積極的かつ自信を持って説明と対応をされるよう、そして円滑な推進が図られることも併せて要望いたします。
以上申し述べ、決議案の賛成討論といたします。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
坂下 博幸 君
江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議に、賛成の立場で討論に参加いたします。
野幌駅周辺地区の整備計画については、近年では平成3年に野幌駅周辺地区のまちづくりから始まり、野幌駅周辺地区まちづくり、都心地区基本構想案、平成17年の都心地区整備基本計画が多くの市民要望、ご意見からのボトムアップで作成され、市民等による数多くの議論を経て、現在に至ったと考えております。
江別の顔づくり事業の説明については、市主催の説明会が19回、土地区画整理事業について、市主催の説明会が31回と報告を受けており、このほかにも道路計画説明会等、市民要望により小規模の会合や、個人宅にも説明に当たっていることを承知しているものであり、多くの時間を掛けて議論と説明の中で、総体的に市民理解が深まったものと考えております。
また、駅周辺再開発調査特別委員会においても、決議案にあるとおり、市民の側に立ち、事業の妥当性を検証し、身の丈に合った事業規模を検討した経緯から、同事業計画を進めるべき機は熟したと判断しております。
少子高齢化の現象は、まちづくりの考え方に大きく影響してまいり、当市の意思として、市街地の拡大から市街地の拡大を抑制することを基本に、よりコンパクトなまちづくりを目指すときに立ったと考えております。しかしながら、どちらかと言えば、今までは市街地の拡大に重きがあった傾向もあり、中心市街地の整備は今後の課題としておりましたが、今後のまちづくりを考えると、近年の駅前空洞化の課題解決や土地の有効活用、南北の交通利便性の向上を図ることの意義は大きいと考え、江別の顔づくり事業の必要があると考えます。
よって、江別の顔づくり事業の早期実現を求める意義は大きいものと考え、江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議に賛成の立場で討論といたします。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
島田 泰美 君
決議案第1号 江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議について、賛成の立場で討論に参加いたします。
江別の顔づくり事業の原点は、平成2年3月に出された江別総合都市交通施設整備計画調査であります。それによると、江別市の近年の都市環境を踏まえ、野幌駅周辺地区における望ましい交通施設の在り方を検討すると記されております。その後、平成7年度に江別の顔づくり事業は、江別市新総合計画後期基本計画に位置付けられ、議会の議決を得ております。平成9年度に、都心地区基本構想の素案の作成後、様々な地元説明会や市民説明会、街なか整備協議会の立上げ、各関係機関との協議や計画の検討を重ねてきました。そして平成16年度には、連続立体交差事業着工準備が採択、都心地区整備基本計画が策定、議会と行政、そして市民が江別市の将来を見据えた事業として検証され、本格的な議論が交わされております。
また、その間、施行区域を17ヘクタールから13ヘクタールにするなど、身の丈に合った事業に見直すことで、コストの削減に努めてきました。
基本計画策定に至るまでの取り組み及び市民、住民との合意形成については、平成10年から平成16年に掛けて市民説明会、地域説明会、区画整理説明会、道路計画説明会など、数多くの説明会を開催することによって、まちづくりの基本的な考え方は総体的に市民の理解を得ているものと受け止めております。
しかし、いまだ理解を得られていない区画整理事業の対象となる市民については、今後とも十分に意見を伺い、一方的な行政手法を取ることだけは避けなければなりません。
江別の顔づくり事業は、これからの高齢化社会を迎えるに当たって、大切な交通の結節点として駅周辺の充実を含め、都市機能の利便性を十分発揮するインフラ整備であります。
よって、本事業実現のためちゅうちょすることなく推進することを要望して、賛成の討論とします。
以上。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
坂本 和雄 君
ただいまの江別の顔づくり事業の早期実現を求める決議に対して、賛成の立場で討論いたします。
第5次総合計画は、平成16年度から前倒しでスタートしたもので、少子高齢化社会に向けた今後10年間の江別のまちづくりの基本的方針を定めたものであります。人が輝く共生のまちを将来都市像として、都市目標を創造、うるおい、安全のまちに置き、これからのまちづくりを進めていくものとしております。
顔づくり事業実現のために、六つの施策の方向のうち、その一つは、安全で快適な都市生活の充実に位置付けられ、市民の安全性、利便性、快適性を図るため市の財政状況を勘案し、施策への貢献度、重要度が高いものとして位置付けられたものであります。これからの江別市の都市経営にとって、実現しなければならない重要なこととして、市議会でも5年余りにわたり十分議論してきたものであります。
この事業は、財源問題を棚上げにしてできるようなものではないので、身の丈に合った事業を目指すというのは当然のことであり、必ずやれる事業として前進するとともに、江別市の財政力の範囲で、工夫と熱意を持って臨めば、目的は必ず達成するものと思います。極力無駄な投資はしないように、常にコスト意識を持ち、財政計画との整合性を図りながら、柔軟かつ確実に事業を進めていくことが必要であります。
今後事業を推進するに当たり、今、正に非常に大事な時期にあり、この機会を逃すと今後50年間は巡ってこないときぐされるものであります。
この顔づくり事業による野幌駅周辺道路網などの整備により、地域住民のみならず市民にとっても、安全・安心で利便性が向上するまちになるものと確信しているところであります。
永年の悲願である江別の顔づくり事業の推進を強く要望するものであり、今後は市民の理解と協力を得て進めていくためにも、より一層の情報公開に努め、次代を担う子供たちに素晴らしい遺産を残していこうではありませんか。
以上をもって、賛成の討論といたします。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより決議案第1号を起立により採決いたします。
決議案第1号は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
(「議事進行」の声あり)
高間 専造 君
ただいまの決議案第1号につきまして、それぞれの立場から討論をいただきました。
その中で反対の方から、この関係につきまして議会もしんしに受け止めるべきであるという発言がございました。ところが、議会を代表する岡村議長は、公式な公開討論会の申入れに際しまして議会を代表して、議会は住民の直接選挙で選ばれた議員によって選挙権、監視権の機能を発揮し、総意に基づく政策を推進する使命を担っており、会議情報の公開に努め、しんしな議論が行われ、住民の代表として政策判断を下してきたものと認識していると明確に答えております。この議長の正式回答に対して、反対の方は、議会もしんしに受け止めるべきであるというのは、非常に私は疑問を持ちますので、この件につきまして議事録精査して、議長職権で削除していただきたいと思います。
以上です。
議長(岡村 繁美 君)
ただいま、高間議員から議事進行発言がございましたので、議事録精査及び発言者の真意を確認させていただき、議長として判断をいたしますので、暫時休憩いたします。
午後4時17分 休憩
午後9時46分 再開